やなぎみわ×上田洋子「なぜ私は巨大トレーラーを所有しているのか――現代美術から野外劇へ、そして巡礼へ」(2021/1/14収録)@yanagiza @yuvmsk #ゲンロン210114
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無料ダイジェスト動画はこちら!https://youtu.be/wwPypv30nH4無料レポート記事(渾身の関西弁バージョン!!)はこちら!https://www.genron-alpha.com/article20210123_01/【収録時のイベント概要】美術家のやなぎみわの大規模プロジェクト、ステージ・トレーラーを用いた巡礼劇『日輪の翼』( http://nichirinnotsubasa.com/ )とはいったいなんなのか。ゲンロンの上田洋子が聞き手となり、その全貌を伺う。やなぎの活動を手がかりに、人間にとってアートとはなんなのか探ってみたい。やなぎは2014年、台湾から巨大なステージトレーラーを輸入。その後、自らデザインしたこの移動舞台車を使って、野外劇のプロジェクトを始めた。それが中上健次の同名の小説を下敷きにした野外巡礼劇『日輪の翼』である。2016年、横浜トリエンナーレでの上演を皮切りに、中上の故郷である和歌山県新宮港、横浜、香川県の高松港、大阪の造船所跡地、京都の東九条、神戸の兵庫津など、海や川のそばで巡業を行ってきた。『日輪の輪』は、熊野の「路地」の老婆と若者の放浪物語である。主人公たちは伊勢、諏訪、出羽、恐山などの霊場、そして皇居をトレーラーで巡礼する。やなぎの舞台には、俳優のほかに、サーカスのクラウンやアクロバット、ポールダンサーやミュージシャンたちが登場し、祈りとエロティシズムの大スペクタクルを繰り広げる。京都公演では韓国の伝統芸能が、神戸公演では、一遍上人の遊行が重ねられ、芸能と宗教の関係が考察された。原作を実践するように巡礼劇の意味合いを強めている。莫大な費用をかけて巨大トレーラーを購入し、デザインし、台湾から日本に運ぶのは容易なことではない。気候の違いなどから、維持費も莫大にかかるという。トレーラーの所有によって、やなぎの人生は変化した。野外劇に取り憑かれたやなぎにその面白さとダイナミズムを存分にお話いただく。また、日本や世界における芸能とアート、宗教の問題も議論されるだろう。*なお、ロシア・アヴァンギャルドの演出家メイエルホリドはロシア革命翌年の1918年、新しい国の新しい民衆芸術を作るにあたって、あらゆる種類の芸術、演劇、エンタメ、サーカスのアーティストたちが一体となるべきだと述べている。メイエルホリドはその根拠として、バレエを見たある兵士の「バレリーナのダンスは巧かったが、彼女が道化と踊ったらもっとよかった」という言葉をあげている。ソ連初期はエリートのための芸術の脱却を試み、様々なジャンルが混交する豊穣な芸術・文化を生んだ。やなぎの仕事には、こうしたアヴァンギャルドへの憧憬も見ることができる。日本の現代美術や舞台芸術において、より広い層の観客に開かれた作品を作るとはどういうことなのか。あわせて考えてみたい。なぜ私は巨大トレーラーを所有しているのか – ゲンロンカフェhttps://genron-cafe.jp/event/20210114/