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魚住昭×仲俣暁生「『読書する大衆』はいかにして作られたか――『出版と権力』に見る近代」 (2022/4/7収録) @solar1964 #ゲンロン220407
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【収録時のイベント概要】「老人にも子供にも男にも女にも面白い、とても面白い、そして学者も実業家も会社員も職業婦人も、読みたくてたまらない、年齢、性別、職業、地位を超越した雑誌でなければならぬ。その上、ためになる、とてもためになるものでなければならない。」大日本雄弁会……のちの講談社を創業した野間清治が、雑誌『キング』について述べた言葉です。日本出版市場初めて発行部数100万部を突破した、大衆雑誌の元祖とも言われるこの雑誌の創刊をはじめ、近代日本における大衆文化、そしてその華であった出版文化を考えるうえで、「講談社」という会社の歴史を避けて通ることはできません。今もコミックスをはじめ、様々なジャンルで多くの人の手に取られる出版物を作り続けている、そして近年では海外への進出にも積極的に取り組む、日本を代表する出版社の一つと言えるでしょう。その講談社と、舵を取った野間家の歴史について、約150巻にも及ぶ秘蔵の速記録をはじめとする、膨大な資料から迫った大著『出版と権力』を執筆したのがフリージャーナリスト・ノンフィクション作家の魚住昭さんです。本イベントでは、ゲンロンカフェでもおなじみの文筆家・編集者の仲俣暁生さんが聞き手となって、本書をもとに日本の近現代を紐解いていきます。1996年以降、雑誌そして書籍も含めた出版業界の売上は減少を続けてきました(出版科学研究所調べ。2019年以降は電子書籍も含めた金額で増加に転じている)。これもまた講談社が起点となって作られた「雑誌の販売ルートに書籍も乗せる」という日本独自の流通網を活かし、全国に本を届ける拠点となった書店も、減少の一途をたどっています。また2019年に行われた文化庁の国語に関する世論調査では、およそ半数の人が1カ月に「1冊も本を読まない」、6割以上の人が「読書量は減っている」と回答しており、この傾向は10年以上続いています。かつての大衆文化を生み出した「読書する大衆」は、もはや存在しないのかもしれません。では、それに支えられた出版文化はどこへ向かおうとしているのでしょうか。明治末期に創業し、大正デモクラシー、第二次世界大戦、占領期、高度成長期、そして現代と、時代を駆け抜け続ける出版社の歴史を通して、その未来を考えます。■魚住昭『出版と権力――講談社と野間家の一一〇年』(講談社)https://amzn.to/3IhssXq■「読書する大衆」はいかにして作られたか – ゲンロンカフェhttps://genron-cafe.jp/event/20220407/

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