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by高森明勅
新聞・テレビなどの報道では、自民党圧勝の勢いだとか。 だが、自民党は主な争点を見事なくらい、 皆はぐらかしている。 原発は維持・推進していくのか、 廃絶を目指すのか。 TPPの交渉に参加するのか、しないのか。 消費税増税の扱いをどうするのか。 全て態度を明らかにしないまま。 国防軍を創設すると言いながら、 国防の為に尊い一命を捧げられた英霊を祀る 靖国神社への首相の参拝すら、明言しない。 こんな無責任で不誠実な政党を何故、支持するのか。 経済政策に期待しているのか。 先日のゴー宣道場でも、 自民党支持を表明した参加者の1人が、 公共事業の経済効果を、 旧式の経済入門書の記述をなぞるように説明していた。 しかし果たして、そうした楽観的なシナリオは成り立つのか。 公共事業で利益を得た企業が、 その利益を借金の返済や内部留保に回せば、 マネーの循環は滞る。 従業員の給与が僅かばかりアップした場合も、 それが貯蓄に回れば、お金の流れはそこでストップだ。 景気への影響は抑えられてしまう。 結局、政府が借金を積み上げただけに終わる。 国家財政の悪化は、 人々の消費マインドをさらに冷え込ませる。 あの時、発言した本人も 「出来るだけ消費に回すようにしている」 という言い方をされていた。 これは、一方でいざという時の為に蓄えを確保しながら、 許容範囲の中で「消費に回す」ということだろう。 責任ある社会人として当然の態度だ。 「お金を回す」ことが景気浮揚に繋がる、 と力説する人物ですら、そうなのだ。 ならば、企業が内部留保を抱え込み、 一般の市民が貯蓄に励むのも、無理からぬものがあろう。 もちろん本来の意味で、国土強靭化は必要だ。 だが、それに名を借りたバラマキは許されない。 日本経済の実力を高める為の公共投資でなければ、 無意味どころか、むしろ弊害ばかりが大きい。 安倍自民党に、そうした戦略的投資が出来るのか、どうか。 原発やTPPといった、 国家と国民にとって死活的に重要な課題から 「逃げる」ような政党に、 一体何を期待出来るというのか。 有権者は自らの投票(あるいは棄権)の責任を必ず取らされる。 後で泣き言を言っても遅いのだ。
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