●自転車と乗用車の衝突事故の修理費用を巡る控訴審で、大阪簡易裁判所が一審どおり自転車側の過失を100％とする判決を下したというニュースがありました。 この事故は10歳の児童が乗る自転車と乗用車が信号機のある交差点でぶつかったものですが、通常は自転車とバイクならバイク、バイクと乗用車なら乗用車、と破壊力が強い方の責任割合が高くなります。これは相手に危害を与える可能性が大きい方により注意が必要との考えからのものですが、自転車それも子供の運転しているものと大人が乗る乗用車の事故で100対0とはいったいどうしてでしょう。 その理由は、自転車が歩道上を徐行せずに走行したうえで赤信号を無視して突っ込んだのに対し、乗用車は青信号なのに交差点の見通しが悪かったため十分にスピードを落として徐行するなど、これ異常ないほど慎重に運転していたからです。 わたしもクルマを運転しているとき、傍若無人な自転車によく遭遇します。歩道を猛スピードで走っていたかと思うと、いきなり車道に飛び出して逆走し赤信号でもおかまいなしに突っ込んで来るのですから恐ろしいことこの上ありません。さらに、そんな相手でも万一接触すれば自動車側も...

●経済産業省が自らを女性だと主張する50代のトランスジェンダー“女性”職員に対する女性用トイレの使用制限を撤廃したというニュースがありました。この職員は幼少時から男性という自身の性別に違和感がありつつも男性として入省し、その後にホルモン投与を受けるなど性別移行を開始し2010年から“女性”として勤務していました。 しかし、いくら本人が「わたしは女よ」と言ったところで男性時代を知っている者としては「はい、そうですか」といきなり女性扱いするわけにはいきません。庁舎内には生来の女性職員も多数います。そんな彼女たちがトイレでこの“女性”職員に出くわしたらどう思うかと考えた経産省は当該職員が使えるトイレを1箇所に制限しました。 これに対し、トランスジェンダー職員は「毎回、勤務しているフロアから2階以上離れたトイレまで行くのはかなわん。女性の自分が庁舎内の女性トイレを自由に使えないのは差別だ」と裁判所に訴えたのですから大変です。その結果、2023年7月に最高裁が「トイレ制限は違法だ」という判決を下したのです。 それでも経産省はその他の女性職員の権利を守るべくトランス職員のトイレ制限を1年4ヶ月にわたり続行してい...

●ちょっと前になりますが、10月1日、東海道新幹線が開業から60周年を迎えました。1964年、戦後20年を待たずして敗戦時に最貧国の1つだった日本が、戦勝国のアメリカやイギリス、ロシアさえ成しえなかった時速200キロ以上の高速鉄道を東京―大阪間で世界に先駆けて走らせたのです。 東海道新幹線は当時「夢の超特急」と呼ばれ、昭和の高度経済成長期を駆け抜け、平成、令和の3つの時代を走り続けて累計約70億人を運んできました。開業当時の新幹線「ひかり」はそれまで在来線特急「こだま」が6時間30分かけて走っていた東京大阪間を2時間30分も短縮する約4時間で結んだのですからまさに「夢の超特急」だったのです。ちなみに「こだま」はその運行開始前まで東京から大阪まで8時間かかっていたため出張する際には宿泊を余儀なくされていたものを、この列車を利用すれば日帰り、すなわち『行って戻ってくる』ことが可能になることから名付けられました。そして「ひかり」は「こだま」（音）より早いのは光だということで「ひかり」となったのです。 それから60年、新幹線はさらに進化を続け、いまや東京―大阪間が2時間30分を切るところまでスピードアップされただけでなく...