【ヲタ評×キルラキル(後)】
父親の仇を探す為、現場に残された片太刀バサミの謎を追って本能寺学園に転校した纏流子。しかしそこは、身に着けた者に人外の力を与える極制服を着た生徒会役員達に支配されていた――
キルラキル 1 [Blu-ray]
前回予告した通り、第六回はキルラキル評論の後編!
前回はキルラキルとてーきゅうの類似性から、本作品におけるスタッフの熱意を考察してみたわけだけど。
後編は、そもそもキルラキルってどんなアニメ? スタッフは何がしたいの? って話。
僕が思うにキルラキルって作品はとんでもなく古臭い、だからこそ新しいと認められる作品だと思うわけ。
ずばり、キーワードは『70~80年代』。
学園の雰囲気、教室で勉強している様子や下町の描写に、例えばスクールウォーズ、スケバン刑事、男塾やあぶない刑事、パトレイバーなんかのテイストが感じられないだろうか。
不良娘の典型のような主人公は勿論、パッパラパーの親友に、気の良すぎる母親と助平親父、子悪党の弟や昼行灯の教師と、当時の時代性をテンプレートにしたようなキャラクター布陣。
内容に関しても、良い意味で突っ込み所満載な、『こまけぇ事はいいんだよ!』展開に、やはり良い意味で小学生レベルのギャグを繰り返すドリフ的鉄板芸のラッシュ。エンディングからは松田聖子等の80年代アイドル臭が香ってくる。
出前のバイクが出てくれば尽く主人公に奪取された懐かしき時代。あれから3、40年が経過した今、時代の波に埋もれた古き良きノリ、展開、雰囲気、その他諸々を今の技術と方法論でリバイバルさせた作品。それがキルラキルの根本であり、狙いなんじゃないだろうか・・・・・・ってのは言いすぎだよね。
そこまで難しい話じゃなく、ぶっちゃけると、監督や脚本等のメインスタッフが、大好きな時代の大好きなノリと展開をどうしてもやりたくてやりたくて仕方なくてとうとうやっちまった。それだけの作品だと思うわけですよ。
大の大人にしてプロ中のプロによる盛大な自慰作品だと思うわけ。そりゃ、わざわざ独立してまでオリジナルアニメ作ったんだから当然の話なんだけど。
安易な原作付き、メディアミックスのアニメ作品が多い中、時代に流されず『俺はこういうのが大好きなんだ、文句あっか!』とぶち上げた作品だからこそ、キルラキルはこれほどまでに期待され、多大な人気を博しているんだろう。
70~80年代ネタの他にも、外画オマージュやグレンラガンネタ等々、随所に『好き』がぶち込まれた本作品。語れる事はまだまだあるけど、残念ながら字数オーバー! 最後に一つ付け加えるなら。
みんな、良い作品はDVDを買って応援しようね!
それでは第七回で!
十文字曳参(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。
ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/
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十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ
企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp
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