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小飼弾の論弾 #59「対談・脳科学者 茂木健一郎さん @kenichiromogi (その4)脳科学なんて意味がない?!」
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小飼弾の論弾 #59「対談・脳科学者 茂木健一郎さん @kenichiromogi (その4)脳科学なんて意味がない?!」

2017-10-26 07:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    今回は、9月25日(月)に配信した、脳科学者 茂木健一郎さんとの対談テキスト(全4回)をお届けします。

    次回のニコ生配信は、10月30日(月)20:00の「小飼弾のニコ論壇時評」。今時のニュースを小飼弾がズバズバ斬っていきます(21:00頃からは、通常の「小飼弾の論弾」になります)。

    お楽しみに!

    2017/09/25配信のハイライト(その4)

    • 人工知能のシンギュラリティと身体性
    • うまくいくプレゼン術を教えて
    • 脳科学なんて意味がない?!
    • 意識はどうやったら、解明できる?
    • VALUでアニメ開発費捻出は難しいか?

    人工知能のシンギュラリティと身体性

    山路:人工知能の話で言うと、「身体性」というキーワードが出てくるじゃないですか。そういうリアルなロボットの体を研究するということが人工知能の身体性に繋がってくるんでしょうか。

    茂木:それは、もう本質中の本質でしょ。エンボディメントというか。

    小飼:もしかしたら人工知能というのは、そこらじゅうにいるのかもしれません。

    茂木:どういうことですか? ああ、そういうことか。

    小飼:知能をどう定義するかなんですけど、でも我々とは全く違うIOを持っているがゆえに我々がそれを知能として認識できないだけで。

    茂木:いい話だね、これは。

    小飼:もう、そこらじゅうにいるんじゃないか?

    茂木:シンギュラリティは、もう来ているというのが最近の僕の自説で。というのはギブソニアン的な、環境的な認知モデルをとると、結局チューリングテストは人間型知性を前提にしているから。人間の知性なんて知性のスペクトラムの極一部分だから、それと比較しても意味がないんですよ。シンギュラリティは人間の知性を超えるとか言っているけど、もうだっていいでしょ人間なんかと比べなくても。

    山路:前々回くらいでSF作家の藤井太洋さんと対談したのですけど、藤井太洋さんが言っていたのは実は複式簿記のシステムというのはそれだけでひとつの知性なんじゃないかと。

    小飼:知性体なんじゃないかと。

    山路:私たちの脳とかコンピューターを使って複式簿記というのが勝手にシステムとして動いているんじゃないかみたいな。

    茂木:なるほどね。ソラリスの海みたいな知性を我々は理解できないわけじゃないですか。シンギュラリティはもう来ちゃっていると思いますよ。

    小飼:知性の集合体そのものがまた別の知性になるというのも、可能性としてはありますね。『ブラッド・ミュージック』というSFの傑作がありまして、細胞1個1個が知性体になっちゃうわけですよね。その細胞1個1個が主人公の細胞がそういったわけで知性化しちゃうんですけれども、それだと主人公を生かしておくのに困るので、その細胞たちが主人公のエミュレーションをするわけですね。だからこれは細胞1個1個も知性であり、それでありながら構成された主人公も知性であるというので、人類個々の人というのも知性体かもしれないけど、人類は人類でまた別の知性体かもしれないという。

    山路:そういわれると知性の定義がよくわかんなくなってくる。

    茂木:僕は、知性は危うさと比例すると思っている。弾さんみたいに危うい人がなんとか自分の人生を破たんさせないように、必死に発達させるものが知性だと思っているんで。

    山路:言ってみたら生存の手段のひとつだと。

    茂木:堀江もそうで、危うい。だから東大を出て、官僚やっていてそつのない答弁をしている人というのは全然知性がないんですよ。だってどこにも危なさがないじゃないですか。危ない橋を渡っている人が、カオスなエッジを行っている人が知性一番あるんで、そういう意味においてはトランプもあるのかもしれない。弾さんはトランプ嫌いだと言っていましたけど。

    小飼:こういうのもなんですけれど、非知性的な詐欺師というのはいないはずですから。知性があるから詐欺ができるわけですよ。知性があるから詐欺に引っ掛けられるわけですよね。危うさというのはなかなかいい知性の定義かもしれない。安定的に歩くのに知性いらないというか、アルゴリズムでできるじゃないですか。

    茂木:だからリスクテイクの文化でもあるんですよ。どういうリスクを取るかが、その人の知性の表れという言い方もできる。

    小飼:やはり知る性の「知性」というのは、病ダレのついた「痴性」とあんまり変わらないという。でも「知」という字に病ダレをかけるという漢字の発想は素晴らしいな。

    山路:知性の発達とか考えてみると、食い物なんかを得るために、きっと危ういところで発生してきたんでしょうね。

    茂木:だから僕が最近すごく気になってるのがフェルミパラドックスで。フェルミパラドックスって宇宙に知的生命体がいっぱいいるはずなのに信号が来てないのは、1つの解釈としては文明が発達すると全面核戦争で死ぬからっていう。だからゲーム理論で相互確証破壊で安定が保たれるとか言われていたけど、北朝鮮がやってイランもやってたらなんかだんだんわけわかんなくなってきてある日ボーンってなって。

    小飼:でも単にシグナルのチューニングがずれてるだけっていう可能性も否定できないですよね。

    茂木:ニュートリノでやってるってこと?

    小飼:そうそう、ニュートリノでやってるかもしれないし。

    茂木:重力波かもしれない。

    小飼:そう、そもそも変調方式が違うかもしれないよね。

    茂木:まあ、その可能性は確かにある。

    小飼:AMを聞いてたら実はFMで信号が送られて来ましたみたいな。

    茂木:一方で文明は意外と短命だって可能性はある。それはわかんない。

    山路:これが文明だって人間が認識できるものばかりなんですかね?

    茂木:できないのかもしれない。いろんな可能性がある。ただイーロン・マスクなんか、人類のポピュレーションを分散しないとヤバいって言って火星行こうとしてるわけじゃん。

    小飼:だからって火星っていうのもなあとも思うけれども。

    茂木:まあまあ、ひとつのキャンディデートとして。

    山路:その割には、彼は人工知能は否定してたりとかしてよくわかんないところもありますよね。

    小飼:そこ、よくわからない。

    茂木:っていうかリスクがあるって言ってるんでしょ。

    山路:地球の外の惑星とか行くとか、そういうことやろうと思ったら人工知能的なものって必須なんじゃないのって思ったりするんですけど。

    茂木:ザッカーバーグと議論してたよね。ああいう話は面白いな。

    うまくいくプレゼン術を教えて

    山路:茂木さんと弾さんに質問が来てます。

    「私はイベント企画系の企業に勤めている25歳の新人です。今度会社でパワーポイントを使ったプレゼンを行うのですが自信がありません。弾さん茂木さん、うまくいくプレゼン術を教えて下さい」(コメント)

    小飼:いやー、これはもう何度もやることでしょう。プレゼン上手な人たちが口を揃えて言うのは、何度もやれと。だからある人が上手にプレゼンテーションしてるんだとしたら、多分その人は同じプレゼンを10回ぐらいはしてるんだと。だから実は僕、プレゼンテーションすごく下手なんですよ。なんで下手かって言うと、リハーサルなしのぶっつけ本番なんです。つい新しいことを書いちゃうんですね。いつもぶっつけ本番なので時間の配分がずれますし、スライドにないこと言っちゃいますし。最近はスライドすら作らないでいきなりデモをやりますし。だからその意味ではすごく参考にならないけど。

    山路:スティーブ・ジョブズもすごい繰り返してリハーサルをやったっていう話はありますね。

    茂木:リハーサルやってましたよね。まずプリントアウトを渡しちゃいけないんですよね。

    山路:観客に?

    茂木:事前には。終わった後に渡すのはいいですけど。そうじゃないと今10枚の5枚目、だから次に「One more thing」と言うとかわかっちゃうじゃん。やっぱり展開を読ませないというかサプライズが必要で。でもサプライズがあるんだけど最後にはすべてが納得できるという、これが理想のプレゼンですけど。まあ難しいかもな、最初からはな(笑)。

    山路:とにかく結論としては練習あるのみというか。

    茂木:あと、やっぱり俺、基本的に日本の企業のプレゼンってまったく信用してなくて。

    山路:なんでですか?
     
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