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  • 小飼弾の論弾 #201「サンデルも憂う「能力主義」の罪と、火星ヘリコプター・人工光合成など現実化する未来テクノジー」

    2021-05-15 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年04月27日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年05月25日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

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    2021/04/13配信のハイライト

    • コロナ絡みの話とJTB「バーチャルジャパン」、ITリテラシーと事故
    • 京セラ東洋紡の偽装問題と「日本人経営者というリスク」
    • 「UNIXの権利」と著作権制度の問題
    • 「小泉純一郎のクビ(物理)」と「国債帳消し論」とは
    • 「オリンピックはもうやめよう」とモンテネグロの借金問題
    • 『進撃の巨人』完結の感想(ネタバレ一つ)

    Apple新製品の感想と中国・日本の自動車事情

    山路:今日はまぁタイトルはなんか硬めなタイトル付けちゃったんですけど、いろいろ、皆さんもご存知の緊急事態宣言やら、うんざりするニュースがあるので、最初はちょっと軽めの所から行こうかなと思いまして。たぶん軽めつったら、これが一番軽めなのかなと思ったのが、弾さんも私もApple製品好きなので、この辺り。いかがでした、この前のやつ。

    小飼:ずいぶん待たせたねというのも、AirTagでこうやってやるやつあるじゃん、それって確か11からだったっけな、

    山路:ああ、UWB

    小飼:UWBは

    山路:搭載

    小飼:そこから見るとずいぶんかかったように感じるけど、フィールドテストにそれだけ時間かかったってことなのかね。

    山路:AirTagの噂ってもう2年くらい前からあったんですけど、とにかく最初聞いた時に思ったんですよね、それをストーキングに使われたらどうすんだろうって。その辺りのところの対応にすごい気を遣ってきた。

    小飼:ちゃんと使いづらいような仕様にはしてきたね。

    山路:ちなみに弾さん注文しました?

    小飼:もちろん。

    山路:私も4個入りパックをとりあえず2つ注文

    小飼:おおー

    山路:妻の分もですけど、俺一人じゃないですけど。あれ一つのアカウントで16個まで紐付けとかなんですかね。

    小飼:今のところは

    山路:もうちょっと皆にAirTagが普及してから、だいたいみんなこういうもんだっていうコンセンサスができた辺りで、そういう誓約外してったりとかすんのかなと思ったんですけど。

    小飼:でも、どうなんだろうな。実際に電波出す物っていうのは、狭いところにあまり多くは置きづらいものではある。

    山路:いくら弱いやつであったとしても

    小飼:256個ぐらいだったらまだ行けるかもしれないけど、これが65536個とかね。

    山路:確かにそれ、一人16個あって、それが多少なりとも、もしも全部持って何人かが集まったら大変なことに

    小飼:仮に一人16個だとすると、仮にApple製品のユーザーがみんな16個ずつ買ったとすると、それだけで160億だからね。ただそれでも鶏の数よりは少ないな。

    山路:それと比べる必要が(笑)

    小飼:今の鶏の数が250億で、今はもうあの会社事売っちゃったけど、孫さんがArm買った時には1兆のデバイスって言ってたので、やっぱりそれくらいは全地球的には扱えないと、あれだよね。

    山路:IDとかもうね、UUIDの技術があったりとかするから、問題はないんだろうけど

    小飼:あーでもUUIDで衝突したらすげえ面白いことになる

    山路:この、とんでもないやつが探しものとかで見つかったりするっていう。で、しかも今回AirTagすごいなと思ったのが、要は世界中にあるAppleデバイスを使って、まあそれが何て言うのかな、探索ネットワークの基点になるわけじゃないですか、ノードになると言うか。で、これって探し物だけじゃないよなって、そういうメッシュネットワークでなんかできるのって。だから、なんか知らんけど、すごいインターネットとは別のすごいネットワークがなんかできてくような気がして、何か次の手を打ってくるんじゃなかって楽しみにしてるんですけど

    小飼:でも、確かに10億20億って言うと多く見えるけども、地球もそれなりに広いので、高密度なところはすごい高密度だけど密度が低い所は密度が低いわけじゃん。だからじつは密度のほうもコントロールできない環境下でっていうのは、ネットワークの、ネットワークエンジニアとして、ネットワークエンジニアリングの課題としてすごい興味があるんですよ。

    山路:あとAirTag以外だと、iPad Proとか

    小飼:以外だと、なんて言うのはすごいよな、実は製品的に見るとなかなかすごいイベントで、ついにM1というのか、Intel入ってないiMacが出たし、iPad ProにはついにM1が入るというね。

    山路:AirTagにしか注目してなかったんで、後はもう私にとってはオマケだったんですけど。

    小飼:でもiPad Proが高いと、一番いいスペックの奴というのはもうMacBook Proよりも高いじゃないですか。でもよく考えたらですよ、ずっといいディスプレイを積んでて、カメラもずっといいのついてて、しかもLiDAR付きのを積んでてって、どう考えてもハードウェアとしての出来はiPad Proのほうがこれよりもいいわけですよ。
     それを考えると最高スペックのやつが一番高くなるというのは当然な気もするんだけど、でもやっぱり、もうたかだかiPadだとかたかだかタブレットで、PCでもないくせにっていうふうに、やっぱ一瞬は思っちゃうんですよね。

    山路:なんかディスプレイ凄いらしいじゃないですか。

    小飼:すごいですよね。micro LEDが付いてて。

    山路:マンガ家なんか液晶タブじゃてなくてこっち買うって人もけっこういますね。

    小飼:ただOLEDではないんだよね。OLEDでなくて、micro LEDにしたというのはやっぱりあの大きさだとOLED、要するに有機EL(編注:今回のiPad Proのディスプレイは、有機ELではなく、ミニLEDバックライト搭載の液晶パネル)

    山路:ミニLEDですかね、今回はバックライトだけですもんね。

    小飼:そう、1TBで、ちょっと面白いのが、積んでるRAMの量がフラッシュに比例するというのか、1TBを境に、そう512までは8GBなんだけど、1TBを境に16に上がるんだよね。iPadで16ってなんやねんて感じがするんだけど(笑)

    山路:私のこれ使ってるやつ、8Gだったかな、メモリ。

    小飼:8なのにストレージは2TB積んでるんだ。ちゃんと普通にそういうコンフィギュレーションもできるんだよね。でもiPadの場合、そこ選択肢がないみたいで。でもさ、16あるんだったらさ、macOS余裕で乗るじゃんね。で、キーボードとかもついてるし、macOS動かさない理由もないんだけど、macOSをサポートしてくれてないんだよなー。

    山路:何だろうなあれ、いつかmacOSは載せるんでしょうか、絶対融合はさせないって言ってますけどね。

    小飼:でもその割に、これでiOSとかiPad OSの、アプリが動くじゃないですか。

    山路:Macのほうでね。

    小飼:そう、だから最初、たぶんM1 Macの発表を最初聞いた時に、おいメモリ半分しかねーじゃん、8と16かよって言ってたんだけど、だいたいM1だとIntelの半分で同じことやるのも済んじゃうっていうのが、使ってきての感覚ですからね。まさか8でxcodeがまともに動くとは思わなかったなあ。

    山路:いやーなんかね、最近のやつはちょっと半導体まわりに何かも統合して、神がかった出来になってきちゃってますよね。昔は本当に一発目は絶対ダメな奴って決まってたんだけど。

    小飼:ねえ。

    山路:後の製品、iMacとかに関しては買い換えるつもりとかないんですか?

    小飼:あのね、じつは一番買い換えたいのがiMacで、今僕が使ってるiMacってあれなの、最初のRetina5Kだったんですよ。

    山路:あ、私と同じかな

    小飼:で、の一番いいやつにしたんですけど、でもあくまで当時の一番いいやつなので、メモリー32です、まあメモリ32でSSDが1TBでって言うので、だから当時としたらけっこうなスペックだったんだけど、今やこいつに余裕で負けてるけどね、スペック上で。

    山路:久しぶりにパソコンの進化、速えなって思っちゃいましたよね。

    小飼:なんだけど、それでやっぱりどうせ変えるんであれば、これよりもいい性能のやつにしたいんだよね。で、これと同じだとやっぱりちょっと。特に、あれだったんですよね、今のところ有線Ethernetが普通のGbEしかないと言うね。やっぱりここまで来たら、10GbEのやつを積みたいじゃないですか。

    山路:まぁ今年後半とかなんですかね、やっぱ。そういうプロ向けの

    小飼:あれだよね、27インチで30インチになるのかね、新しい

    山路:ベゼルがね。狭くなったらもう余裕で30インチはいきそうな感じですけど。

    小飼:デザインはそそられるんだよね。

    山路:Appleネタでもう一つ、最近Intelがアメリカに2兆円投資するとか、TSMCが11兆円とか投資するとか言ってたじゃないですか、今度はAppleが46兆円という(笑)、なんすかこの46兆円っていう、なんかどこかの国の国家予算みたいな投資額。

    小飼:まぁだけれども、今やAppleはオールグリーンだと、オールグリーンだというのはもう要するにAppleはもうrenewable energy率が100パーセントだって言ってて、今度はサプライチェーンを全部まるっと100パーセントまで持っていきます、2030年までに持っていきますとかって言ってるんで、だからそれ本気でやるんであれば、それくらいの投資があっても不思議ではないよねっていう。

    山路:しかも別にこういう企業のやる投資は投資だから、消費じゃないですもんね。

    小飼:あとあれなんだよね、いつまでも中国に頼ってられないっていうのもあるのかもしれないね。そろそろ中国で組み立て続けられるのかっていうのに疑問符が挟まってるんだとしたら、むしろ足りないかもしれない。

    山路:台湾有事あってなんかTSMCに何かあったら、もう一発ですもんね。いや怖ええ時代になってきたなと。じゃあ台湾の話が出たとこで、中国関係のテクノロジーすげえよみたいな文脈でちょっと行ってきますかね。なんか、中国がらみでいろいろニュースが出てたんですけども、まず日本絡みのやつでは佐川急便が中国製のEVを7200台入れる

    小飼:これやっぱ、日本のメーカーが動いてくれないのが一番の理由だよなぁ。

    山路:しかしこれもう、何て言うのかな、佐川はこれだけ、最初テスト的にだとは思いますけど、7200台とか入れたら、ずいぶんと物事、勢いつきそうじゃないですか。

    小飼:でも郵便局でも、軽トラをEV化したやつっていうのは使ってて、じつはうちの一番近所のリバーシティ局にもよく止まってんだけどね。

    山路:中国製じゃないですよね。

    小飼:中国製じゃなくて、普通のとか日本の軽自動車。あれは何だろうな、ワゴンR、何が元なのかな。まあでも日本の場合あれなんだよね、メーカーが及び腰なんだよね。

    山路:ハイブリッドも残したいみたいなものもあったりとか、なんかサプライチェーンが云々とか

    「iPadも使ってたんか」(コメント)

    小飼:じつは一番Macの中で稼働率が、高稼働率なのはiMacですね。やっぱ画面が大きいというのはもう目が悪い人間にはほんと重要なので。

    山路:あと中国がらみ、他にもいろいろ進んどるのがあって、CPUに関しても中国企業がまた面白いこと、ロングアーチって読むのかな、「LoongArch」というアーキテクチャを。

    小飼:はいはいはい。

    山路:これいかがですかっていう。そのエンジニアから見て。

    小飼:まぁ使われてなんぼなので、だからCPUアーキテクチャをぶち上げること自体が今やぜんぜん、今やというのか、僕の学生時代からそんな難しくはないんですよね。こういう命令セットを用意してって言うのを、だからそれを実際に作って普及させてっていうのがまた別の話で。RISCプロセッサも、もう本当何種類もあったじゃないですか。要はハイエンドのSPARCだとか、MIPSだとか、DEC Alphaだとか、だからそういうのだけではなくてローエンドのほうでSHとかいっぱいあったんだけれども、

    山路:日立か、SH

    小飼:今本当に、もうx86とArmしかないという(笑)。

    山路:いかにこのアーキテクチャ普及させるのは難しいっていう。そうか、じゃあこの完全自主開発っていうこと自体はまあそんなにトピックでもないっていう

    小飼:そんなトピックでもないというのか、今やFPGAがあるから、学部生でもできるね。だから俺命令セットの俺CPUを作ろう

    山路:夏休みのレポート感覚で作れちゃう

    小飼:そうそうそう。このあいだ言ってた、命令が4種類しかないっていうやつはまさに、まさに夏休みプロジェクトです。でも、あれは単に4種類というのではなくて、ちゃんと意味があってあそこまでしたっていうのがあって、そこに価値があるんですね。命令セット云々じゃなくて。

    山路:なるほどね、普通にRISCのCPU作るだけでは

    小飼:何をするかなんです。何をしたいかなんですよ。Intelが見落としたというのは省電力ってとこだったんですよね。Intelがやってた省電力っていうのは、もうイヤイヤ省電力だったんですよね。

    山路:本当にまだこのLoongArchに関しては、私も詳細見てないですけど、仮にそれが汎用的に何でも使えますよってお行儀のいいような仕様だったら、逆にのしていくことは難しいかもしれないっていうことなんですね。あともう一つ

    小飼:(コメントを見ながら)ああ、そうなんです、実は。激ヤセする必要があってしたわけですけれども。久しぶりに見たとおっしゃってるので。

    山路:弾さんの体重、65kgでしたっけ。私が今66kgか、7なんですけど(笑)。あとこれ中国でもう一つ。自動車学校でAIが使われるようになったという。それだけだと

    小飼:自動車学校があるんだ、中国には。へえー。

    山路:自動車教官という

    小飼:中国ってまぁ、僕がいた頃にはもうとっても交通事故が多い国、確か年間の死者が10万人を超えてたんですね、人口10倍だったって言ったから、だから10で割っても1万人超えてたわけで。今どうなんだろう、今どれくらいなんでしょうね。

    山路:中国の事故……

    小飼:それ言ったらあれだ、日本でこれはめでたいとしか言いようがない日ができたじゃないですか、4月8日何の日だと思います?

    山路:交通事故ゼロの日

    小飼:そうなんですよ

    山路:あ、事故死、事故死ですね。

    小飼:ゼロの日というのがついにできたという。すご過ぎる。

    山路:これは単純にみんな安全教育の賜物と考えていいんですかね。

    小飼:いやでも複合的要因でしょう。

    山路:コロナとか

    小飼:もあるでしょうけども、とにもかくにも誰も死ななかった、交通事故で死ななかった日ができたというのはすごいよな。

    山路:で、その中国のほうのやつはこのAIが教官になることによって、むしろ合格率が上がったという。

    小飼:いやーでも中国で何が怖かったって、僕の妻が「あ、これ私なら運転できるかも」って言ったのが、そこが一番怖かった(笑)

    山路:それはみんなの乱暴な運転を見てってことなんですか?

    小飼:見てなお(笑)。見てなお、私なら行けるって。

    山路:怖いな(笑)、ナオミさん言いそうだな、でも。

    小飼:あ、減っては、ちょっと古いなこの統計、もう少し新しい統計がない、ピークが2006年ぐらいで11万人ぐらい、交通事故死者数が。減っても6万ある。

    山路:じゃあほんとに、人口当たりで言うと、日本の3倍ぐらいは死んでるみたいな。

    スタッフ:2016年の記事なんですけど、ここの見出しで書いてるのは日本の4倍の年間20万人超、自動も1万人っていうふうに書いてますね。

    山路:ああ、中国のやつね。はいはい。

    「中国は車検あるのかな」(コメント)
    「スト2の春麗ステージのイメージ」(コメント)

    小飼:冗談でなく、そんな感じだった。

    山路:へえ、中国の交通事故死は日本の4倍の、年間20万人超。

    スタッフ:これはあれですね、2015年の記事ですね。

    小飼:ちょっと古いな。でも低下傾向にはあるんだよね、たしか。日本ほど劇的ではないんだけど、日本ちょっとすごいな

    山路:しかも自動運転みたいなものとかってガンガン入れてくようになったら、あっという間にこの辺減るかもしれないですよね。もう自動運転車、まだ自動運転車は走ってはなかったと思ったけどもなー。ないっすよね、実験レベル以外では。つまり、ここで言ってるのはレベル4か5なんですよね。

    小飼:中国でやってんのは深センでやってる例というのはなかったっけ。いかにもやってそうだけれども。

    山路:特区とかでそれはあったとは思うが。

    小飼:いずれにしろ、世界的に中国の道路というのは怖いところというイメージはあったので(笑)。

    山路:まあでもそれが本当に

    小飼:だから何と言えばいいのかな、むしろちゃんと、自動車学校があったということがちょっとびっくりだな。

    Linuxの「ミネソタ大学による脆弱性混入」問題について

    山路:その中国人も自動車の教官とか怖い怖いっていう人がけっこう多かったらしくて、AIになって喜んでるっていう記事だったんですけどね、さっきの記事は。いや、けっこうすごいことが起こってますねと、中国のほうで。あとテクノロジー絡みでもう一つ、これは残念なほうのニュースなんですが、オープンソース絡みで。

    小飼:え、それやるか。これは、

    山路:ちょっとこれでかくないですか。

    小飼:でかい。

    山路:やっとかんといかんかなと思って。

    小飼:知らんぷりできるだろうか

    山路:ミネソタ大学、ひでえ奴ら。このオープンソースの、コミットするのに不正というか、害はない……

    小飼:害あるよ。まあ要するに毒入りのコードをプルリクエストしたわけですよね。毒入りのパッチを送りつけたわけですよ。

    山路:で、Linuxの関係者、開発カーネル開発関係者はプンプン激おこだという

    小飼:ミネソタ大学由来のコードを全部取っ払ったと言うね。

    山路:うん。これ、ただこれってもミネソタ大学のやったことはもう言語道断なんですけれども、これってじつはものすごく攻撃として有効だってことを示したことにもならんですか。

    小飼:何、攻撃として?

    山路:攻撃、つまり

    小飼:攻撃そのものは未然に防がれたわけだけれども

    山路:今後オープンソースとかにいろんな形でそういう風な悪意あるコードを混ぜこませてくる

    小飼:いやでも、悪意のある以前に、技術力不足で「なんじゃこのパッチは」って言うのは僕のところにも送られてくるわけです。だからそういうのを未然にハネるのがあれですけれども。
     だからコードリリーフは、今も昔もあるわけですけど、その時の身構え方が変わってくるわけですよ。過失に対しては今までは身構えてたけれども、こういう故意のまで来るって言うふうになると、やっぱりそれは怖いですよ。

    山路:これ、プルリクエストを送っていい権限っていうのも当然指定はできる

    小飼:いや、誰でも送れるの。誰でも、メーリングリストに登録して、ここの部分をこう変えましたという、パッチを送りつける権利はだ、れ、に、でもあるんです。

    山路:それはGitHubのプロジェクトによって、ある程度権限を制限したりとかはできたりはする?

    小飼:いや、でもこれはLinuxカーネルの話です。

    山路:なるほど。なるほどね。ああ

    小飼:だから、どのオープンソースプロジェクトでどういうふうに外からのプルリクエストを受け付けるかっていうのは、それぞれのオープンソースプロジェクトのコミュニティ次第ですけれども、Linux kernelっていうのは、そもそもGitHubが生まれる遥か前からあったわけです。

    山路:で、もうそのポリシーでずっとやってきたところに、こいつらがこういう事をしでかしたという

    小飼:こいつらがって言うのか、で、今やおよそLinuxを授業で使ってないCS、CS Departmentって思いつかない。だから、じつはミネソタ大学はもっとでかいダメージを食らってて。

    山路:つまりそこからコミットできなくなっちゃったわけだから

    小飼:そうそうそう。破門状食らったわけですよ、Linuxコミュニティから。これは要は、ミネソタ大学の学位っていうのが、もうネガティブになるんじゃないと。

    山路:ミネソタ大学全体の問題になってきた

    小飼:ミネソタ大学全体の問題です。いやだって、アットマークの後ろがumdドットeduのものは全部

    山路:うひゃー。

    小飼:取っ払ったわけです。「誰から」じゃなくてアットマークの後ろがumdドットeduだったら、もうダメという。

    山路:過去にもう遡ってまた

    小飼:全部、遡って。

    山路:えええ(笑)。

    小飼:一行残らず。

    山路:えー(笑)。

    小飼:それはどう考えても健全なパッチというのも含まれてます。が、でもミネソタ大学が、ミネソタ大学としてOKを出しちゃったっていうのには変わらないわけですよね。だからそうである以上、過去に遡って、信用ができない先からが届けられたコードということでもとっぱらことに決めたって言うのは、それは当然ですよ。

    山路:そうすると、それをコードレビューをしてる人っていうのは、きちんと信頼ができるようなコードをまた書き直さないといけなかったりもするわけですよね。

    小飼:書き直したところで、だからそれだけで、はい、もう信用できますってなる? だからミネソタ大学はどうやって信用を取り戻すんだろうね。

    山路:いや、そのつまりLinuxの今までのそのカーネルの開発なんかを遡って削除するわけじゃないですか

    小飼:ああ、ありがとうございます、「どこからわからないかすらわからないな」という話ですけれども、これものすごい強引な例えをしますと、新薬、新しい薬をテストする時には二重盲検法使いますよね。要するに薬を出すほうも、薬を飲む、投与されるほうもどっちも、どっちが本物の薬が分からなくて、片方のほうの薬というのは毒にも薬にもならない偽薬というふうに、プラシーボと言いますけれども、それが毒にも薬にもならなくて毒だったと。
     で、これじつはですね、すごいおぞましい例があって、黒人に梅毒を黙って投与したという事件があって。アメリカで黒人の予防接種率が低い理由っていうのはそれだったんです。だから人体実験に参加させられたんです。

    山路:つい半世紀ぐらい前の話ですもんね。

    小飼:はい、だからそういうレベルの話なんですよ。ソースコードではわざわざ脆弱性があったり、わざと欠陥があるコードというの故意に送りつけるって言うのは、そういう話なのね。

    山路:いやーなんかLinux開発者の皆さんもご苦労様な、ものすごい、

    小飼:で、その一方でこういう指摘もありました、「それってケイオスモンキーだね」と。ケイオスモンキーとは何かと言いますと、Netflixの取ってる開発手法で、わざと壊すんですよ。そう、だからわざと壊れて、それでサービスの落ちないかというのを現場でやってるんです。

    山路:ははは、避難訓練毎日やってるみたいな

    小飼:そうそう、だからそれ聞いてうひゃーってなったんですけど、それで壊れてないでしょ。壊すことによってたしかにロバストになるんですよ。で、確かに結果だけ見てるとそうなんですけど、じゃあNetflixと今回のLinuxカーネルの違いは何でしょう、Linuxカーネルプロジェクトと言うべきでしょうか。

    山路:Netflixの場合は、いちおう関係者がそういうテストするって知ってるって事?

    小飼:いや、そういうことではなくって、Netflixは中で閉じてるわけです。Netflixの中の人が別のNetflixの中のコードですとかサービスですとか、或いはサーバというのを、中の人が中の人のために落として、要するに閉じてるわけです。オープンじゃないわけですよ、ケイオスモンキーは。

    山路:コードが外に出るようなことはない

    小飼:そうなんですよ。

    山路:なるほどね。

    小飼:これに対して、今回のLinuxカーネルコードに関しては、他人同士が協力して働いてるという状態で、まさにオープンなわけです。要は、自分のボトルにおしっこして、それ自分で飲むというのは、話を聞いてるとお下劣ですけれども、それはちょっと攻めようがないですよ。

    山路:飲尿療法ありましたもんね。

    小飼:はい。でも、それをたとえば、銭湯とかレストランでやったらどうなるのかっていうことですね。

    「ポトラー」(コメント)

    小飼:ポトラーって言葉あるんですか。

    山路:ほんと罪深いことしたよなあ。

    小飼:でもさ、ミネソタ大学ってけっこう大きな

    山路:有名な

    小飼:UMDってけっこう、だからUMDのレピュテーションどうなっちゃうんだろうね。ごめんなさい、UMDって言ってた、UMNね。UMDって言ったら、University of Marylandのほうになっちゃう、ごめんなさい。

    山路:じゃ、ちょっと口直しに。もうちょっと明るい話の、宇宙のやつ行きましょうか。口直しと言うのも変ですけれども、めちゃめちゃ最近、宇宙のニュース多くないですか

    小飼:ちょっとUMDって言っちゃったのは改めて謝っておきたい、UMNです。これちゃんと

    山路:URLをね。

    「明るいのは最後にとっといて」(コメント)

    山路:いやいや、明るい話、それだけじゃないんで。
     しかしまぁミネソタ大学の件、みんなフェイクニュースの文脈でこういうことをやってたりもするのかもしれないですよね、真実の中に嘘を混ぜるとどうなるみたいな事っていうのを研究者として追求したくなったりしたのかもしれんけれども。これがミネソタの

    小飼:UMNですからね。Dでなくて。

    山路:banするならこっちのほうってことですよね。

    小飼:banされたのはね。

    山路:banされたのはね。

    小飼:ほとんどの人は特に、中の生徒は罪がない、ないはずなんで、少なくとも学部生レベルとかは罪がない。いやでもね、やっぱり大学としてinstitutionalに通しちゃったというのは、これすごいでかくて。

    山路:まあその辺の教授はクビになる感じなのかな。

    小飼:いや、まぁ一応、まだ詫びを入れたという段階で、クビ云々って言うのは、まだ人事は動いてないはずなので。

    「火星ヘリのすごさ」と「空気が変わった」COVID-19とオリンピック

    山路:なるほど。じゃあさっそく、NASAの火星ヘリコプター。インジェニュイティ。すごいっすよねっていう。3年ぐらい前からなんか開発状況とかのニュース見てたんですけども、とうとう飛んだかと、本当に。で、かなり、本体自体はかなり小さいもんですね、翼自体広げると、1.2mですけど

    小飼:どっちかっていうとヘリというよりドローンっていう言いたくなるようなスペックではあるんですけど、でもそもそも火星まで持っていくのが大変なんです(笑)

    山路:そんな頑丈なもんではたぶんないですよね。重さとかから

    小飼:そりゃもう、それは超軽くしないと。

    山路:それを探査機から自動で飛ばして、メンテナンスフリーで、しかも自立航行じゃないですか。タイムラグがあって操作なんてできないわけだから。それを全部やって成功させたって言うのは本当にすごいよなっていう。

    「蚊みたいな形してる」(コメント)

    山路:そうすね。1.8kgと、とにかく軽い。これどう凄いのか、この火星ヘリコプターがどう凄いのか

    小飼:まず凄いのは火星まで持っていくっていうことですよね。一番遠い時には2億キロ離れてるわけですよ。だから火星に比べると月がいかに近いかって言うね。

    山路:近所、もう家の庭みたいなもんですわな。で、条件的に持って、普通に飛ばしたら何でもひゅって飛ぶわけじゃないっすよね、火星で。

    小飼:いや、それはもう、大気圧ずっと低いですからね、キロパスカルないんじゃなかったっけ。ちなみに大気圧が0.1メガパスカル。あるいは100キロパスカル。要は地球だと成層圏オーダーの薄さなわけです。だから地球のヘリ、

    Siri:なにかお手伝いをしましょうか

    小飼:できるのかよ、空気が足りないよ。まさに空気圧が足りないんだよね。

    山路:地球で成層圏まで飛んでいけるヘリコプターってないわけですもんね、単純に。

    小飼:えーとね、ギリギリ、エベレストに着陸したという事例はあります。これが地球におけるヘリコプターの高度記録です。ヘリって難しいんですよ。高度、高く取るのが。

    山路:揚力を発生させるために、大気圧の、大気の密度がある程度ないといけないということに。

    小飼:揚力って大気密度に比例するんで、速度の二乗に比例するんで、旅客機が成層圏、何で飛んでられるかつったら、速いからです。マッハ0.8とか、具体的に時速1000キロとか、そういう速度で飛んでるから、ヘリはそんな速度で飛べないでしょ。
     だから揚力、全部ローターで作らなければいけないので。だから、高々度は難しいわけです。

    山路:なんかインジュニティ、めちゃめちゃ速くローターを回転させるという

    小飼:もう2400rpmって言ってましたね。

    山路:ハードディスクかよ、みたいな(笑)

    小飼:でも今どきのハードディスクは、遅いやつでその倍ぐらいなので。でもローターの大きさ考えたら、大変ですよね。言ったでしょ、速度の二乗って。速度重要なんです。大気の薄さというのをローターの速度でカバーしなければいけない。

    山路:これ、ちなみに今のモーターの技術とか、そういったものとかもこれを実現するために必要だったんですかね?

    小飼:そうなんですよ。電動にするしかないですからね。内燃機関無理です、酸素がございません。そもそも大気が薄い上に、酸素がございません。ほとんど炭酸ガスです。

    山路:20年前とかだったら、ハードウェア的にもやっぱり実現はできなかった感じですか。

    小飼:いや、もうずーっと構想はあったんだけども、でもヘリでいくって決めたのは比較的最近だったんじゃないかな。最初の構想ではもうグライダーみたいな、すごい長い翼の固定翼機だったと僕は記憶してるんですけども、どうやって発進させるとか、やっぱりそういうのを考えると、地上に置いてから、ホバーしたほうがいいっていう判断になったんでしょうかね。

     
  • 小飼弾の論弾 #200「日本経済に激震?東洋紡、京セラの不正問題と、アメリカが主導する資本主義の改革」

    2021-05-08 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年04月13日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年05月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/04/13配信のハイライト

    • コロナ絡みの話とJTB「バーチャルジャパン」、ITリテラシーと事故
    • 京セラ東洋紡の偽装問題と「日本人経営者というリスク」
    • 「UNIXの権利」と著作権制度の問題
    • 「小泉純一郎のクビ(物理)」と「国債帳消し論」とは
    • 「オリンピックはもうやめよう」とモンテネグロの借金問題
    • 『進撃の巨人』完結の感想(ネタバレ一つ)

    コロナ絡みの話とJTB「バーチャルジャパン」、ITリテラシーと事故

    山路:今日はタイトルは固めの、そういうアメリカが再構築する資本主義とか何か

    小飼:確かにあれだよね、本当はお前、熱ない? ってやりそうなことを

    山路:アメリカ大統領の額に思わず手を当てたくなるような(笑)。なんか普通にアメリカ大統領、仕事してないですか。

    小飼:アメリカ合衆国を擬人化する時はよくアンクルサムっていう言い方するじゃないですか、だからアンクルサムのおでこに手を当ててって感じだけれど。

    山路:ずいぶんまともになったなって印象がするんだけど。

    小飼:前がちょっとまともでなさすぎたというのが、その反動は大きいよね

    山路:私が見かけたのは、共和党の議員の一人がバイデンはどうも全然仕事をしてないぞと。お前はツイートをしてないじゃないかみたいなことを(笑)、発言して話題になってるという(笑)

    小飼:まっとうに大統領の仕事をしてると、ツイートしてる暇ってないでしょう。で、一応大統領としてツイートってしてるんだけども、トランプの時にはrealDonaldTrumpという、今は亡き、もう今はもう全削された

    山路:banされた

    小飼:banされたアカウントでやってたんですけども、今は本当に米国大統領を意味する、POTUSポータス、President of United Statesのアカウントでやってますよね。たぶんあれはスタッフがやってると思いますよ。本人が操作するなんていうのは。仮に本人ができたとしても、やんないでしょうね。

    山路:Twitterで国家元首が口論するのが異常なんだっつーの、っていう話ですよね(笑)

    小飼:Stop the count! だめだ……

    山路:いやいや。なんかずいぶんなんかホッとした感じはありますけどね。あと軽い話題で言うと、コンテンツの話題、あれ『進撃の巨人』がついに完結した。

    小飼:え、ちょっと待て、軽いのか? それって軽いの? (笑)

    山路:もしかしたら限定のほうでちょっと『進撃の巨人』ネタ

    小飼:(コメントを見ながら)ハマコーは中の人だったんじゃないか「だう」。「だう」懐かしいな。

    山路:あれハマコーの時って、まだTwitter、

    小飼:ありました。本当に亡くなるちょい前ぐらいですかね。だから、語尾が「だう!」だったんです。

    山路:へーへーへーへー。なるほどね。まず最初、軽めの話題、こっちは軽めと言っていいんじゃないですか、本当に。

    小飼:いや、こんなに軽くていいのかって言ったらね、やっぱりうちわですかね。

    山路:うちわから? うちわ会食。

    小飼:あんまりに軽い。

    山路:なんというか、すごくないですか。

    「『政権の耐えられない軽さ』とでも言おうか」(コメント)

    山路:関西の人っていうのは何かボケをかまさないと死んじゃう病気にかかってるんかって言う

    小飼:えーとそれって関西のせいにするのか、いや、でも32万枚とかって、それボケの範疇なのか。まあでも雨合羽もボケでしたって言い出しかねないしね。

    山路:なんかこう、うちわ、これは兵庫県ですよね、言ったのは。吉村知事はうちわ会食には言及してないんじゃないのかな。私が見たニュースで、大阪はないとは、見てないんだけど。もしかしたらあるかもしんないですけども。ただ、それにしてもこうなんだろう、そこんとこで専門家に一言アドバイスを聞くということをしないのかと思うんですよ

    小飼:やっぱりその専門家のcredibilityっていうのは、ここでまたグラついた感があるからね。

    山路:それはどれに関して? 専門家の

    小飼:いや、だからあれよ、政府が雇ったオフィシャルな専門家もあれちょっと言ってることおかしいなっていうのは、まぁ特に例えばPCRの偽陽性の話とか

    山路:ああ、専門分科会のほうも

    小飼:そうです。PCRの何が素晴らしいかって言ったら、偽陽性はほとんど考えなくていいんです。で、仮に偽陽性というのは、もっとしょぼい検査でも再検査で潰せるものでもあるんですよね。だからPCRとかも割と関係なく。なんだけども偽陽性が出るからっていうのが、検査を抑える口実として使われたじゃないですか。

    山路:それを今でも言ってんのはどうなのよって言う

    小飼:そう。今でも言ってるのはどうなのよって言うのか、それでうちわで笑ってたけれど、マスク(付け外すジェスチャーをして)こうやって食ったらまたマスクしろっていうのは、尾身先生自身がやってたから、僕はこれで全く信用できなくなった。

    山路:あー。

    小飼:もうあれは本当に何て言えばいいのかな、百年の恋もでは、もともと別に恋をしていたわけではないけれども、でも少なくとも今まで世界的に高い実績があった人だけれども、あれでぶち壊しにした感がある。

    山路:これしかし、何て言うのかな、ワクチンが日本で打てるようになるまでの時間稼ぎをみんなやっとるんでしょうかって言うか

    小飼:いや、時間稼ぎであるのであれば、何でもっとPCRバンバンやらないの。だから、これが1年前だったら、いやPCRやりたくてもできませんって言ってるけどさ、今少なくともさ、たとえば金さえ払えばできるようになってるわけじゃん、日本も。金さえ払えば。だから金払わんでもできるようにするだけでいいじゃん。

    山路:そういや割と最近私PCR検査を受けたんですけど、それ自腹でしたからね(笑)

    小飼:はぁー

    山路:まだ自腹でしたからね(笑)。うーん。いや、そんな体たらくですもんね。なんか怖い怖い怖い。

    小飼:まあでもここに来てね、第4波が来てるわけじゃん。これどう見ても第4波です、ありがとうございました、なんだけどね。

    山路:ただ大阪のなんか増え方ってちょっと異常ですよね。

    小飼:異常というのか、増える時はこういうふうに増えるもんだというのは、あちこちであるわけじゃん。大阪だと本当に、このあと2000人3000人っていうふうに、このまま行ってもおかしくない感じですね。少なくともRtを見ると。

    山路:実効再生産数の話ですよね。

    小飼:でも東京も遅れてまた今年の初めの、いくつまで行った、3000近くまで行ったんだっけ、1日に。

    山路:それは行きましたね、確か。

    小飼:なんか大阪に負けてんの、おかしいと思うんだけどね(笑)、負けてるって言っていいのだろうか。

    「気温は上がっても増えるのかな」(コメント)

    小飼:でも確かにコロナって他の感染症に比べると、あったかい時にも強かったですよね。

    山路:気温の影響もありそうではあるけれど、他の風邪なんかに比べると、暑いところでも増えてたり、ブラジルもそうですよね。

    小飼:さすがに湿気はどうなのだろうか、でもブラジル見るとね、確かにあんまり助けにならなさそうな気がする。でもブラジルの人というのは、日本よりもはるかに人同士がいちゃいちゃべたべたとくっつくのは習慣化してるというのは、それは絶対見逃せないところでしょ。ファクターX云々って言ってるけどさ、日本人は握手あまりしない、ハグなんかましてやしない。

    山路:マスクは慣れてるし。それにしてもワクチン遅いっすよね、日本。高齢者が6月でようやく。

    小飼:まあ人口が多いというのはそりゃ確かにあって、イスラエルぐらいコンパクトだと倍出すから持って来いっつってパシパシッていうのができるんだけど、でも何と言えばいいのかな、日本の場合、ちょっとあまりにも眠たくないかというのか、アメもムチも全く持ってこなくって、交渉になってないじゃん。

    山路:なんかそんなところで出せない、少なくとも高齢者分だけとか、そのなところに限定するんだったら引っ張ってこれないわけないと思うですけどね。

    小飼:だから、もう高齢者向け始めちゃっていいのというのも、だって発熱外来の人でもいつ打てるかわかんないんですよって言って、けっこう医者がプチプチとキレ始めてるじゃないですか、SNSで。高齢者に摂取する医者がまだワクチン打ててないんですけどって。やっぱり医療関係者はそりゃ絶対優先なんじゃないのっていうのも、医療関係者から打つって言うのが一番ダメなわけで、一番ダメだけれども、一番確率は高いわけじゃん。

    山路:すぐクラスターになっちゃいますもんね。

    小飼:で、密を避けられない立場なわけですよね。患者さんに触れないわけにいかないわけですよね。

    山路:これしかし、年内にもワクチンなんか行き渡るんかどうかって怪しくなってきたような気も。

    小飼:と言うのか、今のペースだと大阪万博の頃にも終わらないんだろう、このペースだと

    山路:今のペースがずっと続くっていうことはさすがにないとは思うんですけどね(笑)

    小飼:だって100万打つのにひと月かかってるわけでしょ。かける125よ。125ヶ月よ。10年だぞ、これ! 今のペースだと。やべえ、10年だよ、2025年、ごめんなさい、10年だよ。

    山路:大阪万博終わってるっていう。これ本当に東京オリンピックできんのかねっていう。

    小飼:まぁでも、いちおう口約束ベースでは、今年中に一億doses用意するよう努力する、努力するだったっけ。確約じゃないんですよね。

    山路:なかったなかった。

    小飼:でもいくら、まだ200万行ってないんだよね、日本て。

    山路:先進国の中ではなんかめちゃめちゃ最下位レベルの

    小飼:アメリカって今1日400万行ってますよ。

    山路:なんかもうほんと人口の何割とかっていうレベル、3割とかそれぐらいじゃなかったでしたっけ。

    小飼:アメリカまだ打たないと、目に見える効果を、今は増えてないけども、ワクチンのおかげかどうかというのは微妙なんだよね。今のアメリカは。またあれじゃん、インドがぐんぐん伸びてて、インドがやばい話になってるじゃん。やっぱりこれ、ワクチンのおかげで抑えられましたって確実に言えるのはイスラエルとイギリス、今のところ。

    山路:イギリスなんかすごい効き目ありましたもんね。mRNAワクチンすごいっすな。

    小飼:イギリスはたぶん一番、どうなんだ、アストラゼネカがメインじゃなかったっけ。

    山路:ああそうかそうか、工場があるわけですもんね。EUからもよこせって言われたぐらいの。そうか、mRNAワクチンだけじゃないか、効いてんのは。

    小飼:まぁmRNAワクチンが一番効く、今のところは効いてるんだけども。あとアメリカだともうジョンソン&ジョンソンのも始まってて、あれは一発でいけるんだよ。だから、ワンショットでいいんだよね、分けて打たなくてもいいんです。

    「中国のワクチンの有効性50パーセントらしい」(コメント)

    小飼:いやまぁ、でもじつは普通のインフルエンザワクチンってそんなものですよ。

    山路:じゃあ中国製なら特別に悪いわけじゃないわけだ。

    小飼:けれども、やっぱりモノがモノだけにもっとよくあって欲しいっていうふうには思うね。あとスプートニク、どうなってんだ。

    山路:ロシア製の。ロシア製のはまぁ生産能力はそんなにないのかな、あんまり聞かないっすよね。

    小飼:いやロシアでは使ってるし、輸出もされてるはずだけれどもね。

    山路:それにしてもmRNAワクチンの有効性がちょっと飛び抜けてますよねっていう

    小飼:なんか「嘘だろ、おい」レベルだよね。たしか今のところ、コンベンショナルなワクチンの中で確か一番効くやつって麻疹のやつですけれども、と、だいたい同じぐらいだと。これ、とんでもなく効くよ。

    山路:95パーとかでしたかね。

    小飼:半端ない。そうだ、変異株にも強いんですよね、ありがたいことに。しかも変異しても、

    山路:コード化してやればいいという

    小飼:そう、ワクチンの再設計というのも格段に楽なわけで。

    山路:悪いところがないというのはすごい。冷やさなきゃいけないぐらいか。じゃあちょっとそのITっぽい話に行きますか。いくつか今日って割とでかいIT絡みの話があったんで、そこんところでは軽めのニュース

    小飼:イットの話、イットの話

    山路:あの(笑)、バーチャルジャパン、昔からよくあったそういうバーチャルジャパンを作ろうみたいな話があるんですけど、これがまた新しいのが出てきたという。JTBから。これも、

    小飼:もうもう、早くも

    山路:出す前から笑ってる(笑)

    小飼:早くも笑(ワラ)が出ている。

    山路:北海道のやつ、カニが出てるやつ、そうですよね。あれ、私もちょっと動画見たんですけど、何でこれを社長がドヤ顔してプレゼンできるんだっていう。

    小飼:なんかさ、セカンドライフを思い出したとかっていう人もいるんだけど

    山路:セカンドライフのほうがぜんぜん出来いいですよ(笑)

    小飼:だから、それもあって、さらに遡って、たぶん視聴者の皆さんの中には若すぎてご存じない方もいらっしゃると思うんですけど、かつてフランキーオンラインというサービスがございまして(笑)

    山路:高城剛さん

    小飼:高城剛さんがプロデュースしてたやつで(笑)、それぐらいまで遡るんじゃないかと、最初見たときに。

    山路:フランキーオンライン、あらためて画像検索してみたら、え、ぜんぜんおしゃれじゃないですか、このJTBのサービスより(笑)。このJTBのサービスで気になったのが、そのインタビュー記事で言ってるのが、もう明らかに自治体から金取ろうとしてるんですよね。自治体と一緒にやってくみたいな。

    小飼:でもさ、あの出来であれば全部自分でやるというよりも、Minecraftにワールド作るとかさ、確か国としてはデンマークだったっけな、全国土を

    山路:Minecraftで再現するみたいなの、ありましたね

    小飼:移植しましたっていうのがあって、それ借りてきてやればいいというわけにはいかないのかな。

    山路:Minecraftでああいう精密に作るのって、もしかしたらむしろそっちのほうが職人技いるのかもしれないですけどね。

    小飼:少なくともこの納期ではできんわな。デンマークの場合、かなり用意周到だったはずよ。しかも確かレゴって、デンマークじゃなかったっけ。

    山路:ああ、そうか、なんか北欧は北欧ですよね。

    小飼:だから、あれだもんね、Minecraftってすごい乱暴な言い方するとバーチャルレゴだもんね。世界がレゴで出来てるっていう。であれば、伝統があったという見方もできるわな。

    山路:それにしても、つまりここで怖いのが、その社長のドヤ顔で、つまりその社長っておそらくバーチャル、VRとかそういうことをたぶんぜんぜんやってないからわかんないってことですよね、これがいいものなのか悪いものなのか

    小飼:あ、あった、さらに遡ると『バーチャファイター』ってあったじゃん

    山路:『バーチャファイター』のほうがまだ全然いいですよ(笑)。『バーチャファイター』、今見てもなんかそれなりに新鮮な感じはあると思うんだけどもな。

    小飼:なんかすごいよ、本当に2021年なのか。

    山路:ちょっとね、日本のこれ、「世界よ、これが今の日本だ」みたいな感じなのかって感じですけど。あと、

    小飼:なんか天下一武道館にやってきたミスターサタンみたいな。

    山路:2021年ですからね。

    小飼:2021年だよね。

    山路:その文脈で言うと、最近またいくつか個人情報の流出みたいなのが話題になってて、Facebookがまた5億3300万人流出して、まぁ通常運転だからもういいとして(笑)

    小飼:いいのかー!

    山路:Facebookから流出してない情報があるのかって話なんですけど(笑)

    小飼:本当にあるのかしらね。さすがにログインのcredentialとか、そういうところまでは抜けてないよなとは思いたい。

    山路:それと同じような感じで報道されて気になったのが、TrelloっていうToDoサービスあるじゃないですか。

    小飼:はいはいはい。僕が関わってるところでもけっこう、あちこちで使ってますよ。

    山路:便利ですよね、すごい、こうボード作ってそこでカード移動してToDo管理できて、すごい私も使ってるんですけども、その公開範囲の設定を間違えて、

    小飼:あれですね、world readableにしちゃったって言う

    山路:そうそうそう。世界から読めるようになっちゃった。まぁいくつか言われてんのがあって、「チームに公開」と「公開」とあって、それを間違えちゃったんじゃないかみたいな報道してるのもあったりとか

    小飼:でも、デフォルトで公開ではないはずだよなぁ

    山路:デフォルトでは非公開ですね。

    小飼:でしょ?

    山路:チームどころか。

    小飼:だよね。

    山路:で、メディアとかがえらくTrelloが悪いっぽい感じで、

    小飼:メディアの中にやらかした人がいるんじゃね?

    山路:なるほどな。

    小飼:すごい下衆の勘ぐりではあるけれども、P2Pの、

    山路:あー、WinMXとか、えーとWinny

    小飼:そうそうそう、Winny。すいません、金子さんの名前はすぐ出てきたんだけど、Winnyが出てこなかった。結局、金子さんが難癖つけられたのも、警察の中で使ってた奴がいるんですよ。いて被害にあった奴がいるんですよ。

    山路:なるほどね、なるほどね。しかも今時、そういう公開機能持ったサービス、当たり前じゃないですか。

    小飼:だから、逆恨み、Trelloに関してはちょっと逆恨みっぽいよね。

    山路:ただそこであえて、問題提起と

    小飼:それ言えばさ、GitHubに間違ってあれだよね、

    山路:SMBCのソースコード?

    小飼:そうそうそう、あとAWSのキーとかを上げちゃう、やらかしっていうのはさ、何千の単位であるわけじゃん。だけどもさ、別にGitHubそれで責められるわけじゃないじゃん。

    山路:そこんとこでそれもちょっと思ったんですけど、GitHub使う人っておそらく普通のユーザーよりはずいぶんITリテラシーも高いっすよね。

    小飼:そうだね。

    山路:で、そこまでのこと、これからどんどん普通の人がもっと今までそういうことに詳しくなかった人も使っていく際の要求されるリテラシーって、一体どこまでが妥当なんだろうって、これをつまり、Trelloで公開しちゃった、に設定したやつのリテラシーがないと責めるだけでよいのだろうかという気もするんですけど

    小飼:よいのだろうか云々も、まぁしょうがないよね、やっぱり事故りながら大きくなってくんですよね。だから、事故がないと発達しないという、すいません、すごい投げやりな言い方になってはしまうんだけれども。でも、本当に事故のない交通機関っていうのはないわけじゃん。事故のたんびに安全になっては来てるけども、100パーセントにはいまだになってないわけだし。それを考えると、逆にまだこの程度で済んでるって言ってしまってはまずいかな(笑)。だってさ、ICBMのパスコードが0000だったっていうのもあったわけじゃん。だから、

    山路:そうなんすか(笑)

    小飼:いや、この番組でも取り上げたよ。

    山路:それICBMでしたっけ。そうかそうか。

    小飼:まだ当時はネットに繋がってなくてよかったなっていう

    山路:あーそうかそうかそうか。はいはいはい。ありましたね。

    小飼:いや本当に事故は起こす、なんですよね、もうトーマスじゃないですけれども。

    山路:そうか。もう最初からそういうことを、何かやたら安全策を張りまくってみたいなことって不可能なんだから

    小飼:それでちょっと話が飛んじゃうようなんですけれども、でも原子力に関しては、それが許されて、割と初めから許されてなかったですよ。

    山路:ああ、原発

    小飼:はい。だからね、結局原発が鳴かず飛ばずだってって言うのは、そこデカいんだよね。失敗がもう始めから許されなかったという。

    山路:なんかほんと、第二次世界大戦の日本軍みたいな感じで、最初から(笑)。それで結局改良されることもなく、何かまずいことがあると隠蔽してみたいな形で。

    小飼:そうなんです。で、困ったことに日本だけの話でもないんですよね。

    山路:原発に関してってこと?

    小飼:はい、アメリカでもシルクウッド事件っていうのがありましたしね。だから、およそ巨大産業には巨大事故と巨大隠蔽っていうのがつきものではあるんですよね。フォルクスワーゲンのディーゼルゲートにしても。

    京セラ東洋紡の偽装問題と「日本人経営者というリスク」

    山路:じゃあその文脈で、なんか事故と言うか隠蔽の話、行っときましょうか。最近の、あまりにも話題になってないことがちょっと気になってるんですけれども。

    小飼:そうなの。

    山路:この京セラと東洋紡の問題ですよね。これ、どこだ、これリンク。これ、本当にきちんと報道してるのが日経クロステックぐらいなんですよね。日経新聞もちょこちょこっと単発の記事ではいくつか出てるんですけれども、ほとんど言及がないのが非常に不気味なところなんですよ。何かって言うと、アメリカのほうでUL規格って言うんですかね。

    小飼:はい、あります。

    山路:そういう工業製品とかのデファクトスタンダードになってる、まあそう言う工業規格があって、そこんところの審査をいちおう通ったものが工業製品で使われてるんですけれども、京セラと東洋紡がやったのは、審査する時に出したサンプル品と顧客に売ってる物が違ったっていう

    小飼:実はディーゼルゲートと同じなんですよね。

    山路:ディーゼルゲート、フォルクスワーゲンの。

    小飼:フォルクスワーゲンのは、当局に出す、この場合はまあ当局といっても政府ではなくて。こういうのの嘘っていうのは、年々大きくなるんだよね。

    山路:しかもこの規模がまた半端ないと言うか、京セラとか東洋紡が出してるのって、自動車なんかで使われてる、そういう素材部品なんですよね。安全性にかなり関わってくる。それに関して

    小飼:そうなんです。タカタのエアバッグみたいなことにならないかな。あれは会社をすっ飛ばすぐらいのスキャンダルになりましたよね。

    山路:今回のその京セラとか東洋紡も、一回二回とかそういうんじゃなくって、なんか20年とか、それぐらいのスパンだったりとかするんですよね。これって懲罰的ななんか喰らったら、京セラとか東洋紡のクラスでも丸ごと飛ぶんじゃないかという話になりそうな気がするんですけど、いかがでしょうかと。

    小飼:いや、嘘というのはどれほどの罪なのかというのは、やっぱり時代によっても変わってるんですけれども、格段に重くなりましたね。

    山路:影響力が

    小飼:影響力がっていうことですね。

    山路:グローバリズムもあったりするし。

    小飼:というのもあるし、複雑な機械が増えたわけです。その機械の部品のスペックで嘘をつかれると、全部壊れるわけです。本当にただのOリングがぶっ壊れただけでもシャトルが吹っ飛んじゃったわけです。

    山路:あれ、ほんとそういうところにもしもこの素材とか使われたらどうすんだっていう話ですよね。

    小飼:で、ディーゼルゲートでは死者は出てないはずですね。フォルクスワーゲンは嘘をついてたわけですけれども、少なくともそれで人身事故が増えたとかっていうのはないわけです。それであれだけのペナルティを食らったわけです。そのおかげで一生懸命EVシフトしてますけれども。あれがなければ、もっともっと渋かったはずですけど、それはそれはおいといても。

    山路:これしかし、向こうのそういう弁護士とか、そういう事件を洗い始めてんじゃないかって気がするんですけど。死亡事故につながってるような。

    小飼:いや、向こうだけではなくて、これ日本国内だってそうですよ。スペックに嘘のある部品を入れてぶっ壊れたら、日本でだってそれは事故起きますからね。

    山路:日本とはその規格自体が、審査基準自体が違うから、それがどうなのかってはまだわかんないですけど。

    小飼:違うけれども。で、日本のそう言うとか製品表示とかっていうのは一般人レベルだとものすごい甘いですよね。

    山路:一般人レベル?

    小飼:要するに、メーカー、ベンダーに対してすごい甘い。

     
  • 小飼弾の論弾 #199「LINEのデータ保管問題に見るインターネットの国境と、スエズ運河事故の本当の損害額は?」

    2021-05-01 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2021年03月30日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2021年05月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

    「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
    『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

    2021/03/30配信のハイライト

    • 『るるぶ』宇宙特集から深海探査の話題
    • 『庵野秀明スペシャル』の失敗とIntelの迷走
    • LINE個人情報問題とIT業界の温度差
    • ダークパターンとこれからの広告、『ザンボット3』を見ましょう
    • 視聴者質問「IT業界志望の文系大学生にアドバイス」「生命保険に入る意味」
    • 遺伝子解析でわかったことと「アスパラ臭」
    • スエズ運河についてコンテナとコンテナ船、海事法から考える

    『るるぶ』宇宙特集から深海探査の話題

    山路:最初は軽いところから行きますか。

    小飼:さすがに20万トンの話というのは、

    山路:重いですからね、いろいろな意味で(笑)

    小飼:物理的に(笑)

    山路:弾さんの横にあるこのこれ、雑誌

    小飼:これ、はい、『るるぶ』です。『るるぶ』なんだけども、場所がすごい、これ。

    山路:これ、マジで作ってるやつなんですか。

    小飼:たぶんマジでしょう、というのも、宇宙であれば、確か2週間の隔離とかもないですからね。

    山路:そうなん? そうなん? いやもっと違う、いろいろ(笑)

    小飼:たぶんそういうことなんじゃないの? そういうことなんじゃないの?

    山路:これって一般書店で売ってるって事ですよね。

    小飼:なんかナオヤさんが

    山路:ヨドバシで買ったとか言ってたけど。ただこう、ものすごくうがった見方をするならば、国内外の旅行が全部駄目になってるから、とりあえずどんな企画でも通るんじゃないかっていう(笑)

    小飼:そうそうそう、もう宇宙しかないというね。

    山路:ギャラクティック、ヴァージンとかのやつも載ってるんですか?

    小飼:今のところはやってそうなところはほぼほぼ全部網羅してると言うのか、なかなかきちんと作られてます。

    山路:レイアウトは『るるぶ』のままっていうのがなんかこう

    小飼:いや、だから『るるぶ』なんです。だからマジに宇宙に送り込もうという。だから割引クーポンとか探してるんだけどな……

    山路:10パー割引とかあったとしてもけっこう高い

    小飼:クーポンがないなー。

    山路:これ後、観光スポットは載ってないんですか(笑)

    小飼:もちろん『るるぶ』だけあって、そこが一番充実してる。

    山路:ほうほうほう。宇宙の観光スポット。

    小飼:たとえば天王星とかね、どうやって行くんだっていう(笑)。天王星海王星も載ってるから、なかなかですよ、これは。まぁでも、まず太陽系止まりですね。Alpha Centauriというのは載ってないですね。

    スタッフ:なんかちょっとちらっと出せるところがあったら

    小飼:そうですね。えーとね。これでわりと一番遠くに行けるスポットとか

    スタッフ:海王星(笑)

    小飼:1番遠い惑星ですね。

    山路:今、冥王星が内側に。ああそうか、冥王星は準惑星だから

    小飼:もう冥王星は惑星じゃなくて準惑星だから。

    山路:そらそうだった、そうだった。

    小飼:格落ちしたんですよ。

    山路:しかし頑張っていろいろなんとかしようとはしてますね、旅行関係のそういうムックも。

    小飼:なかなか面白いです。

    山路:いやいや、なかなか頑張っているじゃないですかと。ちょっと後でしっかり見よう。

    小飼:でもなー、でもそうやって言われると、とりあえずパンデミック抜きで有人宇宙旅行ってかなり遠くなっちゃいましたよね。たぶん一番近かった頃というのは、まだシャトルが健在で、もうロシアの経済がガタガタで、たかだか20億円ぐらいでソユーズに乗せてもらえた頃ですね。あのUbuntuのマーク・シャトルワースとかがもう本当に金出して

    山路:だけどアルテミス計画も動き出してるし、それにスペースXなんかもロケットバンバン打ち上げてるじゃないですか。ずいぶん、そういう意味では近くなってるとも

    小飼:打ち上げはカジュアルになってきます、でも有人宇宙旅行って言うのはやっぱり別問題なんですよね。

    山路:月に行かなくっても

    小飼:人間ってかなり高価なペイロードなので。今のところはISSと天宮に人を送り込む、本来の意味での渡し、シャトルですね、しか需要ないんですよね、有人旅行って。

    山路:まぁ安くなりようがない

    小飼:なのにクルードラゴン開発したっていうのは偉いよな、スペースX。

    山路:なんかね、宇宙旅行とかそのISSとか、あるいは月とかに、もうちょっと安くなったら、行けそうになったら行くかって妻に言っても、絶対に行かないって言うんですよね。本当観光スポットがない(笑)

    小飼:やっぱり重要な問題なんだよね。だからね、何で行くんだ、だからそこに空があるからって言うだけでは、たくさんの人は送り込めないんですね。せいぜいISSで研究ぐらいで。で、そっちは今のところ採算度外視なわけじゃないですか。ある程度採算ラインに乗ると、宇宙に人を送り込むことにある程度のご利益がなければいけない。たとえば量子コンピューターの素子を作るのに、長い無重力状態が必要だとかっていうのがわかったら、急に需要が出るでしょう。宇宙で作ったものであれば、100キュビットぐらい実現できるぞ、要はquantum superiorityを理論ではなくて、実際に実現できるんだぞっていうふうになったら、急に需要が出るでしょ。

    山路:まだそういうキラーアプリみたいなものは見つかってないわけですよね

    小飼:いや、そういうのでいいんですよ、そういうのでいいんです、ハゲが治るとか。

    山路:あっはっは。なるほどね、それウケそうだ。

    小飼:薬飲まなくてもバイアグラと同様の効果があるとか。そうすると、金持ちの老人が行きたがるわけですよ。今のところ本当に、そこに空があるから、な需要だけなんですよね。

    「宇宙空間は退屈すぎるのかなー」(コメント)

    小飼:退屈すぎでなくって、ただ単にそこに人をいさせるだけで膨大なコストがかかる。で、似たような状況って言うのは深海にもあります。深海はもっとすごいですよ。

    山路:深海のほうが大変って意味で、コスト的な

    小飼:だから本当に宇宙よりも遠い場所というのか、少なくとも、だからお金は突っ込まれてない、より我々にとって身近で、実際に行くことでよりご利益があるのにも関わらず。

    山路:そういうことか

    小飼:日本が世界に誇る、しんかい6500って1986年ですよ。何回も中身を入れ替えてるんですけど。

    山路:そうなんですか、そんなに作られてないんだ。

    小飼:そんなに作られてない。あのクラスの潜水艇で一番新しいのが中国のやつで、2000いくつだっけ、それ以外のものっていうのは全部まだ冷戦が終わってなかった。

    山路:へええ。しかもしんかい6500とかって3人ぐらいでしたっけ、あれ乗れるのって

    小飼:そうです。

    山路:そんなもんですよね。それから大型化も、そんなには進んでないってことですよね。

    小飼:あれでもずいぶん大きくなったんですよ。なんだけども、でもあの頃のままなんですよね。で、あの手の深海探査艇の先鞭になったのはアルビンっていうアメリカのやつなんですけど、それに至っては1960年代ですよ、できたは、最初に。何度も改造して大事に使ってるんですけどね。

    山路:海底って、それこそメタンハイドレートとか

    小飼:そう、宇宙よりはもう明らかに我々にとっても身近で、調査するだけの価値があるにも関わらず、そんなもんなんですよ。

    山路:へええ。なんかそれ聞くと本当にびっくりだなあ。

    小飼:まだ恒久的な基地をISSの形で持ってるだけ、宇宙のほうが近いとすら言えるでしょうね。

    山路:なんと言うか、比べるもんではないのかもしれないけど、アルテミス計画なんかやるよりも深海のほうに全部突っ込んだほうが

    小飼:深海のほうに「も」ですね。でも深海はもっと調査すべきですけれども、革命的な技術がない。今の、単に行くって言うだけでは、それよりも前に地球で一番深い海の底まで行くには行ったというのがあるんですね、トリエステ号が。

    山路:マリアナ海溝

    小飼:1960何年だっけ。それは本当にただ行って帰ってきただけっていうので、これがアルビンとかになると、中にちゃんと科学の、研究者が乗って、単に潜航するだけではなくて、マニピュレータとかがついていてサンプルとかっていうの取ったりもできてっていうので。一つ革命的だったのは、人を入れるカプセルがチタニウムで作れるようになった。

    山路:めちゃめちゃ丈夫になった。

    小飼:あと浮力材がいるんですけれども、トリエステ号っていうのは浮力材、中にガソリンを詰めてたんです。普通の潜水艦という浮力材とかは空気なんですよね。だから、バラストタンクに入れた水を圧縮空気でパージして、それで容積増やして持ち上がってるんですけども、それはまだ浅い海だから、せいぜい数百メーターの単位だからできるのであって、何千メーターの深海だからなると、それ効かないわけですよ。
     だから、もう始めから水よりも軽いマテリアル持ってって、沈む時にはただ重いものを抱いて、バラストを抱いて、終わったら浮上する時はそれをパッと海の底に捨てっていうやり方でないと安全に往復できないんです。話がちょっと戻ると、トリエステ号の頃にはガソリンを積んでたんです。で、比重0.8ぐらいですから、Δは0.2ぐらいしかないんですよね。だから1リッターの浮力剤に対して200グラムぐらいしか浮力がないんです。

    山路:けっこうかさばるというか、

    小飼:これがですね、syntactic foamって言って、中が真空のガラス玉を、ちっちゃいガラスビーズをいっぱい作っておいて、それを樹脂で固めたというのができたんです。これだと浮力が0.6を切るんです。
     容積当たりで倍の浮力があるわけです。そうすると、潜水艇そのものをずっと小型にできますよね。

    山路:今使われてるのも、それなんですか。

    小飼:今使われてるのがそれで、それが1980年代から90年代の技術。Syntactic foamも良くなってるので、じつは最初のアルビンに乗ってたやつと今のアルビンに乗ってるやつじゃ、しんかい6500の中身っていうのもちゃんと入れ替わってます。
     よりいいのに入れ替わってます。進んではいるけれども、まるっと新しいのを作るには至ってないし、今のところ、あくまでも沈降なんです、潜航する時っていうのは。バラストを積んでおいて、それで惰性でずーっと沈んでいくんです。動力で行くわけではないんですよね。

    山路:それこそなんていうか、ある程度の深さのところまで海中基地を作って、そこんとこからちょっとずつエレベーターをやってみたいな

    小飼:ことはしないんです。しんかい6500が一番深いところに行く時とかって言うのは、片道6時間とかそんな感じじゃなかった?
     何時間もかかるんです。だから、そういう時にはオムツして行くんですよね。

    山路:それきついな。しかも3人。3人ギリギリ。

    小飼:そうでなくって、そうやってやると動力潜航したくなりますよね。

    山路:あるんですか、動力潜航

    小飼:無人船はもう実現してます。

    山路:これって

    小飼:やっぱり人の場合は戻って来られなくなるというのが一番でかいんで。

    山路:スクリューでこう回して

    小飼:そうそうそう。

    山路:下向きに推進力作って

    小飼:下向きに推進力を作ってっていうのは無人船では実現してます。

    山路:まだ安全性がまだ十分じゃないってことなんですかね。

    小飼:人が乗ってるやつと言うと戻って来れないことには話にならないんで。だから、錘を持って、バラストを持って潜航して、終わったらそれを切り離してなんだけれども、そこもやっぱりちょっと変わったみたいで、前は鉄のつぶつぶだったんですけど、今は鉄板をガシャッと切り離す方式にしてるみたい。

    山路:なんか比べるのも変だけど、半導体とかの世界ってガーンって伸びていくじゃないですか、性能とかが。ほんと、こういう深海だったりとか宇宙って、すごいステップアップは行かなくて、じりじりじりじりとか進化していきますよね。

    小飼:だからやっぱり、文字通りお宝がないと。浅いほうの海というのは海底油田のおかげでだいぶ進んだ。だいぶ犠牲も出てます。掘削プラットホームが一個事故を起こすと、何十人単位でプロが死にますから。実際、北海油田じゃそういう事故があったじゃないですか。

    山路:そうかそうか、それか。そういうやつか。

    小飼:年の半分は休みだし、それで今だと20万ドルは下らないんで、とてもいい仕事ですよ。

    山路:しかしリスクも相当でかいと言うね

    小飼:だから一挙に貯金したい人とかっていうのは検討してみては

    山路:それって専門家じゃないとできないんじゃないんですか。

    小飼:まぁでも専門家といっても、いろんな専門家がいるから。意外と入り込みやすいのは船医かもしれない。産業医の資格を取れば、意外と行きやすいんじゃないかと

    山路:なんか稼ぎたい、短期間でガッツリ稼ぎたい人にはお勧めということで。

    小飼:なんだけれども、本当に我々にとって身近な海でこの体たらくで、ましてや宇宙はという感じはあるけれども。やっぱり飢えた連中の目の色が変わるようなお宝が見つかったら、そこは変わるのかもしれないですね。

    『庵野秀明スペシャル』の失敗とIntelの迷走

    山路:わかりました。ちょっとまたこれも軽い話題

    小飼:意外と軽くもなかった、この話題(笑)

    山路:コメントで「シン・エヴァをやった?」みたいなコメントがあったんで、それ前回やったんですけれども

    小飼:実は前回やったんだけれども

    山路:その後、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で庵野秀明スペシャルというのがありまして

    小飼:全否定されたけどね、プロフェッショナルって名前が気に食わないって(笑)。

    山路:あの番組(笑)、制作側の立場で見ると胃が痛くなるような感じの番組ですよね。あれ、番組見てどうでした、弾さん?

    小飼:と言うのか、ぼくの妻が見てたのを横目で見てたって感じなんですけど。

    山路:面白かったのは面白かったじゃないですか

    小飼:けっこうなネタバレになったというのか、あれを見たおかげで『シン・エヴァ』を見たいっていうことになってたから、今度は妻と行ったんですけども。

    山路:なんというか、かなり創作に関する、何ていうか、悪戦苦闘みたいなやつはかなり良く描かれてた

    小飼:でも、ある意味『シン・エヴァ』の一番すごいところというのは『シン・エヴァ』が作られたことそのものじゃない?

    山路:そうすね(笑)。みんなできると思ってなかった(笑)

    小飼:しかも単に作るというのではなくって、版権とかをもともと作った会社ガイナックスから全部ひっぺがして、カラーという別の会社を作った上で、そこで引き取った上で

    山路:ちゃんと会社利益出して

    小飼:しかも4作作って、前作の『Q』と今作の『シン・エヴァ』って何年空いてた、8年だっけ?

    山路:8年ですね。

    小飼:8年間、カラーの社員を食わせ、他の外注業者にお金を出しっていうのをやってて、どこから金出してたんだよって、そっちのほうが、そっちはまさにプロの仕事じゃないですか。

    山路:そういう経済ニュースサイトなんかでそういう記事に出てましたね。

    小飼:そういうところが一切出てなかったので、その意味でも失敗でしたね。

    山路:手厳しいな(笑)

    小飼:番組としてはもう、まさに失敗作なんだけれども、その失敗作であるがゆえに面白い番組になってたっていうのが、すごい面白くて、これあれじゃん、テレビ版の『エヴァ』と同じ構図だ、みたいな(笑)。作品は失敗作なの、でも失敗作であるがゆえに面白かったという。

    山路:ちょっとリアリティショー的な、怖いもの見たさもありましたよね。

    小飼:いや実際、怖いものではあったと思いますよ。だから、何を追っかけてただけではなくって、何が全く映らなかったっていうところまで含めてね。

    山路:最初のほうとか、すごいインタビューアがビビってましたしね。あの辺のところも含めて、なかなか臨場感が。

    小飼:いやでもあれだよ、モヨコさんの鳩ビームが見れただけでも、あ、別の番組と混じってるかもしれない(笑)

    山路:じゃあ、次ですね。そうですね、IT関係でIntelの話いっておきましょうか。Intel生き残れるのか、Intel、いろんな話が

    小飼:Intel入れさせてという(笑)、Appleに

    山路:そうそう(笑)。まずIntel、けっこう心配なのは新しく出したCPU、それがよく最近Appleで使われてるCPUなんかだと5ナノメートルのプロセスルールで作られてたりするじゃないですか、Intel、それに追いつこうとしてるみたい話があったんですけど

    小飼:そうなんです、周回遅れ状態になっちゃってるんですよね。

    山路:さらに新しく出したCPUで10ナノメートルのやつの他の次に14ナノメートル、プロセスルールはもうちょっと前の世代に戻ったやつをなんか新製品として出すみたい状況にもなってたり

    小飼:だからそこ痛いよなーっていうね。

    山路:それと同時にこう他のメーカーからの

    小飼:座布団10ナノメーター(笑)。要するにファブをやりますって言うんだけれども、でもなー、TSMCとサムスンよりも、やっぱりごん太な線になっちゃってるわけでしょ、なんだかんだ言って

    山路:ごん太な線って(笑)、プロセスルールの話ね。

    小飼:もちろんIntelのやつっていうのは、けっこう違うテクノロジーを使うというのか、使おうとしてて、銅の代わりに何を使うって、コバルト使うっていうふうに言ってるのかな、で、それに失敗したおかげで足が止まっちゃったという。でも、そういういきさつは置いといても。そこ競争力があるのかって言うね。

    山路:なんか最近、Intel

    小飼:コバルトでいいんだよね。

    山路:Mac、Macのちょっと比較広告って言うんですか、MacやめてIntelのCPUの入ってるパソコン買おうぜみたいな広告を出してたんですけど。翌週にはうちもAppleシリコン作りたいと言い出したという、この(笑)

    小飼:でも、それはさ、15年前はまさに立場が逆で、本当にI’m PC, I’m Macって言ってた頃にはこっそりIntelと密約を結んだ上で、一斉のせでパワーPCからIntelに変えたわけじゃん。

    山路:だけどさあ、今回の場合、ちょっとディスる広告やった一週間後に言うってそれダサくないですかっていう(笑)

    小飼:まあ、ダサいはダサいけど、Intelって別にAppleと違ってスタイリッシュだから売れるというタイプの会社ではないじゃん。
     そのわりにはスタイリッシュにしようとして滑っているところは(笑)

    山路:ウルトラPCなんかのコンセプトっていうのも、けっこうIntel、提唱してたりしたじゃないですか、ウルトラPCじゃなくてUMPCか

    小飼:UMPCね、要するにこれくらいの大きさでPCでやるというね。

    山路:あの辺もいまいちパッとしなかったっすよね。一週間後に尻尾振るスタイル

    小飼:やっぱりPCから離れられなかったんだよね。でも、それ言ったらさ、もともとIntelの石って電卓のためのものだったわけだしさ。

    山路:嶋さんの作った

    小飼:裏を返すと、いかにPCというフォームファクターがIntelと相性が良かったかだよね。

    山路:ビジネスモデル的に

    小飼:そもそもPCというのが、一般の名詞というよりはいちアーキテクチャの名前になって、と思ったら、一般人の使うコンピューターの再び一般名詞になったっていうのも、本当にIntelと共に歩んできたわけじゃん。でも、そのPCっていうのを固有名詞にしたIBMはもうPCやってなくって。今IBMに話を持っていくと、Mac勧めてくるんだよね(笑)

    山路:そうだよな(笑)

    小飼:中の人、Mac使ってるし(笑)

    山路:IBMは、Macを全社で使おうとしてますもんね(笑)

    小飼:ほんとハラホロヒレハラなんだよね。でも、確かに本当に今や、Mac、ちょっとここまでありふれた存在になるかなっていうぐらいにありふれるようになってきたからね。

    「Mac強すぎる」(コメント)

    小飼:強すぎる。特に利益の点ではそうで。たぶんMac単体で挙げてる利益っていうのはPC全部出したやつの8倍ぐらいあるんじゃないか、10倍はさすがにいってないのかな。

    山路:8倍でもびっくりですけどね(笑)

    小飼:マージンがぜんぜん違うんだもん。

    山路:OSも自前だし。

    小飼:かつては、今のApple程度のマージンは取ってたんですよね、CompaqとかDELLとか。

    山路:それがどんどん安くなってっちゃった

    小飼:そうそう、コンテナ船の輸送料みたいな話になっちゃって、これはあとの話題で。

    山路:なんか1000ドルPCとか言うようになってから、なんかいろいろそっちの方向に進んでったっていうの、あんのかもしれないですけどもね。

    小飼:本当に

    山路:この短い間にこんなに変わるかと。

    小飼:Chromebookとか、ほんと数百ドルですからね。本当にブラウザ見れて、キーボードも意外、けっこうまっとうなと言うのであれば、Chromebookという選択肢があるわけですからね。

    「ChromebookのCPUはIntel?」(コメント)

    小飼:えーと、どっちでもいいんです。どっちもある。

    山路:Armのもある?

    小飼:Armのもある。でも、今普通に売れてるのはIntelのやつが多いのかな?

    山路:Chromebook、なんか最近めちゃめちゃシェア伸びてるみたいですよね。

    小飼:だけども、もちろんぜんぜん儲かってない。

    山路:でしょうね。でしょうねっていう(笑)

    小飼:Googleですら儲かってないわけね。Chromebook直にはね。

    山路:なんかGoogleのビジネスって、本当にGoogle以外の誰が得すんねんみたいな感じのビジネスが多いような気がするんだけどなぁ。じゃあIT絡みでもう一つ、Microsoft、今度は。MicrosoftがDiscordを買収かみたいな話が

    小飼:これなー。GitHubになるのか、Skypeになるのかっていう、もうほぼ買収された前提で考える、いやSkypeとかになったら、うーん。あとよく考えたら、LinkedInも今Microsoftだよね。

    山路:LinkedIn、SNSの。

    小飼:後、SlideShareもMicrosoftだよね、よく考えたら。

    山路:SlideShareって?

    小飼:スライドを共有する

    山路:えっ、あっそうなんですか。

    小飼:SlideShareもMicrosoft。

    山路:わざわざ買うほどの必要があったのかなとか思って

    小飼:って思うよね。でも、どこか買ってくれなければ資金ショートで潰れてたんじゃないかな。LinkedInはとにかく、SlideShareは。

    山路:これ、私そんなに、ちょっと1回Discord使ったことありますけど、そんなゲームしないから、あんまりDiscordのありがたみわかってないですけど、これってMicrosoftが買収しなきゃいけないものなんですか

    小飼:それむしろ逆だろ、それむしろ逆だろ

    山路:Windowsの認証にSkypeのID使えますよって

    小飼:SkypeのID使えますよっていうのは。どっちかって言うとMicrosoftIDでWindows認証して、それをSkypeIDにしてくれというメッセージだと思ってたんですけど。

    山路:Discord、そんなに買収しなきゃいけないような重要なものなんですか?

    小飼:どうなんでしょうね。というのか、Teamsでダメだったのかな。でも、今Discordってユーザベースどれくらいいるんだろうな。まぁでも、買うのだとしたやっぱユーザベースを買うっていうだろうね。

    山路:技術的になんかMicrosoftで実現できないようなもんでもないわけですよね

    小飼:でもそれはGoogleがYouTubeを買った時だって、Google Videoというのがちゃんとあったわけです。だからユーザーベースとか、あるいはもう文化、カルチャーだとかって言うのが主な売りの、だから一番の売り物はユーザーですよ。

    山路:まぁ後はブランドとかね。

    スタッフ:えっと去年の12月のテックニュースですね、ユーザーベース、月間アクティブユーザー数は1.4億人ってなってます

    小飼:それはまあを売れるでしょう、というのか、じつはGAFAM以外のテックのスタートアップっていうのは、もう自分らのビジネスそのものでは黒を出すっていうことはほぼぜんぜん考えてなくて、要はいつかGAFAMに買ってもらうという

    山路:exitが

    小飼:exitが。ただやっぱりそうでない例外というのはなかなかしたたかで、たとえばDropboxとか、AWSとかAzureとかも使ってないんですよね。

    山路:独自で、なんかすごい規模のやつ作りましたもんね。

    小飼:ちゃんと自分の売上で生計立ててるんですね。だからそれは偉い。

    山路:しかもサービスとしても、私はGoogleドライブよりもDropboxのほうが使いやすいから好きで。

    「ドワンゴはどこか買ってくれないのか」(コメント)

    小飼:ちょっと待て、ちょっと待て、カドカワどうなってるんだ一体! 一体、どうなってるんだー。

    スタッフ:ドワンゴはカドカワが(笑)

    小飼:しかも今、カドカワの社長ってね(笑)

    山路:夏野さんになったんだっけ

    小飼:そう、夏野さんになるのか、なったのか。

    スタッフ:夏野さんですね。

    小飼:だからドワンゴ経由ででしょ。

    山路:じゃあドワンゴを重視してる、そっちのビジネスを重視してるということの表れではあるわけ

    小飼:どうなんだろうね

    山路:なんかよくわかんないすよね

    小飼:よくわかんない。

    山路:何をするつもりなのか

    小飼:そもそもカワンゴは駄目だって言うのであれなわけでしょ、クビにし、クビにってどの程度、要は経営から外したわけでしょ。夏野さんならいいの? そこわかんないな。はははは

    「『テクテクテクテク』の改正(コメント)」

    山路:いちおう、『テクテクライフ』として蘇りはしましたけど。

    スタッフ:あ、カドカワ本体の社長になるってのは、本当に近日ニュースになったやつで、6月22日付で代表取締役社長になるそうなんですよ。あ、ニュース出しときます。

    「ビリビリ動画に買ってもらえば」(コメント)

    山路:いや、ほんとそういう世界なんだよなー。だから、ニコニコ、本当なんか天下、もしかしたら取れたかもしれないのに、やり方では

    小飼:やっぱり経営ってことになるのかなあ。本当に技術って氷山の一角だもんなぁ。何で氷山の一角って言い切れるかって言うと、たいていあるサービスが勃興した時には、他の連中もいるわけよ、DropboxにはBoxという会社もあったし、で、他のAppleやMicrosoftやGoogleも同様のサービスというのを持ってたし、持ってるわけじゃん。本当にどうやってユーザー集めるか、だよね。

    LINE個人情報問題とIT業界の温度差

    山路:じゃあちょっとIT繋がりで、次LINEの話、行きますか。

    小飼:あ、なるほどいちおう今日のタイトルですね。

    山路:メインの。このLINEの情報問題。要はデータが

    小飼:個人情報であるはずの、たとえば添付ファイルとかが、メッセージそのものは暗号化されてたとしても、そうでないものというのはもう全部筒抜けになって、それで中国子会社が見れるようになってたじゃないかという。子会社だっけ、それとも外注だっけ? どうだったっけ?

    山路:ちょっとどうだったかな

    小飼:まあ、とにもかくにも国外で、プライベートのはずの情報が見れるようになっていたと。

    山路:プライバシーポリシーなんかも、いちおう第三国のとこにデータを移すこともあり得るよとは書いてあったんだけれども、そこの技術者が自由に見られるってところまでは別に書いてはなかっただけで。これ、なんかLINEって弾さんもまんざら縁がないわけでもないじゃないですか。

    小飼:まぁもちろんそうですよね。だからずーっと大昔に、僕が上場を手伝った会社がNAVERという会社に買われて、そこが始めたサービスがむしろ本家よりも大きくなって、さらにそれが巡り巡ってYahoo!だったGホールディングスに買われたというね。まぁ何と言えばいいのか、もういかにもこの業界らしい。買ったところに買われてみたいな

    山路:へえ、弾さんが作ったエンジニアチームとか、そのへんの事って関係あるんですか

    小飼:あんまりLINEには絡んでないはずですね。

    山路:中国の

    小飼:他にもNAVERっていろんなサービスやってたけれども、わりと日本でNAVERが設立されてから集まった日本のエンジニアチームが作ったのがLINEだというふうに、元ライブドアの人が、nipotanが言ってたので、それは間違いないのでしょう。

    山路:じゃあ直接の繋がりがあるわけではないんですね。

    小飼:まぁゼロとは言えないけどね、かなりの遠縁ですね。かなりの遠縁。

    山路:ほんとなんか、大叔父の大叔父みたいな(笑)

    小飼:まぁそんな感じですね。

    山路:いちおう家系的にはつながってなくもないみたいなところですよね(笑)。今回の問題って、LINEがもうしでかしたということになるんでしょうか

    小飼:まあ僕はやっぱりだと思ってたけどね。

    山路:やっぱりってのは、LINEの個人情報の扱いのスタンスみたいなことについてっていうこと?

    小飼:というのか、それはLINEだけではなくてYahoo!もぜんぜん褒められたものではないし。

    山路:そういうのなんか個人データを他の第三者に使う、カルチャーコンビニエンスクラブ、Tカードなんかとも連携してましたもんね。

    小飼:そうそうそう。

    山路:今はそうでもないのかな。それで勝手に使われたみたいなことからクレームが

    小飼:単にそれが国外だっていうので今回は大きな問題になったというのが、だからこれじゃあ政府とか使えないよねっていう話になったんです。なってる。というふうに僕は見てるんですけどね。「まさか」じゃなくて「やっぱり」「やはり」なので。

    山路:インターネットのサービスって、タイトルにも「インターネットの国境」って書いたんですけど、ネットサービスのデータがどの国のサーバに物理的に記録されてるかって、そんなに重要なことだったりするのかと

    小飼:それはそれぞれの国の政府からは重要なんですよね。もちろん、サーファーにもクライアント、端末にも、技術的には国境なんてないわけですよね。なんだけれども、ありもしない国境っていうのを無理矢理ソフトウェアで再設定してるって言うのが現状なんですよね。