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  • 小飼弾の論弾 #99 「GAFAの支配を覆すことは可能?2019年の日本はどうなる?」

    2019-02-14 07:00
    540pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2019年1月8日(火)配信の「小飼弾の論弾」の後半をお届けします。

     次回は、2019年2月19日(火)20:00の配信です。

    お楽しみに!

    2019/01/08配信のハイライト(その2)

    • 生産性と、ジジイのスクワット
    • USB発言と「課題の先進国」日本
    • 新元号とUnicodeの関係
    • 宇宙技術でアメリカの上を行く中国
    • 落合・古市対談と変わらない財務省
    • プライバシーとデータの使い道
    • 2019年、不動産の格差と「よくなりようがない」景気
    • GAFAを覆す難しさと国境の壁

    生産性と、ジジイのスクワット

    山路:じゃあ次。

    彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです(杉田水脈議員の『新潮45』寄稿より)

    小飼:そもそも生産性という言葉が間違ってるしね。生産性というのは、あくまでもかけた時間で稼いだ額を割っただけの数字ですからね。だから子供を作ったからといって、そうだから逆に子供を作ることによって生産性が上がるのであれば、子供というのは売り物でなければいけない。
     この発言の1番のおぞましさというのは、そこなんですよ。家畜と同じ扱いなんですよ。

    山路:この人は、生産性の定義をよくわかっていない上で言っていると。

    小飼:わかってない。それで『新潮45』なくなっちゃったよね。だから、すごいネガティブ生産性だよね。この人の生産性って。

    山路:これごく最近にもLGTBばかりだと、国が潰れるって自民党の平沢勝栄議員が……

    小飼:あのですね、ガキが多すぎて国が潰れるっていうふうに言ってたんですよ、この国は、本当に。実際に、じつは満州とかを日本が傀儡国にしたというのも、増えすぎた日本人を始末したかったからなんですよ。

    山路:棄民政策みたいな。

    小飼:うんうん、全く嘘偽りもなく。ガキが多すぎて困るっていってきて、実際に減ったら、子供作ってくれって。

    山路:少子化対策しろって。富国強兵的なことをまた同じように言い出してしまうっていう。まあブラジルとかもけっこうひどい目にあったみたいですもんね。

    小飼:そこまでして国って維持しなきゃいけないの? っていう。だから、やっぱりそこから考えるべきなんですよね。日本がなくなっても世界は滅びないし、人類も滅びないんですよ。そこは厳然たる事実なんですよ。

    山路:あと単純に日本の、今暮らしている人の暮らしぶりがどうなるかっていうことに関しても、少子化っていう事自体が必ずしも悪影響を与えないんじゃないかっていう論説も最近は出てきている。

    小飼:ジジイがスクワットしているのがマズいんですよ。そこがマズいんですよ。ただジジイにどいていただくためには、ジジイが生きていけるようにしなければいけない。

    USB発言と「課題の先進国」日本

    山路:やっぱり去年の私がベストかなと思うのは、これかなと思うんですけど。

    USBが何かは分からない

    小飼:ベストというのか、ワーストというのか。ああ。『U.S.A.』の次に来るのが、USBなのか……。

    山路:いい感じでUSAとUSBが2018年を象徴したと(笑)。

    小飼:確かにUSBって、このUSBですか? タイプCですか? こっちだね。タイプC。こっちだね。それともここにある……

    山路:それHDMI(笑)。

    小飼:ああHDMIだ。

    山路:それをきちんと区別して大臣が言っていたなら、逆に凄いですよね。その文脈で言ってたら。まあ、べつに上のほうにいる人がパソコンを使ってなくても、ぜんぜん構わないとは思うんだけど。ここまで知らないというのは、逆に奇跡的だなと。

    小飼:女性担当大臣が生理休暇ってなんですか? みたいに。

    山路:(笑)

    山路:ここのところで、2018年の何というか益体もないというのか、どうしようもない、嫌になるような話ばっかりを集めてみました。2018年ってこうやって集めてみると最悪だった感じがしてきますけどね。でも、それはどの年でも同じなのかな。

    小飼:ただじゃあ実際に日本は終わっているのかと思うと、たとえば観光客はわんさか押し寄せてるわけですよね。だから、かつては1000万人を超えるようにしたいと言っていたのが、4000万人とかになるようになったんです。それでもイタリアの半分ですよ。まだまだポテンシャルはある。

    山路:まだ来てもらえるだけでもありがたい。

    小飼:そうそう。来てみて面白い国ではあるわけですよね。

    山路:うん。それなのに、なんでこんなにネガティブ情報ばっかり発信する奴がいるのかっていう(笑)。

    小飼:うん。まあ来週あたりに紹介しますけれども、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』という本があります。

    山路:根拠に基づいていること、みたいな意味の。

    小飼:その本は日本を高く評価していますよね。これだけ政府にひどい仕打ちをされてもなあ。まだちゃんとやっているというのは、やっぱり日本の人凄えと思ったりしますよね。これだけ、これだけねえ。
     よくやってはいますよ。実際に、もう殺人は年間1000人をきっちゃったでしょう。交通事故死者も3500人とかでしょう。

    山路:交通戦争の時って1万人とか。

    小飼:2万人に近いです。

    山路:ああ2万人か。

    小飼:2万に近いです。それがそこまで減ったわけです。

    山路:30、40年くらいですよね、その減ったのって。

    小飼:はい。

    山路:しかし今の日本の在り方って、皆そこそこブーブー言いながら、なんとなくそんなに豊かでもなくって、なんかゆったりした滅びを享受しているっていう気もしなくもないですけど。

    小飼:滅びなのかな。でも少子高齢化というのは、全人類が体験するというのはもう決まっちゃってるんですね。これ決定事項なんですよね。日本の少子高齢化というのが、もう前世紀に決まっていたのと同じように、もう決まっちゃってるんですよ。全世界が経験するんです。

    山路:これは日本が特別な今状況におかれているというよりは、たぶん恐らく他の国も同じような。

    小飼:だから日本がどうしていくのかっていうのは、じつは世界中がもう本当に固唾を呑んで見守っているという。

    山路:ああ。デフレも最初の頃は、ヨーロッパの知識人たちは上から目線で「こうすればいいのに」と言ってたのが、ずいぶん後でになって「その時勝手なことをいってすみませんでした」みたいなことを言うようになったりとか。日本はいろいろな面で課題の最先端にいるところかもしれない。

    小飼:全くその通りですね。だからオリンピックなんてやってる場合じゃないんですけどね。本当に。

    山路:他に解決しなきゃいけない問題、いくらでもあるだろうにって。

    小飼:そういうことです。

    新元号とUnicodeの関係

    山路:じゃあちょっと最近の時事ニュースの方にいってから、それから2019年このITのことであるとか、景気のことであるとか、どうなっていくのかっていう予想を話すことにしようと。最近の時事ニュースのことで、これ、たぶん弾さんが食いつきそうなのは、新元号とUnicode。

    小飼:絵文字を入れちゃったばっかりにというのはありますね。だから1文字で「㍾」とか「㍽」とか「㍼」とか「㍻」っていうのは、Unicodeが他のレガシーな文字コードとの相互変換性を保証する過程で入っちゃったんですよね。だから一種の汚染です。その過程には、たとえばJISマーク(〄)なんてのもありますよね。だから古いJISマークが今でも出るというのはそれが理由で(笑)、それを含んでいたレガシー文字コードが何だったかっていうと「MacJapanese」というやつで(笑)。

    山路:かつてMacで採用された文字コードですね。

    小飼:そう、ハニートラップだったかみたいな。

    山路:この新しい元号も、すでにこの1文字で元号を表す文字っていうのが、この文字コードとして、Unicodeに予約されているんですよね。元号が何になるか決まっていないけど。

    小飼:というのか予約してくれとというのをUnicodeコンソーシアムが通しちゃったんですよね。絵文字とかがなければそれ蹴れたはずなんですよ。Unicodeの理念としては、特定の国とか贔屓しちゃいけない。だからたとえば、日本語というのは、日本人だけが使ってる言語ではないですよね。言語というのは、国とか政府とかとは独立した概念なので、言語をサポートするというのはそれはOKなわけですけども、特定の国でしか使わないものというのは、基本入れちゃいけないんですよ。
     JISマークとかいうのは、仕方なく入っちゃったんですよね。過去を引き継ぐために入れちゃって、あれは基本的に間違いなわけですよ。だから同じ間違いを繰り返すなというのであれば、元号は入れちゃいけないんですよね。だって日本国しか、日本国政府しか使わないものでしょう。

    山路:しかも今だったら、いくらでもその文字自体を表示する、適当にいい感じに表示するということは可能になった、フォントレベルで可能だったりもするわけだから。

    小飼:そうなんですよ。ところが絵文字を導入した過程で、国旗まで入れちゃったんですよね。だから国旗入れたっていうのは、これすっげえ痛えなと。

    山路:国旗入れると、絵文字のコミュニケーション、色々しやすくなること多そうな気もする。

    小飼:しかも皮肉なことにロシアの国旗はあっても、ソ連の国旗はないんですよね。鎌とハンマーのシンボル(☭)はあります。不思議な状態でしょう。国旗はないんです。ソ連の国旗はないんです。

     
  • 小飼弾の論弾 #98 「2018年の「おまゆう」事件から見える、ヤバくなってきた日本」

    2019-02-10 07:00
    540pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2019年1月8日(火)配信の「小飼弾の論弾」の前半をお届けします。

     次回は、2019年2月19日(火)20:00の配信です。

    お楽しみに!

    2019/01/08配信のハイライト(その1)

    • 100万円バラ撒き
    • マイルドな課金の『テクテクテクテク』でカンスト
    • 銀行は儲からなくなった
    • 労基法と権利と社畜
    • 教育への投資はどこへ行った?
    • KADOKAWAの経営者は仕事しましょう

    ZOZO前澤社長の100万円バラ撒き

    「100万円配ろう」(コメント)

    山路:あ、さっそく100万円配ろうネタきましたね。

    小飼:まぁでも、そういうのはやってくれる人がいるからさ。でもあれですよ、やっぱり最初に何を思い出したかっていったら、『蜘蛛の糸』ですね。

    山路:嫌な喩えを(笑)。

    小飼:ただ『蜘蛛の糸』と違って、ZOZOの人の財布はそれよりは分厚いかなと。でも、やっぱりね、笑っちゃったのは、なんで従業員の環境がブラックなのに、他人には100万円配るんだっていうのは、なかなかいいところを突くなと。

    山路:あと、これちょっと古い価値観かもしれないですけど、「100万円配る」って言われて、Twitterアカウントをフォローしたり、そのツイートをリツイートするっていうことに、わりと精神的な抵抗を私は感じるんですけど。

    小飼:ああ。僕はそういうのぜんぜん関係なく、ずいぶん昔から彼をフォローしてたので。うん、100万円って微妙だよ。僕でも嬉しい金額だけども、それをZOZOの人から貰うっつう……のは……。

    山路:100万円に関して、弾さんと普通の人とは何となく悩みどころが違う感じもありますけどね。

    小飼:なんか税務書類、面倒臭そう。プロに投げればいいんですけどもね、それも。

    山路:ZOZOの話で続けると、経営者がカスタマーに直接配るのって問題ないですか?

    小飼:カスタマーじゃないじゃん。フォロワーじゃん。

    山路:まあフォロワーですけど、潜在的な顧客ではあるでしょう。直接お金を配るって、ずいぶんこう、みんなダイレクトになってきたなっていう感じが。たとえば先月、QRコードのPayPayなんかでも、それこそ20%還元とか、何回かに1回はまるごとポイント還元みたいな。

    小飼:そっちのほうが飛びついちゃうんだよね。たとえば、もう常に2割引とかいうよりも、何だっけ、40回に1回は無料になりますとかのほうが人間、飛びついちゃうんですよね。そこが面白いところで。だから期待値だけ考えてたら、絶対宝くじなんて買わないでしょう。

    山路:買わない、買わない。

    小飼:うん。なのに買っちゃうんですよね。

    山路:そこんところで感情みたいなものを上手く操られちゃってる。これから、こういう手法ってどんどん増えて行くんですかね? 直にお金を配って、どうにかするっていうやりかたっていうのは。

    小飼:いや、直に配ってるの? いや、だからそれは配った人が、確かに頂きましたっていうのを見るまでは僕はしない。だから、それは口三味線でもべつにペナルティないから、今は。これが株の絡みだったら、風説の流布とかになるけれども。

    (編注:後日、当選者の一部がツイートを行ったのが話題になった。ZOZO前澤さん100万円当選者達が喜びのツイート。リツイートの夢の内容を厳選していた模様。「抽選じゃなくマネーの虎」 - Togetter

    「バラ撒き手法はYouTuberがやり出した手法かな」(コメント)

    山路:確かにYouTuberが、高価な商品とかを配って視聴者を募るみたいなのも増えてますね。

    小飼:PS4を配りますとかね、あったあった。

    山路:これって、企業もそのうちやってくるのかなと。企業は今までテレビCMに散々金をかけてても、よく効果わかんなかったじゃないですか。

    小飼:そもそも何でネットがあるのにいまだにテレビ広告をやっているのかな。それどころかネット企業までいちおうテレビ広告を出してるじゃないですか。Amazonですら出してるでしょう。でも確かにまだ効果あるんですよね。僕はぜんぜん見てないんですけれども。

    山路:これテレビCMでも今見てる人に、直に100万円プレゼントみたいな即物的なことが増えてきそうな気もしなくもない。

    小飼:でもテレビの場合は、景表法とかけっこう厳しい法律があるので、だからネットのほうがまだ緩いのかな、その辺。

    マイルドな課金の『テクテクテクテク』でカンスト

    山路:じゃあその正月っぽい話題からということで、最近弾さんがハマっているという『テクテクテクテク』。

    小飼:じつは僕、レベルもランクもカンストしちゃってですね、ゲームの実況としてはむしろつまんなくなっちゃうんじゃないかと。基本的にこのゲームというのはこうやって街区がいっぱい出てくるので、まだ塗っていない街区を塗って、もう塗り終わったところにはこうやってモンスターとかが現れてきて、退治したり闘ったりするわけですけども、たとえばこいつと闘ってみましょう。こうやって闘うんですけども、僕はもう強くなっちゃったので、これをこうするだけで、はい。

    山路:瞬殺なんだ。

    小飼:これ1番好きなところですね。瞬殺モードがあるんですよ。レベルが十分にあがると、弱い奴らというのはこのように簡単に退治出来たりするんですけれども。

    山路:俺TUEEEを体験できるわけですね。

    小飼:俺TUEEEを体験できるんですけれども、でもレベルがカンストしても、実際に瞬殺できない奴もいるんですよね。

    山路:これって、リアルな地図がつまりアプリ上で再現されているわけですよね。

    小飼:そうです。

    山路:東京56%って凄くないですか?

    小飼:街区の数みたいですけどね、適当に、じゃあどこか空いているところを、これ基本的にはそこに行って塗るものなのですけども、レベルが3とか比較的初期に、ここに「となり塗り」というのがありますけれども、これが有効になりまして、「となり塗り」というのを使うと離れたところにも、ほらもう塗ってある街区ありますよね? そのとなりとかをこうやって塗れるわけですよね。

    山路:隣の隣も塗れるんですか?

    小飼:では、これどうやって隣を判断しているかっていうと、たぶん要はユーザーがここにいますっていうサークルがありますよね。これが40mになるんですけども、その40m以内にある街区というのをたぶん予め計算しておいて、この街区の隣はここであるというような、たぶんテーブルを持っているんだと思います。これがあれば自宅にいながらにして、もう日本全国塗れるんじゃないかって思うでしょう。

    山路:そうですね。

    小飼:できない例をお見せします。もうちょっとひいたほうがいいかな。江東区、江東区大変だったな。大田区、言わずと知れた羽田空港です、はい。ほらこういうところ、塗れませんよね。なんで塗れないかっていうと、十分近くないので、隣だとみなされないんですよ。
     だからこれは実際に羽田空港に行かなくちゃいけなくって、特に難儀そうなのがあれですね、羽田だとD滑走路。これ海からアプローチするか、実際にD滑走路から離着陸する飛行機に乗るかしないとちょっと。

    「滑走路に入り込むバカが出て来てほしい」(コメント)

    山路:これ本当に出てくるんじゃないですか。整備士とかがやったら、勤務規定違反になっちゃうだろうなあ。にしても東京50%。

    小飼:それでもあれですよ、日本3%。

    山路:それも凄いと思いますけどね。

    小飼:このゲームは、ポケモンをよく研究しているなというところはあります。
     「となり塗り」するとそこに宝箱発見とかこういうのあるじゃないですか。これが『ポケモンGO』だと、一々止まるんですよね。でも、『ポケモンGO』の嫌なところモやっぱり残ってて、たとえばここ、宝箱のアイコンがありますよね。これを開けるとクソウザいアニメが出てくるんですよ。これやめて欲しい。

    「課金した?」(コメント)

    小飼:はい。課金しました。これ始まった時には、けっこう課金しなくても続けられるんじゃなかと思ったんですけど、今は実質課金がないと、ものすごい進めにくいゲームになっちゃったと思います。これもやっぱりポケモンに似てるんですけど、ポケモンだと卵の孵化機ありますよね。タダでくれるのは1個だけで、あとのやつというのはもう3回使うと壊れるやつというのを、都度買わなければいけない。
     だから、そこが課金要素なんですけれども、このゲームの場合も宝箱、要は街区を塗るとそこにお宝が落ちてたりするんですけど、そのままでは中味をゲットできません。この宝箱を開ける装置というのを買わなくちゃいけなくって、タダで用意されているのがここの4つのスロットですよね。それよりも多い部分というのは、ここに歩行石というのがあるんですけども、この歩行石を使って宝箱を拡張をしたりしなきゃいけないんですね。

    山路:見てる限りだと、わりとマイルドな課金のイメージですね。

    小飼:マイルドな課金です。

    山路:そんなにガンガン突っ込むみたいな感じでもなさそうな。

    小飼:要は宝箱をどれだけ一遍に開けたいかということで。この金の宝箱というのは、突っ込んで8時間しないと開かないんですけど。すでに開いたのがあって、ここがもう1つウザいところ、これまとめて開けるっていうボタンがありますよね。これでしばらく待たされるんですよ。こうやってグルグル回りますよね。これ中味を改めているんですけど、厳密には中味をサーバーに送ってると思うんですけど、まとめて開いてないんですよ、これ。最初は嬉しいんですけども、このクソウザいアニメがずーっと続くわけですよ。あ、切り餅。

    山路:ああなんか新しいアイテムが出たんですね、今。

    小飼:これですね、初めて見たアイテムはちゃんと大きなアニメが出るというふうに工夫はされているんですけれども、このタップさせるっていうインターフェイスは相変わらず。だからこの部分というのは、もう通知でやってほしいですね。最初だけ大きく表示して。
     ポケモンよりもマシなのは、ポケモンって卵が孵化する時ってほんと何もできないでしょう? さあこれからそこにいるポケモンを捕るぞ、あるいはそこのポケストップを回すぞ、そこにいるジムに入るぞといった時に、卵が孵化しだすと、もう何もできない。

    山路:新しいポケモンの時は、ちょっと嬉しいですけど、それだけですもんね。

    小飼:うん、そこはもう、中途半端にポケモンのマネをしていてウザいところがありますよね。ポケモンほどモンスターの魅力がないので。惜しいね。

    山路:ボスの「小林幸子」とかけっこういい感じだと思いますけどね。

    小飼:いや、ただあくまでもゲストでしょう。
     じゃあサッチーと闘います? サッチーいっぱいいるから。とんでもない場末のところにもいました。中央防波堤にいたもん。中央防波堤にいたのがこれです。超笑ったな。

    山路:それはシュールだな(笑)。

    小飼:ここ上野ですね。

    山路:弾さん、カンストしたって言ってませんでした?

    小飼:要は、レベルとランクというのがありまして、それが両方共これ以上上がらない、現状これ以上、上がらない数値になったという意味ですね。あ、ここにいましたね、小林幸子。なんですけれども、レベルカンストした僕でも素のままでは負けちゃいます。ほら。ぜんぜん減らないでしょう、ゲージが。いくら闘っても、これこのまま受けると死ぬな。あれ、お、さすが一遍には死なないな。一遍には死なないな。

    山路:アイテムとか回復しつつ。

    小飼:このHPというのが0になると死ぬ。もう一回受けてわざと死んでみますね。

    山路:しかし凝ってるな、映像。

    小飼:あ、死にました、はい。2度で死んじゃうんですけど、やらしいのは、これContinueボタンというのがあるでしょう。これをやると続きをやり始められるんですども、これすごい高いんです。
     でも連打してたりする時は、落ち着いてやめるじゃなくて、使うになっちゃったりするわけですね。そうするとこれ、HPが1の状態で元に戻るので、これを復活させるためにはここからライフウォーターとかライフティーとか、要は回復系のアイテムを使うんですけど、もっと簡単な方法がありまして。適当にモンスターを捕まえます。で、瞬殺します。

    山路:めっちゃ速い!

    小飼:で、もうHP戻ってる。

    山路:え? なんで?

    小飼:あのですね、生き残りさえすれば、HPはフル回復するんですよ。MPは回復しない。
     なんだこいつ、ああ、マスター・オブ・餅、なんかこれを退治するとオモシロアイテムを貰えるみたいです。

    「すぐ回復するから楽しいよね、これ」(コメント)

    小飼:ああゴジラがいた。いやでも倒しましたよ、ゴジラも。ゴジラも倒せるようになりました。こいつはサッチーより強いです。はい。これを延々と続けるわけですね。
     これ途中で抜けられるのがいいですね。これはポケモンのいいところを真似したと思います。

    山路:カンスト、レベルの上限とかにいったって言ってましたけど、そうなったらゲームとしてはあんまりやることはない?

    小飼:プレイヤーは日本を塗りたいわけですよ。これはモンスターと闘うゲームでもあるんですけれども、基本的に日本を塗っていくゲームなので、さっきも見たように東京も半分強で、日本は3%ということで。このゲームで、ポケモンでもいろんな聖地が現れましたけど、お台場とか、『テクテクテクテク』だと京都が聖地になりますね。なんで聖地になるかっていうと。

    山路:メッチャ、スポットがいっぱいある!

    小飼:そうそう、スポットがいっぱいあって、スポットをコンプリートすると、毎日ボーナスが貰えるようになるんですよね。そのボーナス稼ぎのために、こんなふうにいっぱいあるわけですけども。

    山路:これ京都にも行ってるんですか?

    小飼:京都は実際に、人に会う用がありましたので行きました。ただ行った時に、帰り新幹線ではなくって、いったん金沢まで行って、いや、でもじつはそのほうが少し安いんですよ。

    山路:え? そうなんですか? 京都から金沢経由で帰って来たほうが?

    小飼:そういうチケットあります。

    山路:『テクテクテクテク』だけのために行って来てもいいとは思いますけど(笑)。

    小飼:それやった人けっこういるみたいですね。ただ京都にはもう1つ行き方がありまして。もう1つの行き方というのをちょっとお見せしましょうかね。また東京に戻ります。

    (BGMが流れる)

    山路:洗脳されそうな感じのBGMですね……。

    小飼:ここ何処かっていうと、有明にあるフェリーターミナルです。ここを塗りますと、ここから出ている船の行き先が、となり塗りの対象になるんですよね。

    山路:え? 本当に? じゃあ小笠原諸島なんかも塗れちゃったりとか。

    小飼:塗れちゃったりします。実際にここと、もう1つ東京の場合は海岸がこれだから、日の出、ああこれだ、海岸というのがあって、この辺ですね、この辺を塗りますと大島まで行けるようになります。実際に大島に行ってみましょう。

    山路:これは確かにバーチャル体験として面白いですよね。

    小飼:大島いましたね。位置をキチッと合わせないと、海に行っちゃうんだよね。

    山路:へえ、それでフェリー乗り場のところが。

    小飼:ここ光ってるでしょ。始めの初期のテクテクテクテクポイントとかがあんまり溜まっていない時点だと、必要なテクテクテクテクポイントが多すぎて塗れないんですよね。ただ今の僕はあれです、じゃあここの左肩の99999999の下をよく見てて下さい。クリックしてみます。クリックじゃない、タップですね、はい。100万ttp以上必要なんですけども。
     これで大島が一部塗れました。大島町1%で、ここを塗ると他の島にも行けるはずなんですよね。
     行けましたね。ほら、行けましたね。要はフェリーで隣、船の航路だと隣になるんですよ。

    山路:航路のデータとかもちゃんと持っているっていうことなんですかね?

    小飼:持っているっていうことです。今のワンタップで13%になりましたけれども、はい。

    「都市と地方の格差ってあるんですか」(コメント)

    小飼:都市と地方の格差って、『ポケモンGO』ではかなり酷かったんですけれども、これの場合は「予約塗り」と「となり塗り」のコンセプトを導入することによって、たとえば田舎にいても今見たように、東京や京都に行って塗っていうのが可能ですし。そこはよく出来てますね。

    山路:じゃあ、地方に住んでてもそんなにストレスを感じないと。

    小飼:僕もガチプレイヤーというにはちょっと修行が足りないとは思うんですけれども、それでも今日の13時までコンテストやってたんですよ。どんなコンテストかっていうと、塗っていくと寿玉というのをくれて、要するに寿玉を、

    山路:お年玉的な。

    小飼:どうやら10位入賞は逃したんですけども、100位までは確実に。

    山路:すごいやりこんでないですか(笑)。

    小飼:でもちょっと心配なんですよ。僕程度で、その順位に入れるっていうことは。

    山路:そんなにユーザーがいないんじゃないかと。

    小飼:そう、でもまあ今のところは。

    「ガチ勢でなくて、なんなのか」(コメント)

    小飼:こういったゲームのガチ勢というのはやっぱり、1日に何度も課金してっていうくらいでないとあれだと思うんですけれども、さっきも言ったように基本的にお金がかかるアイテムというのは箱開けの部分で、要はどれだけ箱開け機を並べるかっていうので、さっきのポイントはトップの人の半分くらいだったみたいです。トップの人はどうしてたかっていうと、もうひたすら塗ってたと。もう街区のコンプとかももう全部置いといて、ひたすらタップしまくってたと。箱開け機も300くらい並べて(笑)。

    山路:全部塗ったりするとアイテムが貰えたりするんですか。

    小飼:僕の場合は、中央区佃というところに住んでまして、そこを最初に塗ったんですけれども、そうすると毎日入るボーナスが貰えるんですよね。

    山路:自分の領土になるみたいな。

    小飼:そうそう。

    山路:ログインボーナスが増えるみたいなイメージ。

    小飼:そうそう。ログインボーナスがコンプリートしていくと増えていく。たとえば中央区全体、要は市区町村だと更にボーナスが増えると。

    山路:しかし弾さん位置ゲーすげえ好きになりましたよね(笑)。『ポケモンGO』以来。『ポケモンGO』以前はそんなに外も歩かなかったって言ってたのに。

    小飼:『テクテクテクテク』の場合は、名前に反して、プレイヤーを歩かせるゲームというよりは、プレイヤーをあちこちに行かせる、歩かなくてもいいんですよ。だから始めに佃は歩いて制覇しました。中央区はチャリで制覇しました。東京の他の部分というのは基本的に車で、主なところにツバをつけるというのか、ちゃんととなり塗り出来るようにしておいてから、残りはとなり塗りしましたと。

    山路:地域の町おこし的なことっていうのも、『ポケモンGO』よりある意味やりやすかったりするのでは。

    小飼:やりやすいはずですけど、その辺どう営業をかけてるんでしょうかね。

    山路:あと面白いのが『ポケモンGO』とは、歩くことに関してコンセプトが違ったりするじゃないですか。

    小飼:乗り物もOK。

    山路:今後は、ライフスタイルによって位置ゲーが選ばれていく感じになるのかも。

    小飼:あと『ポケモンGO』と違って、ワールドワイドではありません。ちょっともう一度画面、出していただけますかね。

    小飼:地図をいちばん引いた状態で、もうこんなもんなんですよ。要は日本とその周辺しかカバーされてない。ただ実際に土地を塗りつぶしていくっていうので、ワールドワイドに展開したら、政治的な問題というのも、当然起こります。
     たとえば北方領土。北方領土もちゃんと日本の街区として登録されているはずなんですよね。実際塗った人もいるそうですし。船で行けば塗れちゃいます。
     竹島とかどうなってるかな。

    山路:すごい、政治的な問題にも繋がってきそうな。

    小飼:繋がってきますよね。
     あと、やっぱり『ポケモンGO』と比べてダサいのは、メンテナンスで全部止まっちゃうというのですね。『ポケモンGO』だと、たとえばイベントが中止されたり、延期されたりっていうことはあっても、全く何も出来ない状態という瞬間は、ないじゃないですか。

    山路:まだインフラの規模が。

    小飼:クラウドの使い方はやっぱり、ナイアンティックのほうが一日の長がありますね。

    山路:テクテクテクテクのアプリの出来に関しては、相当褒めてましたよね。

    小飼:なんですけども、改善の余地もけっこうあるなあと思って、いやここはこういうアルゴリズムでやっているんだろうけれども、もっといいのあるぞーというのを(笑)。

    「ニートは尖閣に集まろう」(コメント)

    山路:『東のエデン』っぽいですね。

    「米軍基地も日本の領土として塗れた」(コメント)

    山路:ああやってる人もいるんだ。

    小飼:中国塗れないんですよ。

    「尖閣ボーナスあったら集まりそうだね」(コメント)

    山路:そうなんだろうか(笑)。じゃあこの『テクテクテクテク』はしばらく続けていくわけですよね、これから。

    小飼:はい。いやでもあれですよ、もし無課金でプレイし続ける人がいたら、お目にかかりたいな。『ポケモンGO』の場合は卵のジムを制覇することによって、ゲーム内通貨を集める手段というのは用意されてました。じつは『テクテクテクテク』も始まった時には歩行石というのが道に落ちてたんです。さっきの宝箱とかでバンと開けたら、そこに歩行石が入ってたりしたんですけども、今歩行石を得る手段というのは、詫びで貰うか。

    山路:そんなに詫びがあるんですか(笑)。

    小飼:うん。あとレベルアップとかランクアップの時に貰うかしかなくなっちゃったんですよね。

    山路:最初は客寄せというか、初期ユーザーを集めるために大盤振る舞いしたっていうことなんですよね。まあでもしかし、健康になりそうなゲームではありますね。

    小飼:どうなんでしょうかね? というのも、じつは今見たとなり塗りっていうのは、暗い部屋でやったほうがいいんですよ。だから暗い部屋でひたすらタップしているほうが。だからこのゲームってオンとオフがあるんですよ。だからひたすらあちこちに行って塗る場所を予約するという。だから表フェーズと、実際に塗っていくという裏ベースというのか、要は引きこもりフェーズ。

    「ニコニコっぽさがそこのあるのかもしれない」(コメント)

    山路:確かに、『ポケモンGO』最近どうもリア充シフトを進めているような感じがありますよね。

    小飼:そうなんだよね、何が対戦プレイだ! はい、今のところ、純粋にソロゲーなんですよ。たとえば出てくるモンスターとかもプレイヤーのレベルによって変わってきます。だからプレイヤーによって、見えてる景色っていうのは微妙に違うはずなんですよね。少なくともモンスターは違うはず。

    山路:なるほど、じゃあまたなんか、ちょっと進展があったら、配信で実況をまたやりますかね?

    小飼:はい。位置ゲーとしては、やっぱり『ポケモンGO』よりも一歩進んだなっていうのは、乗り物OKになったということですね。本当に『ポケモンGO』は最初の頃に、いろいろなチートが出ては、対策してたじゃないですか。速度を検知するようになったりですとか、ついには一定以上の速度で動いているともうポケストップを回しても何も起こらなくなったりですとか。
     だから、予約塗りっていうのは、本当に良く考えたなと。予約している間っていうのは、少なくとも画面見る必要ないんですよ。ただそこまでやるんだったら、バックグラウンドで出来るようにして欲しかったですね。今はゲームがフォアグラウンドに出てないと、一切何もカウントされない。

    山路:けっこうバッテリー食いますもんね、フォアグラウンドにきてると。

    小飼:かなり食います。予約塗りモードというのが欲しいですよね。それを実装すれば、自分が移動した場所さえトラックすればいいので、ほとんどバッテリー食わないはず。

    山路:今の『ポケモンGO』はAppleWatchを付けていれば、HealthKitで測定して、後で反映できるようになりましたよね。

    小飼:そうなんですよ。もう『ポケモンGO』は、卵孵ゲームに特化していて、実際にゲーム画面とかっていうのを見なくて(笑)

    山路:なんかそれはゲームなのかどうかもよくわかんなくなってきますけど。

    小飼:いいんですよ、それで歩いてるんだから。

    銀行は儲からなくなった

    山路:じゃあ次は去年末の、前回の放送でやり残った2018年の振り返り、2018年おまゆう、まぁひどいことを色々いうやつがいたと、そういうことを振り返ろうという話だったんですけど、とりあえず印象に残ったキーワードみたなものっていうのをちょっと出していきましょうか。

    「お前の家族を皆殺しにしてやるといわれた」

    小飼:いきなり、いきなり剣呑なのが出たな。誰が誰に言ったんですか? これはスルガ銀行の人が。

    山路:スルガ銀行の勤めている行員の聞き取り調査報告書からなんですけど、上司にノルマを達成できない部下に対して上司が言ったことが「お前の家族を皆殺しにしてやる」という、いや凄いなという。

    小飼:これ録音されてたら、一発でアウト。

    山路:刑事事件ですよね、こんなのって。

    小飼:スルガ銀行って優秀な地方銀行だったはずなんだけれどもな。

    山路:結局、地方銀行で儲けるのが難しくなってきたと。

    小飼:地方銀行に限らずに、本当に銀行って儲からない商売になってますよね。結局のところ、銀行のメインのビジネスというのは、集めた、つまり預金者から借りたお金を融資という形で又貸しする。その金利差が銀行のビジネスの基本の基本なんですけども、たとえば今、会社とかっていうのはエクイティファイナンスと言って、要はお金借りるんじゃなくて、株を発行してというかたちでも集められるようになりましたし。何と言っても肝心の金利がもう低すぎる。

     
  • 小飼弾の論弾 #97 「2018年ITの振り返り(その2):GAFAと国家の関係と、大きく変わったマイクロソフト」

    2019-01-31 06:00
    540pt

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2018年12月4日(火)配信の「小飼弾の論弾」の前半をお届けします。

     次回は、2019年2月5日(火)20:00の配信です。

    お楽しみに!

    2018/12/04配信のハイライト(その2)

    • 2018年振り返り/GAFAの成長鈍化と『テクテクテクテク』
    • 2018年振り返り/GAFAと規制と国境と
    • 2018年振り返り/マイクロソフト
    • ウィルス対策ソフトとOSのセキュリティ
    • 秋葉原の流動性とdynabook
    • 2018振り返り/AI
    • 2018年振り返り/セキュリティとCPUの嘘

    2018年振り返り/GAFAの成長鈍化と『テクテクテクテク』

    山路:2018年は、GAFA、Google、Amazon、Facebook、Appleとかの株価がガーンと上昇していって、最近またガーッと急落しました。

    小飼:どれも同じようなグラフの形はしてますけれども、Appleが1番おとなしい(この配信は2018年12月4日)というのも理由があって、Appleだけがこの中でハードウェアの会社なんですよ、基本。もちろんハードウェアとサービスがあるがゆえの、ハードウェアの会社ではあるんですけど、でもちゃんと手に取れるものを作って、それを売って、おぜぜを稼ぐ会社ですよね。
     古き良き会社というのか、要は物を売ってますという意味で。

    山路:とりあえず無料だけど広告で儲けてますみたいな、今どきの会社じゃないっていうことですよね。

    小飼:まぁそれを行ったらAmazonもそうですけども。でも、Amazonは自分で作ったものを売ってる会社ではなかったんですね。AWSのおかげですごい変わってはいますけれども。

    山路:ただ、GAFAの4社はいずれもガーッと伸びて下がったという傾向は似ているじゃないですか。これって皆の期待が高すぎたんですか?

    小飼:期待が高すぎたというよりも、不安が大きくなってきたというところはありますよね。

    山路:たとえば、アメリカと中国の貿易戦争みたいな話?

    小飼:はい。

    山路:投資家としての弾さんからみると、この不安って1番大きなのは何なんですか? その投資家にとっての不安、大きいものっていうのは何なんですかね?

    小飼:こいつらをこのまま野放しにしていていいのだろうかという意見が、やっぱり2018年に凄い強くなってきましたよね。

    山路:きっかけはFacebookなんですかね?

    小飼:要するにそろそろ、こういう杭は打っておかなければ駄目なのかなという意見が、右からも左からも(笑)。

    山路:Facebookの個人情報が、たとえば外部の会社に利用されてたとか、そういう話ですよね。

    小飼:はい。

    山路:国が規制に動くかもしれないと皆が思って、株価が下がったっていうことですか?

    小飼:ということもありますし、あともう1つ、大きいのは、市場がサチった(サチュレーション saturation 飽和)と。

    山路:サチった?

    小飼:うん。この4社にはこれ以上ユーザーを増やす余地がないんじゃないかと。Appleなんかわかりやすいですよね。この間、20億台目のAppleデバイス、iOSデバイスを売ったというふうにクック船長が豪語してましたけども。でもApple製品みたいな高額のものが―――20億の半分としても10億です―――の人たちの手に行き渡っているのに、これ以上売ることが出来るのか? と。

    山路:Apple Watchとか、もうちょい売れそうじゃないですか。

    小飼:はい。だけれどもiPhoneほどのヒットにはならないですよね。
     今iPhoneって1年に2億台売れてるわけですけれども、今後もそれだけ売れてるのだろうか。だからAppleの高価格路線というのは、間違ってはいないんですよね。皆もうすでにiPhone持ってますという状態で、リプレイスメント(replacement)を売るとしたら、高くて長持ちするものを交換需要として売っていくしかないじゃないですか。

    「車メーカーになれたら」(コメント)

    山路:しかし車って、車ってそんなに今後利益率の高い商売になるんだろうか?

    小飼:もともとそんな高くなかったですからね。なんであんなハイテク製品を、あんな低いマージンで売ってるんだっていうふうに、ずっと思ってましたけどね。

    山路:今後テスラにしても、仮にAppleが参入するにしても、電気自動車プラス自動運転みたいなことになるのは、まぁ間違いないわけじゃないですか。そうなった時って個人が車所有しないんじゃないの? っていう。

    小飼:そう若ければ若いほど、クルマ熱が低いですよね。こりゃ確かです。

    山路:シリコンバレーの人がバスに乗ってスマホ使ってるんだから、車を買って所有するみたいなことが減るんだったら、べつに車メーカーになったところであんまりおいしくないんじゃないかと、私なんか思っちゃったりもするんですけもどね。

    「Googleがどうやって儲かっているのか、いまだによくわからない」(コメント)

    小飼:広告ですよ。だから広告を出稿する人たちっていうのは、Googleに喜んでお金を払っているわけですけど、その伸び率も年々落ちているわけですよね。そりゃもう人の時間だって有限ですから。

    山路:しかし、今まだネットに繋がっていない世界の人っていっぱいいるわけですよね。

    小飼:というふうに言ってますよね。だからそれがだから、特にFacebookとかがまぁ熱心で、まだ繋がっていない人たちが20億人いますと。それにしても、もう人類の過半数突破しちゃってるんですよね。

    山路:じゃあ、この株価っていうのは、ある程度ユーザーが増えるということすら織り込まれたものだと。

    小飼:まぁそういうことですよね。これ以上増やすため、同じやり方で増やすためには、地球をもう1個作るしかないみたいな(笑)。

    山路:さっき仮想通貨のとこでもちょいと出た話題なんですけど、結局、GAFAとかのITにガンガンお金が流れたのは、あんまり成長すると期待できる産業が他にないからこそなんじゃないですか?

    小飼:まぁそうですね。実際に、いずれもきちっと儲かって利益を上げている会社ですからね。特にAppleは、そうですからね。

    山路:決算が出る度に文句がつけられるんだけど、いやそんな利益出している会社ないでしょうと思うくらいの決算書なんですけど。これってIT、この今ピカピカの決算書を出しているそういうGAFAとかが駄目だったら、その投資のお金って一体どこに向かうんだろう。

    小飼:そうなんですよ。まぁでも昔からそういった形で、金余りという現象はあったわけで。

    山路:すごいお金持ちとか機関投資家は、どんどん儲かるほうに、儲かる方向に金を振るわけじゃないですか。たとえばGAFAがそんなに儲からないと思ったら、そのお金ってとりあえず現金で取っておくんですか?

    小飼:そういうことですね。だから本当にそう。すごい投資家的なまとめ方をすると、今年は凄いキャッシュが強い年でしたね。僕もいろんなところに投資していたものを、そろそろ手引くかといって、だから今回のエクイティスランプはあんまり影響を受けてないというのか。

    山路:ある意味それは、お金持ちがどこかに投資しないで、自分の現預金口座に戻しちゃうみたいなことって理解していいんですか?

    小飼:そういうことですよね。

    山路:投資もせず、買い物もしなかったりしたら、そりゃあ世界に回るお金が増えない感じはなんとなくわかりますが、こういう印象論で間違ってないんですかね? 今、世界で起こっていることっていうのは。

    小飼:うん。また金が澱んできたなと。じつはですね、もうすでにGAFAの株を買っている時点で、金を澱ませてるんですよ。だって変な言い方をしますと、負けようがない銘柄なんですよ、こいつらは。

    山路:負けようがない。成長が鈍ったとしても、これから主流になるであろう、データ経済をガッチリ握っているわけだから。

    小飼:そうそう、ガッチリ握っているわけだから。だけれども外しようがないということは、大当たりもしようがないんですよね、もう。

    山路:他の産業でもそういう大当たりも出にくくなったりするんですかね? そこに金が回らなくて、GAFAのほうに投資してもイマイチだなみたいなところで、金持ちが投資を控えている?

    小飼:だからもっとこれよこせっていうものが、なかなか見つからない年でしたね、2018年というのは。だからその意味ではあれだな、さっきの繰り返しになるけれども、『テクテクテクテク』が出たのは凄いいいニュースだと思うよ、マジで。これがちゃんと業績にも反映されて欲しいんですけども、すみません、僕まだ課金してないっす。

    山路:それは、つまりGAFAみたいな大手以外からも、ちょっと面白いプロダクツが出てきたっていう意味ですか?

    小飼:そうそう。

    山路:そんな大手以外のところでも、何かやるチャンスはあるかもっていう。

    小飼:これで本当に、一般ジャンルとして、位置ゲームが根付くのがほぼ確実になったと思うので。
     これまでの世間の認識は、『ポケモンGO』だけが売れてた。『Ingress』も十分なヒットなんですよ。十分なヒットなんですけども、それでもまだ、知る人ぞ知るレベルだったけども、今や、『ポケモンGO』っていうのは、街角の在り方を変えたじゃないですか。ブーム去ったって言いますけども、今でも大物レイドを公園でやれば、人が集まってるわけですよね。

    山路:『テクテクテクテク』に関して言うと、これって世界でヒットしそうな感じですかね?

    小飼:そこが難しいところだけども、少なくとも日本ではちゃんと当たると思う。ただ根付くかどうかっていうのはちょっとまだわからないかなというのも、あまりに引きこもりでもプレイしやすいというのと、課金したいっていう閾値がちょっと高すぎたかなという感じはしますね。今週末というのか、そのゲーム始めてから今日までの昼間ですね、位置ゲーなので動くのは昼間のほうがありがたいので。わりとガチでやったんですけども、これだけガチでやっても、まだ課金しなくていいかなというのは。

    山路:なかなか大盤振る舞いではありますよね。

    小飼:まぁでも今のうちだけかもしれない。それは置いといても、コラボレーションのやり方とかっていうのは、これは世界に持っていけるんじゃないかと思う。凄い、ああそうか、この手があったかという。というのも、基本ソロゲーって言ったじゃないですか。だから出現するモンスターとかっていうのは、ユーザーがどこにいて、ユーザーのレベルがどれ位かっていうのでも、違うんですよ。
     ポケモンGOの場合は全員のところに同じ時刻であれば、同じポケモンが出現することになってますよね。テクテクテクテクは違うんです、ユーザーに合わせてるんですよ。じゃあコラボキャラとかっていうのは、どうしたらいいのかって言ったら、そっちは固定で出すんですよ。

    山路:そこで共通体験は出来るというふうにはなってるわけですね。

    小飼:はい。だからいつも同じところにラスボスの、あの小林幸子さまがいらっしゃる。

    山路:しかしGAFAの成長鈍化のところの話に出てくるのが『テクテクテクテク』っていうのは、ちょっと意外性がありました(笑)。

    小飼:でもこれはどっちかというと、GAFAをインフラとして使ってますよね。GAFAが非難されるようになっているけど、じつは悪いことばっかしではないんですよ。安心して使えるインフラなんですよ。AppStoreがあれば安心してアプリを配布できますし、クラウドがあれば安心してサーバのスペックや数を加減できますし。

    「もうちょっと一般受けするキャラ使ったほうがよくない?」(コメント)

    小飼:確かに、確かにちょっとグロめですね。ゲストキャラは置いといても。

    2018年振り返り/GAFAと規制と国境と

    山路:じゃあ、ちょっとさっき言いかけた、GAFAに対する規制、「こいつらを野放しにしておいてはいけない」という話の方向なんですけど。国の規制、国がだいぶ横槍を入れるようになってきたじゃないですか。

    小飼:なんだけども、彼らは国がやるよりもいいインフラを提供してますよね。そこなんですよね。ただそれは、もしかして彼らが税的に優遇され過ぎているが故にそれができているっていう可能性だってあるわけです。