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  • 小飼弾の論弾 #154 「対談:税理士Youtuber・大河内薫さん(その1)、学校では教えてくれないお金の話」

    2020-03-28 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年02月18日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2020年3月31日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/02/18配信のハイライト(その1)

    • 税理士大河内薫さんを迎えて
    • みずほシステム統合とメールアドレスの共通点とは
    • アメリカの大学の学費無償化策と保険政策
    • Coinhive事件と法曹界のITリテラシーについて

    税理士大河内薫さんを迎えて

    山路:今日はゲストをお呼びしております。税理士YouTuber、YouTuber税理士と言えばいいのかちょっとわからないですけど。

    大河内:そうですね、YouTube盛り上がっちゃってますね。

    山路:税理士の大河内薫さんに来て頂いております。

    大河内:ありがとうございます。よろしくお願いします。

    小飼:よろしくお願いします。

    山路:この『お金のこと、何もわからないまま、フリーランスになっちゃいました』の。

    大河内:いきなり宣伝していただけるという、なんて素敵な番組なんだ。これですね。

    山路:本が大変よく売れてるという。

    大河内:有り難いことで、マンガの税金の本なんですけども。

    山路:題名が長すぎて一発で出ない。途中で切っちゃっていいですか? すみません。

    大河内:アハハ、そうなんですよ、題名が長くて、フリーランス税本と界隈では言われてるんですけども。

    小飼:だけどもラノベに慣れちゃったお陰で、あまり長く感じなかったな。

    大河内:ああタイトルがですよね。

    山路:そうですよね。

    小飼:もともとノンフィクションのほうが本の題名って長めですし。

    山路:それにしても、長いな。

    大河内:長いんですよ。これ長いんですよ。僕も言えって言われたら詰まるかもしれない。

    山路:あれ? すみません。

    大河内:ぜんぜんいいですよ。後でいいです。なんかこの色とか感じを覚えて貰えれば、有り難いです。

    山路:最近というか、来月には確定申告の締切も迫ってて。

    大河内:いやもう来ますね。今年は3月16ですかね? 15日が日曜日なので。最悪の季節です。

    山路:なんかコメントにも今あったんですけども、税理士さんって、今1番忙しい季節じゃないのかなという、いかがですか、地獄の。

    大河内:忙しいと思いますけど、僕はもうちょっと遅いんですよね。もうちょっと、ここから資料が来てという感じの方が多いです。うちのクライアントは。

    山路:けっこう、それキツくないですか。

    大河内:キツいですよ。やっぱり3月15日までに資料を渡せば終わるんでしょう? 感があるんで。いやいや、それは無理でしょみたいな。

    山路:アハハ。締切が16ですよね。

    大河内:そうなんですよね。

    山路:14日くらいに、領収証の束を送りつけてくるみたいな。

    大河内:そうなると辛いですね。だから資料収集。この人はこれ、こういう性格だからとか、いろいろ考えながら資料収集するのがたぶん、僕は確定申告1番辛いんじゃないかなと思います。

    山路:ああ。いやいや、じゃあちょっと税金の話に関しては、後半のほうで。いろいろ、私もこの機会に。

    大河内:聞いて下さい。ぜんぜん聞いて下さい。

    山路:ガンガン聞いて下さい。視聴者の皆さんも、確定申告これからしなきゃいけない方も多いでしょうし。是非いろいろコメントで出して下さい、ということで。最初はですね、まず時事ニュースのほうからなんですが。これはまあちょっと外せないかなというのが、もうコロナウィルスですよね。社会での影響が半端ないという、たとえば、でかい展示会なんかが軒並み。

    小飼:そうね、僕も無関係でなくて。

    山路:無関係でない?

    小飼:来月京都でYAPCやるんですけども、それが流れるか流れないかという話で、今月末までに決めるという。

    山路:ああYet Another Perl Conferences。

    小飼:そう、京都なんですよ。3月の終わりだから、最初、この季節はもう京都、宿とれないから宿の確保だけは先にしておけよみたいな、散々脅されたけど。

    山路:今、ガラガラなんじゃないかって。

    大河内:確かに、ガラガラですよね、今ね。

    小飼:うん、だからYAPCがあろうがなかろうが、行ってきますよ。

    山路:アハハ、京都見物に?

    小飼:そう、もったいないし。

    山路:なるほどね。それは賢いやり方ですね。それにしてもたとえば、東京マラソンが一般参加中止になったりとか。

    小飼:オリンピックもこの勢いで。

    山路:アハハ

    小飼:それ考えると、応援しちゃうよね。ここに来て、この手があったかという。

    山路:でも私ね、東京オリンピックね、東京オリンピックとパラリンピックのチケットが凄い当たっちゃったんで、なんか(笑)

    大河内:凄いですね。

    山路:オリンピックが3枚、パラリンピックが4枚。

    大河内:素晴らしい。

    小飼:でもそれはもう買っちゃったの? コミットしちゃったの?

    山路:もう購入しました。

    小飼:でもマラソンは払い戻ししないんだよね。

    山路:マラソンはないですね。オリンピックに関しては、たぶんなんかウィルスで中止とか、今の段階ではぜんぜん考えてなかったと思いますけどね。

    大河内:でもワクチン出来上がるのって、1年半後とか言われているから、どういう状況かわかんないですからね、夏の時点で。

    山路:しかしこれ、最初の段階ではけっこう致死率も低いし、そんな大したことないだろうというような意見もあったんですけども、何というか、どんどん影響が目に見えて世界的に大きくなって。昨日でしたか今日でしたか、Appleが売上高の下方修正をもう。

    小飼:そうそう、下方修正というのか、とりあえずこの間の決算で出したガイダンスは、未達になる公算が大きいという。

    山路:でもAppleなんてこの前最高益、出したんでしたっけ?

    小飼:そうですね。

    山路:相当いい業績出して、1月から3月はさらによくなるんじゃねえかみたいな。

    小飼:3月にSE2が出るんじゃないかと言われていたのに。

    山路:廉価版が出るという。

    大河内:そうですね。

    山路:しかしこれって、ここまでその世界的な経済に影響ありますけど、ここまで展示会を中止するとか。

    小飼:でもGDPマイナスが、幸か不幸かCOVID-19のせいには出来ないですよね。時期がちょうどいい具合にズレてる。

    山路:ああ国民GDPが軽減したというはなし。

    大河内:これは日本政府の言い訳に使ってほしくないですよね。コロナ。

    山路:月がズレてますからね。

    大河内:これはもうウイルスあってもなくても減ですから、おそらく。

    小飼:でも、どっちが怖いかといったら、インフルエンザのほうがずっと怖い病気のはずです。もう実績がありますからね。鉄板ですし、毎年何もなくても、コロナウイルス程度の人というのは、もうバタバタ死んでますので。

    山路:アメリカですでに1万人くらいがもうなくなっているという。そう考えると、ここまで展示会とかっていうのは、中止して経済活動を抑えるべきだったのかどうかという判断。

    大河内:難しいですよね。

    小飼:そこだよね。たぶん、コロナウイルスを避けることによって、他の風邪とかも減っているんですよね。だから今年はもっと平年であれば、インフルエンザはもっとひどくなってる筈だったのに。

    山路:ああ、そうですか。

    大河内:そうか、そういうことも、それはありますよね。予防が皆、強くなっているから。

    小飼:僕が罹患した頃が始まりで、だんだんひどくなっていって、もう2月3月の……。

    山路:そうかそうか、去年中止になったんですよ、配信が1回。インフルエンザになって。

    大河内:ああ、そうなんですね。

    小飼:そうそう、前日診断が出て。でも確定診療は初めてだったんですよね。

    大河内:ああ、そういうことですね。

    小飼:だから今はインフルエンザに関しては、ヤバい病気ではあるんだけども、まず診断キットがある。抗ウィルス剤もある。十分体力があれば、若い人はあんまり死なない。

    大河内:そうなんですよね。そういうことなんですよね。インフルエンザもコロナもそういうことですよね、結局。コロナはワクチンがないけど。

    小飼:ワクチンがまだないけれども。

    山路:これってたとえばAppleの売上の予想とかも、だいぶ低くなったり、リーマンショックみたいなことのきっかけになったりとかすることってありえるんですか。

    大河内:いや、ありえますね。

    小飼:ありえますね。というのか、今のところ見てて、コロナウイルスの1番ヤバいことは、病原体としてよりも、人の動きを止めちゃうっていうことが、それで経済活動が止まっちゃったりしてて、それによる犠牲者というのは、直接的なCOVID-19感染して、あれですよ、病気になったり。

    山路:酷いかもしれない。

    小飼:酷いかもしれない。

    大河内:投資家のイギリスかな、どこかのアンケートで、もう1、2ヶ月前は今もう買い、0から100の数値で「買い」の90パーセントくらいの勢いだったんですけども、それがもう50を割ってる言ってますからね。株式投資に対して。

    小飼:そうそう、そういうとこに対してしわ寄せが行くんですよ。蓄えのないところにしわ寄せが来るというのは、もうわかっているんで。

    大河内:観光業、止まりましたからね、ほぼ。日本の観光業も今、完全にね。

    山路:中国なんか、何千兆円単位の観光業に対する補助出したりとかもしてますよね、今。

    大河内:いやあ、そうですよね。

    小飼:この間、浅草の近くにちょっと用があったので行ったので、ついでに浅草寺のほうにも行ったんですよ、仲見世とかガラガラでしたからね。

    大河内:そこ凄いですよね。そんな早いですね。

    小飼:びっくりだ。

    大河内:辛いですね。京都とかもやっぱり。

    小飼:京都とかもスッカスカだろうな、でも1月後がそうかどうかというのはわかんないけども、もう桜がちょうどいい季節のはずなので。

    山路:そうだ京都へ行こう! という気に、ちょっとなってきましたね。

    大河内:もうね、確かに結局、感染る感染らんはね、インフルエンザよりは感染能力は低いわけだからまあ、キワキワで行く人はいますよね、これがチャンスだみたいな感じで。

    山路:なんかコメントで「引きこもりだから怖くない」って言ってる人がいますけど、引きこもりの人ほど、普段人と接触してない人ほど、たまに外に出たりすると、より駄目なんじゃないかっていう気がして。これ気をつけたほうがいいですよ、真面目に。

    小飼:アパートとか住んでいる人というのは、どうなんだろうな、ダイヤモンド・プリンセスの教訓というのは、空調にも感染が考えられるということと、たぶん従業員の人も罹患してて、そこがあれかもしれない、スプレッダーだとして、スーパーまでいっちゃうと失礼だね。働いちゃってるかもしれないというところで、でもダイヤモンド・プリンセスというのは、どうしてこうなったというのか、なんでこんな酷いことにというので、でも報道で、あれ? なんでこの人が出てこないというのが1つあって。

    山路:この人?

    小飼:うん。そうそう。

    山路:誰?

    小飼:ダイヤモンド・プリンセスのキャプテンは何をしていらっしゃるんでしょう?

    山路:うーん、確かに。

    小飼:船で1番偉いのは、キャプテンなんですよ。独裁者なんですよ。だからものすごく極論してしまうと、公の海の上では、この客は安全な航海のためにはヤバいというのは、その場で射殺して海に投げ入れるでも、罪に問われない。それくらい強いです。それくらい強い、だから横浜にずっと停まっているというのは、それはキャプテンがこうすればいいと言われたのか、自分で判断したのかわからないけど、でも兎にも角にも、キャプテンがこうしましょうということで、ああいう状態になってるんですよね。日本国政府ではないです。

    山路:ああ、そういうことなんですね。

    小飼:ああいう状態になっているというのは。

    大河内:日本政府が何を言っても、キャプテンがこうだと言ったら出来る筈っていうことですよね。

    小飼:少なくとも、着岸している状態では、公の海ほど勝手は出来ないんですけれども。

    大河内:ああ、そうかそうか。

    小飼:兎にも角にもイギリスは何をしているんだと。

    山路:船籍がある。

    小飼:そう、船籍がある。でもそれを言ったらけっこう、旅客船とかっていうのは、本当に経済がある国がやってたりしますけど、便宜性規制というのがいっぱいあるでしょう。パナマとか、そういったところというのは、何もしてくれないではなくて、何も出来ないですよね。だからそういった時には、キャプテンが決めるわけです。

    山路:凄い責任を持った仕事なんですね。

    小飼:そうなんですよ。そうなんですよ。

    大河内:確かにその意思決定で、危険にさらされる可能性十分にありますからね。

    小飼:だから珍しいほど出てこないなと。客船も普通に船なので、普通にといっちゃいけないですけども、事故で沈没したりもしますよね。その時には必ずキャプテンが何をしていたのかというのは、必ず問われますよね。

    山路:ただクルーズ船とかの規模になってくると、船主の意向というのが、相当デカくなってくるんじゃないかとは、ビジネス的に。

    小飼:でもこう言ったら何ですけれども、明らかに船内で感染が広がりましたよね。

    大河内:そうですよね。確かに間違いないですよね。

    小飼:だから1番責められるのは、クルーズ船を運営している企業であるカーニバルだと思いますけど。

    山路:素人目にもあんな狭いところに閉じこもる、風邪引いた時も窓開けて換気しろと言うじゃないですか、インフルエンザでも普通の風邪でも、そういうウィルスってけっこう空気に弱いから、というのに、あんな締め切ったところへ言ったら、そりゃ培養されるやろうという。

    大河内:そうですよね。海の上だから、当然室内の湿気はね、普通より乾燥せずに湿気が高まってね、こう。

    山路:今回コロナウイルスとかでいろんな文脈で社会に影響与えているんですけど、でかいのが日本でもようやくリモートワークが、ようやくリモートワークが(笑)

    大河内:逆に、ようやく。

    山路:逆に。

    大河内:試しでやったら出社するのと変わらなかったみたいなね、試した企業でからそんな話が出てましたよね、ニュースで。

    山路:これリモートワークとか、これ今回のをきっかけに、進んだりするんですかね?

    小飼:いや我々のような仕事というのは。

    山路:YouTuberとか(笑)

    小飼:そうそう。まさに普段からリモートワークしているので、あれですけども。

    大河内:当然でしょうという感じですよね。リモートワークでも変わんないよみたいな。

     
  • 小飼弾の論弾 #153 「100年後にも読まれる『息吹』と、問題提起の書『21 Lessons』」

    2020-03-21 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年02月04日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2020年3月31日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/02/04配信のハイライト(その2)

    • 暗号について心配すべきなのはソフトウェアバグ
    • ブレグジットで英語はどうなる? と「通貨の力」
    • 100年後にも価値が落ちない『息吹』と問題提起する『21 Lessons』
    • オリンピックへのコロナの影響と「論弾中国ロケ」

    暗号について心配すべきなのはソフトウェアバグ

    山路:読者から質問が届いてたので。先にこれお答えしますか。

    量子コンピュータの回、拝見しました。量子コンピュータの悪影響といえば、素因数分解を使った暗号が破られてしまうという話がよくされていると思います。」これについて疑問があると。「量子コンピュータでhttpsの暗号を高速に敗れるようになったら、仮に強力な新暗号方式が開発されたとしても、インターネット上の過去のトラフィック、旧方式で暗号化されたトラフィックを保存してる悪意ある人たちが、後になってそれらをのんびり復号することで、センシティブなデータがすべて流出してしまうということは起きないのでしょうか。

    小飼:あのですね、ストレージもただじゃないんですよ。

    山路:ただそのストレージとかも、膨大に安くなってたりとか、あるいはテープメディアとかでも新しいやつが出てきて、低コストなメディアとかどんどん出てたりもする。

    小飼:だけれども、もっとも人気のあるYouTuberというのは、どれくらい見られているかとして、控え目にみて100万のオーダーとしましょう。暗号化を解くというのは、その100万ストリームを全部傍受して、それを記録しておかなければいけないんです。それだけで100万ですよ。もちろんそれはhttpsなので。昔のSSL通信も全部傍受しておくというのは、ストレージの無駄遣いもいいところです。
     だからこれが暗号化されていないのであれば、100万ストリームというのは、全部同じシグナルが流れているわけですから、1まとめに出来るわけですね。100万だろうが、10億だろうが、1つの番組なんですけども、SSLで通信しているということは全部鍵が違うわけです。だからけっこう凄いことなんですよ。

    山路:それはなんか、それこそ将来的に、ストレージで仮にじゃあ……。

    小飼:だからNSC(国家安全保障会議)でも

    山路:そんなことはできない。

    小飼:そんなストレージは世界にどこにも存在しない。

    山路:じゃあ、これに関して、この読者の質問に関してはまあ杞憂といっても大丈夫?

    小飼:ほとんどの人に関して。こういったものの傍受というのは、やっぱり1番大事な人々を狙うわけですよ。VIPを狙うわけですよ。だから一般兵士の動向というのはどうでもいいけれども、山本五十六提督がこれから飛びますというのは、凄い耳を傾けているんですよね。だからどうしても情報というのは、インフォメーションの段階ではどっちも同じ1バイトでも、インテリジェンスの段階になると、ぜんぜん価値が変わってくるんですよね。

    山路:ああ、それは普通のYouTubeのやつなんかをキャプチャーしてそんなに取っておくことなんてあり得ないだろうという、なるほどね。じゃあまあ本当に。

    小飼:だからそれはあなたがVIPだったら心配しなければいけない。

    山路:ということでじゃあ。

    小飼:だけどもなあ。ねえ、カンザスシティがカンザスだと思ってて、それをそのままTweetしちゃう、世界最強の軍隊の最高司令官もいるわけですからね。

    山路:アハハ

    小飼:だからどう考えても、コスト割れしちゃうんですよね。でも、もしその通信が暗号通貨の送金情報とかだったら、どうだろうと。だからエフェクティブな盗聴をするためには、そもそも何が通信されているかというのを、当たりを付けなければいけない、たとえ量子コンピュータがあったとしても。

    山路:うんうん、そうか量子コンピュータが。

    小飼:暗号をクラックするというのが安くないんですよ。量子コンピュータといえども。もちろんまだないですよ。しかも量子暗号というのがありますからね、今は。

    山路:なるほどね、じゃあ本当に心配はしなくてもいいんじゃないかと、現実的には。

    小飼:うん。だから盗聴しても意味がないレベルまでには、暗号化が施されていますからね、今どきは。

    山路:ということでいちおう質問者さんは安心して下さいという感じですかね。

    小飼:ただし、あなたが。

    山路:VIPである限り。

    小飼:そうそうVIPであったら、内閣官房にいらっしゃるとか、米国の上院スタッフにいらっしゃるですとか、あるいは中南海にお勤めですとか、そういうのであればちょっと心配がいるか、ちょっと覚悟はしておけですね。そうでないほうに関しては、今のところは。それよりもバグのほうが怖い。

    山路:バグ?

    小飼:暗号に関するライブラリにバグが出たから、この間Microsoftがやらかしたじゃないですか。楕円暗号で。あれは本当に際どいバグで、素因数分解ではなくて、楕円曲線暗号なんですけども、要は正しい鍵でなくても、開けられる鍵が簡単に見つけられちゃうという。

    山路:へえ。

    小飼:そう、だから合鍵、簡単に作れちゃうという。だからそういうところのバグっていうのは、本当に怖い。だから今や、セキュリティでも恐るべきなのは、ハードウェアのほうでよりも、むしろソフトウェアですよね。SSDとかもファームウェアにバグがあったお陰であー! 、というのは本当にバグが怖い。

    山路:じゃあこの、そういう通信なんかに関してはあんまり。

    小飼:量子コンピュータでクラックされるよりも、あなたが今お使いのソフトウェアのバグを恐れなさいという。
     コロナウイルスよりもインフルエンザのほうが怖いんだぞというのに、似たところはありますね。もっと怖いものが世の中にいっぱいあるのですよと。

    山路:なんかむしろ不安にさせてしまうような、結果的に。結果的に量子コンピュータを待たなくても、怖いこと起こるよと言っていることになりませんか、という気がしますけどね。

    小飼:棘を抜く痛みを紛らわせるために、腕を切り落とそうとしている(笑)。そこまではいかないか。却って不安を煽ってしまった。

    山路:次、どうします? 『息吹』のほう、いっちゃいます? それともブレグジットのほう、先やります?

    小飼:ブレグジットのほうが先かな。

    ブレグジットで英語はどうなる? と「通貨の力」

    山路:じゃあブレグジットのほう、いきますか。とうとう本当にやっちゃったぞと、ブレグジット。なんか歴史を見ている感じがありますけどね。1月31日でしたっけ? 1月31日にイギリスが正式にEUから離脱をしたという。始めはビッグベンとか、時計台鳴らしてお祝いするつもりだったんだけど、それは結局もうやめてっていう。

    小飼:だって、ブレグジットするする詐欺状態が、ずーっと続いていたわけだよね。
     でもしましたというふうにやっているだけで、じゃあ今後どうするの? というのは、まだブランクで、だから本当のブレグジットというのは1年後なんだよね。来るのが。今のところモラトリアムなんだよね。だからとりあえず何も決まってないので、決まってないことに関しては、今まで通りやりますというのが、今のところ。

    山路:面白いところでは、このブレグジットの影響が出るかもしれない。この番組では1回取り上げたかもしれないんですけども、EU離脱したことで英語がEUの公用語でなくなるかもしれないというのが、ちょっとニュースとして出てまして。こういうこと、起こり得るんですかね。つまりEUの公用語から英語が外れちゃうっていうことってあり得るんですか、かなりEUの首脳とかも英語で話してたりするじゃないですか、そういう議題なんかも。それを今さらフランス語とかにするのか……。

    小飼:でも英語が圧倒的だから、数カ国語は皆さんお話になるんですけども、その中で全員が共通して話すものというのは、英語になっちゃうでしょうね。数カ国語話すうちの1つは英語なんですよね。

    「国民はどうせ使い続けるでしょ」(コメント)

    山路:現実的に出来ないですよね、ドキュメントとか。

    小飼:強烈な意思を持って、たとえばラテン語を復活させるとか。

    山路:それだったらエスペラント語のほうがまだマシのような気が。

    小飼:でもフランス語とドイツ語は、逆に駄目だろうな。

    山路:対立が、どっちが主導権とるかみたいな。

    小飼:どっちが主導権をとるかではなくて、特定の言語を贔屓しちゃうというので。

    山路:なんかそれを考えると、イスラエル人て凄いですよね、言語を復活させて。

    小飼:そうなんだよね。ヘブライ語って一時ほとんど死んでたんですけどね。

    山路:発音もだいたい、なんというかよくわからんみたいなものにもなっていたわけでしょう。今の別に近代、今、話されたものって、昔に話されたものと同じかどうかもわかんないわけでしょう。

    小飼:たぶんかなり違うんじゃないかな。

    山路:強引に作ったわけですもんね。現代のそういう言葉、表せるように、そんな覚悟を持ってEUができるとは。

    小飼:たとえば日本の義務教育では、ユリウス・カエサルという名前で教えられている人がいますよね。英語では、Gaius Caesarと言うんですけれども、でもなんでカエサルっていうかっていうと、Cをカキクケコで発音するというのは、ドイツ人が考えたラテン語であって、あくまで。母国語がアルファベット圏の人は、自国語読みしちゃうんですよね。

    山路:へえ。

    小飼:だからイタリア人からすれば、チェザーレなんですよね、彼は。たぶんイタリア人、もちろんローマは、今だったらイタリアにあるところなんだけども、イタリア人の読み方が1番近いはずなんだけど、でも日本ではドイツ人が読むラテン語を。でも本当のところどう発音してたのかっていうのは、やっぱりわからんないね。

    山路:読み方わかんないやつを現代に復活させるというのは、なんかそこで一揉めしちゃいそうですよね。

    小飼:でもそれやって欲しいな。

    山路:アハハ、言語的に、学問的には面白い、凄い面白いんでしょうけども。

    小飼:でも学問的ではなくって、イスラエルがヘブライ語を復活させたというのは、まさに学問とは真反対じゃないですか。

    山路:うーん、政治的統一。

    小飼:まさに、政治政治…、民族民族……。ですよ。建国建国…ですよ。

    山路:凄いエネルギーだよな、しかし。

    小飼:凄いエネルギーですね。

    山路:普通、そんなこと思いつきもしないじゃないですか。新しく国を作るのに、言語復活させるとか、作るとかって、考えつきもしなかった。怖いような、怖いほど凄いなみたいな。

    小飼:でもな、それ見てみたいな、というのも、英語って決して習いやすい言葉ではないんですよね。

    山路:何か規則に不規則な事が多すぎる、例外が。

    小飼:例外が多いですし。発音も難しいほうに入りますし。

    山路:thの音とか。他の言語にない音とかあったり、文法もいろんな言語のやつが入り混じってて、おかしなことになってたりしますよね。

    小飼:そうなんですよ。だからあんまり枯れた言語ではないんですよね。たとえばラテン語はもとより、中国語とかと比べると。

    山路:いやあまあ、しかし、こんだけインターネットでなんというか、コンピューターアシステッドな翻訳だったりとか、そういう面もあるから、何かある意味、英語のいい加減さというのを機械が補ってなかなかそこのところの不便を人間は意識しづらくて、そういう覚えやすい言語を作ろうという気概が持てないんじゃないかという気がしますけどもね、逆に。

    小飼:実際問題、これで英語を母国語とする国というのは、EUからはなくなったんですけども、見ての通り実生活において、連合王国でないところでも使われてますからね。たとえばブリュッセルの市の議会というのは、敢えて英語にしたんですよね。確か。

    山路:ああフランス語系とオランダというか。

    小飼:そうそうオランダ語系と、どっちからも中立であろうということで。

    山路:なるほどな。

    小飼:中立でよく使われるということで。だから市議会、英語でやってたはずですよ。

    山路:へえ、なんかまあEUのほうも公用語が外れるっていうのは、なさそうだな。

    小飼:というよりも、EU英語が出来るかもしれないですよ。

    山路:もっとシンプルにした。

    小飼:はい、EUで話されているのはイギリスっぽい英語なんですけども、当然EU市民というのは、ちゃんと自国語訛りで話してますからね。
     何ヶ国語話せる人というのも、むしろポリグロットほど、キチッと訛っているんですよね。だからけっこうイタリアで感心したのは、イタリア語訛りのドイツ語を聞けたこと。

    山路:アハハ。それは聞き取りづらそうな難しそうな。へえ。あとブレグジットの今後の影響、この番組でも何回か取り上げてる、弾さん的には今後イギリスっていうのは、どんどん安い労働力の供給源になっていったりするんじゃないかみたいな。

    小飼:まさに島国というのは、似ますね。

    山路:日本が今たどっている道と。

    小飼:イギリスのほうが先に衰退したんですよね。

    山路:タイミング的にということですか。第2次大戦後とかもアメリカとかが圧倒的に影響力増してきて、代わりにガーッと地盤が沈下していったという。

    小飼:そうです。だから確かにイギリスから見ると、まだEUがECだった頃というのは、まだ世界No.1は米国に持って行かれたけれども、欧州No.1はまだうちだろうというふうに言えたんですけども。どうあがいてもドイツよりも。

    山路:今それこそブレグジットしたイギリスなんか、日本にもけっこうアプローチして、もしかしたらTPP入るんじゃないかとまで言われるようなことになって。

    小飼:なんか凄いな、負け犬同盟っぽいよな、それって。なのにあまり衰退していない、輝いているように見えた1番の力というのは、さっきも言ったように英語なんですよ。

    山路:ああなるほどね。なるほど。イギリス文化みたいなものって、英語が強いから。

    小飼:だから文化的に楽できたんですよね。

    山路:でも今後そういうのっていうのが弱まっていく、強みみたいなものはイギリスの存在感だったりというのは、やっぱり低下は避けられないと、弾さん的には思います?

    小飼:だから相対的に抜かれていくというのは、間違いじゃないんですよ。中国が日本を抜いていってというのは、それ当然のことですよね。

    山路:人口も、人口動態が。

    小飼:そうです。でも中国はあれだけ大きくても、まだ日本のたかだか2倍なんですよ。だから人口比で言うと5分の1なんですよ。まだ。

    山路:そうかそうか。

    小飼:アメリカを抜いた時点でも、日本の3分の1。

    山路:ああ。

    小飼:アメリカを抜くのは確実、ほぼ確実なんですけれども。じゃあ1人あたりでというと、また別の問題になってくるわけですよね。その頃にはインドも日本を抜いているはずです。イギリスを見てみたら、とっくのとんまに追い抜かれているわけですよ。

    山路:アハハ、とっくのとんま。

    小飼:はい、とっくのとんまに。韓国にも抜かれてますし。

    山路:ただ1人当りのGDPで見ると、なんかまだまだというのは、1人当りのGDPで中国とかインドとかが日本だったりとか、その辺を抜くことってあるんでしょうかね?

    小飼:どうなんでしょうね。

    山路:なんか人によっては、それこそそのバスに乗り遅れた国っていうのは、難しいんじゃねえのみたいな、中進国の罠ですよね、いわゆる。

    小飼:でもどちらかというと、国ごとというよりも、国の中での差というのが凄いので。皆さんご存知の通り中国人のお金持ちは、日本のお金持ちよりもずーっとお金持ちですし、ちゃんとお金持ちっぽく振る舞ってますし。
     その一方で現金まだ見たことがないという人たちが、まだいっぱいいるんですよ。まだ日本の人口と同じか、それ以上はいるはずなんですよね。
     インドのダイバーシティはもっとだもんな。

    山路:さらに、中国よりも。

    小飼:今年当たり、インドの人口が中国抜くんじゃなかったっけ?

    山路:もう今年か、早いな。

    小飼:どっちの国にもな、人口統計あやふやなところもあるからな。まあいいや。それでいうと日本もどうなんだろ? って。

    山路:統計的なその国での1人当たりGDPってあんまり意味ないかもしれないですけどね、そういうように差が広がっていくんだったら。

    小飼:どっちかというと『ファクトフルネス』で4つに分けてたじゃん。あれのほうが実情にあっているように見えますね。

    山路:国で分かれるというよりは、その人らのそれぞれの国の収入レベルとかで見たほうがいいんじゃないのっていうような。

    小飼:やっぱり通貨で見てみると痛々しいイベントなんだよね、ブレグジットって。

     
  • 小飼弾の論弾 #152 「Windowsのオープンソース化とカーボン半導体の未来」

    2020-03-14 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年02月04日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2020年3月17日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/02/04配信のハイライト(その1)

    • 「学校PC27万円?」とWindowsのオープンソース化要求
    • ナノチューブとカーボン半導体の未来
    • 新型コロナウイルスの今後と「ウイルスに悪気はない」
    • 新型コロナに対する中国の対応と日本の対応

    「学校PC27万円?」とWindowsのオープンソース化要求

    山路:今日はタイトルで謳ったように、コロナウイルス、めちゃめちゃ世界的に流行っている話、それとテッド・チャンの……。

    小飼:さっそく擬人化されてたみたいだけど(笑)

    山路:擬人化、コロナウイルス女の子、何でとりあえず女の子にするのかね?

    小飼:コロナビールを。

    山路:コロナビールはいいな。そこはちょっとセンスいいですよね。

    小飼:髪型がツイン団子で、団子髪のかんざしというのが、コロナウイルスのスパイクになっている。

    山路:そこのネタは盛り込んであるんだ。

    小飼:たぶん「コロナウイルスちゃん」でググると出てくるんじゃないかな。

    山路:本当? 日本の擬人化スピードは早いっすよね。

    小飼:いやいや中国、中国。

    山路:中国? ああそうなんですか? へえ。

    小飼:むしろ日本は出遅れてるんだよ、コロナウイルスの擬人化にかけて。

    山路:そこは何か中国、とにかく何でもスピード早くなって来ましたけどもね。とりあえず、コロナウイルスの話は、もうちょっと後でするとして、あと限定のほうではテッド・チャンのSF小説『息吹』と、あとはユヴァル・ノア・ハラリさんの『21 Lessons』についてもちょっと書評しようかなと思ってます。最初のほうは、まあ軽い悪い話題から、ちょっと面白いなと思ったのが、スマホで渋滞を作り出すことに成功したという。

    小飼:いつか誰かやると思ったら。これはもし写真あったら、もしくはリンクあったらそれを。

    山路:あったこれだな。この方の個人ページでやっているんですよね。

    小飼:いつか誰かがやるんじゃねえかなあと。

    山路:これ要するに、そういうGPSをオンにしたスマホをいっぱいカゴにいれて、ガラガラっと手で引いて、そうするとGoogle Mapの渋滞機能がそれを、車が渋滞しているとみなして、Map上にも渋滞が現れちゃうという話ですよね。

    小飼:そうそう。いつか誰かやるんじゃないかと思って。何台くらい一緒だと。

    山路:素朴な疑問として、そんな程度の集団が一緒に移動することって、別に普通にあるじゃないですか。たとえば登校だったり、団体のスポーツの行進もそうだろうし、そんなことって今まで渋滞としてカウントされてなかったんでしょうか。

    小飼:『ポケモンGO』と一緒で、基本的にこれは車で移動しているというのは、速度で判定しているんだと思う。だからずーっと時速40キロとか60キロで走っていたものというのが、急にぐったり遅くなったら、それが渋滞だろうという、そういうアルゴリズムだと思う。確かに携帯電話持っている人は今、自分は運転していますとかっていうのを自己申告しないもんね。
     ただ自己申告に似た手段というのは、CarPlayとかGoogleのほうでも、何だったっけ? Google ドライブだっけ? 要はカーナビに繋いでやるという、もしそれと繋がった状態というのを送れるのであれば、それは確実に車から送られているというテレメトリー情報ですよね。

    山路:なるほどね。でもそういうのって、UWB、Ultra Wide Bandとかなんかあの辺が出てきたらもっと正確にはなっていったりするんですかね?

    小飼:今でも十分正確でしょう。

    山路:そんなふうにカゴに入れて、WEB実験とかで引っ張り回すっていう奴がいなかった。

    小飼:この場合GPSだけではなくって、基地局の情報も使おうと思えば、使えるからね。だからずっと正確になる。GPSほど距離がないのもあるし、地上局は固定だから。

    山路:あれ? 今でも基地局の情報って使われてませんでしたっけ? AGPSとかって何か。

    小飼:AGPSといった場合には、Wi-Fiの記録を定期的に、Street Viewの車で一緒に傍受して、ここにはこのESSIDが入っているみたいな。だから基本的には、アシストGPSと言った場合というのは、携帯のセルラーの情報なしでも動くよ。
     なんかsimなしのiPadとかでも、Wi-Fiさえあれば、自分がどこにいるのかというのは、ある程度わかるというのはそれですね。

    山路:しかし今までやる奴がいなかったのは、不思議といえば不思議ですよね。

    小飼:だってネタで終わっちゃうからな、使い所がわからないというのは、ネタ以外には。

    山路:すぐに対策もされちゃうような気もするしなあ。なるほど、ちょっとこれは。

    小飼:でも対策意外と難しいんじゃないかな、これ。

    山路:近くにあんまり端末同士の基地、距離があんまり近すぎたら。

    小飼:確かにそうだね。

    山路:車間距離とは違うもんだろうから、そこは出来そうな気がしますね。

    小飼:確かに10メートルの差は、普通のGPSでも出来ますからね。

    山路:ということでちょっと軽いニュースから。じゃあIT繋がりでもう1つ、軽く、軽くないかもしれないけれども、これ1つ行ってみましょうか。最近話題になっている小中学校の。

    「Google ドライブはストレージのほうで」(コメント)

    小飼:いや全くその通りです。すみません。全く仰る通りです。

    山路:Google Android Autoでしたっけ。

    小飼:Autoね、それだ。はいはい。

    山路:このニュース、小中学校でパソコンを導入するとなった時に、どれくらいかかるのか、1台27万円というのは、この話が政府側から出てきて、それ高えんじゃねえかという話も。

    小飼:でも通信とサポートまで含んでこの値段というのは、どうなんだろうっていう。

    山路:なんかその辺の内訳がはっきりしてないですよね、今の情報では。

    小飼:「サポートは別」とか、ちょっとその辺はわからないね、外野側からだと。きっとゲーミングPCなんだよ(笑)

    山路:アハハ。いや1台27万円で済むわけじゃないですからね。これって恐らく教室に据え置きで置いといて使うという感じを想定しているんじゃないかと思うんですけどもね。

    小飼:据え置きでいいのであれば、PC室みたいなのを作っちゃって、デスクトップを置くのが、1番安いよ。

    山路:ああ今でも。

    小飼:今、子供が減ってるでしょう。じつはどの小中学校だよね。小中学校って教室余っている。

    山路:そうなの? へえ。

    小飼:はい。これは親になれば、必ず体験できます。
     うちの娘たちは、うちの隣の佃島小学校に行ってたんだけども、ちゃんと教室余ってて、余ってる教室っていうのは、いろんなふうに使うんだけども、だからPC室を用意するなんていうのは、ぜんぜん難しいことではない。

    山路:なるほどね。なんか最先端の云々じゃなくても、本当に安いデスクトップPCをやりゃあいいじゃないかという考え方ですよね。

    小飼:あとはそれ以外のところというのは、Wi-Fiをきちっと設定した上でBYOD(Bring Your Own Device)でいいんじゃない?

    山路:要するに生徒それぞれが自分のやつを持ち込んで来て、接続する。ただBYODってその運用側とかに相当のスキルというかノウハウいるんじゃないですか? という管理者側のほうに。いろんなタイプのもので接続しようとしてきたりするわけだから、それに関してトラブルがあった時に、いちいちサポートしなきゃいけなかったりもするわけじゃないですか。

    小飼:だから考え方としては、授業で使うものというのは、そのPC室の中ですむことをやる。そうでなくてWi-Fiとかというのは、要は砂場ですよ。校庭ですよ。だから休み時間なりに、昼休みなりに、勝手にいろいろやる環境として、Wi-Fiだけは用意しておいてやる。

    山路:なるほどね。授業はもう本当にそういう何というか。

    小飼:まあでもな、日本の学校って、それでSwitch持って来ちゃ駄目とか、そういうふうになりがちなんですよ。持ってこさせろよ。

    山路:アハハ、香川県みたいなところあるからな。香川県とかプログラミング授業でどうするんだっていう。

    小飼:だから子供に必要なのは、遊び場でしょう。だからタブレットじゃなきゃいけないというのは、ちょっとわかんないな。

    山路:なんかそれはもしかしたら、売り込んでいるメーカーの都合なのかもしれないですけども。えらくMicrosoftがこの小中学校のPC導入に関して、うちは出来ます! みたいなことを、出してましたけどね。うちのソリューションだったら、出来ますよみたいな。

    小飼:だからその時点から、Officeのサブスクリプション漬けにするつもりでしょう。昔からそうだったよ。

    山路:え? 昔から?

    小飼:小中学校ではなくて、大学なんだけども、Microsoftの製品は学割だと凄い安かったです。

    山路:へえ。Appleなんかに比べても、割引率。

    小飼:Appleも安いというのか、ちゃんとまだガキのうちから。

    山路:洗脳して。

    小飼:そう、洗脳してというのは、皆やっていたことです。それが今までは主に大学、それよりも1つ前でもせいぜい高校で止まっていたのが、小中学校でも出来るようになったという、このビジネスチャンスを逃しますか? っていう話ですよね。高いよね、Adobeは、うん。

    山路:ああAdobe。でもアカデミックだと半額以下ですよね、アカデミック……。

    小飼:もとの値段を考えたら。

    山路:アハハ、あれ確か1ヶ月6千円くらい。

    小飼:27万円ぽっちじゃ買えないって。

    山路:アハハ、そうか。そうだよね。

    小飼:単体のやつはね。

    山路:これ何か単純に利益とかいうよりも、子供の頃からそのブランドを植え付けるっていうことがデカかったりするんでしょうね。なんかWindowsだったりとか、そういう製品というのは。それの続き、Windowsの名前が出たところで、これもIT関係のニュースなんですけども、FSF、フリーソフトウェア財団のやつ、Windowsをフリーソフトにしねえのかみたいなことを訴えている。

    小飼:ああ、でもどの程度、役に立つのかなあ。どの程度、他のプロジェクトがベネフィットを受けるかっていうのは、1つの事例としてはAppleが昔、macOSが、小文字のmではじまるmacOSが。
     大文字で始まるMacスペース・オーエス・スペース・テン(Mac OS X)だった頃から、オープンソースは使ってますよ。使ってるお陰で僕の書いたコードとかも入っているんですけどね。

    山路:そもそもMac OSのコアのDarwin(ダーウィン)、今でもDarwinと言ってるのかな? それなんかもオープンソースですもんね。

    小飼:だけれども、何もかもオープンにしているのではなくて、ライセンス上オープンにすることを強制されているものだけオープンにしてますね、基本的に。具体的に何がオープンになっているかというのは、今リンクをコピペしますね。

    小飼:よく見ると、本当に細かくオープンにしているというのがわかります。最新OSの分というのは出てないです。たとえばmacOSは10.14までですし、このリンクの中で含まれているのは。iOSも11.0までですし、しかもそれでオープンソースのものを使っている部分だけです。Appleのオープンにしているものというのは。

    山路:ほうほう、これつまり、明らかにしていない部分というのはGPLとかのライセンスじゃない、別のライセンスのオープンソースのものを使ってたりする。

    小飼:あれはもうAppleのクローズのもの。あくまでもオープンソースソフトウェアというのは、OSを構成するコンポーネントであって。

    山路:ふーん。

    小飼:という位置づけです。たぶんWindowsをオープンソースにすると、こんな感じか、もっと細かく分類することになるでしょうね。

    山路:これ、そもそもでもWindowsってオープンソースとして作られ、それを前提にしてないで作られてるから、オープンソースとして公開しろと言われても、相当大変なんじゃないですかって素人考え。

    小飼:実際、大変でしょうね。
     だからAppleみたいにオープンソースで使えるものというのはガツンと使っていって、少しずつ少しずつオープンでなくしていくというのが、Appleのオープンソースなんだけども、始めから何もかも全くオープンにする気がなかったものをガツンとやるというのは。今はMicrosoftはとても、オープンソースを熱心にやってますし、Edgeですらあれですよね。

    山路:ああブラウザの。

    小飼:Chromiumがベースになっているのでcontributorではあるんですけれども。でも基本的にMicrosoftがオープンにしているものというのは、最初からオープンだったり、新規に立ち上げたものだったりですよね。

    山路:そうか、Windows10とかは。

    小飼:OSの枢要をまるっとというのは、まだやったことはないですよね。僕の記憶が確かであれば。

    山路:Windows10とかは、10なんかはある程度そういうことを考えていたりするんですかね? 新しいWindows10とかなんかは、そういうことなんかの可能性も考えて。

    小飼:まだでしょう、まだでしょう。だから、むしろオープンにするのであれば、Windows10のほうが楽なんじゃないかなとは思う。ただWindows10も、10とは言ってるけども、かなり7が残っているからね。

    山路:それは内部のコンポーネントの。

    小飼:だってPreferenceというのはあるけれども、歯車アイコンというのはあるけれども、それとは別にWindowsメニューを右クリックすると、コントロールパネルとか出てくるわけですよ。

    山路:ああ、なるほどね。しかしこれフリーソフトウェア財団なんかも、どれくらいの意思を持って、こういうWindows7をフリーソフトウェアにとか言ってるのかなと思って。そんなに意味があるのかな? とは思ったんですけども。古いWindows7を使っているところのセキュリティリスクを下げられるっていうことはあるのかもしれない。オープンソース化してそういうWindows7とか。

    小飼:あとはメリットを受けられそうな人というのは、Samba(サンバ)の開発をしている人とか。

    山路:ネットワークのプロトコル。

    小飼:そうそう。NTFSをサポートしている人とか。じつはWindowsという、まあWindowsでいいのかな、のファイル共有プロトコルというのは、今やもうmacOSも使ってますよね。Linuxでも使ってます。オープンソースの実装はSambaという名前なんですけども、それってMicrosoftのドキュメントを元に開発したというのとは違うんですよね。けっこういろいろなところにはリバースエンジニアした上で。

    山路:いろいろヤバい、ヤバいと言ったら言いすぎかもしれないけど。

    小飼:そうそう。NTFSもそうで。

    山路:Windows以外のNTFSの実装ということですね。

    小飼:だからクロスプラットフォームで使われるものっていうのは、その部分だけでもオープンにして貰えると、凄い有り難いかなと思います。だから、それを言うとさっきのAppleのあれですけども、APFSは今のところオープンソースではないですね。

    山路:あんまりWindowsというか、Mac以外のユーザーでAPFSを使わなきゃいけないシチュエーションってそんなにないんじゃないですかね。

    小飼:だから今のところ、あくまでも内蔵のブートするストレージを対象とするものなんですけども、スナップショットとかその辺の部分というのがわかるようになると、NAS(ナス)を開発している人。

    山路:ネットワークドライブのNAS。

    小飼:そうそう。(NASを開発している人は)有り難いかもしれないですね。今はでもそもそもまだmacOSのTime Machineが、バックアップ先はAPFSじゃなくって、昔のHFS+のままというのを前提にしているうちは。

    山路:そうかそうか、まだそれはそうなのか。

    小飼:そう、だからAPFSの実力というのは、まだ使い切れてないんだよね。