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  • 小飼弾の論弾 #294 「日本の経常黒字が意味することは?AIがついに国際数学オリンピックで金メダル、アメリカで起こっている文革と焚書」

    2025-02-25 07:00
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     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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     今回は、2025年02月18日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2025年03月11日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2025/02/18配信のハイライト

    • カルロス・ゴーンと『戦闘妖精・雪風』新刊
    • 「Googleと軍事」と「どこまで脱中国ができるのか」
    • トランプとマスクは「うまくいってたものを壊しているように見える」
    • 視聴者質問「アメリカカナダ戦争」と「持たざるものはどこかで博打を」
    • 日本は逆転のチャンスがまだある国
    • 「遺伝に関わらないナナフシのオス」と「300億羽のニワトリ」

    カルロス・ゴーンと『戦闘妖精・雪風』新刊

    山路:さっそくなんですけど、ホンダと日産、いろいろ統合するたらしないたら、みたいな話を延々とやってるじゃないですか。

    小飼:いや、なかなかの水と油っぷりですよね。

    山路:最初は対等な感じで統合するかみたいなことを言ってたら、

    小飼:対等は無理でしょう、どう考えてもホンダ優位でしょう、

    山路:で、もうホンダが日産の完全子会社化を目指すみたいな感じで話を持ちかけたら、日産側がもうへそを曲げたみたいな感じですね、

    小飼:というのか、日産の現経営人が、いや、まぁでも確かに日産って本当に経営人がクソのおかげでこうなってしまったと。

    山路:カルロス・ゴーンが悪かっただけではないみたいな?

    小飼:いや、じゃなくって、だからどう叩き出したか。いや、カルロス・ゴーンの追放劇というのは大悪党を、

    山路:大悪党(笑)、

    小飼:小悪党たちが徒党を組んで追い出したというのが真相に近いので。

    山路:ぜんぜん勧善懲悪のストーリーではないわけですよね(笑)、

    「日産のプライド高すぎ」(コメント)

    小飼:じゃなくて、日産の現経営人の経営力がなさすぎ。

    山路:あはははは、

    小飼:そっちですよ、だからプライド高いのはいいのさ、プライド高いのはいいのさ、

    山路:それに見合った能力がないと、

    小飼:そうです。トヨタの御曹司なんて、今の自動車業界の経営人のプライド全部足したよりもずっとプライド高いですよ。

    山路:(笑)日産って役員の数がまためちゃめちゃ多いらしいですよね。

    小飼:まあ多いけれども、JTCっぽいといえばJTCっぽいな(笑)、

    山路:トヨタよりもずっと多いっていう(笑)、

    小飼:まぁでも、まだ2桁じゃん。みずほは3桁いってたんだよね、確か。今もそうなのかしら。

    山路:へええ。いや、それもなんかすごいですね。

    小飼:最低人数って何人だったっけな、上場企業の取締役会というのは。普通の会社であれば、もう本当に、合同会社だったらもう一つでできる、でも株式会社は3人プラス1かな。

    「これ鴻海はなんで欲しいの?」(コメント)

    山路:って、なんかそういう日産と組みたい、日産を買収したいとか、

    小飼:BYDみたいなポジションにつきたいのかなと。

    山路:電気自動車?

    小飼:そうそうそう、だからBYDも、バッテリーだったけど、待って、車作れないって。

    山路:これ、弾さん的には日産ってそういう経営陣のダメさを除けば、魅力ある、そういうものをまだ持ってると思いますか?

    小飼:リーフがまともに作れるようになったっていうのは、サクラは半分以上三菱だしな。じつは三菱がダークホースなんで。三菱自動車が。

    山路:それは『空飛ぶタイヤ』とかで話題になった三菱が、今いい車、

    小飼:そういうところなの。じつは技術はけっこうきちっとしてて。

    山路:『空飛ぶタイヤ』はあれは事故の話ですけどね(笑)。

    小飼:ああいうのをどうするかっていうのもまさに経営なので。三菱もまさに経営がダメなケースで。

    山路:今、三菱はいい車を作ってる?

    小飼:少なくともアウトランダーはなかなか魅力的な車ではないかと思います。で、じつはサクラの中身も、じつは三菱なので。

    山路:じゃあ車を作る能力はけっこう三菱は高い?

    小飼:少なくとも低くはない。EVに関する技術というのはだからけっこう、たぶんホンダよりもあるんじゃないかな。

    山路:へえー、そうなんだ。

    小飼:ハイブリッドに関してはホンダのほうの一日の長があると思うけど。

    山路:車ぜんぜんわからないもんで。

    小飼:ホンダもEV作ってたけども、ものすごい、いやーこれはないわっていうすごい外したやつでして。

    山路:ああ、bZ4……、

    小飼:いやそれは違う、トヨタから。

    山路:そうか。

    「ホンダはソニーカーを出すから、日産と組まなくてもいい」(コメント)

    小飼:あ、組まなくてもやっていけるとは思いますよ。というのか、組むっていう風になったら、だからホンダの株価はけっこう凹むとは思います。大抵の合併話というのは、存続会社のほうが株が下がってっていう風にはなるけれども、だからホンダの場合なんかけっこう来ると思う。

    山路:ホンダってあんまり乗り気じゃなかったんですかね、そもそも。

    小飼:どうなんだろうね。

    山路:なんか記事によっては、国の方からいろいろあれこれ言われたんじゃねーかみたいな、そういう経産省とかそういうところから言われたんじゃねーかみたいなそういう噂話もありましたけどね。

    小飼:いや、でもそもそもホンダは、トヨタと日産が日本の二大自動車メーカーだった時に、じゃあうちも車出しますって言った時に経産省じゃなくて、当時はなんだったけ、えーと、当時はなんだ、

    山路:通産省。

    小飼:通産省、通産省。通産省に日本に自動車メーカーは3社もいらない、みたいなことを言われてたんですよね。

    山路:結局なんかそれは正しかったということでもあるのかな(笑)。

    小飼:えーと、まぁ仮にホンダが日産と三菱を食うっていうことになったら、トヨタとホンダが残るという。

    山路:そうなるのかなって、ほんと思いましたけどね、今回のって。で、さっきちょっとリンクも出たんですけども、フィナンシャルタイムズの報道で、ホンダの関係者によると日産の内田社長が退任すれば統合交渉を再開してもいいよと関係者が言ってるというような、どっちがリークしたんだか、誰がリークしたんだか、よくわからない記事が(笑)、

    小飼:実際に、日産の中の人たちの願望なんじゃないかな。

    山路:そこまで日産の経営能力というのは低く見られてる、中の人にもってことなんですかね。

    小飼:いや、なんと言えばいいのかな。あれだけ技術力があるはずなのに売り方、持っていき方を間違ったばっかりに、っていう。

    「カルロス・ゴーンはどう追い出すのが正しかったの?」(コメント)

    小飼:いや、検察にちくったんだよね。

    山路:お上の力を。

    小飼:まあ、でも、ちくったやつも今は辞めてたはずだけれども。

    「フジの中の人の日枝退任願望みたいな」(コメント)

    小飼:いや、でも日枝とはちょっと違うというのか、まぁカルロス・ゴーンという人は非常にグリーディーな人ではあったけれども、いわゆるcar guyでもあったよね。

    山路:車が好きだった?

    小飼:そうそう、車が好きで、こういう車を作ってほしいっていうことを、本当に具体的に例を挙げて言える人ではあった。

    山路:そういう意味で自動車会社の経営者としては、けっこう適任だった。

    小飼:まぁでもちょっとグリーディーすぎるというのは。ちょっと強欲すぎるというのは、いや、どんな会社の経営であれ、ちょっとあれだけの強欲はちょっと無理があるわ。無理があるが、でも少なくとも、自分がどんな会社を経営してて、どんなものを売ってるのかっていうことには通暁してた人だし。で、結局、前に日産が経営危機になった時にルノーが出資してくれて、そのルノーが送り込んだ人でもあるんですね。

    山路:そうでしたね。そうでした。そうでした。それにしても、この自動車会社の統合交渉って、つくづく今の時代の自動車会社をやるってことの難しさを感じさせるような。

    小飼:昔から、内燃機関の自動車を作ってきたっていうところは、もうかなり守勢ですよね。

    山路:私なんかもぜんぜん車、自動車には興味なくて、いちおう免許は持ってるけども、ペーパードライバーで。

    小飼:まぁでもそういうところも時代が変わったというのか。山路さんのように自動車に興味がないということが当たり前になってきたっていうのも、これ日本だけでなくてアメリカでもそうなんです。

    山路:ああ。

    小飼:そう、車なきゃ暮らしていけないようなところで成人になった、18歳の時点の免許保有率というのが、かつては9割を超えてたんだけども、今、4分の3切ってるんです。

    山路:アメリカで?

    小飼:アメリカで、そうそう。

    山路:それこそニューヨークとかだったら、Uberとかでいいや、みたいな。

    小飼:そうそう。

    山路:ちょっと移動するんだったら。それ以外は、歩きか自転車かみたいな。

    小飼:そうそうそう。

    山路:で、車の代わりにスマホを使うわけだ。

    小飼:そうそうそう。なんだけれども、かつてガジェットに魅せられた人たちというのは、どのガジェットに魅せられてたかって言ったら、車なんですよ。自動車雑誌って、いまだにいっぱいあるんでしょ。週刊誌すら、あるじゃん。だけど、たとえば白物家電ってないじゃん。

    山路:パソコン雑誌もずいぶん減りましたしね(笑)。なるほどね。

    小飼:そう、『ベストカー』はあっても、『ベストリフリジェレイター』とか、

    山路:家電マニア、いるはいるけどもな(笑)。

    小飼:いるはいるけれども、趣味として、眺めるものとして。

    山路:そうですね。なんていうか、多くの人のステータスだったりとか、アイデンティティみたいな、そういう風な位置づけのものではないですもんね。

    小飼:そうそうそう。

    山路:車ってけっこう自分っていうのを表現するための手段だったみたいなところもあるだろうし。

    小飼:そう、最高学歴の持ち主が運転免許証を持ってないというのが、別に珍しくなってきてる。

    山路:それこそ、GAFAなんかで働いてる、

    小飼:そう、A地点からB地点まで行けりゃいいじゃん、というね。

    山路:それこそビッグテックとかだったら、もうバス出してくれるやろ、っていう。

    小飼:そうなんだよ。

    山路:通勤バスを(笑)。

    小飼:そうなんだよ。

    山路:サンフランシスコでは。

    小飼:うん。それよりもひと回り年齢上の人たちというのは、メルセデスやBMWを好んで買って乗り回してた層なんだよね。

    山路:いやー、ずいぶん変わりましたね。それでEVとか、

    「オートマ限定という概念がない時代に」(コメント)

    小飼:ああ、僕もそうです。じゃあ、ちょっと、

    山路:私もいちおうマニュアルで免許は取ったんですけどね。

    小飼:ああ、僕はカリフォルニア州のやつを日本のやつにコンバートしました。もう見事に年がバレることがありますね。条件などに、メガネなどというのは見ればわかるんですけども「中型車(8トンに限る)」っていう。これは昔、これはもう既得権というやつで、マイクロバス運転できるんですよ。

    山路:今はできないんでしたっけ?

    小飼:今は普通にとるとダメです。

    山路:普通免許ではということ?

    小飼:はい。

    「なんか、今の自動車ってEV含めてあんま魅力を感じないんだよな」(コメント)

    小飼:そういう中でTeslaの成功の秘訣というのは車として魅力的なやつを最初に出したんですね。

    山路:スパイダーとか、モデルSとか?

    小飼:2シーターの座席が2つしかない、オープントップのやつで、10万ドル以上するというね。

    山路:Teslaなんかは高級車を出して、それから普及車を出している、あとBYDなんかってけっこう手頃のやつをバンバンバン作っているみたいな感じじゃないですか。以前、弾さん、今後自動運転車とかが普及してきた時に、それを果たして所有するっていう形で続くんだろうか、みたいな話をしてたことがあるじゃないですか。これ今、考え変わってます? 自動車って相変わらず所有していくのだろうか?

    小飼:そうねー、所有欲。確実に自動車はA地点からB地点まで運んでくれればいいよという人たちが増える一方、その逆にそれでもなお自動車を持とうっていう人たちは、高級路線に行くんじゃないでしょうか。

    山路:なるほど。実際の所有の意味での台数とかは減るかもしれないけども。

    小飼:まぁでも意外と自動運転来るのは遅いですね。

    山路:遅いっすよね。もう2020年ぐらいには来てるもんだろうと思ってましたよ。

    小飼:こうすれば来るぐらいになっててしかるべきだけれどもね。やっぱり歩行者を轢かないようにするにはっていうのは、けっこう高いハードルなんだよね。

    山路:人間と同じでは納得がいかないんでしょうね。

    小飼:いや、それはそうよ、人間は普通に事故るし、歩行者は轢くじゃん。

    山路:人よりもちょっといいぐらいではダメなんだろうなっていう、本当に。圧倒的に何か事故を起こさないっていうんでないと、まあまあ大変だよな。あ、

    「プリウスミサイル怖いから早く自動運転普及してほしい」(コメント)

    山路:って、本当そう思いますね。

    小飼:本当そう思うよ。雪風ぐらい賢い。あ、まぁでも雪風はな、飛ぶし、事故りそうになったらから機関砲で、

    山路:障害物排除しちゃうから。

    小飼:そうそうそう(笑)。除雪車吹っ飛ばすしね。

    山路:ちなみに『戦闘妖精・雪風』の新刊、明日発売ですよね。

    小飼:いやー、あの間と間っていうものを待つというのか、まあでも、読んどくべきなのかなー、神林長平先生もなかなかいい年だし。

    山路:もう70くらい?(※編注:配信の時点で71歳)

    小飼:70いくつだったっけな。まぁでもなんか猫と戯れてる番組見たぞ。

    山路:そうはそうでも、なんかこうコロッと逝っちゃうことありますしね、仮に若かったとしても。なんか今回って『戦闘妖精・雪風』の第4作から第5作ってえらい短いですよ。2年ぐらい?

    小飼:おお、なんかすごいペースだな。

    山路:第3作から第4作って20年ぐらい空いてる、もうちょっと短かったか。まあ、かなり空いたように思ったんですけど(※編注:第3作の『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』は2009年刊、第4作『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』は2022年刊)。

    小飼:かなり空いてますね。いや、まあでも『雪風』傑作、いや、もちろん傑作だし、もう代表作中の代表作ではあるんだけども。それでも最初の巻の終わりがあまりにきれいで。え、これで続編書いちゃうの? ってけっこう叫んだよ。それはねえよーって。

    山路:蛇足になるんじゃないかと思いましたよね。

    小飼:いやいや、本当に。お前は『宇宙戦艦ヤマト』かって言いそうになりました(笑)。すみません。

    山路:ただ、面白かったからな。続編も。

    小飼:同じ続編であれば、『敵は海賊』をもっとダラダラ続けてくれても。

    「今年は『敵は海賊』出したいらしい」(コメント)

    小飼:おお!

    山路:ほんとかな? 出るのかな?

    小飼:そんな執筆欲旺盛でいらっしゃるのか。それは頼もしい。

    山路:すごいですね。へえ。なんかつい話ずれちゃいました、『戦闘妖精・雪風』の話にずれちゃいましたけど。

    小飼:いや、だって神林長平作ってよ。あの中のほんとに一作でも一生の間に物にできれば、ねえ、ほんとにもう死んでもいいっていうぐらいの密度の作品じゃないですか。

    「Googleと軍事」と「どこまで脱中国ができるのか」

    山路:話、自動運転から『戦闘妖精・雪風』のほうに行っちゃいましたけども(笑)。ちょっとじゃあ日本企業のみたいなところの文脈でもう一つ、行っとこうと思ったのがこれ。これまた冴えないニュースなんですけども(笑)。ITの経験があると、そういう派遣会社の社員に偽らせて人材を派遣してたっていう会社が高裁の判決で768万円の賠償命令を食らったっていうんですけど、ちょっと気になるのが、これって詐称をさせられた、人材会社の登録者に対する精神的苦痛の賠償なんですよね。

    小飼:まぁそうだよね。

    山路:つまり、なんていうか、こいつが嘘ついて迷惑かけた派遣先の会社とか、そういうことに対する損害賠償ではぜんぜんないわけですよね。いっちゃなんですけど、

    小飼:なんか白タクを強要させられた、みたいな感じだよね。

    山路:そうそうそう。本当だったら、きちんと教育するなりとか、スキルのあるやつを送り出さなきゃいけないわけじゃないですか。それって製造者責任的な、なんて言えばいいんだろう。

    小飼:まぁでも確かにIT業界ってその辺がいい加減というのか、たとえば医療であれば、医師免許ですとか看護師免許ですとか、あといろいろな技官にも資格があるわけですよね。法曹であれば、もう司法試験というものがあるじゃないですか。で、これが建築だったら、ちゃんと建築士ってあって、免許がなければ、それ、そもそもできないってなってるじゃないですか。でもITの場合っていうのは、まだそれがないし、そういうものを設定するには進歩が早すぎるというのもあるんですよね。

    山路:情報処理のいちおう資格というか、試験みたいなのもありますけど、それを持ってることが腕のいい悪いのを証明にならないですよね。

    小飼:IPAのこの資格がないとそれができませんっていうことは、ないですからね。僕はそういう資格持ってないですけども、エッジrouterの設定とかしてましたし。そう、しくったら、日本のインターネットが止まるみたいなことも平気でやってましたからね。

    山路:へぇー(笑)。

    小飼:だって、他にできるやつがいないんだもん。いなかったんだもん、だな。今はいる。

    山路:確かにな、なんか、そういう分野のところで、

    小飼:「ITパスポート」(笑)、

    山路:これ、ITパスポートってなんか、そういう資格みたいな文脈で時々聞きますけど。

    小飼:もう、本当に入り口で、たぶん英検5級とか、そういう感じの資格だったというふうに。

    山路:英検って、5級ありましたっけ(笑)、

    小飼:5級できたらしい。

    山路:あ、そうなんですか。あ、それは失礼しました。そうなんだ。冗談で言ったかと思った。

    小飼:英検も増えてるんですよね。僕が受けさせられた時っていうのはもちろん、4が3、準何級というのがなかったな、そもそも。

    山路:英検準1級はありますね。

    小飼:はい。僕は1を取らされました。塾で教えるにあたって。というのも、僕の生徒たちのとりあえず、とりあえずっていうのもあれかな、わりと最終的な目標が準1級だったので、高校生対象だったので。あ、5級できてますね。はい、合ってる。ちょっと待って、準2級、順2級プラスというのができたのか。

    山路:なんか細かいな(笑)。

    小飼:細かいな。

    山路:そんなに英語の能力って細かく分ける必要があるのか、

    小飼:で、僕が2級を取ったのが、中2だったっけな。中1だったっけな。それを取った前後にもう行くの、中学行くのやめなんですけどね。

    山路:しかし、さっきのIT未経験者に詐称させたみたいな業者のこと聞くと、えらくその塾、良心的じゃないですか(笑)。

    小飼:いや、まあ、確かにね。

    山路:なんか、ちゃんとしてるわ、それ(笑)。すごいな。

    「中1か中2で、2級取るって化け物だよ」(コメント)

    山路:って書いてある、

    小飼:そう? あ、確かに、いちおう2級というのが高校でちゃんと英語をやれば、ここまで行ける、のはずでした。当時も、今も。

    山路:まぁその「ちゃんと」っていうレベルっていうのが(笑)。

    小飼:いや、準1というのは本当に大卒のレベル、それを高校のうちにクリアしとこうというのが目標だったわけですね。1というのは本当にそれで食える、で、僕の場合、それが食うネタだったんで。ほかに国連のやつも取らされたな。

    山路:へぇ、その塾で。すごいな(笑)。そこの講師のレベルが半端ねえ。

    小飼:いや、英語の資格のほうが僕、持ってるんですよ(笑)。

    山路:プログラマーの資格は持ってないのに(笑)。

     
  • 小飼弾の論弾 #293 「中国企業DeepSeekが引き起こすAIのゲームチェンジ、道路陥没事故はインフラ崩壊の前触れ?小惑星から5種類の核酸塩基発見」

    2025-02-11 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。

     今回は、2025年02月04日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2025年02月18日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2025/02/04配信のハイライト

    • トランプの人気の根源は無能さにある
    • トランプに票を投じた人たちはloserとは思ってない
    • 「持ってる、持ってない」の分断と「これからの自治体インフラ整備」
    • 視聴者質問「属国になるなら米中どちら?」「資本主義経済はなくなる?」
    • 視聴者質問「サイバー防御について」と「deep searchによるリサーチ結果」
    • 「孫さんは転売ヤー」と「1型糖尿病、治るかも」

    トランプの人気の根源は無能さにある

    「雪が降ってるよ」(コメント)

    山路:都内なんだろうか、日本海側の方なんだろうか。

    小飼:現在気温が4度だから、都内でも降ってもおかしくない。ミニマムな、

    山路:いきなり、冬らしくなりましたよね。

    小飼:まぁ2月だし。

    山路:今日はタイトルにもあったAIの話とかしていこうと思うんですけども。先になんか、嫌な話というか、は片付けとかなきゃいけないものじゃないですか。

    小飼:山路さんは食べ物がいっぱい並んでる場合、自分が嫌いなものから食べるほう、好きなほうから食べるほう?

    山路:好き嫌いはあんまないほうですけど、どうしても食わなきゃいけないんだったら先に食うほうですね。

    小飼:僕もどっちかっていうとそうですね。

    山路:(笑)じゃあ、まずはホワイトハウスのページを紹介しておきましょうかねと。ドドン。普通のホワイトハウスの公式ページでございますけれども、いかがですか、弾さん(笑)。

    小飼:いや、でもAmerica is backっていうのは、いろんな意味に捉えられますね。

    山路:アメリカが後退している(笑)、

    小飼:まったくもってその通り。America is goning backwardっていう意味にもなりますし、実際そうですね。

    山路:こんなアホな人って、今までいました? いたんかな? いたのかもしれないな、歴代の大統領の中には。

    小飼:現代の基準でだから言うと、もっとヤバいやつというのはいっぱいいたよね。多分、アメリカの建国に関して、初代のジョージ・ワシントンもそうですけれども。たぶん一番貢献した人というのはトーマス・ジェファーソンという。3代目ですけれども。黒人の奴隷の女中さんと隠し子を作って、その子孫がDNA鑑定のおかげでちゃんとわかったなんていう例もありますし。

    山路:そいつがまぁもっともらしく建国の父をやってたという、というか今の基準ではそれを裁く、

    小飼:いや、だからアメリカの独立宣言というのはWe the peopleから始まるんですけど、the peopleの中に今の、

    山路:黒人が入っていたかと、

    小飼:いや、そもそも女性すら入ってなかった。

    山路:ああ。ただ、必ずしも昔の時代に今のコンプライアンスを当てはめて批判するのが正しいともは思わないんですけれども。

    小飼:だけれども、まぁ懐古趣味なわけですね。どの程度まで懐古したいのか。もうすでにマイノリティは人にあらず、ぐらいまで戻ってますよね。

    山路:DEIでしたっけ、そういう、

    小飼:ポトマック川で、レーガン空港に、レーガン空港というのも改名の結果レーガン空港になったんですけれども、にアプローチしてた旅客機と軍の、

    山路:ヘリコプター、

    小飼:どの軍か忘れたけれども。

    山路:訓練中だったんですかね。

    小飼:まぁアーミーだと思うんですけど、いや、訓練中でなくて、まぁフェリーしてたんですね。要するに回送ですね。犠牲者の数からするとたぶん回送です。お客さんいなかった。お客さんというのか、人員とか、あるいは物資とかっていうのは。

    山路:それ、そういうふうなこの事故が起こったっていうのは管制に、管制官に原因があるんじゃないかみたいなことを噛み付いたって話ですよね。

    小飼:だからこの段階じゃ言っちゃいけないわけよ。

    山路:まだ何にもわかってないわけなんですもんね、これから。

    小飼:もうそこからしてダメなわけ。

    山路:で、そういう何にも言っちゃいけないような段階のところから、管制官のところ、多様性を重視してたからこんな事故が起こったんだみたいなことを決めつけることを言ってしまったという。

    小飼:そうですね。

    山路:はっきり言ってアウトな発言だと思うんですけど。

    小飼:いや、だからこれはどんなリーダーであっても、一番やっちゃいけないことなんだよね。人っていうのは、こういうことをやってしまいがちなんだけど、だからこそ、そういうことをやらない人をリーダーにつけるわけです。本当にそれこそ、将は、もう軍隊で言えば、もう小隊どころか、分隊のレベルから。どころか、もう家族のレベルから。もう家長というのはもう滅びた言葉かもしれないですけど、のレベルから、大はもう大統領に至るまで。

    山路:ただそれがうまくできてなかったっていうのも、人類の歴史ではありますけどね。

    小飼:で、じつはですね、民主主義というのは、これに関してはすごい、いくないんですよ。なぜかっていうと、決めつけるタイプの人のほうに、惹かれてしまうんですね、人というのはむしろ。

    山路:なんか人間の脳の認知機能の問題かもしれないですけどね。

    小飼:そうそうそう。

    山路:おそらくは、不安定な状態っていうのを抱えておくことに、多くの人は耐えられないようにできているところがある。

    小飼:はい。そう、だからシステム1、システム2っていう言い方が一時流行りましたけれども、リーダーにすべき人というのはシステム2が強い人なんですよ。なんだけれども、システム1が強い人のほうが魅力的なんですよね。これ、もう本当に霊長類ヒト科ヒト属の一番でかい欠点の一つなんじゃないですか。

    山路:チンパンにも同じような、欠点ある可能性はありますけどね(笑)。

    小飼:もちろん。もちろん。でも、それもじつは悪いことだけではなくて、速いんですよ。システム1というのは。

    山路:それっていうのが、速い判断っていうのが小さな規模のグループとかだったら、まだ有効に働いたかもしれないけども、これだけ大きな規模、

    小飼:そう、だから、大きければ大きいほど、システム1を疑わなければいけない。

    山路:なんか本当に人間の認知機能に追いついてない規模の事象を扱わなきゃいけないことになって、まぁ大変みたいな話になるかなと。

    小飼:うん。いや、だから、これは人類史としては貴重な記録が取れるチャンスでもあるんですけれども。いや、そのために世界がどれほどの犠牲を払うのかというのが、ちょっと読めないですね。

    山路:これ、今の、それは弾さんが、この記録、貴重な記録っていうのはこのSNS時代だからこそって意味ですか?

    小飼:いや、SNS時代だからこそではないですけど、昔からけっこう、We are back! みたいな古きよき時代、世界に、国に、我々は戻るんだっていう言説はべつに今のUSAの専売特許ではないわけです。ただし、まだその頃にはAIなかったし、SNSなかったし、インターネットすらあったかどうか怪しいという時代だったわけです。

    山路:やらかしがそこまで波及しなかったっていう。

    小飼:そう。だから一国にとどまらないわけです。

    山路:今はってことね。

    小飼:そうです。

    「日本が相対的にだいぶマシって驚くなー」(コメント)

    山路:まぁ同感ですね。

    小飼:いや、まったくもって、まったくもってその通り。

    山路:なんていうかいろんな国のオウンゴールで結果的に今、(日本は)一番いい感じの国になってるのかもしれない、もしかすると。

    小飼:一番いいか、これでもなー。

    山路:これでもって感じですけど。

    小飼:これでもなー。

    山路:だからといってべつに為政者を褒めなきゃいけないとか、そういうふうには思わないですけど。

    小飼:世間に追いつくためにカントリーマァムはさらに一段小さくなってほしいと思うんですよね。値上げはしないで。小さくするところがミソ。

    山路:これ、しかし100年後ぐらいとかに人類学のデータを取ったら、私ら、体小さくなってたりするんですかね、この時代の日本人、

    「すぐにバイデンのせいにする」(コメント)

    小飼:というのは、これはアメリカというのか、民主的に政権交代をするところと、民主的でなくても、これは必ずやるので。

    山路:韓国なんかもすごいですしね。

    小飼:だから、日本だってやるじゃないですか。

    山路:そうですね。

    小飼:「悪夢の民主党政権」ってやつですよ。

    「シビル・ウォー見てみようかな」(コメント)

    山路:ってコメントありますけど、『シビル・ウォー』見ておいたほうがいいですよ。ある程度、今のアメリカのニュースとか把握した上で『シビル・ウォー』見ると、すごい納得がいくものがありますね。

    小飼:だから、第1次政権程度のぶっ壊れさで済んだらいいね、とは思う。でもあの頃は、でも途中でパンデミックが来たから。

    山路:これでさらにトランプの影響の大きそうなところ、トランプ関税と言われる関税、

    小飼:いや、だからそれこそバカなのよ。

    山路:関税の仕組みがわかってないんじゃないか、みたいな記事も見かけましたけど。トランプ氏が。

    小飼:もちろん、

    山路:関税を払うのが誰かって、いや、お前のところが国民だぞっていう、なんかその仕組みがわかってないんじゃないか、さらにうがった見方をする人も、

    小飼:ただそれを言うと、関税を払いたくないがゆえに国内製の製品を使うということはあるので。一定の理はありますし、関税をかける権利があるっていうのはWTOももちろん認めてるわけです。ただ、それであれば、片方が関税をかけるって言ったら、もう片方もかけるっていう風に言ったんで、のべつ幕なしやっちゃダメだよっていう。やった場合というのはWTOに対して異議申し立てができて、WTOのほうからそれはやめろという風に言えて。で、それに従わない場合っていうのは最悪、貿易から占め出される。

    山路:今って、アメリカのWTOへのコミットというか、それっていうのはどんどん減ってってる感じなんですかね。

    小飼:いや、けっこう強いと思いますよ。アメリカは割とまめに関税をいじくる国です。だから、日本のほうがはるかにリベラルです。日本はすごい関税を取らない国でして。ただ例外はあって、米とかね。

    山路:あー、なるほどね。

    小飼:だから、薬でさえホイホイ個人輸入もできるわけですよ。関税取られずに。もちろん車とかもかかんないですね、日本の場合は。ただ消費税がかかるんですよね、面白いことに。輸入した場合。

    山路:あ、コメントどうもありがとうございました。これ、関税って結局お互い、何かのことについて関税合戦になったりとかすると、それぞれの国の国民が買うものが値上がりするという、だいたいの場合、

    小飼:そういうことです。

    山路:多くのケースで。代替品がない場合はということですよね。

    小飼:だから国内に代替品がある場合というのは、関税というのはその代替品の製造者、産業を保護するために、まぁある程度の意味はあると。農産物とかは特にそうね。

    山路:トランプがやってることには、そういう理由はないだろうということですよね。これ、なんかうがった見方をする人は、トランプは関税とかのことはちゃんとわかった上で、つまり自分に注目を集めさせるためにやってんじゃねえかみたいな(笑)、

    小飼:わかってねえに決まってんじゃねえか、

    山路:(笑)わかってないほうに弾さんは賭けますかね。

    小飼:いや、賭けますって、カシオミニとか。いや待て、カシオミニかけちゃいけないんだ。TIのcalculatorとかにしなきゃいけないな。いや、でもじつはですね、scientific calculator、要は教室に理数系の大学の試験とかに持ち込んでいいcalculatorというのはTexas Instrumentsのやつがデファクトスタンダードで。カシオのやつとかのほうが機能は優れてるんだけども、教科書とかに載ってる場合はTIのcalculatorだとこういう風にしろっていうのが今なってますね。

    山路:TIのやつで、しかも、

    小飼:話が電卓になってしまった(笑)、カシオミニから。

    「いるよな、トランプ過大評価税」(コメント)

    山路:(笑)何でしたっけ、ハンロンの剃刀、「無能で説明できることに悪意を見出すな」みたいな、そんなやつありましたよね。

    「関税はインフレ要因になるんですか」(コメント)

    小飼:インフレ要因になります。すごいわかりやすいのは日本で一番関税がかかっているものというのは米ですけれども、米がなんでこんなに高いかって言ったら、まさにそれなんですよ。だから、とりあえず安いのがいいというのであれば、バンバン輸入すればいいんですけれども。そうすると日本のだから農家というのは、みんな夜逃げするしかなくなっちゃうという。

    「政治家としてはともかく、実際のところ経営者、実業家としてはどうなんでしょうか」(コメント)

    山路:もうそれを弾さんに聞くかと、

    小飼:それは証明されてるじゃん。わざわざ僕に聞かなくてもいいです、Wikipediaでもなんでもいいです、カジノを潰せるっていうのは、

    山路:どれほどの無能なんだという(笑)、

    小飼:でも、じつはここ重要なんですけれども、彼は人気の根源っていうのは無能さにあるんですよ。

     
  • 小飼弾の論弾 #292 「トランプ就任に身構える世界、核兵器のように扱われるAI、AGIができたら社会階級は固定化される?書評『知能侵蝕』、『Python科学技術研究所』」

    2025-01-28 07:00
    550pt

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。

     今回は、2025年01月21日(火)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2025年02月04日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2025/01/21配信のハイライト

    • 『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』と「トランプ就任のビッグテックへの影響」
    • 「フジテレビ問題」と「日本のこれからの立場」
    • 書籍紹介『知能侵蝕』『Python科学技術研究所』
    • 視聴者質問「AIの創造性獲得について」
    • 視聴者質問「子供を持つ不安について」

    『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』と「トランプ就任のビッグテックへの影響」

    山路:今日タイトル、いちおうトランプ、なんか大きく出てるんですけど、正直あんな変なお爺さんのことについて語るよりも、もうこれについて語りたい、ダラダラと語りたいような気分なんですが、弾さん、これ見ました?

    小飼:まだなんですよ。

    山路:(パンフレットを見せながら)3000円の豪華版バージョンのパンフレットも買ってきました。この閲覧注意、ネタバレ注意というのがパンフレットの表面にも書いてあってですね。

    小飼:いや、でもさらにこの後またあれでしょ、この後に庵野監督何をリメイクするんでしたっけ? これで『ガンダム』をやって、

    山路:これは庵野さんの監督ではないですね。

    小飼:まぁまぁ、でもカラーだよね、

    山路:関わってはいますけども。庵野さんは『ヤマト』のリメイクを。

    小飼:ふー。

    山路:今の反応はどういう意味なの(笑)? なんでなの(笑)、それはどういう風に解釈すればいいですか。

    小飼:まぁでも、『ヤマト』は何と言えばいいのか、何度リメイクしても、もうそういう作品だという受け止め方をするしかないのかなと思う。

    山路:そういう、というのは?

    小飼:もうだから、いくらでも作り直されると。

    山路:ああー。スタンダードであるがゆえの。そういう原点みたいな、

    小飼:いや、まあスタンダードというのは、いや、そもそもパチモンじゃん。本物の大日本帝国海軍の大和のパチモンじゃん。

    山路:それを言うとまあ(笑)、

    小飼:でね、松本零士先生と西崎監督とで、どっちのもんだというのを散々争った挙句、西崎作品ということになった。で、その後にさらにリメイクされて。リ・リメイクされるというね。

    山路:なんか『大ヤマト』とか、松本先生、『ヤマト』に対抗して『大ヤマト』とかなんかそっちのほうのコンテンツやろうとかしてましたけどね。

    小飼:そうなんだ。

    山路:そっちのほうの展開のことは先、どうなったかわからないんですけども。それにしても『ガンダム』ですよ。本当に今SNS上ではいろいろ、みんながネタバレを自粛してかなりマナーよく、みんな話すようにしてるんですけれども。

    小飼:そうなんだ。

    山路:私も妻と一緒に見たんですけど、妻、ガノタってわけではぜんぜんないんですけれども、見てる途中でなんかブフォッてなんか変な音立ててましたからね。わりと普通の人でも驚くような話はあるのかなと。『ガンダム』たぶん、これまでの『ガンダム』を見た経験のある人も、見てない人も、まあかなり満足いく話にはなってんじゃないかなと思いますね。

    小飼:いや、まあでも、こう言うのもなんだけども、話の筋として僕が唯一納得してる『ガンダム』って『∀』なんですよ。

    山路:ああ。話の筋として、

    小飼:前がどんふうなあってもさ、月光蝶でなんとかできるわけじゃん。月光蝶で絶好調な作品ですよ、あれは。

    山路:しかしすごいですよね、皆さんあんまり意識されてないかもしれないですけど、「黒歴史」って言葉あるじゃないですか。

    小飼:はい、そうなんです、あれは『∀』でできたんですよね、僕もそれ知った時にびっくりしたね。もうすっかり黒歴史というボキャブラリーに慣れてて、じつはそこが発祥だったという。

    山路:もしかすると日本語の言葉のインパクトとしてはモビルスーツよりも広がってる言葉かもしれないですよね、黒歴史。

    小飼:やっぱり伊達にひげ生やしてないな。

    山路:なんかまあ何回か見てると∀ガンダムもかっこいいデザインのように思えてきますけれどもね(笑)。

    小飼:いや、一番、でも一番僕が納得してないのはファーストなんです。

    山路:それはスペースコロニーを前提とした世界観ということ?

    小飼:いや、せっかくスペースコロニーを出してるのに、スペースコロニーができてるのであれば、そもそも地球連邦という意味がないよね。

    山路:まぁそれ言ったら、SFの多く、

    小飼:でも、もっと納得がいかないのは休戦してるわけじゃないですか。ジオン公国というのは抹消されたわけじゃないないですよね。おかげで、ジオンの残党がいっぱい絡んでる後期の作品というのが、要するにファーストガンダムだけでとどまらなかった一番の理由でもあるんですけども。それではザビ家全滅してるのに、休戦協定って誰がサインしたの?

    山路:それは首相ですね。傀儡ではあったんだけども、ジオン公国の時点で首相っていうのは置かれてて、

    小飼:いや、だからなんでその時にジオン公国というのは全滅させられなかったわけ? 中にガスを撒かれて、あれ皆殺しにされなかったわけ?

    山路:うーんと、そこは確かマジレスすると、連邦軍もかなり疲弊したからではなかったですかね、

    小飼:いや、でもガスばら撒くのであれば、ジムとボールでできたでしょ。

    山路:そこのところは(笑)、

    小飼:いや、一番リアルだとされているファーストが一番アンリアルなんですよね。

    山路:その休戦協定の絡みに関して、そんなに変な描写はなかった気がするがなあ、

    小飼:いや単に休戦したってあっただけだからね、ファーストガンダムの中では。たぶんその後にいろんな話がこういう風だったというのが書かれてたのかもしれない、

    山路:ある意味『Zガンダム』とかなんかも、無理やり話をくっつけていったがゆえの富野由悠季自身が話をくっつけていったがゆえの話ではありますけどね。

    小飼:いや、そもそも続編とかないんだよ、なかったんだよね、富野監督的には。アムロ殺してるわけだしさ、小説の中では。

    山路:あとテレビ版のほうも、シャア・アズナブルが死んだかのような描写にはなってましたよね。テレビ版のほうでは。

    小飼:ああああ、そうだよね、そうそう、爆発に巻き込まれてるような、

    山路:シャアが生きてるっていう描写を付け加えたのは劇場版からですからね。そのあたりのところもあるんですけど。まぁでも、とりあえずそれぐらいの状態から『ガンダム GQuuuuuuX』は、見に行った弾さんの感想をぜひ聞きたいところですね(笑)。

    小飼:そうなんだ。

    山路:いろんな意味でのけぞるかなとは思いますね。そういうコンテンツのことを本当はダラダラ話したいところですけども。

    小飼:まぁでも一番笑ったのは、止まるんじゃねえぞ、だよね。

    山路:止まるんじゃねえぞ? 何でしたっけ?

    小飼:えっと『鉄血』だ、違う違う、『鉄血』だよ。

    山路:あああ、あれ大好きですよ、『鉄血』。

    小飼:いや、本当にあれは死ぬほど笑ったね。『ガンダム』いらねえじゃん。

    山路:だけどやっぱり『ガンダム』としてやると、2割増しどころじゃない、2倍か3倍ぐらいにはなるわけですよ。

    小飼:いやー、あれじゃん、別に宇宙世紀持ってこなくてもさ、今のメキシコじゃん(笑)。

    山路:まぁそこんところで、そこは商売、

    小飼:宇宙世紀じゃないか、『鉄血のオルフェンズ』は。

    山路:違う話ですけどね、

    小飼:舞台火星だけど、

    山路:でもあのデザインとかすごい好きでしたよ。主人公メカの、なんだっけ、名前をど忘れした、悪魔の名前のやつですよね。あのやつとかもすごい好きでした。まぁとにかく『GQuuuuuuX』皆さんもネタバレ嫌な方は早めに映画館に行かれるといいかなと。

    小飼:いや、僕が見てたらここで思いっきりバラしてたよね(笑)、

    山路:(コメントを見ながら)バルバトスだ、バルバトス。そうそうそう、なんかプラモ買っちゃいましたよ、バルバトスに関しては。いや、非常にいいデザインでしたね。『ガンダム GQuuuuuuX』で、

    小飼:それだ、よくあるネタとしては同居人、妻とか同居人が捨てちゃったとか売っちゃったとかっていう、それは違うか。

    山路:そこまでの関係には、うちの妻とはなってないから大丈夫ですけども。

    小飼:いや、でもさ売っちゃったとか捨てちゃったとかではなくてさ、もう「ダインスレイヴ!」とか言っても思いっきりぶっ壊すとかね(笑)。やっぱり鉄血のガンダムはやっぱりぶっ壊れた姿で飾っておいてほしいよね。こうなった状態で。

    山路:ただ素人がプラモとして壊すのと、壊れたようなジオラマとして作るのはまた別ですからね(笑)、まぁいいや、とりあえずちょっと一番今回でかい話からもういっちゃいますか。弾さんが嫌いなトランプ、いよいよ就任ですよ。

    小飼:嫌いとかっていうのとはちょっと違うんだよね。いや、本当にやっちまったなっていうね。いや、2016年の時もかなりやっちまったなだけども、今回はやっぱりちょっとヤバい。かなりヤバい。

    山路:決まるまでのプロセスもそうだし、支持者とかなんかに対するアプローチとかにしてもそうなんですけども。ただ、結局もう法的に、きちんと正当な大統領として就任したからには、

    小飼:いや、法的にっていうのも、そこがBSなわけですよ。

    山路:まぁそうなんだけども(笑)。今の世界に暮らす人間は、彼のやることの影響を受けざるを得ないっていうのは間違いないじゃないですか。

    小飼:まぁそれはそうよ。

    山路:それ自体はどうしようもないわけで、彼はトランプ、就任するなりものすごい勢いで大統領令っていうのをガンガンガンガン打ち出して。

    小飼:それは恒例行事だし、特に政権党が交代した時っていうのはものすごいガツンガツンとした勢いでできる、そこ自身はあれなんだよね、トランプ政権の専売特許ではないんだよね。

    山路:私が見た記事なんかではトランプ、大統領令とかですごいいろんなやつを一遍に出して話題を呼んでますけど、ある記事では今の共和党と民主党っていうのは下院でも上院でもかなりじつは勢力的には本当に拮抗してて、そんなに差はないんだと。結局、

    小飼:勢力的にというのか、政策的にだね。まぁでも支持者の数で言うと、今回かなりGOPシフトが起きたんですけど、それでもなお民主党のほうが圧倒的に、数で言うと。なんだけれども、共和党のほうが選挙が上手なので。

    山路:で、まあとにかく結局議会なんかにおいても、ちょっと、ちょびっとその共和党から造反議員が出たりすると簡単に政策なんかも通らなかったりする可能性もあったりとか、

    「Blueskyのアカウントありますか?」(コメント)

    小飼:って、僕は持ってますよ、あんま、かなり静かだけど持ってます。

    山路:で、結局最初からレームダックになるんじゃないかって言ってる人もいる。トランプというのは、トランプ政権は。

    小飼:いや、アメリカ自体がもうレームダックにするということでもあるんだよね。

    山路:そうは言いつつも、大統領令だけでもけっこういろんな大きな変化っていうのはあったりもするわけじゃないですか、おそらくは。そのいくつか、今日打ち出してきたものに関しては、対中関税に関しては即時の発動は見送ると。ちょっと様子は見送るぞってことになったんですけれども。パリ協定からの離脱はもうサクッとやるよと。あとWHOからの離脱もするそうですよ。

    小飼:いや、WHOからのとか離脱っていうのは、これ誰が一番笑いが止まらないかって言ったら、

    山路:中国? あんなにあのワクチンというかコロナの時に、

    小飼:いや、だからけっこうWHOというのは国際機関の中では、もうアメリカという国はけっこう自分の不都合となったら、自分が作った国際組織からも平気で離脱したり、平気で金を出すのをやめたりとかっていう国でも有名なんですけど、でも、その中ではWHOというのはもうかなり尊重されてた組織なんですよ。

    山路:その中って、アメリカ国内でもってこと? 世界的に?

    小飼:全世界的にっていうこと。いや、どれくらい凄いかというと、中国がレアアースの輸出に制限を掛けたことがあった。それに対して各国がいい申し立てをしたところ、WHOの最低で中国は負けてるんです。

    山路:それWTOじゃないですか?

    小飼:ごめんなさい、WTOです(笑)。いつの間に、TがHに入れ替わってしまった。

    山路:今回トランプが離脱を表明したのはWHOのほうですね。

    小飼:これはすげえ勘違いしてた。でも、WTOからの離脱というのはトランプだったら、いかにもやりそうなことで。

    山路:そうではありますね(笑)。

    小飼:でもWHO離脱も、これはこれででかいな。

    山路:でかいでしょ。

    小飼:これはこれでデカい。これでまたあれかポリオ撲滅が遠ざるのかな。一歩手前まできてるんだけどね、ポリオ撲滅は。

    山路:アメリカ国内ではいちおう撲滅は宣言されたんでしたっけ? どうだったかな。

    小飼:国内ではもう先進国は、今、残ってるのはパキスタンとアフガニスタンと。

    山路:だけどまぁ本当にWHOに離脱を表明して、金も当然出さないっていうことになったら、どんどんその辺のプロジェクトっていうのは。

    小飼:金出さないはよくやってるよね。よく話題にのぼるのは、ユニセフに金を出さなくなって。

    山路:そんな大した金でもあるまいに。

    小飼:まあ、本当にその通りなんですけど。

    山路:なんか嫌ですよね。そういうなんか貧乏臭いっていうか。その辺のところを交渉に使うみたいなところがすごい嫌なんですけど。

    小飼:いや、貧乏臭いし、価値創造という意味ではトランプの沿革というのは、本当にこれでもかというぐらいダメダメなんだよね。いやー、カジノを倒産させてるというのは本当に、博打の胴元って、これ以上儲かるものっていうのはないんだけど、

    山路:自動的に儲かるようになってるやんけっていう(笑)。

    小飼:そうなの。そうなの。

    山路:原価計算とかしなくても儲かるようになってるみたいな仕組みじゃないですか。

    小飼:いや、本当に。

    山路:期待値がね、そっちのほうが明らかに有利なわけで。

    「4年間健康でいられるかな」(コメント)

    小飼:いや、いや、むしろ僕は健康であることを祈りたいです。

    山路:うーん。その上でダメになってほしいという?

    小飼:いや、違う。いや、その場合というのは副大統領が職務を継承することになってるんだけど、だから、もっとヤバいやつが。

    山路:J.D.ヴァンス。

    小飼:はい。

    山路:なるほど。あと、さっきも言ったパリ協定の離脱も公表してるんですけど、掘って掘って掘りまくる、要は石油とかガスとか掘って掘って掘りまくるみたいなことを言ってるんですけど、これってエネルギー価格に影響あったりするんでしょうか?

    小飼:どうだろうな。もう、たとえば電力に関しては、もう再エネのほうが安いんですよね、アメリカは。少なくとも。

    山路:よくソーラーとかEVとかなんかに補助金出さなくなるから、そのへんの産業とかがしぼむんじゃないかみたいな話あるけど、もうそんな段階がとっくに過ぎていると弾さんは言いたい?

    小飼:そこは微妙だね。というのも、補助金なしのEVというのは、まだお高いので。補助金の額をTeslaに対しては下げますって言った時に、マスクすごいゴネたじゃん。それで他と同じにしたといういきさつもあったので、その時の補助金の額というのが7500ドルだった。

    山路:日本円で100万円ちょいみたいな。

    小飼:うん。ちなみに日本だともっと出ますね。EVの補助金というのは。

    山路:今はちょっとわからないけど、

    小飼:Teslaだけ補助金ではなくて、EV全体に補助金が出るんだけども、Teslaの場合というのは満額を、このままだと出せませんよ、なぜかというと、

    山路:ちょっとお高い、

    小飼:米国製の部分というのが少ないとか。

    「最近Tesla買った」(コメント)

    小飼:おぉ。

    山路:それでそれはバイデン政権でされて補助金出してた補助金というのが、これからどうなるかというのはまだわからない。

    小飼:まだわからない。

    山路:ただ政権に近いところにイーロン・マスクがいるから、どうなんでしょうね。Teslaに対してあんまりシビアなこともできないのではないかと思う一方で、トランプはそういうことを気にせずにやるのではないかという気もして、わからんところですけども。

    小飼:どうなんだろうな。いや、どの程度いじれるか、だよね。いや、トランプという操り人形の、操り糸の先にはマスクとかがいるわけですけども。

    山路:補助金が云々というよりも、もうちょっと大きな枠組みのところでトランプをあやす、

    「近所に止まってるな、BYD」(コメント)

    小飼:そのほうがすごいな。

    山路:まだ街で走ってて、どれがBYDかパッと見分けられないですよね。

    小飼:東京だとあんまり見れないんだよな。僕も一度しか見たことないな、BYD DOLPHINは。ただ、山路さんが沖縄に行った時にショールーム、

    山路:ショールームもあったし、あと実家に帰省したら実家の近くにもありましたよ。意外に地方から地道にBYD広げていってますね。

    小飼:それはけっこうすごい。

    山路:なんかね、実家の近くでフォードだったところ、フォードを扱ってたようなところがBYDに変わってたりみたいなことがあったりとかして。

    小飼:あーなるほど、でも、フォードね。フォード。

    山路:なんかいろいろ考えさせられるものが。

    小飼:今、日本人でフォード買いたいって言ったら、何買いたいのか。

    山路:ね、よくわかんないですけど(笑)、私も。

    小飼:EV版のマスタングかな。EV版のマスタングが出てるので。

    山路:まぁでもEV、特にアメリカなんかでEVってみんなTesla以外は苦戦してるじゃないですか。

    小飼:そうですね。

    山路:原油とかなんかの価格に対する影響はあると思います? アメリカが原油の産出量を増やしたりとか。

    小飼:というのか、今でも世界トップですからね。

    山路:それを世界に、それこそEUとかに送るんじゃねえか、みたいな話もあるじゃないですか。そういうアメリカの分を回すんじゃないかみたいな話もあったりする。

    小飼:どうかなー。

    山路:つまりロシア依存を下げるために、ヨーロッパの。

    小飼:いや、でもその前に、じゃあアメリカのほうで原油を輸出のために積み出しするファシリティってあったかなと。

    山路:ああ、単純に物理的に。

    小飼:そう、だからアメリカはものすごい国内需要が大きいので。メキシコ湾で掘ったやつとか、あるいはフラッキングで掘ったやつとかっていうのも、そのままパイプラインに流しちゃうんです。

    山路:国内に。

    小飼:その通りです。

    山路:じゃあもう海外のことはぜんぜん考えてはなかったのか、今までは。

    小飼:海外にも対応してるのかってアラスカのやつぐらいかな。あれは日本に輸出するとかっていうので、ちゃんと積み出しの施設。

    山路:なんか、素人だとほんとに掘ってすぐにタンカーで積んでヒュッて運べるんかと思ったら、そういうもんでもないわけなんですね。

    小飼:そういうもんでもない。むしろそういうところというのがお金も時間もかかるところで。

    山路:そうか、仮に輸出すると決めたとしても、そんなにすぐにできるわけではないということなんですね。