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小飼弾の論弾 #101 「ふるさと納税は、消費税に次ぐバカげた施策!」
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小飼弾の論弾 #101 「ふるさと納税は、消費税に次ぐバカげた施策!」

2019-03-07 07:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    2019年1月22日(火)配信の「小飼弾の論弾」の後半をお届けします。

     次回は、2019年3月19日(火)20:00の配信です。

    お楽しみに!

    2019/01/22配信のハイライト(その1)

    • 余計な仕事を増やす「ふるさと納税」と不法な統計調査
    • 「賃金が社会保障と一緒くた」で無理が出る
    • 売れない人たちが「売れるもの」を決めている
    • 「日本省沖縄県」なら米軍基地は不要
    • 「小せえ人たち」が自滅しないための「法」
    • 弾さんはどんな数学が好き?
    • 日本は韓国に対して相対的に小さくなっている?

    余計な仕事を増やす「ふるさと納税」と不法な統計調査

    「ふるさと納税の話に関してちょっと説明してくれ」(コメント)

    山路:そんなにひどいんですか? ふるさと納税って。

    小飼:まず一つは、税金というのはまとめて運用するところに意味があるわけです。

    山路:橋作ったりとかそういう大きなことが出来る。お金をまとめることで。

    小飼:そういうことです。だから1億円を100分割して、100万円にして配っちゃうというのは、金持ちの道楽だからOKであって、普通はその逆をしなければいけない。1万円を1万人から集めて、1億円にまとめて橋をかけるですとかね。

    山路:それをまた細かく、地方自治体の思いつきでバラバラにしちゃってるという。

    小飼:そういうことです。ふるさと納税でもっとひどいのは返礼が認められていることですよね。

    山路:最近だったらAmazonギフト券だったりとか。

    小飼:それって自治体の本来の業務ですか? 余計な仕事を増やしているわけですよね。

    山路:私もふるさと納税、申し込んだことがあるんですけど、あれ本当に。

    小飼:痴れ者(しれもの)が! 痴れ者と呼ばせていただきます。

    山路:(笑)。やってみてわかったんですが、これってお得なんですよね。やってしまうのはわかるなあと。

    小飼:うん。

    山路:本当に悪い仕組みだというのもよくわかるんですけれど。

    小飼:もしふるさと納税が認められるんだったら、僕はカリフォルニア州に納税しますよ。

    山路:ええと、カリフォルニア州というのはなぜ?

    小飼:それはなぜかと言うと、僕に曲がりなりにも財を築かせてくれた経験というのは、カリフォルニア州が与えてくれたものですから。

    山路:恩返し的な。

    小飼:まぁ恩返し的な。でも国内の自治体だけでしょう? ふるさと納税として認められるのは。でもそういうことではないんですよ。

    山路:これはしかし、税金の分配というのが結局うまくいってないからこそ、ふるさと納税みたいなよくない仕組みで地方に振らなきゃいけない羽目になっているのでは?

    小飼:いや地方に振らなければいけないじゃなくて、そもそも地方に振る必要があるのか? ということ。人がいなくなったら税収も減って、寂れて行くというのは、それは正しいことなんですよ。

    山路:自治体の規模も縮小して。

    小飼:その過程で、たとえば人が死んだり傷ついたりということになって、そこで初めて問題になるのであって。

    山路:私も正直、人がいなくなっていった自治体というのは、人のいるとこへの移行をもっと促進するように誘導したほうがいいんじゃないかなと思うんですけどね。

    小飼:撤退戦というのはあまり人気がないんですけれども、ちゃんと出来るというのは、本当に凄いことで。日本の自治体だと有名なのは夕張ですよね。

    「地方医療の崩壊とかどうすべきなんだろう」(コメント)

    小飼:地方医療の崩壊というのはよく見てみると自壊ですよね。もう、それこそ社畜ならぬ、医畜をもって来いと言って、さんざん使い潰した上でペッとやっちゃうわけでしょう。自業自得としかそれは言いようがないんじゃないかと。

    「地方公務員は抵抗しそう」(コメント)

    山路:まぁ結局のところ、地方の問題って、地方自治体に勤める人の、ポストとかの問題だったりするんじゃないのかなっていう気はします。コメントに書いてある通りなのかなというふう気もするんですけどね。

    小飼:しかも統計誤魔化してるわけだからね。

    山路:あれ、統計の話っていうのは厚労省のやつで、あれは地方のやつではなかったような。

    小飼:ありとあらゆる政府統計を疑ってかからなくちゃいけなくなっちまったなあと。

    山路:じゃあその統計の話にちょっといきますか、その厚労省が不法、何と言うんですか、不適切な統計調査の。

    小飼:いや、だから、そういう時に「不適切」っていうのはやめようよ。

    山路:だって記事に書いてあるんだもんな(笑)。

    小飼:「不適切」という表現が不適切だから。

    山路:最近の記事では勤労統計の資料も廃棄されて、2004年から2011年の、その該当分の再集計も困難な状況になっちゃったという記事が出てましたけど、これ何回かこの番組でも改ざんだったりとか、そういう不正とか、書類記録とかを出さないとか、そういうような話のやつはやってきたんだけど、これ相当ひどくないですかっていう。そういうことをした役人は切腹もんなんじゃないのかなっていう。

    小飼:切腹というのはいちおう名誉ある処分なので。獄門だね。

    山路:普通に打ち首獄門で。

    小飼:市中引き回しの上だね。

    山路:役人の人らは自分たちのやっていることの意味がよくわかってないのかな。

    小飼:それよりも何が度し難いかと言ったらこれ、じつは贈収賄よりも悪いのよ。

    山路:そうなんですか。

    小飼:贈収賄であれば一時的にしろ、関わった人というのは自分の懐をあっためることが出来るわけですけども、統計ごまかしたところで、たとえば自分の手取りが増えるとかそういうことありますか?

    山路:職場でのポジションが確保されるということなのかも。

    小飼:誰も得しない。

    「逮捕して下さい」(コメント)

    山路:なんでこれ逮捕されないんだろうな。それ公務員って統計データとかを、そういう不適切な扱いをするっていうことに関して、罪に問われないんですかね?

    小飼:法はあったはずなんですけどもね。でも、あんまり運用されてませんよね。

    山路:これ、本当に今日話してた賃上げの話なんかにも繋がってますけども、結局、元のデータがなかったら、判断基準がわからない。

    「1時間前に処分下ったようです」(コメント)

    山路:なんかニュース出たんですかね?

    「ホリエモンより悪どい」(コメント)

    山路:そう思いますよ。

    「統計法違反」(コメント)

    小飼:いやでも統計法か。

    山路:統計法違反ってあるんですか。

    小飼:あってもおかしくないですけど、もっと強いのがいいんですよね。

    山路:公務員職権濫用罪みたいなやつ?

    小飼:ただそっちの場合は悪意を認定しなきゃいけないんだよね。だから今のところはたぶん悪気はなかったという見方をしてるんでしょうね。

    山路:とりあえず出てきたやつでは統計法処分で、厚労次官ら処分というのがなんか出てきましたね。確かに、え? これって、どういう罪に問われるのかな? 統計不正、厚労次官ら処分、一部に統計法違反。

    小飼:だけども、国の財産を毀損したわけよ。なんだけども日本は、たとえば150円のものを100円でちょろまかすと窃盗になるけれども。

    山路:あっちは全国紙に報道されてるのにな。やっぱりこれおかしいですよね。150円のカフェラテでこんなにヤイヤイ騒いでるのに。

    小飼:うん、おかしい。

    山路:大臣の処分とか給料自主返納ですよ。

    小飼:知能犯に甘すぎるんだよね、日本は。

    山路:なんかバランス悪いよな。

    「怒られて終わり」(コメント)

    山路:元官僚の高橋洋一さんが書いてましたけど、要はこういう役所の現場には統計がわかる人間がいねえんじゃねえかみたいな、そういうことの問題があるんじゃないかと。

    小飼:少なくとも少ないですよね。だから、人手不足が招いたっていうところはあると思うんですよね。どっちかっていうと今回の偽造は、全数でやるべきところをもうランダムサンプリングでやって(笑)。

    山路:ランダムサンプリングというのは、ちゃんとした手法の、きちんとしたことをわかった上でやんなきゃいけないことなんですよね。

    小飼:凄い難しいです。手間暇考えたら全数計算のほうがよっぽど楽かもわかんない。でもそれはおいといても、明らかに偏ってたおかげで、なんかこのデータおかしいぞということで発覚したわけですよね。

    「マジで理解してなかったのかな」(コメント)

    山路:これ、それぞれのことをやってる人に悪意があったことがないほうが恐ろしい気がしますけどね。きちんとした統計を出さないことの深刻さということを本当に理解してないんじゃないかという気がしますけれども。

    小飼:うん。

    「賃金が社会保障と一緒くた」で無理が出る

    山路:賃上げの話に戻るんですが、自民党なんかのそういう議員の一部が、最低賃金を全国一律にすべきという話をしているというのがあるんですが。

    小飼:これも繰り返しになるけれども、たぶん今1番高い最低賃金というのは、東京都のそれだと思いますけど、それですらまだ1000円いってないんですよね。

    山路:そもそもそれが安い。

    小飼:これのかけることの、これに法定労働時間をかけても、やっと生活保護くらいですよね。だから、最低賃金というものを、生活プロテクションにするという考えそのものが破綻してるんですよね。最低賃金を上げるべきではないという人は、そうすると要は雇用を絞るだろうと、失業者が増えるだろうと。言ってる人たちがいるんですけども、そもそも最低賃金でそれをやろうというのがおかしい。
     人を雇用するからには一定の品質を保障しなさいよというのは、それは正しい。それは正しいんだけれども、それであれば国民総生活保護のほうがやり方としては正しい。

    山路:ベーシックインカムなり負の所得税なり、そういうふうに一律のそういう社会保障の仕組みとして用意しておくべきであって、賃金のほうでなんとかそれをやろうとするのが筋が悪いという。

    小飼:賃金を渡すためには職場に呼び出して動いてもらわないといけないんだよね。余計な手間でしょう。

    「東京都最低賃金は985円に引き上げます」(コメント)

    山路:それでも安いっすよね。

    小飼:安い。

    山路:これじゃあ最低賃金に絡んでもう一つ、その最低賃金の在り方に関しては、社会保障とは、その賃金でその社会保障をやろうとするのが、悪い筋だっていうのはあるんですけども、たとえば最低賃金をもっと高くしてやったらどうなるのか、それは社会保障にはならないのかという。

    小飼:いや、要は従業させなきゃいけないじゃん。就労させなきゃいけないじゃん。

    山路:結局無駄なものが発生しちゃう。

    小飼:そうなんですよ。ただでさえ就業人口というのは、日本の場合ですと2分の1切ってるんです。じつは。だから学生だったり、年金生活者だったり。でも、そういう人たちが何もしてないかといったら、そんなことはないわけですよ。

    山路:それこそ家族の面倒を見たりであったりとか、教育を受けてたりとか。べつに賃金を貰う仕事をしてなくても、やることは一杯あるんだよという。

    小飼:そういうことです。

    山路:そういう人まで賃金を貰う、労働市場に無理矢理参加させることになる。

    小飼:そう。今はまず労働が先で、その結果としてお金を貰うという形になってるでしょう。逆にすべきなの。だから問答無用で渡されるお金があって、それでも足りない分というのをやってもらうというふうにすべきなの。そこでもなおのこと最低賃金はあってもいいと思う。
     それも千円とかではなくって、二千円とかそれくらいですよ。

     
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