もくじ
1.HOTトピックス:注目記事のOverview- ウィキリークス’70年代の米外交文書「キッシンジャー・ケーブル」公開
- 鉄の女、マーガレット・サッチャー元英首相逝去
- 農場と食肉処理場での犯罪的な動物虐待告発を妨害する「農業口封じ法」
- 未来のアメリカ像を変える? 移民法改革
- 税金が戦争への資金に使われることに抗議する納税拒否者たち
- チャベスの後継者マドゥロ新ベネズエラ大統領の足を引っ張るアメリカ
- 誤報続々のボストンマラソン爆破事件
- テキサスの化学肥料工場爆発事故。お寒い安全管理
- グアテマラの元独裁者の集団虐殺裁判 現職大統領の介入で中断
- 「革命は放送されない」~チャベス後のベネズエラを揺さぶる米国
3.トリビア
- ♪アリさんとカリさんがごっつんこ
HOTトピックス
Democracy Nowから最新のトレンドを抽出してざっくり紹介。ニューヨークを中心に、米国の良識派や進歩的文化人やアクティビストが、いま注目している話題をお届けします。
Overview: いま、これが話題:2013/4/8~4/19の注目記事
ウィキリークス 1970年代の米外交文書「キッシンジャー・ケーブル」を公開
ウィキリークスは、1973年から76年の米外交公電、機密報告書など170万件以上を含む「キッシンジャー・ケーブル」を公開しました。ニクソン&フォード両政権で国務長官兼国家安全保障担当特別補佐官として米外交政策の実権を握ったヘンリー・キッシンジャーが書いたり受け取ったものを主とするこれらの文書は、すべてがすでに公開され、米国立公文書館で閲覧できます。世界各地の報道機関や市民がどこからでもアクセスし、簡単に検索できるデータベースを構築することが、このプロジェクトの狙いです。インドではインディラ・ガンディー元首相の息子で後に自らも首相になったラジーブ・ガンディが1970年代にスウェーデンの軍事企業のインドへの武器販売の仲介人を務めていた証拠をマスコミがこの文書の中から見つけ、早くも大騒動になっています。ジュリアン・アサンジは、このデータベース構築の大半を亡命中のエクアドルのロンドンの大使館で行ったと報道されています。
鉄の女、マーガレット・サッチャー元英首相逝去
1979年から1990年まで10年以上3期にわたり英国首相を務めたマーガレット・サッチャーが4月8日、87歳で逝去しました。在任中は、サッチャリズムと呼ばれた新自由主義的な経済改革を推進し、米国のレーガン大統領によるレーガノミクスと並んで緊縮経済の代名詞となりました。「英国病」による没落の淵から国を救い、大国としての栄光を取り戻した大胆な改革者ともてはやされた反面、国民から湧き上がる怨嗟の声に耳を貸さず、ひたすら民営化と社会保障削減と組合つぶしにまい進し「鉄の女」と呼ばれました。外交政策では、アルゼンチンとのフォークランド紛争を進め、チリの独裁者アウグスト・ピノチェトに対する決定的な支援を行い、また、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)を支持してネルソン・マンデラを「テロリスト」と呼んでいたのは有名な話です。逝去後、サッチャーはその血も涙もない政策をもとに「時代の一歩先を行った人」とする評価も得ましたが、実行した改革の多くは期待されたほどの実を結ばず、不満を書ける底辺層を生んだとする批判も強いのです。「切り捨てられた市民」の声を反映し、英国音楽ダウンロードチャートでは「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ」(映画『オズの魔法使い』の挿入歌)が、1位になりました。