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皆さま ごきげんよう。
私の ブロマガを ご購読くださり、
ありがとうございます。
**************************************************
さて、今回は 今年初めての観劇 『壽 初春大歌舞伎』 を ご紹介いたします。
片岡孝太郎さんより お声をかけていただき お友達を 誘って行ってまいりました。
参りましたのは 夜の部 「仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居」「乗合船恵方萬歳」
「東慶寺花だより」の 三幕です。
まずは 「仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)九段目 山科閑居」
歌舞伎で 11月、12月と 2ヶ月続けて忠臣蔵が上演されましたが
今回のは 忠臣蔵でも 「九段目」というもので 重厚で
緊張感あふれる 義太夫狂言の 傑作とされる お芝居です。
物語は 加古川本蔵の妻 戸無瀬(となせ)と 先妻の娘小浪(こなみ)が
赤穂事件の後、山科の大星由良之助宅を 訪れます。
戸無瀬は 出迎えた由良之助の 妻 お石に 由良之助の息子 力弥と 許嫁である
小浪との祝言を 望みますが 今は 浪人であることを 理由に
お石は 輿入れを 拒否します。
絶望した 戸無瀬と 小浪が 自害を 決意するところへ 虚無僧に 姿を変えた
加古川本蔵が 現れます。
本蔵は 塩冶判官(えんや はんがん)(浅野長矩のこと)が
高 師直(こう の もろなお)(吉良義央のこと)を討とうとするのを
自分が 妨げたことを 深く 後悔し わざと 力弥に討たれます。
由良之助は わが身を捨てて 娘の婚礼を 懇願する 本蔵の
心根に 感じ入り 仇討ちの志を 明かします。
手負いの本蔵から聟引出(むこひきで)(婚礼の際、舅(しゆうと)から
新郎へ贈る引き出物)として 師直邸の絵図面を受け取った由良之助は 虚無僧の
衣装を借り 仇討ちに向けて出立するのでした。
初春に相応しく 大顔合わせの幕です。
戸無瀬には坂田藤十郎氏、 大星由良之助には 中村吉右衛門氏
加古川本蔵には 松本幸四郎氏、 お石には 中村魁春氏
小浪には藤十郎さんの 次男でらっしゃる 中村扇雀氏(左)大屋力弥には
中村梅玉氏(右)という 名前を見ただけでも 見事な 大顔合わせの舞台ですね。
忠臣蔵などというと 仇討ちの物語で 少しお正月に相応しくないように
お思いでしょうが 実は 今年 初めての 私の ブログにも 書きました
〝初夢〟に関係して お目出度い 縁起のいいものなのです。
〝一富士、 二鷹、 三茄子〟は 「三大仇討ち」と 言われている
「曽我 兄弟の 仇討ち」 ( 曽我兄弟は 富士の 裾野で 巻狩りが
行われた際に これに 乗じて 仇討ちになりました )
「赤穂浪士の討ち入り」 ( 播州 赤穂藩 浅野家の 家紋が
丸に 違い鷹の 羽 だったことから)、「伊賀超えの 仇討ち」
(伊賀国は 茄子の 産地として 有名)のことを 言ったのです。
また 仇討自体を 大願成就として おめでたいことと 捉えているのです。
力弥との 縁談を 拒絶されて 死を 決意した 戸無瀬と 小浪が
尺八の 「鶴の巣籠り」の流れる中 義理の 母娘の情愛
武家の 女子の気骨を 見せるのが 大きな見せ場です。
お石の 「ご無用」という 台詞で 姿を 現してからは
緊迫した 女性同士の ドラマが 展開するのです。
そして、 虚無僧に 姿を 変えた本蔵によって 物語は
男同士の 対決 武士としての 心の葛藤が 展開されるのです。
本蔵の敵と見せて 実は 吉良之助に 心を 寄せるという
二面性の役柄と 手負いになってからの 長い台詞が 聴かせどころでした。
人形浄瑠璃を 人間である 俳優が演じる 義太夫狂言の 醍醐味を
味わってまいりました。
二幕は 「乗合船恵方萬歳」 (のりあいぶねえほうまんざい)
「乗合船」の通称で 親しまれる 舞踊の 舞台です。
江戸の 初春の 景色の 中 隅田川の 渡し船に 乗り合わせた 7人の
お客様を 七福神に 見立てたものです。
白酒売りが その言い立てを 踊って見せ 大工さんが 「道具尽くし」の
クドキを見せ 芸者 通人 田舎侍と 続きます。
「♪ 鼓おっとり声つくろい♪ 」から 始まるところは
三河万歳の 柱建ての 文句を 巧みに 用いたもので
常磐津の 名曲と 言われている 聴きどころなのです。
太夫と 才造の 萬歳コンビ の 滑稽味ある 踊りは
中でも 一番の 見どころでした。
この幕で 白酒売りを 演じている 片岡孝太郎さんですが 芸者役を2度、
女船頭を1度演じたことがあり 今回「乗合船」は4度目とのこと、
白酒売りの 踊りは華やかで 見た目もきれいな 舞踊でした。
物売りらしい 所作も 素晴らしく とても 美しい踊りに
うっとりしてしまいました。
初春に相応しい 明るい雰囲気の一幕でした。
萬歳 鶴太夫は 中村梅玉氏、通人 杏雨は 中村翫雀氏
大工 幸松には 中村橋之助氏、田舎侍には 坂東彌十郎氏
芸者 駒菊には 中村児太郎氏、白酒売 おふじには 片岡孝太郎氏
女船頭 お浪には 中村扇雀氏、才造 亀吉は 中村又五郎氏
最後は 「東慶寺花だより」です。
こちらは 作家 井上ひさし氏の同名の小説を 新作歌舞伎として書き上げたものです。
四季折々の 花に 恵まれる鎌倉に 実在する 「東慶寺」が 舞台になっています。
縁切寺として 知られる東慶寺には 数多くの 女性が 離縁を 求めて 駆け込んでいました。
医者見習いの 信次郎は そういった女性たちの 身柄を預かる 御用 宿 柏屋に
間借りをしており 滑稽本の 作者として 物書きに 興じていました。
そこで 信次郎が 巡り合う 明るく 朗らかな おせん、臆病者の 惣右衛門と その妻 お陸、
柏屋の 主人 源兵衛、 院代の 法秀尼たち。
信次郎が 様々な 出会いを通して 人々の 心の 機微 人情の 温かさ そして
一歩を 踏み出そうとしている 女たちの 強い想いに触れながら 成長していく 物語です。
推理劇 家族ドラマ 恋愛ドラマなどの様々な エッセンスと 味わいを 散りばめた
平成生まれの 新作の 〝世話物 狂言〟なのです。
片岡孝太郎さん演じる おせんですが とても明るい女性で よどみなく すらすらと
おしゃべりをし 染五郎さんや 彌十郎さんの 受け答えを 手玉にとって
受答えする 間合いと 語り口の 良さは、流石でした。
出演者の方々の それぞれの会話が 聞いていて 軽やかで
テンポも良いので 本当に 気持ちよく 楽しめました。
また 片岡秀太郎さん演じる お陸ですが Sex maniac というのでしょうか?
尋常ではない色っぽさで とにかく やり取りが面白くて・・・
惣右衛門と お陸が まるで 上方漫才を見ているようで 楽しくて 仕方ありませんでした。
出演は 信次郎に 市川染五郎氏、 おせんに 片岡孝太郎氏
柏屋主人 源兵衛に 坂東彌十郎氏、 法秀尼に 中村東蔵氏
惣右衛門には 中村翫雀氏、 その妻 お陸には 片岡秀太郎氏
労咳を患うおぎんには 市川笑也氏
全7場に渡って 様々な人間模様が 笑いで 彩りながら 細やかに 描かれていました。
離縁をめぐる お芝居と言いながら 信次郎によって 皆が 一歩を 歩めるような
新春に 相応しい お芝居でした。
新しい歌舞伎座になって 初めて迎えた お正月の舞台でした。
どの幕も 艶やかで 素晴らしいお芝居でした。
会場も 新春らしく お着物でお越しのお客様が 沢山 目につきました。
年の初めから 日本古来の伝統芸術に触れるのは 日本人として 喜ばしいことですね。
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では 皆さま 次号をお楽しみに。
私の ブロマガを ご購読くださり、
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さて、今回は 今年初めての観劇 『壽 初春大歌舞伎』 を ご紹介いたします。
片岡孝太郎さんより お声をかけていただき お友達を 誘って行ってまいりました。
参りましたのは 夜の部 「仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居」「乗合船恵方萬歳」
「東慶寺花だより」の 三幕です。
まずは 「仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)九段目 山科閑居」
歌舞伎で 11月、12月と 2ヶ月続けて忠臣蔵が上演されましたが
今回のは 忠臣蔵でも 「九段目」というもので 重厚で
緊張感あふれる 義太夫狂言の 傑作とされる お芝居です。
物語は 加古川本蔵の妻 戸無瀬(となせ)と 先妻の娘小浪(こなみ)が
赤穂事件の後、山科の大星由良之助宅を 訪れます。
戸無瀬は 出迎えた由良之助の 妻 お石に 由良之助の息子 力弥と 許嫁である
小浪との祝言を 望みますが 今は 浪人であることを 理由に
お石は 輿入れを 拒否します。
絶望した 戸無瀬と 小浪が 自害を 決意するところへ 虚無僧に 姿を変えた
加古川本蔵が 現れます。
本蔵は 塩冶判官(えんや はんがん)(浅野長矩のこと)が
高 師直(こう の もろなお)(吉良義央のこと)を討とうとするのを
自分が 妨げたことを 深く 後悔し わざと 力弥に討たれます。
由良之助は わが身を捨てて 娘の婚礼を 懇願する 本蔵の
心根に 感じ入り 仇討ちの志を 明かします。
手負いの本蔵から聟引出(むこひきで)(婚礼の際、舅(しゆうと)から
新郎へ贈る引き出物)として 師直邸の絵図面を受け取った由良之助は 虚無僧の
衣装を借り 仇討ちに向けて出立するのでした。
初春に相応しく 大顔合わせの幕です。
戸無瀬には坂田藤十郎氏、 大星由良之助には 中村吉右衛門氏
加古川本蔵には 松本幸四郎氏、 お石には 中村魁春氏
小浪には藤十郎さんの 次男でらっしゃる 中村扇雀氏(左)大屋力弥には
中村梅玉氏(右)という 名前を見ただけでも 見事な 大顔合わせの舞台ですね。
忠臣蔵などというと 仇討ちの物語で 少しお正月に相応しくないように
お思いでしょうが 実は 今年 初めての 私の ブログにも 書きました
〝初夢〟に関係して お目出度い 縁起のいいものなのです。
〝一富士、 二鷹、 三茄子〟は 「三大仇討ち」と 言われている
「曽我 兄弟の 仇討ち」 ( 曽我兄弟は 富士の 裾野で 巻狩りが
行われた際に これに 乗じて 仇討ちになりました )
「赤穂浪士の討ち入り」 ( 播州 赤穂藩 浅野家の 家紋が
丸に 違い鷹の 羽 だったことから)、「伊賀超えの 仇討ち」
(伊賀国は 茄子の 産地として 有名)のことを 言ったのです。
また 仇討自体を 大願成就として おめでたいことと 捉えているのです。
力弥との 縁談を 拒絶されて 死を 決意した 戸無瀬と 小浪が
尺八の 「鶴の巣籠り」の流れる中 義理の 母娘の情愛
武家の 女子の気骨を 見せるのが 大きな見せ場です。
お石の 「ご無用」という 台詞で 姿を 現してからは
緊迫した 女性同士の ドラマが 展開するのです。
そして、 虚無僧に 姿を 変えた本蔵によって 物語は
男同士の 対決 武士としての 心の葛藤が 展開されるのです。
本蔵の敵と見せて 実は 吉良之助に 心を 寄せるという
二面性の役柄と 手負いになってからの 長い台詞が 聴かせどころでした。
人形浄瑠璃を 人間である 俳優が演じる 義太夫狂言の 醍醐味を
味わってまいりました。
二幕は 「乗合船恵方萬歳」 (のりあいぶねえほうまんざい)
「乗合船」の通称で 親しまれる 舞踊の 舞台です。
江戸の 初春の 景色の 中 隅田川の 渡し船に 乗り合わせた 7人の
お客様を 七福神に 見立てたものです。
白酒売りが その言い立てを 踊って見せ 大工さんが 「道具尽くし」の
クドキを見せ 芸者 通人 田舎侍と 続きます。
「♪ 鼓おっとり声つくろい♪ 」から 始まるところは
三河万歳の 柱建ての 文句を 巧みに 用いたもので
常磐津の 名曲と 言われている 聴きどころなのです。
太夫と 才造の 萬歳コンビ の 滑稽味ある 踊りは
中でも 一番の 見どころでした。
この幕で 白酒売りを 演じている 片岡孝太郎さんですが 芸者役を2度、
女船頭を1度演じたことがあり 今回「乗合船」は4度目とのこと、
白酒売りの 踊りは華やかで 見た目もきれいな 舞踊でした。
物売りらしい 所作も 素晴らしく とても 美しい踊りに
うっとりしてしまいました。
初春に相応しい 明るい雰囲気の一幕でした。
萬歳 鶴太夫は 中村梅玉氏、通人 杏雨は 中村翫雀氏
大工 幸松には 中村橋之助氏、田舎侍には 坂東彌十郎氏
芸者 駒菊には 中村児太郎氏、白酒売 おふじには 片岡孝太郎氏
女船頭 お浪には 中村扇雀氏、才造 亀吉は 中村又五郎氏
最後は 「東慶寺花だより」です。
こちらは 作家 井上ひさし氏の同名の小説を 新作歌舞伎として書き上げたものです。
四季折々の 花に 恵まれる鎌倉に 実在する 「東慶寺」が 舞台になっています。
縁切寺として 知られる東慶寺には 数多くの 女性が 離縁を 求めて 駆け込んでいました。
医者見習いの 信次郎は そういった女性たちの 身柄を預かる 御用 宿 柏屋に
間借りをしており 滑稽本の 作者として 物書きに 興じていました。
そこで 信次郎が 巡り合う 明るく 朗らかな おせん、臆病者の 惣右衛門と その妻 お陸、
柏屋の 主人 源兵衛、 院代の 法秀尼たち。
信次郎が 様々な 出会いを通して 人々の 心の 機微 人情の 温かさ そして
一歩を 踏み出そうとしている 女たちの 強い想いに触れながら 成長していく 物語です。
推理劇 家族ドラマ 恋愛ドラマなどの様々な エッセンスと 味わいを 散りばめた
平成生まれの 新作の 〝世話物 狂言〟なのです。
片岡孝太郎さん演じる おせんですが とても明るい女性で よどみなく すらすらと
おしゃべりをし 染五郎さんや 彌十郎さんの 受け答えを 手玉にとって
受答えする 間合いと 語り口の 良さは、流石でした。
出演者の方々の それぞれの会話が 聞いていて 軽やかで
テンポも良いので 本当に 気持ちよく 楽しめました。
また 片岡秀太郎さん演じる お陸ですが Sex maniac というのでしょうか?
尋常ではない色っぽさで とにかく やり取りが面白くて・・・
惣右衛門と お陸が まるで 上方漫才を見ているようで 楽しくて 仕方ありませんでした。
出演は 信次郎に 市川染五郎氏、 おせんに 片岡孝太郎氏
柏屋主人 源兵衛に 坂東彌十郎氏、 法秀尼に 中村東蔵氏
惣右衛門には 中村翫雀氏、 その妻 お陸には 片岡秀太郎氏
労咳を患うおぎんには 市川笑也氏
全7場に渡って 様々な人間模様が 笑いで 彩りながら 細やかに 描かれていました。
離縁をめぐる お芝居と言いながら 信次郎によって 皆が 一歩を 歩めるような
新春に 相応しい お芝居でした。
新しい歌舞伎座になって 初めて迎えた お正月の舞台でした。
どの幕も 艶やかで 素晴らしいお芝居でした。
会場も 新春らしく お着物でお越しのお客様が 沢山 目につきました。
年の初めから 日本古来の伝統芸術に触れるのは 日本人として 喜ばしいことですね。
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