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昨年10月下旬。東アジアの米軍戦略をテーマにした米ワシントンでのシンポジウムで、元米国務副次官補ラスト・デミングは米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「現行計画がそのまま進めば望ましいが、脱線した場合には何らかの軟着陸が必要になる」と語った。日米両政府が辺野古移設に固執する中、かつて移設問題に携わった元高官が計画変更への柔軟な対応を促した。会場には日本メディアの記者の姿も多くあった。
琉球新報は発言について「普天間移設問題 代替案検討すべき/元米国務副次官補が提言」との見出しで報じた。だが発言がそのほかのメディアで広く取り上げられることはなかった。
3週間後、同シンポも取材していた日本の通信社がワシントンからある記事を配信した。米戦略国際問題研究所の上級副所長マイケル・グリーンやデミングらが、ワシントンで自民党衆院議員らと意見交換し、その中で米側の出席者の一人が、辺野古移設ができなければ普天間が固定化するとの認識を伝えた-という内容だ。発言者は特定していない。
デミングは10月のシンポジウムで、「最悪の結果は、今後沖縄で起こる動きが日米同盟の危機を招くことだ。広範囲な計画、検討を地道に行うことが重要だ」と警鐘を鳴らし、普天間飛行場の固定化を避けるべきだとの認識も示していた。だが辺野古移設の代替案も検討すべきだというデミングの提言は日本国内で広く知られることはなく、辺野古以外の選択肢はないという「米専門家」の見解だけが日本国民向けに伝えられた。
2010年6月、民主党の鳩山政権が普天間の県外・国外移設を諦め、辺野古移設へ回帰した翌月のこと。日米関係に詳しい米ジョージ・ワシントン大教授のマイク・モチヅキは本紙との会見で、「日米関係を専門とする米国の友人は誰一人として(移設)合意が実行されると思っていない」と
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