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【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.0024「不屈の闘志」】
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【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.0024「不屈の闘志」】

2015-06-19 18:28
    ================================

       EACI News Weekly 第24号(6月19日号)
      東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
        http://eaci.or.jp/

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    【目次】

    【1】《今週のニュース 6/13-6/19》
     研究所(1)、政治(3)、経済(2)、国際(2)、社会(2)

    【2】《UIチャンネル放送予告 No.108》
    6月22日(月)20時 「やんばるから平和の発信を」
    (東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター主催シンポジウム)
    http://live.nicovideo.jp/watch/lv224965542?ref=blogparts

    【3】《EACIレポート》
    安田哲也(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター特別研究員)
    「訪米報告」

    【4】《研究員コラム》
    緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
    「不屈の闘志」

    【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
     第3部 揺らぐ「承認」 vol.24 「国に同調」

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    【1】《今週のニュース 6/6-6/12》
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    【研究所】
    ■東アジア共同体研究所ホームページがリニューアル
    http://www.eaci.or.jp/

    【政治】
    ■ケネディ大使、辺野古調査言及なく 翁長知事と初会談
    (琉球新報 2015.6.19)
    http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244518-storytopic-271.html

    ■憲法「解釈固執は責任放棄」 首相、安保法案巡り
    (日経新聞 2015.6.18)
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H0C_Y5A610C1MM0000/

    ■党首討論:安保、すれ違う議論…持論展開に固執
    (毎日新聞 2015.6.17)
    http://mainichi.jp/select/news/20150618k0000m010064000c.html

    【経済】
    ■TPP:権限法案、米下院再可決 上院の再採決が焦点に
    (毎日新聞 2015.6.19)
    http://mainichi.jp/select/news/20150619k0000m020131000c.html

    ■TPPにヒラリー氏さえ慎重論、米国議会の紛糾は他人事ではない
    (ダイヤモンド 2015.6.18)
    http://diamond.jp/articles/-/73439

    【国際】
    ■フィリピン ミンダナオ島で武装解除始まる
    (NHK 2015.6.16)
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150616/k10010117051000.html

    ■MERS、韓国経済に打撃 黄・新首相が就任
    (日経新聞 2015.6.19)
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H6B_Y5A610C1FF1000/

    【社会】
    ■安保関連法案の反対集会に瀬戸内寂聴さん
    (NHK 2015.6.18)
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150618/k10010119531000.html

    ■難民・国内避難民、戦後最多の6000万人 紛争が拍車
    (ウォール・ストリート・ジャーナル 2015.6.19)
    http://jp.wsj.com/articles/SB12208919310003153678304581056802282432450

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    【2】《UIチャンネル放送予告 No.108》
    6月22日(月)20時 「やんばるから平和の発信を」(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター主催シンポジウム)
    http://live.nicovideo.jp/watch/lv224965542?ref=blogparts
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     6月22日(月)20時からの第108回UIチャンネル放送は、先日、沖縄県名護市にて開催致しました東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター主催シンポジウム「やんばるから平和の発信を」をお送り致します。
     まだ梅雨明けやらぬ沖縄県名護市にて開催された東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター主催シンポジウム「やんばるから平和の発信を」。
     当日は鳩山由紀夫氏、高野孟氏の他、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の撤回を米政府や米議員らに要請するため前日まで訪米していた稲嶺名護市長と糸数慶子参議院議員、さらには18年間粘り強くたたかってこられたヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表、元名護市長の長男で現名護市議会議員の岸本洋平氏らにお話しいただきました。今回はその模様をお届け致します。

    出演者:
    鳩山友紀夫(東アジア共同体研究所理事長)
    糸数慶子氏(参議院議員)
    安次富浩氏(ヘリ基地反対協共同代表)
    稲嶺進氏(名護市長)
    岸本洋平氏(名護市議会議員)
    高野孟氏(ジャーナリスト)

    ■6月22日(月)20時 「やんばるから平和の発信を」(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター主催シンポジウム)
    http://live.nicovideo.jp/watch/lv224965542?ref=blogparts

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    【3】《EACIレポート》
    安田哲也(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター特別研究員)
    「訪米報告」
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    出発前
    県議を中心とする応援団は準備が十分ではなく、翁長雄志沖縄県知事一行とも別の行動になりそうであった。
    私は自ら質疑・応答をするつもりでいたので政治の専門用語を調べたり、自身で訪問先を捜した。
    瑞慶覧長敏氏はじめ、何人かから情報を提供いただき、残されたわずかな時間でアポを取ることができた。
    環境系を中心にCBD、WWF、アメリカン大学教授のピーター・カズニック
    氏などのアポが取れたが、NDのタイトなスケジュールとバッティングし、C
    BDは次回となった。
    訪米に際しての副知事の会見後も団の動きが見えず、瑞慶覧氏に依頼した山内
    末子県議に会う事になり、その時に他の県議、市議、県の何人かが集まり実質
    的な団の動きが始まった。時間もせまっている事から私は実績ある新外交イニ
    シアティブ事務局長の猿田佐世氏を強く推薦した。
    猿田氏に依頼することにより、下院議員やシンクタンクなどのアポ取り、通訳
    採用となり私の作業もはるかに楽になった。

    D.C.着
    私はNY経由でD.C.に入り、団が泊まるホテルに着後団長に連絡を取ると、団の皆も集合したばかりで顔合わせと猿田氏のスケジュール検討をしているところであった。それ以来最終日までずっと団体行動であった。
    夕食会があり、翁長知事一行始め、在米の有志の方々の交流はとても良かった。知事の挨拶からはハワイで手ごたえを感じたようで、ますますやる気がみなぎっていた。
    また会では私からアポイントメントを取っていたピーター・カズニック氏が参加しており、予想より早めに会い、言葉を交わしたことで予想以上に良いスタートを切ることができた。
    そのメンバーの有志の方々は我々の滞在中、ホワイトハウス前で「辺野古NO」のデモをやり続けていたと後に知り、御礼のメールを送った。

    面 会
    初日から2チームに分かれ、それぞれのチームで面会を行った。私のチームはam7:30から朝食を交え、シンクタンクの5名とミーティングが始まった。
    団長の説明、糸数慶子参議院議員の女性被害問題に対する強いメッセージ、私の環境問題、米戦略の変化などを含め、辺野古不要を強調した。
    それ以降我々のグループは20件ミーティングをしたが、先方からは情報が少ないことによる質問、
    辺野古の代替案、日本の国内問題である…などを中心としたやりとりが多かっ
    た。それらについて団からは、「沖縄側から基地の提供をしたことはないし極度
    に集中している、普天間も返還してもらいたい、辺野古は県民が選挙で反対と
    している、代替案はこちらが示さねばならない義務はない、強行すれば全基地
    反対となり日米間の関係も悪くなる」と説明した。
    私からは70年から今日に至るまで女性の被害、毎週のようにある駐留兵による
    飲酒運転など、地位協定の問題を挙げた。さらに環境問題として様々な問題が
    生じることを強調した。踏み込んで「アメリカの軍戦略が20年も同じとは考
    えられない。また日本のために米軍が出軍したこともない、米軍が必要と考え
    ているのであればアメリカは辺野古基地のために予算をつけることは想定して
    いるのか」と問うと、「良い指摘だ」とポイントはついたようだが、さすがに
    明言は避けられた。

    WWFとの会談では、私が中心となり辺野古特有の地形による多様な生物が共存する環境は世界的に見ても希少であり、まだカゲロウツブスナギンチャクのような新種の生物も多く発見されている。また埋め立てに使用する土にいる外来種のアルゼンチンアリは環境に甚大な被害をもたらすことを説明した。スタッフの方々は「我々に今やれることはないか」という反応があり、今後も交流し協力いただける意義ある会談となった。

    2日目はam8時より、1人20~30分程度だが、50名の下院議員、補佐官、シンクタンクと話し合いに臨んだ。
    その中では全く情報も、関心もない議員もおり、話し合いが5分程度で打ち切られるケースもあった。
    逆に高官としてシュワブに1年間駐留していた補佐官との話し合いでは、本人も沖縄での被害はよく理解し問題視しており、辺野古の必要性もないのでハワイ、カルフォルニアで引き受けていいのではないかと考えているとのこと。今後も協力していきたいと話してくれ、1番の理解者であると感じた。

    午後からはピーター・カズニック氏との話し合いがもたれた。話の誤解があり短い面会時間だったので終了後個人的に話した。彼から「辺野古は我々自身の戦いでもある。全面的に協力していくつもりだが沖縄に8、9月の着工までに基地建設を止められる戦略はあるのか」と問われた。また鳩山由紀夫氏を高く評価し、我々が今後どのような活動をしていくのか興味を持っていた。
    彼は自らの経験上から、「世界のネットワークをもっと活用した方が良い、また知事だけに頼るのではなく、大きなうねりを造るべき。」ともアドバイスしてくれた。
    正直この話しが1番の収穫であり、私もカズニック氏はじめサポートしてくれる世界中のネットワークに感謝するとともに沖縄側から世界に対してタイアップしていきたいと思う。

    その日の夕方からは訪米のタイミングで運よく、ジョージ・ワシントン大学の図書館に「沖縄コレクション」という特別なコーナーが設けられたとのことで、そのオープニングイベントに出席。後の懇談会では友人のジョルダン教授をいろいろな方に紹介、またジョージ・ワシントン大学教授のマイク・モチヅキ氏のほかに外国人の沖縄研究者が多くいることに感動し、さらにネットワークが拡大できると期待が高まった。

    3日目、この日も下院議員や補佐官たちとの話し合いからスタート。
    とても強気な若い議員がいたが、説明しているうち「私も知らない情報があった。今後自らで研究し、やれることはやりたい」とあとから丁寧な対応になった。
    それでも補佐官の中には廊下でしか対応してもらえないこともあった。
    最後には、高齢の気の強い議員がいて、「辺野古以外の代替案はあるのか、中国や北朝鮮の脅威はやはりある。そもそも先に日本政府と調整すべき問題ではないのか」とこちらが逆に指摘を受け。私からは具体的に駐留兵による女性被害や飲酒運転による被害、新基地の環境への被害を主張。それには彼もショックを受けたようで同意を示してくれた。

    最終日のこの日にはナショナルプレスに対して知事が「訪米の意義があった」と語っていた。
    応援団長も「私たちが下院議員や補佐官たちと話し合いの場を設けたことはとても意義深いものになった」応じていた。
    後の打ち上げでは疲れていた皆さんもリラックスでき、今回の訪米での収穫に大きな期待を寄せているようだった。我々の沖縄センターへの理解も同行したことでより深まったと思う。
    沖縄県ワシントン事務所の駐在員である平安山さんや応援団、在米の皆さんにもより理解と認識をもってもらった素晴らしい機会だった。

    総 括
    我々は法案が通過した下院を主として面会したのに比べ、知事一行は上院議員さらにジョン・マケイン軍事委員会委員長など辺野古の担当者と面会し大きな効果があったものと思われる。
    ただ米政府の反論やそれを記した文書を直後に配布するなど、あらかじめ準備していた節がある。
    それだけ米側は重視していたとの事で、訪米の意義は十分にあったと思う。
    私にとしては、カズニック氏との危機意識、世界の協力者達というネットワー
    ク、今回出会い知り合った様々な団体、組織とのネットワークが大きな収穫で
    あった。
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    【4】《研究員コラム》
    緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
    「不屈の闘志」
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    「不屈館 瀬長亀次郎と民衆資料」という小さな博物館が、那覇市若狭海浜公園に隣接した場所にある。タクシーで向かう場合は「不屈館」より「カメジローの・・」と伝えた方が分かりやすいかもしれない。今回は沖縄のスーパースター、瀬長亀次郎を紹介する。
    沖縄では共産党アレルギーがほとんどなく、反共攻撃は効果を生まない。おそらく米占領軍に対して闘うカメジローの思い出がまだ人々の間に残っているからだろう。

    1956年12月25日、那覇市長選挙が行われた。いまから約60年前だ。
    「選挙中からデマや中傷は激しく、ヘリコプターで卑劣な謀略ビラが撒き散らされるなどアメリカの反共攻撃、干渉はものすごいものでした。さらに瀬長が当選したら水道も止まる、電気も消える、市庁舎に赤旗が立つ、と宣伝されました。」
    不屈館ガイドブックの「解説 フミ夫人が見た瀬長市政」というコラムにこう書かれている。
    瀬長の当選翌日から米軍のいやがらせが始まる。議会の承認を得ていた水道敷設は、アメリカの圧力によって中止。
    1957年1月15日(火)水攻め と瀬長は日記に記す。
    「やはり市長になると水道がとまると気にやむ。4時ごろめがさめる。すぐ水道センをひねる。スースーいっているが空気しか出ない。水圧が足りないのだ。」
    米軍が発表した、那覇市への補助金を打ち切る‘資金凍結‘に対しては市民たちが自主的に納税運動を展開した。
    「瀬長さんを守るにはみんなして税金を納めるしかない」
    この結果、市政始まって以来の97パーセント近い税金が集まった。ところが各金融機関は「瀬長市長に協力することはできない」と新聞に声明文を発表。人民党員や同調者には金も貸さない、預からないと宣言。
    那覇市役所に税金はどんどん集まるが金融機関には持ってゆけない。そこで市は一つしかなかった金庫を4個増やして5個にして管理した。さあこれを誰がどう守るか。豊見城村字我那覇出身の運天という人が大きなシェパードを飼っていたので彼が毎晩犬を連れて寝ずの番をした。運天さんはすっかり有名になった。
    その後、議会から不信任案が出される。これは前知事の父親の仲井真元楷(げんかい)氏が米琉球首席のバージャー民政官と画策したものだった。(これは次項で紹介)
    最後にアメリカは伝家の宝刀である「布令」を出して瀬長を追放する。
    瀬長市長の在任期間はわずか11か月、その間に激励の手紙が5千通寄せられている。半分以上が本土からのものだ。当時、瀬長支持を表明することは弾圧されるおそれがあった。
    「だから匿名の手紙が多いんですよ」と館長の内村千尋さんが教えてくれた。内村さんは瀬長亀次郎の次女。いずれUIチャンネルでご紹介したい。
    不屈館にはカメジローの書斎が再現され、日記や未発表原稿、獄中で読んだ本、岩波書店とのやりとりの手紙、それにカメジローグッズがある。ゆるキャラは手作りで一度に30個しか出来ないので、たちまち売り切れるそうだ。
    不屈館の場所は〒900-0031 那覇市若狭2丁目21-5
    電話 098-943-8374
    Emailは info@senaga-kamejiro.com

    瀬長市長不信任の黒幕
    なぜ59年も昔の事を掘り返すかというと、仲井真前知事と稲嶺元知事の父親が登場するからだ。
    不屈館ガイドブックには市民の友という新聞が33ページにわたって再録されている。(1957年3月~11月まで)那覇市役所が編集・発行。いまどきの市政だよりのような毒にも薬にもならない腑抜けの新聞と違いスクープあり主張ありで面白い。瀬長市長不信任案はこうして作られた、という囲み記事から紹介する。
    「(1957年)六月十七日午後一時四十二分、瀬長市長不信任案が怒声と野次の騒然たるなかで二十四対六で成立した。(略)今度の予算議会で遂に成立したのは、二日会系議員八名中、仲井真元楷(げんかい)議員(緒方注―仲井真前知事の父)をはじめとする五名の議員が、軍及び財界の誘惑と圧力に屈したのが直接の原因である。以下は如何にして二日会の議員が切り崩されたかを中心とする舞台裏の真相である。」
    まず市会開会前日に金融協会が「瀬長氏が市長である限り、那覇市には融資もしなければ、予金も預かりはしない」旨の声明書を市会と各議員に送った。ところがある銀行の重役は「内緒だが金はいままで通り預かる」と早くも足並みの乱れが見える。
    仲井真議員は数回バージャー民政官と会っている。
    「市会休会中の六月十三日同議員はバージャー民政官に某所に招ばれたその席には琉石社長稲嶺一郎(緒方注―稲嶺恵一元知事の父)崎間敏勝、サンキ大尉(バージャー民政官副官)、原田大尉(モーア副官)、渡口麗秀、比嘉朝四郎、辺野喜英興氏らの市議もいてそこで不信任案提出の密談がもたれた。」
    那覇市役所の「市民の友」の取材能力の高さに驚く。米軍と政財界の密談を暴き、その後の仲井真議員の「奔走」を次のように記す。
    二日会のほかの議員にはかることなく単独で不信任を約束し、ほかの七議員の説得も約束。
    (上原光男氏―食肉会社社長―は軍に食肉を納入する関係上、軍の圧力を懸念して既に瀬長不信任を表明)
    十六日には私宅で会合、ほかの議員が「理由がたたないと中々踏み切らない」。そこへ原田大尉がやってきて「元楷、喜久山氏と共に他の四名とは席を変えて話し合った」。比嘉佑直氏は「軍から那覇市への補助金取り消しの指令を出すならば不信任賛成といった」。そこで仲井真氏はバージャー民政官の下に報告に参上。補助金取り消しの指令を出してくれ、と頼んだ。バージャー民政官は言明を渋ったがサンキ大尉は出来るだろうと言った。
    仲井真氏はほかの議員(バス会社の社長)を脅したり、琉石の嘱託として毎月五千円支給すると持ちかけたり、あの手この手の切り崩しをしている。

    ―何の話か分からぬ読者がいるかもしれないので、緒方の解説。
    仲井真氏(稲嶺氏も)は米軍を利用して瀬長追い出しを諮っている。米軍が「(赤の市長だから)補助金は出しませんよ」と指令を出してくれればあとはこちらのもの。そら見たことか言わんこっちゃない、米軍にたてつくと補助金は切られ、那覇市はたちゆかなくなる。早く瀬長を市長から降ろさなければ大変なことになるよ、と策動したのだ。
    コラムは「以上の市長不信任工作は軍と財閥と売国議員のたくみなけったくによる自治体破壊工作のこよなき範例である」と結んでいる。
    鳩山内閣を窮地におとしいれた外務、防衛官僚の「破壊工作」を思い出す。

    (仲井真元楷氏は市会議員を辞めた後、ラジオの方言ニュースなどで活躍した。ウチナーンチュの多くは彼の悪行を知らず、文化人として記憶している。)


    怪しい3人組+仲村渠カマド+1の話
    ミックス阿倍野「沖縄のポリティシャン、ビジネスマン、エクセレント(優秀)やね。レッドのメイヤー(市長)はノーじゃけん。セナガもカストロもセイム(同じ)ね。あーおとろし、コミュニストは。デストロイヤー(破壊者)じゃきに。ナカイマさん、イナミネさん、パパの時代からがんばっとるじゃない。」
    ネオコン「あかんな安倍ちゃんも、仲井真も稲嶺も米軍利用してちゃんとやっとったやないか。稲嶺のインドネシア人脈は半端やないで。世の中を動かすんは石油や、分かっとったなあのオッサンは。カメジローて赤の市長か、赤はあかんて、なんちゃって。」
    仲村渠カマド「カメジローが刑務所から出てきた時は大変さ―、みんなバンザイバンザイ言うて自宅までパレードさね。市長になってからは毎日のように報告会さー。演説はジョートー、アメリカ―相手にばんないやってたよー。みんな大拍手。今の具志堅用高より人気あった。(仲井真」元楷(げんかい)さんのラジオの方言ニュースはいつも聞いてたよ。市議会議員の話は知らん。議員ではやはりげんかいがあった、んじ(=でしょ)!ジャンジャン。」
    龍源亭ダショー「カメジローもナカイマもイナミネも分かりましぇーん。なんでみんな沖縄の話ばっかりしてるの。やめましょうよ。キリがないよ。みんなで沖縄に基地押し付けて、きれいさっぱり忘れたんじゃないの。別れた女の話はやめ!手切れ金が少ないとこうなるの。あたしもやばいんだ最近は、辺野古基金から恵んでもらおうかな。」
    チュラカーギー(美人)「アギジャビヨー(あきれた)。なんてこと言ってるの。日本人はみんな沖縄に都合の悪いところ押し付けて。オスプレイだって辺野古基地が出来たら100機来るんでしょ。他府県で分けなさい。その前に海を埋め立てて200年も続く基地を造るなんてダメでしょ。オスプレイが抑止力ていうのはユクシ(嘘)です。」

    小柄だがアマゾネスのようなたくましいウチナー娘のチュラカーギー初登場。伊是名島出身。5月23日(土)の尚円王生誕600年記念 第25回やんばる駅伝競走伊是名島大会にも出場した。ダショーと付き合っているが、いい加減さに嫌気がさし別れて伊是名島に帰る予定。島で農業・漁業を始めようかと考えているらしい。
    *「他府県」とは沖縄でよく聞く言葉。沖縄県以外の日本のこと。内地、ヤマトも同じ。


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    【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
     第3部 揺らぐ「承認」 vol.24 「国に同調」
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     「政府が安全保障問題について緊張感を持ってやっている時に、辺野古の埋め立てにノーと言えるのか」-。県知事仲井真弘多は、与党県議らを前に口を開いた。
     昨年12月27日、埋め立て承認の発表を前に仲井真が知事公舎に与党県議を集めた際の発言だ。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設と、尖閣問題を背景とした防衛力強化の動きを絡めたものだった。
    県議の一人は「知事から聞いたことのない話だった」と驚いた。
      それまでの仲井真は「尖閣があるから沖縄だけに(基地)を集中すべきだとという暴論はおかしい」などと、移設問題に絡めて沖縄の地理的優位性を強調する政 府の説明にむしろ否定的な発言を重ねていた。だが気が置けない与党議員らの前で、埋め立て承認に関する率直な心境を吐露した際の説明は、政府の主張に同調 するかのような内容だった。
     仲井真は承認を拒んだ場合、その後の基地問題や振興策の「展望が開けない」との見解も示し、それまで否定してきた基地と振興のリンクを肯定するような発言もした。承認を断った場合に、振興計画などが現在のように進むのか、大変不安を感じる-との趣旨だ。
     1998年、時の知事太田昌秀が辺野古沖の海上基地建設を拒否したのを境に政府が手のひらを返したように県政に対し非協力的な姿勢に転じた過去も考慮したと仲井真は明かしたという。
    「基地と振興策のリンクを認めたということでいいか」
     昨年12月27日、知事公舎での記者会見で知事仲井真弘多は記者からこう問われた。
     辺野古の埋め立て承認を発表する会見だったが、仲井真が冒頭に読み上げた発表文で承認理由に触れたのは最初の一文だけ。承認2日前に会談した首相安倍晋三から回答のあった「沖縄振興予算3千億円台の確保」を成果に挙げ「今後の沖縄発展に不可欠だ」と強調してみせた。
     会見で仲井真は「基本的には沖縄振興と基地問題の解決、負担の軽減はリンクしていない」と述べ、基地と振興のリンクをあらためて否定する。
     実は発表文を巡り、県幹部からは「沖縄振興予算」に言及することへの異論が出ていた。
     「3千億円の文言を盛り込むと、いかにもリンクしているかのように思われる。まずいですよ」。だが仲井真は「(「3千億円」の言葉は)外さない」と言い張ったという。
      仲井真は昨年12月中旬、沖縄政策協議会に出席するためとして上京。腰から足にかけて痛みがあるとして都内の病院に緊急入院する。だが入院していた12月 17日~25日の間に、病院の内外で官房長官菅義偉をはじめ政府、与党関係者と密会していたことが明らかになっている。
     25日に退院した仲井真は首相官邸で首相安倍晋三と会談。沖縄振興予算などに関する首相の説明に対し、「有史以来の予算、税制だ」などと高揚感をあらわにし、仲井真に近い関係者をも驚かせた。
      県幹部の間では仲井真の埋め立て判断に対し「最後まで迷っていた」という声も聞かれる。だが埋め立て承認の経緯について検証する今月21日の県議会百条委 員会で、仲井真は承認に至った詳細な経緯や本音を明かさずじまいだった。普天間の県外移設を強調してきたそれまでの態度を百八十度変え、首相を大仰な言葉 を持ち上げるまでに何があったのか。
     真相は謎のままだが、県幹部は「首相が8年間の予算を保証するというのは異例のことだが、会談で知事は感情的になってしまった。首相の言葉に舞い上がったんだよ」と嘆いた。(敬称略)(「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供

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