実在する愉快な人の一例として、例えば空港でのじょいさんをレポートします。ぶうです。

とっても楽しかった寺子屋ツアーが終わってしまった。
(来てくれたみんな本当にありがとうね!また会おう!)

どうしても素早く東京に帰りたいじょいさんと飛行機で帰るのが大好きなボク、
一緒に乗り込んだ新千歳空港までのエアポート快特で、
別れ行く北海道の景色を二人で見ていたらふとじょいさんが、

「ツアーで北に来ると、気づいたら本当にだんだん生えてる木が変わってきて、針葉樹が増えてくるんだよね」

って言って、

そりゃそうなんだけど、
そうゆうとこ文学してていいなーと思った。

でもそのあと、
持って帰るギターを間違えたことに気づいて、

「しまった!あかねを置いてりんちゃんを連れてきてしまった!よ、よし!りんちゃん!明日は君でいこう!」

と一人でギターに話しかけていて、
「文学をはるかに越えてておっかねぇなー」と思いました。


じょいさんはとても愉快な人です。



空港に着いて搭乗ゲートを探してた時、

「たぶんラルクとかはLCCに乗らないよね。俺も大スターになったら毎回JALに乗るんだー」
とかテキトーなことを俺が言っていたら、

「村上春樹もそうだよ。読んでると《~JALのカウンターで~》ってのがよく出てくる」

ってハルキストアピールで返してきたのは本当にキモかった(笑)

そしてじょいさんはLCCのことをLCLって間違えています(笑)
(それエヴァやん!とは突っ込まなかった。どうせ知らないから。)

ね。愉快な人です。



4月の空港は「研修中」のプレートを付けたノロマのスタッフが多くてとても初々しかったのでボクはバカを装ってからかってみたりしていた。

じょいさんが機内持ち込みの小さなバッグをカウンター横の重量計に乗せて、搭乗前のチェックを受けてる時にも、
見えない端っこをこっそり足で踏んで重くしてみたら
「え!?あ?これが17kg!?あ、あの、これ、あの持ち込めな…い…」
なんて新人さんがあたふたしていたのだけど、
むしろそれ以上にじょいさんが

「うっそだろ!俺はそんなに重いものをずっと背負っていたのか!!どうりで疲れた!!」

とか言い出してうけた。

そんなわけねぇだろ。

お前の鞄には金塊でも入ってるのか?(笑)


その後、ギターを預ける時にもケースに入ってるなんかのオイル?を取られそうになっていて、
「これ!前に他の飛行機には持ち込めました!そこをなんとか!」
とじょいさんは必死で泣きついていた。

愉快な人だ。


よく調べてもらったら本当に持ち込みOKだったらしく、
俺は「空港テキトーな仕事してんなよ!」と怒りが沸いたが、
じょいさんが

「このオイルの瓶に貴方の書名を下さい!」

とか急に言い出して、

????

となっていたら、

「新千歳空港○○(スタッフの名前)お墨付き!と!」

って今後の為のアイデアを披露していたので、
「それで通るなら自分でそう書いておけばいいだろ!(笑)」
と心の中で突っ込んで、
空港スタッフって日々対応大変だなー
って気持ちに切り替わった。

本当に愉快な人だ。


出発が遅れている飛行機の搭乗を待ちながら、
黒ずくめのおじさん二人でできたてのポテトチップスを食べた。

じょいさんがビールを飲みながら

「大人になったなー」

と言うので

「もう、ゆうに10年以上は大人やってるよ?(通り越しておじさんやろがい!)」

と返したけど、


確かに、

確かにボクラはバンドを始めた頃、
20代前半の頃は何も考えない子供のままにツアーとかに行っていて、
それがいつのまにかプロミュージシャンの端くれみたいな大人にちゃんとなっていて、
こんなボクもセットリストとかツアーのテーマとか体調とか色々考えている。

なんだか素晴らしいことだ。


そんなツアー最終日、
東京に帰る飛行機を空港で待ちながら過ごすすげーいい感じの時間に気づいて、

じょいさんにビールを一口もらった。
(そのあと二口、三口ともらった。)

色々な大人の色々な人生があるが、
襟足を無駄に伸ばしてイモい格好で空港をヘラヘラ悪さしてる大人もいいもんだ。


ボクラの目の前で、
妊娠中の奥さんを北海道の実家に預けに来た?と思われる夫婦の旦那さんが東京へのおみやげを選んでいた。

空港を往き来する人達をながめ、
それがどんな人なのか想像するゲームをしながら、
逆にボクラはどんな人間に見えるんだろう?と考えたりもした。


「ライブをしに来たミュージシャン」に見えるだろうか?



ボクラを「やりたい事をやり続ける子供」でい続けさせてくれるツアーは今や人生そのもので、
ツアーはどこをどう切り取っても愉快な大人達のいい感じのシーンばかりで、
そんな時間を共に過ごしてくれる全ての人に感謝しながら北海道を後にした。

(東京に着き、手ぶらのボクはじょいさんの預けたギターりんちゃんと、ピンチを切り抜けたオイルがベルトコンベアをのろのほ回ってくるのを、とてもじゃないが待てないのでさっさと置いて一人で帰った。笑)



さて、来年は寺子屋ツアーどうなるだろうか?


次のツアーはえんそくのワンマンツアー。


いちいちレポートなんてしないけど、
またとっても楽しい時間ばかりだと思う。


君もバンドマンについて回って楽しい時間を共に過ごそう。

じょいさんだけじゃない。

ガキみたいな愉快な大人は実在する。