ピクニックスと言うまだまだ無名の洋楽バンドをおすすめしたい。ぶうです。
 
ボクの持つ唯一の外国人の親友「デイブ」。
彼がボーカルをつとめるバンド「The.Picnics」が久しぶりの来日公演をする。
 
明後日の土曜日、渋谷DESEOでまたあいつらの熱いGIGが見られるのだ。
 
もちろんボクも変装をしてこっそり観に行く。
(見つけても見て見ぬふりでそっとしておいてくれよな。)
 
でも今日はそれよりも一足先にピクニックスのメンバーに会うことができた。
 
既に来日している彼らの、日本でのスタジオ練習にお邪魔してきたのだ。
 
激熱。
 
あれが国境を越えてロックを届けようする者達のサウンドか。
 
ピクニックスのメンバーは国籍こそ様々だが皆一様に日本を愛している。
だからこそあいつらはあらゆる困難を乗り越えて度々この日本にやってくるのだ。
(なにせ彼らは行く先々で問題を起こして逮捕されるから入国の手続きは年々面倒なことになるし、ドラムのモーリーなどは機内食がまずいとすぐにキャビンアテンダントを人質に、飛行機を最寄りの空港に着陸させてしまう癖があるのでなかなかライブ会場に辿り着けないのた。)
 
中でもボクの親友デイブの日本贔屓は一番で、
本人が言うには、彼の父方の祖母はインドネシアと日本のハーフで、
母方の祖父は大戦中に満州で産まれてその後に帰化した日系アメリカ人なんだとか。
(まぁそれもどこまでが本当かはわからない。なにせボクが初めてデイブの歌を聴いたのは、彼が「お母さん先生」と呼ぶキャサリンの勤めている孤児院で、その日デイブはゆうに30人以上はいるであろう彼の「血の繋がらない弟達」に自作の英訳詞による「上を向いて歩こう」を歌い聞かせていたのだから。)
 
だがそんな日本に並々ならぬ親近感を持ち愛するデイブも、
しばらく会わないうちにすっかり日本語を忘れてしまっていた。
 
「日本でガールフレンドを作るんだ」と息巻いていた頃は来日する度にみるみる上達していたその日本語も、
(基本的に奴は物事にのめり込みやすいタイプだし知能指数も高いのだ)
どうやらツアー先で滞在したバンクーバーだかリッチモンドだかに住むアマンダだかスージーだとか言う自称ハリウッド女優の卵に入れ込んでいる間に、得意の百人一首から寿限無までもを全部忘れてしまったのだ。
(人一倍詰め込むのが早いぶん、こぼれ落ちるのも早いらしく、本人が言うにはそれは、デイブが14の頃、彼の親父が「切手」の食べ過ぎで突然イカれてブチ切れて、ガレージの天井に飾ってあったカジキマグロの形をした釣具屋の看板、まぁそれはデイブが盗んできた物だったんだけど、をぶん投げて、その尖った口が見事に頭にヒットして空いた頭蓋骨の穴のせいなんだとか。)
 
おかげで今日彼らにご馳走することにした遅めのランチは、
デイブに「いただきます」を教え直すところから始めないといけなかったし、
どうしても「げちそーさな」になってしまう食べ終わりの挨拶をメンバー全員に習得させるまで終われなかった。
 
 
 
 
だけど心配は無用だ。
 
 
 
彼らの音楽に言葉の壁は関係無い。
 
ロックと日本とユーモアと自由を愛する彼らの生き様をみんなも体験するといい。
 
腕を上げ、大きな声を出し、体を揺らして、
その熱量に応えるといい。
 
必ずピクニックスのことが好きになり、
そして彼らの愛のパワーで元気になれるはずだ。
 
明後日は是非ともDESEOに彼らを観に行こう。