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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/04/17
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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連載第12回「ブロス君、今日から君もオトモダチ」 


 オタクを長年やっていると、ある超能力が身に付く。
 人混みの中でも「オトモダチ」を見分ける不思議な能力だ。

 街中で「おや、あの人はオトモダチじゃないか?」と思ったら、ちゃんとそいつは洋書店に入って『シンプソンズ本』や米国アニメ誌を漁りはじめる。
 渋谷あたりで見かけるオトモダチは大抵、上新電機コンピューター舘でエヴァンゲリオンCD−ROMを買う。
 上新電機を通り過ぎる奴もいる。
 オレもまだまだだと思ってたら、そいつは海洋堂に入って『ときめきメモリアル』フィギュアの写真を撮るのだ。

 先日、ロフトプラスワンで「オタクアミーゴス3」というイベントをやった。
 客層は一目見てオトモダチと判る奴ばかりだ。
 しかし違う人たちもいた。

 「ブロスを見てきた人たちだな」

 噂の真相、ガロ、パソコンネットという濃い場所で告知されたイベントだ。
 当然、カタギの人なんか来ない。
 「ブロス君」たちはオタクの海の中で明らかに浮きまくっていた。
 大丈夫か?

 しかし心配無用。
 ブロス君たちはみんなといっしょにメキシコ製超Z級映画「ロックンロール・レスリング・ウーマン対アステカのミイラ」に大爆笑していた。
 サイテーなエド・ウッド映画が「市民ケーン」に見える作品だ。

 韓国のスーパーヒーロー「ファイティングマン」もスゴい。
 これを見て喜ぶ韓国の子供たちには「竹島ぐらいあげるよ」と優しく言ってあげたくなる。

 こういう掘り出し物を大爆笑しながら見ているうちに、ふと気がつくとブロス君たちも周りと一緒にゲラゲラ笑い転げている。
 よく見ないと見分けがつかないほどオタクたちとなじんでいるのだ。
 おめでとう、ブロス君。
 君も僕のオトモダチだ。


以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。