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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/30
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「核を捨てたら、本当に平和は訪れるの?」

 核を捨てたら本当に平和は訪れるのでしょうか?
 オバマさんは「みんな核を捨てようよ。もちろんアメリカが捨てるのは、一番最後だよね」
 みたいな事を言っていたと思うのですが、本当にそんな事で平和になるのでしょうか?
  
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 「核兵器があるおかげで大戦争が起きない」
 これに関しては、この60年間で証明されていると思う。

 その代わり、中小戦争が山のように起こる。
 いわゆる事変にしてもそうだし、テロにしてもそうだし、内乱にしてもそう。
 一向に収まらないという状況にある。

 ポストイット「核を捨てたら平和は訪れるのでしょうか?」

 今、核兵器を持ってる国は割と少なくて、絶妙なバランスだから、大戦争が起きていないんだ。


■核保有国が増えるとバランスが崩れる

 最近、韓国が「核兵器を持ちたい」とすごく強く言っている。
 今、韓国にはプルトニウムや原爆の材料を作る専門の原子炉があるんだ。
 その原子炉が、今はフル稼働してるんだよね。

 これまで韓国は、原子力発電所の実験用の炉を運用して、年間で2発分ぐらいの原爆を作れる量の核物質が出来ていた。
 それをフル稼働させると、年間50発分から200発分の核物質を作れるらしい。
 えらい幅だけどさ(笑)

 そうなってくると、韓国が「核兵器を持ちたい」という考えを止める事ができなくなってくる。

 このペースで「じゃあウチの国も作る」と日本とかも言い出すと、「核兵器があるおかげで、大戦争が起きない」という状況は簡単にくつがえってしまうだろうね。


■核保有国が増える流れは止めれらない

 「みんな核兵器を捨てようよ」とオバマが言ったのはどういうことか。
 正確に言えば、「アメリカのみが核保有国という状況に戻したい」
 もしくは「アメリカとソ連しか核を持ってないぐらいが、一番管理できる」という意味だと思う。
 
 核兵器が世界中にどんどん増えるよりは、核兵器を手放していく世界をオバマが求めるのは分かる。
 でも現状として、核の拡散が止められなくなってきてる。

 1940年代はアメリカだけ。
 1950年代はアメリカとソ連。
 1960年代になって、アメリカ、ソ連、中国。

 ここから先は北朝鮮も核兵器の輸出を始めるだろう。
 だから、核保有国が増えるのは止まらないんだよね。
 
 なので、「核兵器を捨てましょう」という考え方は現実的ではない。
 だから、あんまり賛成できない。
 
 でも個人的には、おおいに共感するよ。
 核兵器があっても、いい事は何にもないから。
 核の平和利用なんて、出来ないからね。


【まとめ】
 核兵器のおかげで大戦争が起こらない事は、この60年で証明されています。
 ただし、今後は核の保有国が増えて、このバランスが崩れるかもしれません。
 各国が核兵器を捨てる事は現実的ではありませんが、その考え方には共感します。