おはよう! 岡田斗司夫です。
だから一流の指揮者、一流の演奏者は「いったいモーツァルトはどんな心象風景で作曲し たか?」「新世界アメリカから故郷ボヘミアへ、どんな想いを込めて、ドヴォルザークは『新世界より』を作曲したか?」と悩むのだ。
譜面どおりに演奏するより、いかに曲を解釈し、表現するか。
それが優れたプロの演奏だ。
クラシックコンサートでも、まさか聴衆の一人ひとりが演奏する曲の全てを知ってるわけじゃない。
大半は「ちょっと上品なお出かけ」と思って来ているヌルい客層だ。
ゴジラにしてもスターウォーズにしても、楽譜の隅々まで、それどころか映画のシーンやジョン・ウィリアムスの指揮っぷりまで暗記している。
音一つ狂ってもわかる。
いわゆる猛者ツワモノばかりだ。
いわば客席を埋め尽くすモーツァルトやドヴォルザーク本人の群れに向かって演奏しなければいけない。
最初はNHKプロデューサーが指揮者に自分のイメージを伝えていたけど、あんまり遠いからついつい僕が口を出すことになる。
僕の声はリハーサル会場に響いた。
「ゴジラって昔の恐竜じゃないの?」
僕は夢中になって楽曲解釈を語り、楽団員たちは呆れ果てた。
問題のウルトラセブンのリハに入ると、僕の指摘はさらに細かくなった。
「あぁ、ホルンね」と横でプロデューサーが小さな声で訂正する。
気がつくと、僕は指揮者の後ろに仁王立ちして直接、楽団員にリテークを出していた。
でも、演奏させられた楽団メンバーの日給が割りに合わなかったことだけは確かだろう。
ようやっと表題・究極ビジネスの話だ。
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