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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/12/21

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おはよう! 岡田斗司夫です。

もうすぐクリスマス。
「恋人のイベント」に生じ始めている異変にアプローチしてみました。


今回の記事はニコ生ゼミ12月18日分より一部抜粋しました。

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「クリスマスに異変が! “恋愛”から“仲間”の時代へ!」


 クリスマスに関するおもしろいニュースを見つけました。

 「ホットリンク」というビックデータを取り扱う会社があるんです。

 主に取り扱うビックデータの情報源は「ツイッター」に「ブログ」に「2ちゃんねる」 。
 なんか俺たち向けのビックデータだよね(笑)

 最近は3年連続で、クリスマスに関するツイートが減少しているそうです。
 (過去3年間における、12月1日から1週間のツイート調べ)

 今年はクリスマス盛り下がってるぞ、と。
 とくに今年2016年、減りが著しい。
 去年と比べて1割投稿が少ない。
 わけても二十歳未満の若い世代に、そうした傾向が目立つ。

 二十歳未満の層に絞ってツイッターの投稿を分析して「クリスマス」という用語に関して頻出する…つまり、よく出てくる形容詞を調べたそうなんです。

 すると毎年、「楽しい」「良い」「うれしい」というポジティブな単語が上位に来るのに、2016年は、去年になかった「だるい」「ださい」というネガティブな単語も出てきた。

 毎年、このクリスマスに関する「投稿ポジ率」…ポジティブ発言率が下がってきていて、ネガティブ発言が増大傾向にある。

 おまけにクリスマス自体の、発言傾向も下がってきている。

 逆にハロウィンは3年連続で増加傾向にあるそうです。

 「恋人のイベント」という色の強いクリスマスは、若者の恋愛離れもあいまって、興味関心が低下している。
 
 それに対してハロウィンは、「仲間で盛り上がるイベント」であるので、支持を集めている。

 そういう分析なんだよね。

 ツイッターは誰でもやってるものだから、あの中にあるデータを「個別発言」でなく、「ビックデータ」として取り扱うのは、意味があると思う。
 信用できるデータと思うんだよね。

 おもしろいよね。

 「若者の車離れの原因は、“恋愛”離れにある」と言われていたけど、それがハッキリ見えるようになってきた。

 時代は恋愛から仲間になってきた。

 本来は『ワンピース』みたいなマンガって、もっと恋愛関係があってもいい。
 だけど、それを排除して“仲間”で攻めてるのが、成功の原因だと思う。

 これは何を読み取れるのか?

 僕は、エンターティメントや大衆芸能っていうのは、「過ぎ去りし価値観を、ノスタルジックに持ち上げる傾向」にあると思う。

 昔『巨人の星』っていう大ヒットした漫画があったよね。
 中で描かれたのはスポ根モノ。

 「根性で人並みはずれた特訓をやれば、人並みはずれた能力が付くんだ!」というロジック。

 根性論が出てくるし、あとは強いオヤジってのが出てくる。

 「1960年代後半から70年代前半の日本って、そういう世界だったの?」というと、まるで逆なんだよ。

 そのころはまだ偏差値って言葉は無いんだけど、受験戦争って言葉があった。
 そのころからもう、強いオヤジはどこにもいなかった。
 誰もスポーツに根性を求めない時代だった。

 『巨人の星』が熱狂的に支持されたのは、過去の価値観、過去の美徳みたいなのを持ち上げたからこそ。

 『ドラえもん』もそうだよね。
 『ドラえもん』の連載が始まったのは、東京中のどこにも土管を置いてる空き地がない時代。

 そんな感じで大衆芸能は、「失われつつある価値観に美徳を求める」という面白い傾向がある。

 『君の名は。』とか『逃げるは恥だが役にたつ』という恋愛ドラマが盛り上がってるでしょ。

 それを見て「日本の若者は恋愛に飢えてる」「本当の愛に飢えてる」と分析をする人がいる。

 たとえば山田玲司先生なんかは、「みんな愛がすべてだってわかってきた。恋愛がすべてだってわかってきた」というふうに読んでいる。

 でも僕の見方は逆なんだ。
 
 “恋愛”は、“スポ根”とか“バブル”と同じように、いよいよノスタルジーの対象になってきたんじゃないかと思う。

 俺たちの読み方によると「最近はクリスマスが盛り下がってるようだね!やったね!」となるんです(笑)
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