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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/03/20
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

今回の記事はニコ生ゼミ1月22日分(#162)より一部抜粋しました。

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「本屋さんの未来はどうなりますか?」


 岡田さんの『「紙の本はもう終わりかなぁ」とぼんやり思う』のブログを拝見しました。
 
 紙と電子の割合はともかく、現在の出版書店業界の規模が縮んで行くのは止めようがありません。
 
 それは、ネットにアクセスできない現在の70~80代の紙オンリーユーザーがいなくなった時に、いっきに加速して行くと思います。
 
 書店業務でも家賃交渉の為の短期的な売り上げ増を目指すあまり、話題の本を可能な限り店頭に並べるといった、100%ネット界には勝てない手法で食いつないでいる現状です。
 
 これでは、書店だけの特異性を開発する時間すらなく滅びて行く気がします。
 
 書店員として、個人的には「専門性の高い こじんまりとした本屋がパラパラとあるような未来に落ち着ければいいかな」と思っていますが、岡田さんは未来をどう予測されますか?

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 書店の未来についての質問だよね。

 書店って、呉服屋みたいな生き残り方があるんじゃないかなと僕は思ってるんだ。

 呉服屋って、昔は日本中にあったんだけど、今はもう数えるほどしかないでしょ。

 それでも生き残ってる。

 絶滅してないんだよね。

 なんで呉服屋の例を出したのかというと、実は“服”というのも印刷の一種だからなんだよ。

 それで同じ柄を売っているのが大多数なんだ。
 でも生き残ってるじゃん。

 本って、それと同じように考えたほうがいいと思うんだよね。

 “本”って、大量に流通させるから大量消費の物だと考えちゃう。

 だけど、あらゆる本の99%は初版の五千部や三千部で終わっちゃうんだ。

 だからこそブックオフが流行る。 

 「本は大量生産で、どこの本屋で買っても同じ物」っていう、これまでの書店の考え方をやめてしまって、「すべてが限定品でレアアイテムだ」と考えたほうがいいと思う。

 つまり生産数が三千から五千しかないレアアイテムが、毎日100種類ぐらい出てる。
 それが日本の出版界の現状なんだ。

 だから、「実はこの“書籍”とは、有限の資源なんだ」と考えるんだ。
 
 そして自分の商売は“本屋さん”ではなくて、“レアアイテムを売っているショップ”として捕らえ直したほうがいいんじゃないのかな。

 定価で売るのは雑誌だけにしたほうがいい。

 そしてすべての本屋さんは、再販制を乗り越える為に古書店に業務切り替えしてしまって、本を好きな価格で売っちゃう方がいいと思う。

 浅い考えかもしれないけどね。

 もちろん、出版社としては定価で売ってほしい。
 だけど、それはもう考えなくていいよね。

 安く買いたい人はネットで買うんだからさ。

 ネットで二千円で売ってるからといって、本屋も二千円で売る必要は無いと思うんだよ。
 
 朝に買ってくれそうなお客さんの所に行って、売れている本を並べて、「今日はどれにしますか?」って売る。
 
 そんな営業みたいな事を考えた方がいいと思う。

 安く大量に売る商売は考え直して、コレクターズショップとして生き残ることを考えた方が現実的な気がするよ。


【まとめ】
 もう“書籍”は、限定品のレアアイテムだと考えるべきです。
 本屋さんは、レアアイテムを扱うコレクターズショップとして生き残る事を考えた方が現実的だと思います。

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