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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/06/16
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今回は、『犯罪界のシャア少佐』こと、アル・カポネの話をします。


今回の記事はニコ生ゼミ5/14(#178)より一部抜粋しました。

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「『犯罪界のシャア少佐』! 若くてオシャレなアル・カポネ」


 アメリカ人が『アル・カポネ』を初めて意識したのは1920年代。

 それはアメリカから西部という時代と田舎がなくなって、どんどん都会になっていったという前提があるんだ。

 1931年にハワード・ホークスが作った『暗黒街の顔役』という映画があるんだ。

 プロデューサーはハワード・ヒューズ。
 実業家であり発明家であって、地球上の富の半分を持つ男というのがあだ名。

 その2人が組んで作ったのが、『暗黒街の顔役』。

 映画が作られたのは1931年、でも映画が公開されたのは32年。

 1年間お蔵入りだったんだ。

 あまりにも残酷な描写とか、怪奇な表現とか、ギャングを美化しているとか、いろんな問題があって、アメリカで公開されなかったんだよね。

 で、丸1年間お蔵入りしている間に、世間は変わってしまった。

 アル・カポネが逮捕されたんだ。

 映画を企画している時は、アル・カポネはアメリカの英雄の1人だった。

 間違いなくセレブの1人であったし、大統領になる前のドナルド・トランプみたいなポジションだったんだよね。

 32年に逮捕されたんだけども、裁判の判決が出るのはもうちょっと後。

 なので『暗黒街の顔役』が撮られて、映画が公開された時には、アル・カポネ帝国に陰りがみえてきた時代でありました。


 そんなアル・カポネが作ったのが、ギャングの定番みたいなボルサリーノ帽という帽子を被り、葉巻をくわえている姿なんだ。

 『アンタッチャブル』のロバート・デ・ニーロがやったアル・カポネもそうだけど、やっぱり昔のギャングって、そんなイメージがあるよね。

 『HUNTER×HUNTER』の「ヨークシン編」でもそうだけど、マフィアが出てくる漫画って、いまだにそうじゃない?

 なんとなくスーツ着て、帽子かぶせて、手に葉巻を持たせてしまう。

 これって昔からそうだったんじゃなくて、アル・カポネがたった1人で初めたムーブメントなんだ。

 アル・カポネが人前に出る時に、「俺たちはスターなんだ。セレブなんだ。だからみすぼらしい格好をやってちゃいけない!」と帽子を被って葉巻を持って、それをシンボルマークにしたんだよね。


 アル・カポネをどう紹介しようかと思ったんだけども、『犯罪界のシャア少佐』と言おうと思うよ(笑)。

 彼は案外若い。
 まだ18歳とか19歳くらいでデビューして大活躍しているんだけども、若いのにすごかったんだよね。

 ジョージ・ルーカスも若い頃はスタッフが言うことを聞いてくれなかった。
 髭がなくて貫禄がなかったから。

 なので無理して髭を生やして、とにかく老けた顔を作って、それでスタッフの人望を集めた。

 同じようにエブラハム・リンカーンも髭生やしたら、みんな演説を聞いてくれるようになったという話がある。

 基本的にやっぱり若すぎると、舐められてる時代なんだ。

 なのでアル・カポネも老け顔にしてた。
 もう20歳くらいから老けてるんだよね(笑)。

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