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5年前から専業主婦になりましたが、更年期の症状も手伝って、家事をまったくやる気になれません。
もともと家事は好きではないし得意でもなかったですが、働いていた頃や子供が小さかった頃は、それでも何とか最低限の家事はこなしていました。
専業主婦になり、時間に余裕があるので、手の込んだ料理を作ったり、家の隅から隅までピカピカに掃除したりということをしようと思っていたのですが、理想を思い浮かべれば浮かべるほど、現実の行動に結び付きません。
昔できていた最低限の家事さえ手を抜く始末です。
夫も息子も細かいことをうるさく言うタイプではないので、それに甘えてしまっているところもあると思います。
2人とも私が専業主婦になってからは、あまり家事を手伝ってくれなくなりましたが、夫も仕事が忙しいし、息子も大学受験を控えているので、仕方ないかと思ってます。
前に、ネットで「家事をしない主婦はニート同然」という言葉を見たことがあり本当にその通りだと思い、この状態を抜け出さなければいけないと思いながら、今日もやる気が出ずにぼーぅとしています。
岡田先生に何か良いアドバイスをいただけたらうれしいです。
【岡田斗司夫の回答】
ある男の子を仮定しましょう。
勉強は得意じゃないし、好きじゃない。でもサッカー部に入ってて、ちゃんと練習や試合に参加している。
当然、勉強は手抜きになります。チームメイトとの付き合いもあるから、宿題するのがやっと。
それも時々、手を抜いたりサボったりする。
これが5年前のあなたです。
仕事してるから家事が手抜きになるのとまったく同じ。
勉強は好きでも得意でもないから、必要最低限の手間しかかけない。当たり前ですね。
同じくあなたも「好きじゃないし得意でもない」から必要最低限の家事しかやりたくない。
仕事していれば理由があるので「安心して」手抜き家事できてたわけです。
ダメな妻・ダメな母ではありません。
「それなりに勉強とクラブを両立している良い子」と同じ程度に、良い妻・良い母だったと思いますよ。
さて、あなたは仕事をやめて専業主婦になった。
男の子の例でいえば、3年生になってクラブ卒業したのと同じです。
じゃあサッカーやめたら「完璧な受験勉強」をするのか?
するはずないですよね?
同じくあなたも自分に「完璧な家事」を望むことが間違っています。
サッカーやめて時間が出来たんだから、我が子も東大に合格できるはず、と考えますか?
ムチャでしょ?
東大に行くのは「勉強が好き・得意」という子だけです。
おなじく完璧な家事も「好き・得意」な人が目指す高みです。
「専業主婦になったんだから、時間も出来るし私だって完璧な家事ができるはず」というのは、かなりムチャな高望みですよ。
あなたにいま必要なのは、「必要最低限の家事しかできない理由」です。
好きでも得意でもないんだから、これまでもこれからも、あなたの家事は手抜きで最低限です。
それでOK、問題なし。家族だってそれを責めないんだから、良い家族じゃないですか。
手抜きでぜんぜん大丈夫です。
バイトでも、地域活動やボランティアでも、とにかく外に出てみましょう。
自分の内面と対話すると、絶対に完璧めざして自責しちゃうでしょ?
だから自分の内側に理由を探さないこと。外側に探してください。
「必要最低限の家事しかできない理由」を。
遊びでもお付き合いでもお金儲けでもなんでもかまいません。
「いつか、ヒマになれたら家事ができるのに」ともう一度、自分をだませる理由を見つけましょう。
いかがでしたか?
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