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岡田斗司夫さんに聞いてほしいことがあります。
私の家族の話です。
私の家族は、父、母、知的障害をもつ二つ年上の兄、私の四人家族です。
ある日、母親が「兄と心中したい」と言い出しました。
兄と母は共に依存しあっており、兄を置いて死にたく無いという母の思いが伝わりました。
私は、もしも母親が死んだら兄になんて説明すればいいのか、施設にだけは入れないで欲しいと母に懇願されていたので、将来私は兄と二人きりで過ごさなければいけないのか……などと不安に襲われ、いつも「私以外の家族はいますぐ死んで欲しい」と思ってしまうのです。
中学から寮生活をしており、家族と離れて暮らす事でほどよい距離を保てていたので、介護や兄の事で家族と近くなるのが怖いです。
障害を持つ兄と生きていく自信がありません。
かと言って家族が嫌いなわけではなく、人一倍思い入れがあるため、約束を破ったり面倒を人任せにすることも出来ません。
そんな将来への不安と嫌悪感を思うたびに、「私が死ぬか、家族を殺す」という安直で非現実的な考えにしか辿り着けず、すこし危機感を覚えたので、何か新しいものの見方や考え方があれば是非教えていただきたいです。
長くなりましたがよろしくお願いいたします。
【岡田斗司夫の回答】
たとえば財力なり仕事での稼ぎがあれば、母の死後も問題ありません。
兄の世話はヘルパーさんを雇い、あなたはこれまで通り離れて暮らせば大丈夫。
この場合、あなたが悩むべき選択肢は「母が死んだあと、その遺志を尊重して年間、いくら支払うべきか?」という加減の問題になります。
この選択肢が出てこないのは、あなたに生活力が無いから。
兄と同じく「父や母の助けがないと生きていけない」と思ってるからですよね?
22才で寮生活だったあなたには、兄の問題がなくても,実は将来どうしていいのかわかんないんでしょう?
そういう状態で、こんな深刻な状況を引き受けるのは無理です。
悩む資格がありません。
あなたが悩んで良いのは,以下の3つの選択肢だけ。
「家族も何もかも捨てて、逃げる」
「母を言いくるめて,兄を施設に入れるよう納得させる」
「大嘘つきになって、母の死後、兄を施設に入れる」
母の場合、「父というスポンサー」「専業主婦というポジション」という有利な2条件で、これまで兄のケアが出来たわけです。
でも母が死んでしまうような未来、この2条件は無くなってるでしょ?
もとから母は有利な条件内で悩み、あなたは不利な条件で同じ結論を引き受けようとしてるんです。
絶対に無理ですよ。
家族の絆は大事です。
寮生活で家族を存分に味わえなかったあなたには、人一倍の思い入れがあると思います。
しんどかった母の人生に同情して、助けてあげたくなる気持ちも、すごく立派です。
でもあなたは実力不足。
この問題を悩んでも解決できる能力がない。
自分の能力以上の約束はしちゃダメです。
ちなみに、心中など母にはできません。
娘のことを考えてる親なら、絶対に相談せずに心中するはずです。
出来もしないくせに実の娘に自殺を口走るような母親は、ビビらせて大丈夫。
母に「兄の世話は私に無理!」と正直に言うか、または「任せて!」とウソを言うかはお任せします。
「娘は頼りにならないから、長生きするしか無い」と思わせてもいいし、「娘が約束を守れる実力を手に入れるまで、死んでも死にきれない」と母に思わせても、どっちでも現状よりはマシなはずです。
そうやって時間を稼いでる間に、あなたはこの問題から逃げるか、引き受けるためのチカラを身につけるか、考えてください。
いかがでしたか?
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ヤムアキ