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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 号外 2012/10/29
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【天才軍師が語る】無名時代の新海誠を、ガイナックスは新卒採用でとれない
【今週の書き起こし】GAINAX赤井孝美氏・岡田斗司夫対談「クリエイティブと金」
【新着映像】「まど☆マギ」見終わって語り、語り終わってだべる・・・はずが打合せ!?
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いつも「岡田斗司夫のニコ生では言えない話」をお読み頂きありがとうございます。
担当ののぞき見のミホコです。
先週の月曜、「まどか☆マギカ」ニコ生特番後の会員限定番組内で、「ニコ生エヴァ特番」が決定。一週間に2回もニコ生を放送するという、大変にぎやかな週になりました。
岡田斗司夫のアニメ論、堪能して頂けましたでしょうか?
アニメ論を語る岡田が、いつも以上にハイテンションに見えるのは、私だけではないはす。見ているだけでも、その熱量に圧倒される気がします。
今回のメルマガ、ライターはFREEex無銘のマサフミ、私の後輩が勤めております。ミホコと変わらずおつきあい頂きますよう、お願い申し上げます。
◆【天才軍師が語る】無名時代の新海誠を、ガイナックスは新卒採用でとれない
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クリエイターになりたい。でも生活が心配。それでも好きな事はあきらめたくない。
やっぱり憧れの業界に入って好きな事を仕事にしたい。どうやったら入れるの?
才能?やる気?そうやって業界に入りさえすれば大丈夫?
それって本当に幸せなの?
ブロマガをご覧の皆様はじめまして。無銘のマサフミです。
今週のブロマガ号外は2012年8月放映のニコ生シンクタンクから岡田斗司夫とGAINAX赤井孝美氏との対談の模様をお届けします。
岡田が天才軍師と称する赤井氏と「クリエイティブと金」と題して行われた対談は、現代の若者の就活状況からGAINAXの就職裏事情まで1時間を超えるものになりました。
もしGAINAXを作った彼らが、今24歳の若者だったなら。
彼らは何を狙ってどこに勝機を見出すのか。
天才軍師、赤井孝美の次なる一手は?
岡田「今この21世紀、2012年の現代だったらどこ狙う?」
赤井「今実際に狙ってるのは地方なんですよね」
「外でやるSF大会を鳥取で11月にやります」
「第二次米子映画事変」
http://www.yonago-eiga.com/index.html
プレオープン11月1日(木)~11月2日(金)
グランドオープン11月3日(土)~11月11日(日)
そしてクリエイターを目指す若者へ、二人が贈る 現代を生きるための戦略とは?
そんな充実の対談の模様を、まずはハイライトでどうぞ。
スタッフ「続いての質問です。埼玉県男性の方。『アニメ業界は個人でアニメを作ったことがなくてもやる気とアイディアがあれば新卒を採るものなのでしょうか?そのあたりの採用条件みたいなところを教えてください』」
岡田「ああーっ、それ聞きたい。例えば、芸大とか専門学校出てなくても、『ほしのこえ』のせこいみたいなの作りましたーっ、て持ってきたら雇う?」
赤井「うーん」
岡田「雇うでしょ!」
赤井「出来による(笑)」
岡田「(笑)」
赤井「こいつすごい天才だなって思ったら雇いますけど、ただ――例えばまだ無名だった頃の新海誠さんが来たとするじゃないですか。『こいつすげえ!』と思いますよね?ただ、こいつにやらせる仕事がない、ってなりますよね」
岡田「ああっ!あるある!」
赤井「つまり現時点のGAINAXで、テレビアニメもああして作ってるわけじゃないですか。テレビアニメって、要は『テレビアニメの作り方』っていう大きなシステムがあって、歯車があって、その歯車に乗れるかどうか、その適性があるかどうかであって、自分でアニメとか作っちゃうような人はもしかしたら向かないかもしれない」
岡田「それ言えるなあ……」
赤井「そこがジレンマで、うちは新海誠さんの青年時代みたいな人が来たらその人と仕事したいわけですよ。だけど今のアニメ業界で商売してる限りそういう人を持て余すと」
岡田「海洋堂が竹谷さんを持て余してて、ようやっと今回の巨神兵のようなものをやることによって使い場所がわかったみたいなのがあるよね。造形の天才だって明らかにわかってる人がいても美少女とロボットしか売れない今の海洋堂では彼らに対して冷や飯を食わせるしかない、っていう専務のジレンマを前に聞いたことがあるんだけど、それと同じようなものだよね」
赤井「まあそういうことです。で、そういう人を生かせるようになりたいと思って今いろんなことをジタバタしてるんだけど、そうするとやっぱりね、逆に言うとアニメーターには評判の悪い会社になっちゃう」
岡田「ああ、そっか。『現場を大事にしない』と」
赤井「アニメで食ってるのにアニメ以外のことをしてるってことに対する反感がね」
岡田「GAINAXでゲーム始めたときにすごい言われたもんね、俺ら(笑)同じだよな」
赤井「そうそうそう(笑)」
岡田「あとであんなに食わせてやったのに(笑)『てめえらナディアの予算どこからどうや
って持って来たと思ってるんだ!』って思いながら」
赤井「(笑)」
岡田「でもね、S田さん。さっき言われた例えば『こんなアニメ作れるんです』と。『それを持って行ったら雇ってもらえるんでしょうか?』と。もうその発想が実はずれてるんすよ。そんな人が何で既存のアニメ会社に『雇ってください』と来る必要があるのかという話で。その発想にみんないっちゃってるでしょ?」
赤井「でも今の質問って作ったことなくても雇ってもらえるか、ですよね?やる気があれば」
スタッフ「と、いう風に書いてありますね」
岡田「やる気かあ……」
赤井「これは今に限らず大昔からずっとなんですけど、やる気は売り物になりません。っていうのは、来る人基本的にみんなやる気があるのが前提なので。やる気比べってわからないじゃないですか。『俺、あいつよりずっとやる気あります!』って言っても、じゃあそれ半年後もあるかどうかわからないじゃないですか。今だけかもしれないのでやる気は評価しようがないんです。よっぽどやる気がなさそうだったら『この人やめとこう』っていうマイナスの評価しかなくて。『こんなにアニメ好きでこれだけの情熱があります!』って言われても……」
岡田「じゃあ逆に何でアニメの専門学校とかから採用すんの?別に普通の人が来ても採用する?」
赤井「しますよ」
岡田「おー」
(続きは書き起こし全文でお楽しみ下さい)
◆【今週の書き起こし】GAINAX赤井孝美氏・岡田斗司夫対談「クリエイティブと金」
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