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「スティーヴン・キング作品のベスト3を紹介!」
『ドクター・スリープ』っていうのは、さっき言ったその『シャイニング』の話の続編。
それでありながら、前の『シャイニング』を救済するような構造っていうのを、ちゃんと持ってる。
キングって、僕は正直に言って『イット』からこっち、いわゆる僕が一番 好きなスティーヴン・キングって、『呪われた町』と『ペット・セマタリー』と、あと『ファイアスターター』かな。
この3本なんです。
けども、それ以降のキングっていうのは『クージョ』にしても『クリスティーン』にしても、面白いは面白いんだけども、「なんかなあ」っていうのがあってさ。
で、後期キングの『トミーノッカーズ』とか、あと『アンダー・ザ・ドーム』にしても、「どうかなぁ」って思ってたんですけども。
最近のキング。
特に、この『ドクター・スリープ』と、その前のケネディ暗殺を阻止しに行くタイムスリップの話っていうのがあって、これも上下2巻あって、タイムスリップとしては究極だと思う。
「人間が、時間を飛び越えて別の世界に行ったら、どんな感覚するのか」っていうのって、キングの文章力で書いたら すっごい面白いんですよね。
『ジョジョ』みたいと思うのは当たり前で、『バオー来訪者』っていうのは、ほとんど『ファイアスターター』のパクリですから、言っちゃっても大丈夫だと思う。
パクリというのは変ですよね。
『ファイアスターター』という上下2巻ある話っていうのを、ジャンプマンガの少年ヒーローマンガとしてすごく短く上手く収めたものとして僕は解釈してるんですね。
なのでキングは本当に、あらゆる創作を目指す者が読んどくべきものだと思うので、皆さん、読んでください。
そう、荒木先生自体もキングのファンだっていうことは認めてるし。
あと『ジョジョ』のマンガの中でも『ファイアスターター』っていうのは、どっかに書いてあったと思うんですよね。
なので本人は、はっきりリスペクトしてるっていうふうに言ってると思います。
翻訳で大丈夫です。
キングの翻訳は ものすごくレベル高いから、翻訳で読んでみてください。
さっきベスト3は何ですか? っていうふうに聞かれたので『呪われた町』。
『呪われた町』、すごいよ。
吸血鬼だよ。
吸血鬼って、今はもう『トワイライト・サーガ』とかで当たり前だと思ってるんだけども、スティーヴン・キングが『呪われた町』を書いた1970年代にドラキュラもの、吸血鬼ものを書くアメリカの作家なんか、本当に一人もいなかったんだよ。
書くとしたら現代もの、文芸ものか、もしくはウエスタンか、もしくはファンタジーものだったら、まだちょっとあったんだ。
けどもホラーで、それも手垢のついたドラキュラ。
それもコウモリに変身して日光に当たったら死んで、十字架を恐れるって古典的な吸血鬼っていうのを、キングはアメリカの田舎町に まるまる蘇らせることに成功したんですね。
プロットを聞いた時に本当にどの出版社も「それはないでしょう」というふうに言ったんだけども、読んだらみんなびっくりして争奪戦になったってぐらいすごい話。
『キャリー』の次に書いたのが それなんだけども。
『呪われた町』は本当に小説としての完成度はデビュー作に近いから、そんな高くないんだけども、面白さはもう抜群ですね。
『シャイニング』はもうキングの完成形ですね。
『ペット・セマタリー』はキングの恐怖の完成形かな。
『ファイアスターター』はね、アクションものとしてすごくいいので、『ファイアスターター』『ペット・セマタリー』『呪われた町』を読めばいいんじゃないでしょうか。
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