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「カリオストロ公国の秘密【2】“ご先祖様の秘宝はローマ遺跡などではなかった!”」
その最もわかりやすい説明としては「ご先祖さまが残したという秘められた財宝を手に入れるため」でしょう。
その財宝の正体が何だったかは、伯爵自身にも最期まで分からなかったんだけど、とりあえず「すごい お宝だ」ということだけは聞いていた。
そして、そのお宝をゲットするには両家を統一しなければいけないから、伯爵はクラリスとの結婚を望んでいる、というわけですね。
映画のラストを見たらおわかりの通り、カリオストロ伯爵すらも最後まで知らなかった宝の正体とは “ローマ遺跡” だったということになっています。
ちょっと横長の絵になっちゃうんですけども、これが映画の最後、上カリオストロである大公家の前の湖から出てきたローマ遺跡というシーンなんですけど。
実は、ここで描かれたローマ遺跡には、ある秘密が隠されているんです。
たぶん、この話を聞いて以降は、みなさんも『カリオストロの城』でこのシーンを見る度に「なるほど!」と思うことになりますよ。
さっきのルパンの説明に照らし合せると、「クラリスのご先祖様は、ローマ人が去っていった後の都市をよそ者の手から護るために1517年に湖に隠した」ということになるんですけど、それだと変なんですよ。
ここに描かれている建物は、屋根の上や柱の所々が金色に輝いています。
なぜかというと、大理石の上に黄金を貼っているからですね。
これとよく似た光景が『天空の城ラピュタ』でも描かれています。
ラピュタの中に兵隊がワーッと入って行く時に、興奮した兵隊たちが壁とか柱から金を剥がしていたシーンって覚えていますか?
あれは、金を剥がしてたんですよ。
昔の神殿建築の金色の部分というのは、金色の塗料を塗っているのではなく、薄い金を貼っていたんです。
だから、彼らは、ラピュタの壁面に貼り付けてあった金をバリバリ剥がして持ち去ろうとしたんです。
あれは、石の上に純金が貼り付けてあったからこそのシーンなんですね。
このローマ遺跡も、それと同じように描いてあります。
つまり、この金色の部分というのは、実際に本物の金が貼ってある状態なんです。
しかし、1517年頃に、この黄金都市の金が枯渇してしまった。
というのも、映画の最後、ルパンとクラリスが手を繋いで歩いていた場所では大理石が剥き出しになっているんですよ。
ローマの遺跡が現れた時の絵では、建物の上の方は金色に塗られていたのに、ルパンとクラリスが歩いた場所は、白い普通の大理石。
つまり、もう金が剥がされた後なんです。
なぜかというと、「既にカリオストロの黄金はなくなっている」ということを隠すためですね。
黄金都市の金がなくなった後のカリオストロは、こういった噂を根拠にして偽金貨の製造を始めたんです。
これが、カリオストロ家が2つに分かれた理由であって、この年号の秘密だったんですね。
「この都市を見られてしまったら、黄金が枯渇してしまったことがバレてしまう」ということこそが、カリオストロ家が最も隠したかった最大の秘密なんです。
はい、これが “岡田斗司夫史観” によるカリオストロ家の歴史です。
こういうのが、このアニメのすごい皮肉なところなんですよね。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/03/29
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「カリオストロ公国の秘密【2】“ご先祖様の秘宝はローマ遺跡などではなかった!”」
大公家を滅ぼしたはずの伯爵は、なぜもう一度、両家を統一する必要があったのか?
その最もわかりやすい説明としては「ご先祖さまが残したという秘められた財宝を手に入れるため」でしょう。
その財宝の正体が何だったかは、伯爵自身にも最期まで分からなかったんだけど、とりあえず「すごい お宝だ」ということだけは聞いていた。
そして、そのお宝をゲットするには両家を統一しなければいけないから、伯爵はクラリスとの結婚を望んでいる、というわけですね。
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じゃあ、その財宝とは何だったのか?
映画のラストを見たらおわかりの通り、カリオストロ伯爵すらも最後まで知らなかった宝の正体とは “ローマ遺跡” だったということになっています。
ちょっと横長の絵になっちゃうんですけども、これが映画の最後、上カリオストロである大公家の前の湖から出てきたローマ遺跡というシーンなんですけど。
実は、ここで描かれたローマ遺跡には、ある秘密が隠されているんです。
たぶん、この話を聞いて以降は、みなさんも『カリオストロの城』でこのシーンを見る度に「なるほど!」と思うことになりますよ。
ここで描かれるローマ遺跡は、ヨーロッパに残っている普通のローマ遺跡とはちょっと違うんですよ。
何が違うかというと、柱のてっぺんとか建物の屋根などが金色なんです。
何が違うかというと、柱のてっぺんとか建物の屋根などが金色なんです。
最初に結論を言っちゃうと、湖に沈んでいたこのローマの遺跡は、実は “黄金都市” だったんですよ。
ルパンは、それに気付かずに「ローマ人がこの地を追われる時、水門を築いて沈めたものを、あんたのご先祖様が密かに受け継いたんだ。まさに人類の宝ってヤツさ、俺のポケットには大きすぎらあ」なんて言うし、映画を見ていた僕らも、その言葉をすっかり信じちゃうんですけども。
このシーンは、実在するローマ遺跡とは明らかに違うものとして描いてあるんです。
このシーンは、実在するローマ遺跡とは明らかに違うものとして描いてあるんです。
・・・
これは、ローマ遺跡という隠れた宝を見つけるための鍵である、クラリスのはめている指輪です。
その一部分をクローズアップすると、ゴート文字で「光と影、再び1つとなりて蘇らん。1517年」という言葉が書いてありました。
ここで年号まで指定されているということは、「この1517年に何かがあったせいで、この遺跡を湖に埋めることにした」というわけですね。
では、その1517年に一体 何があったのか?
さっきのルパンの説明に照らし合せると、「クラリスのご先祖様は、ローマ人が去っていった後の都市をよそ者の手から護るために1517年に湖に隠した」ということになるんですけど、それだと変なんですよ。
というのも、1517年というのは、実は “ルネッサンスの世紀” と呼ばれるような、ヨーロッパ中でギリシャ・ローマの文化の再評価が最も盛んだった時期なんです。
その150年前だったら、隠しておかなければ蛮族に襲われて破壊されただろうし、理由もわかる。
その50年後だったら、スペイン王のカール5世というヤツが “ローマ劫略(ごうりゃく)” という宗教戦争を起こして、ローマの遺跡を壊しまくるというエゲツないことをやっていたので、隠さなければならないのもわかる。
その50年後だったら、スペイン王のカール5世というヤツが “ローマ劫略(ごうりゃく)” という宗教戦争を起こして、ローマの遺跡を壊しまくるというエゲツないことをやっていたので、隠さなければならないのもわかる。
でも、宮崎さんがわざわざ指定した、この1517年という時代は「ローマ遺跡というのは素晴らしいものだ!」と、しきりに言われていた時代なんですよ。
そんな時期に、クラリスのご先祖様がローマ遺跡を隠す理由は全くないんです。
そんな時期に、クラリスのご先祖様がローマ遺跡を隠す理由は全くないんです。
・・・
もう一度、ローマ遺跡の絵に戻ります。
ここに描かれている建物は、屋根の上や柱の所々が金色に輝いています。
なぜかというと、大理石の上に黄金を貼っているからですね。
これとよく似た光景が『天空の城ラピュタ』でも描かれています。
ラピュタの中に兵隊がワーッと入って行く時に、興奮した兵隊たちが壁とか柱から金を剥がしていたシーンって覚えていますか?
あれは、金を剥がしてたんですよ。
昔の神殿建築の金色の部分というのは、金色の塗料を塗っているのではなく、薄い金を貼っていたんです。
だから、彼らは、ラピュタの壁面に貼り付けてあった金をバリバリ剥がして持ち去ろうとしたんです。
あれは、石の上に純金が貼り付けてあったからこそのシーンなんですね。
このローマ遺跡も、それと同じように描いてあります。
つまり、この金色の部分というのは、実際に本物の金が貼ってある状態なんです。
おそらく、上カリオストロ家というのは、この黄金都市に残された金を使って、自分達の金貨を作っていた。
これが、かつてカリオストロ家が繁栄した理由です。
これが、かつてカリオストロ家が繁栄した理由です。
しかし、1517年頃に、この黄金都市の金が枯渇してしまった。
というのも、映画の最後、ルパンとクラリスが手を繋いで歩いていた場所では大理石が剥き出しになっているんですよ。
ローマの遺跡が現れた時の絵では、建物の上の方は金色に塗られていたのに、ルパンとクラリスが歩いた場所は、白い普通の大理石。
つまり、もう金が剥がされた後なんです。
1517年頃に黄金都市に残された遺産を使い果たしてしまって、残っているのは屋根の上とか柱の上などの、剥がしにくい一部分だけになってしまった。
そこで、クラリスのご先祖様は、この遺跡を湖に沈めることにしたんです。
そこで、クラリスのご先祖様は、この遺跡を湖に沈めることにしたんです。
なぜかというと、「既にカリオストロの黄金はなくなっている」ということを隠すためですね。
かつてカリオストロが本物の金貨を発行していた頃、おそらく、限られた王族やカソリックの司祭などに、この黄金都市を見せていたんですよ。
そして、「カリオストロ家には無制限の黄金がある」とか、あるいは「無制限に黄金を作れるような錬金術がある」という噂が生まれていた。
そして、「カリオストロ家には無制限の黄金がある」とか、あるいは「無制限に黄金を作れるような錬金術がある」という噂が生まれていた。
黄金都市の金がなくなった後のカリオストロは、こういった噂を根拠にして偽金貨の製造を始めたんです。
・・・
1517年までは、カリオストロには、本当に大量の黄金があったので、それを元に本物の金貨を発行していた。
でも、それ以降は、金が枯渇してしまったので、偽金を作るようになっちゃった。
でも、それ以降は、金が枯渇してしまったので、偽金を作るようになっちゃった。
これが、カリオストロ家が2つに分かれた理由であって、この年号の秘密だったんですね。
「この都市を見られてしまったら、黄金が枯渇してしまったことがバレてしまう」ということこそが、カリオストロ家が最も隠したかった最大の秘密なんです。
以上のことを、わかりやすいようにまとめてみました(笑)。
はい、これが “岡田斗司夫史観” によるカリオストロ家の歴史です。
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カリオストロ家の歴史
中世~1516年 ローマ遺跡の黄金で繁栄
1517年 黄金が尽きてしまい、イメージダウンを防ぐため遺跡を沈める。
1517年~19世紀 偽金貨を発行
19世紀頃 偽金貨から偽紙幣へと事業シフト
1970年辺り 伯爵によって大公家が焼き討ちされる
1978年 ルパン事変によりカリオストロ大公家が復活
ーーー
これが、カリオストロ家だけを見た時の歴史年表ですね。
伯爵の目的の1つ目である “カリオストロ家の統一” の本当の目的については後で語りますけども。
2つ目の目的であった “ご先祖様が隠した秘密の財宝” の正体は、実は宝でもなんでもなく、「それまでカリオストロ家を支えていた黄金都市の金が枯渇した」という不都合な真実だったわけです。
ところが、それから400年が経った後にいざ出てきた黄金が剥がれ落ちたローマの遺跡は、人類にとって歴史的な遺産に変わっていた。
こういうのが、このアニメのすごい皮肉なところなんですよね。
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