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いじめられていた記憶を時々 思い出して辛くなります。
隣席の男子から机を離され、休み時間になると、男子が誰かを突き飛ばし、座っている私にぶつかると一様に「汚ねえ!」とはやし立て、英語の暗唱で皆の前に立てば大爆笑されました。
また勉学で見返そうという熱意もなく成績が良いわけでもありませんでした。
正直、もし自分がいじめの加害者なら、こういう子を狙ったであろうとすら思う人間でした。
世の中の壮絶ないじめに比べたら、自分の受けていることはいじめに入らないと考えていたからです。
また、部活には友人がおり、学校生活全てが辛いものではなかったからです。
しかし、時々あの頃のことを思い出すと、されたことへの悲しさと、本気で助けを求めなかった自分への情けなさで苦しくなります。
この苦しさとこの先どのように付き合うのがいいのでしょうか。
「アラームを解除しましょう」
あなたをいまだに苦しめる正体は、「またいつか、同じことが起きるかも」という無意識のアラーム音です。
無意識はまだ「非常事態宣言」を解いていないからです。
「思い出せ!油断するな!油断したらまた太っていじめられるぞ!」と毎晩アラーム音を鳴り響かせているんです。
あの頃、なぜ誰かに助けを求められなかったのか、あんなに弱かったのか、自分でもわからなくなっているほどです。
おまけに、今は大学生。「クラスの友達」だけが自分の世界という中学生ではありません。
これから社会に出れば「仲良くしなければいけないクラスの友達」すらいません。
どうか安心して、さっさとアラームを切っちゃってください。
「辛かったけど、もう同じ事は起きない」と自分に言い聞かせましょう。
つらい記憶の苦しさから逃れようとするあがき、それをクリエイターたちは「創作意欲」と呼びます。
あなたには「創作意欲」となる心の傷だけがあり、その解消方法としての「表現」が存在していません。
吐き出し場所さえ見つかれば、どんどん楽になるはずです。
いま、あなたの悩みは活字になり、今朝の朝日新聞に掲載されました。
この瞬間、全国で何百万という人が読んでいるでしょう。
どんな気分ですか?
ちょっとだけ「苦しい」がマシになってるでしょ?
あなたの「苦しみ」は、表現されて発表された瞬間、実は「快感」に変わっちゃうんです。
人に経験を話すのは、この応用です。
自分の苦しさを「表現への動機」として利用する。人に心を打ち明けるツールとして使ってみる。
でも人に伝えていれば、同じ痛みをもつ人の話を聞いてあげれば、少しずつ薄れていくでしょう。
そんなあなたを人はこう呼びます。
「あの人は、人の痛みがわかる人だ」と。
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ヤムアキ
マグネシウムのタツヤ(FREEex)