今回は『サピエンス全史』をとりあげるんですけども。
ここでは分かりやすく内容を伝えるために、かなり端折っていますし、あえて単純化して話します。
なので、僕の話を聞いて興味を持った方は、是非、現物を読んでみてくださいね。
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カズレーザーが『サピエンス全史』を紹介したときに「ネアンデルタールのあたりが一番面白い」と言ってたんですけども、それが分かるんですよ。
とにかく第一章のあたりがあまりに面白くて、サピエンス全史の第一章を読んで燃え尽きる人が凄く多いんですけどもですね(笑)。
まぁ、人類ホモ・○○がいっぱいいたって話ですね。
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まず、この本のタイトルが『サピエンス全史』となっていると。
これは、この本を読んでいない人には分からないんですけども、この本が『サピエンス全史』っていうのは何でかっていうと、我々が “ホモ・サピエンス”という種族だからなんですよ。
で、“人類”っていうのは、ホモ・サピエンス以外にも、ホモ・ネアンデルタールとか、ホモ・エレクトスとか、いっぱいいたんですね。
実は人類って、単体じゃないんですね。
いろんなホモ属がいっぱいいたんですけども、それらをまとめて “人類” っていうふうに、この本の中で呼んでいると。
で、もう死んじゃったハズの僕らのお爺さんとか兄弟、色々なホモ属というのを、それら含めて全部を人類って呼んでいて、今、唯一生き残っているのがホモ・サピエンスだけなんですね。
それで何で僕らが生き残ったのかっていうと、まぁまぁ嫌な話なんですけどもホモ・サピエンスの僕らが、他の人類のホモなんとかというのを、だいたい殺し尽くしちゃったから。
その動機と方法を探っていきましょうというのが、第一章です。
人によっては、まだネアンデルタール人とか、そういう過去の人類の祖先から進化して生まれたのがホモ・サピエンスだと思っている人が多いんです。
何が悪いのかっていうと、この絵が悪いんですね。
これは人類の進化の絵なんですけども、もう本当に教科書に載っている絵なんですよ。
これは50年前の教科書からずっと載ってるんですけれどもですね。
一番 最初にお猿さんがいて、猿人になって、アウストラロピテクスぐらいなんでしょうね。
で、ホモ・エレクトスで、ネアンデルタールで、人類ってなってるんで。
みんな、この順番で進化したと思っちゃうんですよね。
ただ実際はそうじゃなくて。
今、「ミッシングリンク」ってコメントがあったんですけども、ミッシングリンクっていうのも無いんですよ。
この、猿人ぐらいまでは合ってるんですよね。
このお猿さんみたいなのからホモ類、人類すべての祖先が生まれた。
そして右側のアウストラロピテクス、ホモ・エレクトス、ネアンデルタールなど、コイツらが一斉に誕生したんですよね。
ドーンと。
で、実はコイツらどころじゃないんですよ。
ものすごく たくさんの、いまだ発見されてないヤツを含めたら、まず身長1メートルぐらいのヤツから、おそらく身長2メートル50センチを超えているようなヤツまで。
人類って、ものすごい数の種類が同時多発的に地球上のいろんな場所で生まれてたんですね。
ま、いろんな場所っていっても、主にアフリカから中東あたりなんですけども。
それが出てきてたっていうのが、最近、この15年か20年ぐらい、いろんな証拠で分かりつつあると。
だから人類学っていうのは、この15年か20年でものすごく進歩しちゃったので、教科書にはまだそれが載りきってないんですよね。
だから、まだこの絵が残っちゃってると。
たとえば “犬” って種類の中に、セントバーナードからチワワまでいろんな犬種がいるように、人類にも凄く多様な人種がいたと。
いわば僕らホモ・サピエンスっていうのは、ドーベルマンなんですね。
で、ドーベルマンだったから、他のチワワからセントバーナードまでを全部殺し尽くしちゃって、「あぁ、犬はドーベルマンしか残ってないよ」っていう。
「我がドーベルマンが、唯一の “犬” である」って言ってるような状態だと思ってください。
で、他の人類を殺し尽くしちゃったのが、たった2万年前か、遅くても1万年ぐらい前なんですね。