professorさん のコメント
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/05/05
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今日は 【岡田斗司夫アーカイブ】 から選りすぐり 2015/09/06放送の『ニコ生ゼミ』
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───────────────────────────── 「 人口が10億人を超えている中国は、日本人の常識が通用しないSF的世界だ 」
橘怜の『中国私論』というのは、中国の特殊性というのは、すべて “数” で説明できるという考え方なんですね。 つまり、日本人が中国人を考えるときに、なんで極端に悪いものを考えてしまったりするのか。 または1960年代から70年代によくあったように、日本人も毛沢東思想みたいなものに少しかぶれてしまって、「中国というのは、この世の天国」とか、もしくは「中国人というのは4千年の知恵があって、すごい底抜けに いい人」と考えてしまうのか。 なんでそんな誤解が生じるのかというと、日本人が中国を理解できないのは、中国人の数の多さっていうのを前提に考えていないからだという。 そんな、ちょっと これまで読んだ事のない視点だったんですよ。
(中略)
そのための補助線というのが、『重力の使命』っていうSF小説です。 これはハル・クレメントという人が1950年代くらいに書いた小説なんですけども、地球の600倍の重力の惑星があるんですね。 惑星メスクリンというところ、そこの原住生物が、じつは知性を持ってるというのがわかって、地球人と交流するという話なんですね。
主人公は、メスクリンの生物で貿易をやって ひと儲けしてやろうという、地球重力600倍の世界で生きてるやつで、なんせ600倍のところですから、あらゆる常識が違う。 たとえば人間にとって何かを渡るというのは、決心するってことなんですけども、メスクリン人は、決心ということができない。 なんでかっていうと、重力が600倍ですから、段差がほんのちょっとでもあったら、その段差で死んじゃうんですね。 なので、メスクリン人は “何かを決断する” ということは自殺行為だと思ってるから、決心とか決断することに関して、大変 否定的なものをもってると。
極端な条件を設定したら、そこで生まれる民族とか人種というのは、まったく違う考え方を持ってるんですね。 こういうのが、僕がSFの好きなところでですね。
極端な、たとえば地球より時間の流れが速い星では、そこの人間たちはどんな美意識をもって、どんな理性的な生活をしていて、どんな宗教観をもつのかっていう。 僕らは比較的 温暖で、人間が生きていくのが当たり前なところで暮らしている日本人なんですけども、ちょっと砂漠とかの環境になってくると、いきなりユダヤ人みたいな考えになるところもあれば、アフリカのマサイ族のようになると。
ちょっと条件設定が変わるだけで、民族的な常識とか良識っていうのが変わるのは当たり前。
グローバリズムっていうのは、これらを無理やり、とにかく人間なんだから、分かりあえる世界っていうのを一定にして、西洋アメリカ中心かもわからないけども、ここらへんで一回、話し合える共通語みたいな言葉としての英語があるとしたら、同様に常識、良識っていうのも地球中で一体化させようよっていうのがグローバリズムの考え方なんですね。
(中略)
で、中国はですね、実は惑星メスクリンなんですね。 重力が500倍なのと同じく、人口が10億人を超えている国なんです。 僕たちは「人口が10億といっても日本人も狭い国土に1億人いるから似たようなものじゃないか」とか、「俺ら狭いところに1億人いるよ」とか、で、「あいつら、めっちゃくちゃデカいところに10億人いるから、そんなに変わんないよ」と思ってるんですけども、全然ちがう。
何が違うかというと、このへん、橘玲さんの受け売りなんですけども、中国はとんでもない競争社会だと。 とにかく、なにかをパクったほう勝ち。 勝ちというか、パクらないと生きていけないという競争社会。 なんで中国人というのはパクるのかっていうと、別にあれは「日本人も昔、パクってたよ」という問題と全く違うと。 成功者が現れたり、たとえば携帯電話とかが出てきたら、一瞬でも早 くパクって安く売ってやらないと生きていけないからやるのであって、それくらい10億人の競争って激しいと。
たとえば、村の中で若者が10人とか20人しかいなかったら、絶対そいつら、仲がいいわけですね。
ところが、それが、1000人10000人になってくると、当たり前だけど、競争とかもどんどん激しくなってくるんですね。 それが1000人になってきて、その村では養えないくらいの、つまり全員が食えないことがわかってしまうと、競争社会というのは、より苛酷になると。 じつは中国の人口というのは中国が食わせられる人口というのを、ひょっとしたら、もう超えているかもしれないというくらい人口が多いんですね。 そういうふうな、超競争社会であるということ。
もう一つはですね、「徹底的に政府を信用していない国家である」ということが中国の課題。
これはほかの本でもよく書いてるんですけども、日本人はなんだかんだいっても政府を信用してるんですね。 それは自分たちの代表だからですね。
ところが中国人は、べつに自分たちの代表で政府や共産党がいるわけでもなんでもないんですね。 その結果、政府が言ったことは守る義理がない。 どちらかと言うと、「政府が何を言おうと、私たちは自分自身で生き抜いていかなきゃいけない」というのが三国志の時代から延々続いていて。 なんか基本的に政府というのは、人民に対してえげつないことを言って来たり、「戦争に行って死ね」って言って来たり、いろんなことを言ってくる。 だけども、「それは建前として聞くんだけども、我々は生きていく方法を独自で模索するよ」というのが中国人の考え方なんです。
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