KKさん のコメント
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/06/29
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今回は、ニコ生ゼミ6月17日(#235)から、ハイライトをお届けいたします。
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───────────────────────────── 「 “オタク気質” を3つに分けると、岡田さんはどのような配分になりますか? 」
――――――
質問:
私は37歳、会社員、彼女いない歴=年齢のオタクの男性です。
『ファーストガンダム』と、『エヴァンゲリオン』と、『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』が好きです。
私はこれまでの人生で、自分のことをオタクである、オタク気質があると、漠然と思っていたのですが、最近、考えていることがありまして。
それは「オタク気質」というのは、いくつかの要素に分解できるのではないかということです。
私が認識しているのは以下の3要素です。
A・学者タイプ。
知的好奇心ドリブンで、いろいろなことを調べたおす。
また、すでにある物に対してもそのまま受け入れようとせず、思考することができ、自分なりに仮説をたてたり、よりベター、ベストな案を提示することができる。
B・承認欲求タイプ。
オタク気質で得た知識や思考力、特技などを、他人からの評価を得るための、自分への箔を付けのために利用する。 他人から認められたい。自らの承認欲求を満たすためにコンテンツを利用する。
C・依存タイプ。
他人の作ったコンテンツに没入する。 すでにある物に対し、無批判に受け入れる。「白馬に乗った王子様」から、覚めない魔法をかけられたい、洗脳されたい。
現実社会の自らのツライ現実から目を背けるために、コンテンツを利用する。
実際には、この3つが混在しており、シチュエーションによっても変化するのではないかと考えています。
私自身の認識としては、コンテンツに依存し易いと思っており、割合にすると、「A:20%, B35:%, C: 45%」くらいかなと思っています。
また、私としては、オタクとしての人生を全うするにあたっては、B、Cは邪道であり、「純粋な探究心(Aタイプの気質)が弱い自分はダメだ」と考えてしまいます。
さて、ここで質問なのですが。
1. 岡田先生は、御自分のなかで、A、B、Cの割合はどのように認識されていますか?
2. また、BやCの気質を克服して、Aの気質を伸ばすには、どのように考え、行動したら良いと思われますか?
――――――
ということで、ちょっとわかりにくいので、図解してみました。
オタクの気質に関する、彼の仮説です。
こういうことを考える時には、彼の言う通りの仮説を まずは一応、全部 受け入れて話を進めることが重要ですから。
「このような気質に分解できるとして、どうなるか?」ですね。
まずは、Aの “学者タイプ” ですね。全て知的好奇心で動いて、いろんなことを調べようとする。 すでにあることを受け入れるのではなくて、自分で仮説をたてる。
次に、Bの “承認欲求タイプ” 。 オタクで得た知識や思考力、特技を他人からの評価や、箔をつけたいために利用する。
そして、Cの “依存タイプ” 。 他人が創ったコンテツに没入する。
で、相談してきたこの方は、ここに書いてる通り、「A20,B35,C45」という割合だそうです。
・・・
じゃあ、みなさんの場合はどうなんでしょうね? この放送を今見てる人は、3つの割合はどういうふうになりますか?
それぞれ、自分が考える割合を、合計100になるように、ちょっと書いてみましょうか。
「50,50,0」(コメント)
おお、スゲエな。
「70,25,5」(コメント)
「30,70,0」(コメント)
ほお、Cがわりと少ないのか。
「0,0,100」(コメント)
かと思うと、完全な依存型もいますね。
「30,10,60」(コメント)
「70,30,0」(コメント)
「10,10,80」(コメント)
「5,5,90」(コメント)
「Bのみ100」(コメント)
「80,10,10」(コメント)
はいはい、ありがとうございます。
・・・
この人は、「BやCが多いのはあんまりよくなくて、Aが多い方が良い。どうすればもっとAが多くなれるでしょうか?」と聞いているんですけども。
僕自身、「岡田斗司夫はこうだよ」というふうにやってみたのが、これです。
「C90%、A9%、B1%」ぐらいなんですよ。
まあね、たぶん、ほとんど時間つぶしとか現実逃避とかのために、アニメとか漫画とかそういうのをダラダラと見てるんですけども。
その中に、大体10個に1個くらい「あれ? ちょっとこれ、面白いんじゃねえの?」とか、「ちょっとこれを調べてみよう」というのがあるんですよ。
その10個に1個の中の、さらに10個に1個くらいが、ニコ生で話すネタになるような感じなんですよね。
つまり、「いつも読んでたり見ているものの中で、100個に1個くらいネタになればいいな」というのが、僕のリアルな感じなんですけどね。
というか、「10個インプットしたものの中から、2個も3個も使える」なんて、そんな大儲けなことはありはしないんですよ。
膨大に無駄なものを見たりしている中で… …いや、「無駄なもの」って言い方は変なんですけど。
だって、僕なんか、今、もう15年も前に読んだSF小説をもう1回読んで浸っているんですよ? 15年も前に読んだ『銀河の荒鷲シーフォート』シリーズっていう、なんかもう腐女子のみなさんが喜びそうな表紙がついている、面白いんだけど、どうでもいいようなSFのシリーズなんですけど。
それを読んでる時っていうのは「うん、俺、これが好きだったわ。主人公のこういうとこ好きだわ」ということで、全く勉強にならないんです。
今、ここでこうやって話している時ですら、ネタにするために話してるだけであって、おそらく将来に渡って、僕はここで「『銀河の荒鷲シーフォートシリーズ』はこういう作品です!」みたいにフリップにして語ることなんて、まず 無いんですよ(笑)。
つまり、承認欲求の役には立たないし、知的好奇心が刺激されるわけでもないような作品なんです。 でも、読んでる間は至福なんですよ。
そういう楽しい時間が膨大にあって、その山のようなものの中から、「ちょっとこれ、勉強になるな」っていうのが、本当にたまにあって、その中から「ああ、ニコ生で話せるようなネタになるな」というのが100個に1個くらい出てくる。
僕としては、これがリアルなんですよね。
・・・
これ、ビジネスマンの用語でいうと、Aというのが “インプット” 、Bが “アウトプット” にあたると思うんですよ。
でも、大事なのは、Cの、逃避というか “膨大な準備” だと思うんです。
「逃避のため」と思いながらひたすら漫画とかを読んでると、徐々に気になることができてきて、漫画を読む合間に調べたりする。これで僕はいいと思うんです。
なので、相談してきた37歳の彼女いない歴=年齢の方は、あんまり「B、Cがいけなくて、Aを増やすことが正しいことだ」というふうに考えない方がいいと思うんですよね。
僕みたいに、Bの承認欲求みたいなものを職業にしているような特殊な人間ですら、こんなもんなんですよ。 だから、Cがほとんどで構わないと思うんですけども。
これ、グルメで考えると、Aというのは、たとえば「料理の源流を探ったり、その料理を作ってみたり、改良したりすること」だと思うんですね。
Bというのは「美味しいものを語ったり、食べログで採点したりすること」だと思います。
で、Cはただ単に「ストレス解消のために美味しいものを食べたりすること。 食べたら食べたで美味しかったで終わりだと思うんですけども。
そう考えたら、これくらいで十分でしょ? どんなに食べ物が好きな人でも、グルメな人でも、食べるものの9割は、ただ単に栄養補給であったり、ストレス解消であったり、「美味しいから」という理由だけで十分なんですよ。 その内の10個に1つくらい、「あれ? 何だろう?」という気付きみたいなものがあればよくて、更にその中の10分の1くらいが、自分で自分の家の台所で再現してみたり、その上にレシピをかぶせて改良するのでいいと思うんですけども。
・・・
すみません、ここからはお便り出してくれた方には申し訳ないけど。
37歳くんの踏み外したポイントというのはどこかというと。「オタクは以下のA,B,Cの3つの要素でできている」というところまではOKなんですよ。 まあ、反論もあるかもわからないけども、この仮説自体はOKです。
でも、その上に「この3つの要素の中で1つだけが大事だ」というふうに考えてしまったところ。 これは仮説じゃなくて “価値判断” なんですよ。
仮説と価値判断は別なんですね。 何かの仮説を立てる時というのは、価値判断を入れずに立てた方がいいんです。
「3つの要素に分解することができる」という時点では、価値判断を含んでない。
たとえば「狼はネズミを食べる。ネズミは穀物を食べる。こういう食物連鎖がある」というのは、仮説なんですね。 だけど「狼はネズミを食べてしまうから邪悪だ」という価値判断を入れちゃうと、いきなりおかしくなっちゃうんですよ。 「食物連鎖の中では、等しくポジションがあって、価値がある」というのが、学術的な考えの基礎になるものなんです。
仮説を立てる時に、そこに価値判断として「だから、3つのタイプがあって、もっとAを増やさなきゃいけない。BとかCは邪道である」というふうに思っちゃうと、自分が立てた仮説を宗教化することになっちゃうので、それはあんまりやらない方がいいと思います。
これは本当に、かなり頭がよくて、考えることに慣れている人でも、よく陥りがちなパターンですから、それだけは覚えておいてくださればいいと思います。
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その為Bは承認してくれる相手が居なくて成立しなくなる
仕方が無いでのCに辿り着くとかそんな感じ
最終的にCで納得いかない所を自分で作り出すのかもしれない
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