no.20さん のコメント
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/07/14
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今日は 【岡田斗司夫アーカイブ】 から選りすぐり 2016/01/17放送の『ニコ生ゼミ』
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───────────────────────────── 「 なぜ、アメリカから銃がなくならないの? 」
「なぜ、アメリカで銃がなくならないのか?」という問題ですね。
オバマ大統領は1月1日のビデオ演説で涙を流して「アメリカで銃規制法案をやらしてくれ!」と言ったそうなんです。
でも、これが日本で報道されるときは「アメリカは銃社会だから」とか、もしくは「銃を手放さないからだ!」とか「全米ライフル協会が!」というような報道のされ方をするんですけども。
僕は、もっと本質的なモノがあると思ってるんですね。
ちょっとFacebookに書いたんですけども、「国家に武力で対抗する権利」っていうのを彼らアメリカ国民は持ってるんですね。
で、これが憲法に書いてあるのが面白くて。
まずアメリカは多層的な暴力装置を持っていると。
あんまり普段は聞きなれない言葉ですね、「多層的な暴力装置」っていうのは。
日本では暴力装置が二つあります。
一つは「軍隊」ですね。
もう一つは「警察」なんですよ。
で、警察っていうのは行政で、軍隊っていうのは国家に雇われてるんで、ちょっと所属が違う。 ま、ちょっとしか違わないんだけど。 言っちゃえば、両方とも国に雇われてるから、これは実は危険なんですね。
アメリカでは警察だけでなくって、民間から選ばれてる「保安官」というのがある。
その保安官っていう制度があるから、国家に雇われている警察。
本当はその警察も都市に雇われていたりするワケですね。
だからニューヨーク・ポリス・デパートメントっていうのは、ニューヨーク市の予算で運用されてたりもするんだけども。
日本の場合、警察っていうのは都市に所属してるのか、たとえば島根県警っていうのが島根県に所属してるのか、もしくは警視庁っていう国家組織に所属してるのか、ちょっと分かりにくい所があります。
で、それと国家に雇われている、国家から金が出ている「軍隊」というのがあると。
「この暴力装置が2つしかないので、日本は危険だ」って考え方もあるんですね。
何で危険なのかっていうと、国家が僕たちのイヤな存在になったとき、つまり「国民に対してイヤなものになったときに、いつでも市民が国家を武力でひっくり返す権利を持っているべきだ!」というのがアメリカ人の平均的な考え方ではないけど、アメリカの建国思想なんですね。
これが「自警団思想」ってヤツですね。
前回から僕が時々話してる『バットマン』とかもそうなんですけども。
まず国家で裁けない、法で裁けない存在は民間で裁くと。
これ、かなり危険は危険なんだけど、アメリカ人が絶対に持ってる感覚なんですね。
で、国とか都市が自分に反した場合、自分はおとなしくなるのかっていうと、そうじゃない。 自分一人でも正義の為に、もしくは家族を守る為に戦うという権利をいつも持っていたい国民なんですよ。
だからこそ、『バットマン』みたいなモノがあるんですね。
なんで日本で『バットマン』とかスーパーヒーロー物がないのか。
昔は『水戸黄門』であったり、今だったら刑事でちょっとはぐれ者っていう。
これが日本人の感性で、暴力装置っていうのを常に「お上」の物にしちゃうんですね。
ところがアメリカ人は、暴力装置っていうのを、常に民間の側に持ってないと安心できない。
パワーが拮抗していないと、嫌なんですよ。
アメリカの軍隊の総力を挙げてだったら分かんないんだけども、いわゆる地方軍くらいだったら、民間の兵器、武力、暴力をすべて集めれば対抗できるようにしておかないと、いつでもまた革命が起こせないわけですよね。
そうやってアメリカというのは、イギリスに対して革命を起こして勝った国だから。 アメリカ人のすべての州というか、すべての街っていうのは、基本的にいえば、「武力によってアメリカ政府から独立を保てるようにしておきたい」 というバランス感覚がある。 まぁ、極端な言い方をしていますけどね。
これがその、アメリカから銃がなくならない理由のもう一つなんですけども。 日本人の僕らとしては政府が良い人であれば、べつに暴力装置を民間が持つ必要がない。
民間が そういう暴力装置を持てば、犯罪が増えるというふうに思っちゃうんですね。
思っちゃうというか、その通りなんですね。
アメリカは、もう これは隠しようがなく、僕が何と言おうと、刀狩をしなかったから、銃規制をしなかったから、いやんなるくらい暴力があふれているし、いやんなるくらい差別もあるし、いやんなるくらい暴力的な国なんですけども。 その代わり、市民の一人一人が反政府思想というのを持ったうえで武装できる権利というのを保証しているんですね。
どっちが、好きなのかって言われると、僕も悩むとこなんですよ。
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