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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/03/19
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今回は、ニコ生ゼミ03月10日(#272)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【庵野監督の『シン・ウルトラマン』ってホントなの!? 1 】 岡田斗司夫が “妄想” で答えます


 ええと、この話題は今日話しても、もう何日か後には全部ダメになっちゃうかもわからないんですけども、事実かどうかわからないですけど、ニュースにはなったので取り上げます。

 ネタ元はBIGLOBEのニュースですね。

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 庵野秀明監督で「シン・ウルトラマン」製作の噂広がる 円谷プロ「当社が発表したものではない」

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 というニュースです。
 BIGLOBEのニュース記事を細かく読んでいきます。

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 庵野秀明監督が映画「シン・ウルトラマン」の製作に着手するという噂が広まっている。

 ウルトラマンシリーズを手がける円谷プロダクションに確認したところ、同社は「当社が発表したものではない」とコメントした。


 情報が広まったきっかけは、日刊大衆が「庵野秀明まさかの『シン・ウルトラマン』始動!『エヴァンゲリオン』最終作は先送り?」との記事を掲載したこと。

 芸能プロ関係者の話として、映画「シン・ゴジラ」で大ヒットを記録した庵野秀明監督が今冬、「ウルトラマン」を題材にした「シン・ウルトラマン」の撮影を開始すると伝えた。

 これにより、2020年に公開予定の庵野秀明監督作品「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開がさらに遅れる可能性があるとのこと。

 また、主演に岡田准一、ヒロインに土屋太鳳の名前が挙がっていると、キャストにまで踏み込んだ内容となっている。


 庵野秀明監督といえば、自主制作映画で自らウルトラマンを演じたことがあるほどのウルトラマンファン。

 そのため「シン・ウルトラマン」製作の噂を信じる人も多く、「楽しみすぎる」といった期待の声が上がっている。

 しかし、一方では「やるとしてもエヴァを終わらせてからだろう」と「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開延期を心配する声も寄せられ、波紋が広がっている。


 庵野秀明監督による「シン・ウルトラマン」について、円谷プロダクションに確認したところ、「当社が発表したものではない」との回答。
 
 確認なく書かれた記事だとして、「当社としては特にお話することはありません」とコメントした。

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 というわけで、今の所、僕もこの噂は信じてないんですね。

 そもそも、大本の話が “日刊大衆” ですからね。

 どんなニュースソースなのか、よくわからないんですけども。

・・・

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岡田:
 タオルくん、どう?

タオルくん:
 でも、いかにもありそうな話だと思わない? 円谷プロは、否定してないでしょ? 「当社は何も言ってない」と言ってるだけで。

岡田:
 そうなんだよね。あのね、そこは “読みどころ” なんだよ。
 タオルくん、ちょっと落ち着こう。

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 ええとね、『シン・エヴァンゲリオン』の公開予定というのは、2020年の春。

 ということは、製作自体は今年2019の末までには終わるはずなんですよ。

 もしそういう予定ならば、「今年の冬」というのについても、来年の1月2月にクランクインということになれば、一応「『シン・ウルトラマン』は今年の冬から製作開始」ということになるわけですね。

 スケジュール的に考えれば不可能じゃない。

 というか、「数年前からそういう約束で動いていた」という可能性もゼロじゃないとも考えられる。

 なぜかというと、円谷プロには円谷で、苦しい事情があるからです。

・・・

 今年の1月18日、中国製のウルトラマン映画が公開されました。

 この中国製のウルトラマン映画は実は第2弾で、第1弾は2017年7月に公開済み。

 もちろん、円谷プロはこれに抗議して、裁判になっているんだけども、未だ係争中。

 これに関しては、僕よりもずっと詳しくて知識のある高橋信之さんという方が、Facebookで2018年3月17日に解説しているので、興味がある人は高橋信之さんのFacebookページの2018年3月17日の記事を見てください。

 一応、まとめたものを読みます。

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 実は中国でのウルトラマンのリメイクは、合法です。

 中国やアジアの多くの国々では著作権法が定めた映像著作権の権利の保護期間は「公開後五十年」です。

 また団体名義で発表されたり、職務著作物として創作されキャラクターの美術著作権も公開後五十年です。

 初代『ウルトラマン』のテレビ放送は、1966年7月17日~1967年の4月9日(日本)なので、2017年4月9日をもって満五十年を経て、翌2018年1月1日からパブリック・ドメインになりました。


 この中国のスタジオが「許諾を買った」とされているのは、タイのチャイヨースタジオから著作権を買ったとされている(株)ユーエムという会社ではないかと思います。

 この法廷論争では、日本の司法はタイのチャイヨーの著作権保有を認め、タイの司法は日本の円谷プロの著作権保有を認めるというクロスアドミットな状況になってしまいました。

 その隙を縫って中国での製作を仕掛けたわけですね。

 ディズニーにしてもMGMやユニバーサルにしても、著作権保護期限切れのパブリックドメインDVDは止められないので……

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 たとえば『ファンタジア』とかもディズニーの作品なんですけど、あれは今、500円で売ってますよね。

 これもパブリック・ドメインになっちゃったからです。

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 ……止められないので、おそらく中国での過去タイトルのリリース、リメイクについては止められないと思います。

 このあたりの流れを説明できないのであれば、いたずらに「中国は悪い国」と煽るのは、本質を見誤るデマゴーグになると思うンですね。

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 この「中国を悪い国だと煽る」については、NHKの報道であったんですけども。

 こういうふうに高橋さんは書いてます。

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 ただし、アメリカ製や日本製のコンテンツが「ビジネス」においてまったく守られていないかというと、そんなことはありません。

 円谷プロもバンダイも日本や中国における「商標権」はしっかりと押さえているからです。

 玩具もDVDも正規のタイトルを使うためには、商標権所有者と許諾契約を結ばなければ「商標権侵害」に問われます。

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 ということで、これは高橋さん自身が、かなりの知識をお持ちの方である上に、実際に業務をされているので、しっかりした意見だと思います。

 今、話したところまでが高橋さんの意見。なので、詳しく知りたい人はさっきも言った通り、高橋さんのFacebookを見てください。


 以上、ちょっと複雑になったので整理してみます。

 中国で勝手に『ウルトラマン』が作られている。

 それに対して、日本の円谷プロは訴訟しているんだけど、どうにも見通しがつかない。

 『ポケモン』や『ガンダム』みたいにアメリカで実写化したいんだけど、これも、どうなるかわからない。

 というところが、実情だと思います。

・・・

 ここからは、岡田斗司夫の妄想です。

 「じゃあ、いっその事『ウルトラマン』というコンテンツを仕切り直したらどうだろう?」というふうに円谷は考えたんじゃないかな?


 『シン・ゴジラ』によってゴジラ人気が復活したように、庵野秀明に『シン・ウルトラマン』として作って貰う。

 そしたら、もう一度、円谷プロの版権100%として仕切り直しが出来て、視聴できる作品が作られる。

 以後の『ウルトラマン』は、全てこの『シン』のシリーズとして継続したら、国際的な版権問題も、以後の作品に関しては、一応、解決できる。


 ついでに、これは庵野秀明のいる “カラー” という会社にとってもおいしい話。

 なぜかというと『シン・ゴジラ』を作って、いくらヒットしたからといって、『シン・ゴジラ』というのは東宝の版権100%の作品だから、権利的にはカラーにとってはおいしくないんですね。
 
 いくら「庵野秀明監督作品」と言っても、その『シン・ゴジラ』の続編の権利も、商標化権も、商品化権も、全て東宝側がハンドルしているものに過ぎないんです。

 でも、この状況で、円谷プロで『シン・ウルトラマン』が作られるんだったら、カラーの権利も0にはならないだろう。

 というか、交渉の余地が十分あるんじゃないのか?

 なので、『シン・エヴァンゲリオン』で、どうせ予算を山程使って、いわゆる高畑勲の作品が終わった後のジブリ状態になってるであろうカラーが、ちょっとこう「権利的にラクの出来る『シン・ウルトラマン』に着手しよう」と話し合ってたということは、あながち、ない話ではないな、というふうに思いました。


 では、なんでこんな話が表に出たのか?

 こういう話は、普通は秘密裏に進むはずなんですけど。

 カラーの作る『シン・エヴァンゲリオン』の完結編は、本当に年内に完成するのかどうかわからない。


 ……これ、別に僕がそういう情報を持っているわけではないんですよ。

 “いつものこと” として「本当に完成するのかな?」というふうに思っているというだけのことです。

 しかし、もし今年の冬に『シン・ウルトラマン』を作り始める気があるならば、もちろん、主演俳優のスケジュール、さっき名前が出ていた岡田ナントカにしても土屋ナントカにしても、スケジュールはもう押さえているはずで、これはもう絶対に動かせるはずがないんですね。

 そんな「じゃあ、どうするのか?」という状況の中で、「カラーさん、『シンエヴァ』はもう、延期してください! 『シン・ウルトラマン』は延ばせないんですよ!」というふうなことで、誰かが勇み足で情報をリークしちゃったんだと思うんですけどもね。

 ただ、ここまでは僕の完全な妄想です。

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