岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/07/24

 今日は、2019/07/07配信の岡田斗司夫ゼミ「新スパイダーマン+都市伝説「NASAとLINEの陰謀」&70年代トラウマ・マンガ〜今夜のゼミは甘辛ミックス!」からハイライトをお届けします。


 では、予告していた『スパイダーマン』の話をしましょう。
 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、見てきました。見てない人のためにネタバレなしで話をします。

 『エンドゲーム』で終わったと思ってた『アベンジャーズ』シリーズの、気の利いたエピローグという感じでした。
 残念ながら、ピーター・パーカーと、その友達の「太っちょで岡田斗司夫にクリソツ」と言われている彼(ネッド)は、年を取って身体が大きくなってしまったこともあって、あんまり可愛げがなかったんですよね。
 あの、『ホームカミング』の時は、2人ともメチャクチャ可愛かったんですけど、『ファー・フロム・ホーム』を見たら……なんか『ハリー・ポッター』の第3作目の映画を見た時のようで。「あれ? ハーマイオニーはまあ仕方ないとして、ロンまでこんなに可愛くなかったっけ?」という、あの感じがちょっと漂っていました(笑)。

 今回は嵐とか水を操る敵が出てきて、あとは謎のヒーロー、ミステリオというヤツが出てきます。ミステリオというのはトリックスターですね。
 今回は、新生スパイダーマン3部作の中間の作品となっていて。『ホームカミング』が第1作で、今回の『ファー・フロム・ホーム』が第2作。で、この第2作のラストでちょっとひと山あって、第3作への興味を繋ぐという、『スター・ウォーズ』でいう『帝国の逆襲』のような構造になっているんですけど。
 このミステリオというキャラクターは、原作でも登場するんですね。ヴィラン(悪役)ではないまでも、スパイダーマンを嫌っている、ジョナ・ジェイムソンという新聞社の社長さんです。
 『スパイダーマン』の世界にはデイリー・ビューグルという新聞社があって、主人公のピーター・パーカーは、その写真部で働いているんですけど。そのデイリー・ビューグルの社長のジョナ・ジェイムソンが、今回は出てきて「彼のでっち上げるフェイクニュースがスパイダーマンを落ち込ませる」という、原作にもある展開に、今後なっていくような感じになっています。

 映画全般としては、孤独で疎外感の強い、原作に近いスパイダーマンに徐々に近づいていますね。
 1作目を見た時は、友達にも恵まれて平和そうだったのに、2作目から3作目にかけては、ちょっと暗くなる感じを予感させます。

 今回は、そんなスパイダーマンに関する、お薦めの本を紹介します。

 まずは、『スパイダーマン大全』ですね。
(本を見せる)

nico_190707_01637.jpg【画像】スパイダーマン大全

 これ、すげえ高い本なんですよ。定価は3600円なんですけど、今、プレミアがついちゃって、Amazonでも5300円くらいするんですね。
 たぶん、放送が終わった頃には7000円か8000円くらいのプレミアついていると思います。

 これ、パラパラ見ているだけで楽しいです。
(中身を見せながら)

nico_190707_01710.jpg【画像】デイリー・ビューグル

 例えば、今、話したデイリー・ビューグル社のページでは、「デイリー・ビューグル社と社長」とか、「デイリー・ビューグル社の風景」というのが、こんなふうに載っています。
 だいたい、見開き1ページ単位で1つの話題が載っていて、『スパイダーマン』の世界が、図解風にわかりやすく解説されています。
 謎のヒーロー・ミステリオについても、こんな感じにドーンと見開きで紹介されています。

nico_190707_01730.jpg【画像】ミステリオ

 やっぱり、基本的にこの本、高いんだけど良い本だと思うので、まあ、6000円までだったら買ってもいいんじゃないかと思います。
 僕も、定価の3800円じゃなくて、しょうがないからAmazonで5000円くらいで買いました。

 で、「そこまで出せねえや」と言う人には、これは今、定価で売っている発売されたばかりの本、『ベスト・オブ・スパイダーマン』ですね。
(本を見せる)

nico_190707_01758.jpg【画像】ベスト・オブ・スパイダーマン

 これ、第1話から、最近の新しいエピソードに至るまでの8作品、8本の『スパイダーマン』のマンガがノーカットで載っているんですけど。

 この中に収録されている「スパイダーマンを集める少年」というエピソードは、ちょっと衝撃的で、感動があります。
 是非買って読んでください。

 最後にもう1冊。池上遼一が絵を描いた、月刊少年マガジンに連載されたマンガ版『スパイダーマン』ですね。
(本を見せる)

nico_190707_01834.jpg【画像】マンガ版『スパイダーマン』

 これ、面白いです。

 例えば、今回の悪役ミステリオも、こんな感じで、ドーンと出てきます。
(パネルを見せる)

nico_190707_01853.jpg【画像】マンガ版『スパイダーマン』のミステリオ

 「われわれ都民の味方、ミステリオ。今すぐスパイダーマンをやっつけてくれ!」というふうな感じで。

 まあ、原作の『スパイダーマン』は総天然色なんだけど、それとはちょっと変わったテイストです。
 いわゆる日本のヒーローモノとは違うし、あとは、映画の『スパイダーマン』とも違う。なんとも言えない「70年代の日本」という匂いのする作品。
 うーん、そうですね、『太陽にほえろ!』以前の刑事ドラマと言うんですか? 結局、そういう刑事ドラマって、わりと暗い話が多いんですけども。なんか、そういう話になっていて面白いです。

 この池上遼一版『スパイダーマン』は、あまりにも語ることが多いので、ちょっと後半、ゆっくり話したいと思います。
 これ、本当に面白いんですよ。

 池上遼一版の『スパイダーマン』は、たぶん、今の段階ではAmazonでも古本として安く手に入りますけども、今のところ、一番のお薦めは、この『ベスト・オブ・スパイダーマン』ですね。
 あんまりアメコミとかを見慣れてない人は戸惑うかもしれませんが。これ「1コマ1コマを読む」というアメコミの読み方なんですね。日本のマンガを読む場合とは、ペースが違うんですよ。
 1ページを5分から10分くらい掛けて眺めて「コマとコマの間を、映画を見ているような感じで自分の頭の中で動かすようなイメージで見ながら、決めのシーンだけをコマとして見る」という形で見てもらえると、楽しめるんじゃないかと思います。

 以上、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を見てきました。
 主人公と友達は、年を取って、あんまり可愛くなくなったのが残念なんですけど、それ以外はなかなか良い映画だったと思います。

「アメコミ、読んだことない」(コメント)

 そういう人、多いですよね。
 本当に、1回読んでみると、ハマって楽しいと思います。アメコミを読まない人のイメージの中のアメコミよりもレベルが高くて、ビックリしますよ。


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