岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/07/30
今日は、朝日新聞の「悩みのるつぼ」から相談文と岡田斗司夫の回答をお届けします。
<相談文>
50代女性です。数年前に夫と死別し、息子と娘がいます。
息子は昨年就職し、実家を離れて他県に赴任中。あと数年はそこで勤務する予定です。
その息子から「彼女が出来た」との報告があり、しばらくして相手が二回り以上も年上で離婚歴があり、成人した子供がいると判明しました。様々な事情から、離婚が成立したのは割と最近。息子とはその前後から付き合い始め、ひと月後には一緒に暮らすようになったそうです。相手が「早めに籍を入れたい」と言い出し、息子もその気になって、私に相手を紹介した次第です。二人は同じ職場です。
私はただただ驚き、相手の顔も見たくない気分でしたが、ともかく二人で訪ねて来ましたので、会いました。相手の話によると、相手のお子さん、そしてご両親も、息子とつき合っていることをとても喜んでいると言うのです。一緒にいられることが幸せ、子供が持てないことは二人で何度も話し合い乗り越えたと。
私は「入籍だけは絶対に絶対に認めない」と伝え、そのことは息子も相手も理解したと思ってはいます。しかし、二人は職場も住まいも一緒。本当は私が乗り込んで、息子を連れ戻したい気持ちですが、息子が自分で相手の矛盾に気づき、今後を冷静に見つめ、相手と別れることを祈る日々です。私はどうすればいいでしょうか。
<回答文>
現状が「情報戦」なら、今のあなたは完全な負け戦です。相手はあなたの情報をすべて持っている。なぜ反対するのか、相談する相手はいるかどうか、息子と彼女にはすべて知られています。対するあなたは何も持っていない。相手の親や子供たちの「賛成している」「喜んでいる」もすべて彼女通しの情報です。
こんな状態では、あなたは具体的に言い返せません。「こんなの非常識」「世間から見て」「将来を考えて」など当たり前の一般論でしか反対できない。対する相手は「誰にも迷惑はかけない」「親も子供も賛成してる」と個別に反論できてしまいます。
水掛け論に思えますが、これが続くといずれ息子は説得をやめ、黙って入籍することになるでしょう。現状の「情報戦での格差」「現状そのままの長期化」はあなたにとって一方的に不利なだけです。
まずは正確な状況を知ること。そのためには現状の「絶対に反対」という対応を切り替えるべきです。
「無理に反対はしたくない。だからもっと安心させて」と息子に言いましょう。
相手のご両親や子供たちに会いましょう。その時に絶対、「こんな年の離れた関係、非常識ですよね?」と問い詰めないこと。
「でも実は……」と向こうから打ち明けてくれるほどに信頼を得ましょう。
できればあなたの娘にも同席してもらうのが理想です。娘の方が、たぶんあなたより客観的で、息子と同世代の感性や考え方を提供してくれるでしょう。
あなたが妥協の姿勢を見せて「でも入籍だけはもう少し待って」と引き延ばせるだけ引き延ばすのが現状でのベスト戦略だと思います。あなたの想像通りに二人の関係が「非常識で矛盾がある」なら、長い時間をかければ必ず馬脚を現すでしょう。
ただし、これで別れさせても、次に息子が選ぶ女性も超年上の可能性があります。「二回り上の子持ち」を選ぶのは「そういうタイプが好き」だからです。これから息子が連れてくる相手すべてが「20〜30歳年上」「子持ち」ばっかりだとしたら、今の女性は「その中で最悪」でしょうか? 「そういうお相手の中では、まずまずの条件と性格」かもしれませんよ。
とにもかくにも、絶対拒否ではなく「情報を積極的に受け入れ」の姿勢をオススメします。その方が今回以降の「息子への余計な心配」も改善できると思います。
番組への質問
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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