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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「ガチのサイコパスに人生相談してみた」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「ガチのサイコパスに人生相談してみた」

2019-11-07 07:00

    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/11/07

     今日は、2019/10/20配信の岡田斗司夫ゼミ「驚異の2時間トーク!朝日新聞「悩みのるつぼ」卒業記念講演」からハイライトをお届けします。


     では、2つ目の事例に入ります。


    「好きと言われて苦しい」

    20代女性です。
    私は高校時代からの友人にずっと恋をしています。私が好意を伝えた今でも時々会って食事をしたり遊んだりしてくれるだけで幸せになりますし、その人が幸せな時は私も幸せです。
    先日、その人から恋人ができたと報告を受けました。その人が幸せを手に入れたことをうれしく思いました。私が幸せにできたらもっとうれしかったでしょう。でも、私はその人を好きな自分が好きなのです。
    話は変わるのですが、そんな自分勝手な私のことを好きだと言ってくれる人がいます。彼とは大学で出会いました。一緒に映画や買い物や食事に行きます。他の異性の友人ともそのような付き合い方をしていますから恋心は全くなく、彼も友人の一人だと思っていました。
    しかし彼は違ったようで、私が振り向くまで離れる気はないようです。私に好きになってもらえなければ生きる意味がないとまで言います。私は干渉されるのが好きではないため、そんな風にアピールを受けるたびに彼が面倒になります。私を苦しめないようにすると言いますが、正直苦しくて仕方ない。私は彼を嫌いたくはないのに。
    添い遂げられるわけでもない人を好きでいながら、そんなにも私を好きでいてくれる彼を愛せない自分はおかしいのでしょうか。彼を愛せるよう努力すべきなのでしょうか。


     という相談です。
     これも今年になってからの相談です。今回は比較的最近のやつばかりを選んでみました。

     じゃあ、今回もまた、この20代女性の相談したいことをまとめてみましょう。やっぱり、だいたいこの4段階になると思います。
    (ホワイトボードを指差して)

    nico_191020_03125.jpg
    【画像】相談2

     まず、「1. 高校時代の友人がいまだに好きな20代女性」。
     で、「2. その人に恋人が出来たけど、素直に祝福することが出来た」。
     ところが「3. 自分を好きだという男が現れた」。
     その男は、しつこくしつこく言い寄ってくるわけですね。その意味では自分と彼は同じ立場なわけです。彼女も、自分のことを好きではない昔の友人に「好きだ、好きだ」と言い続けて、その人に恋人が出来たんだけど「まあ、それでいい」と思っている、と。
     同じように、自分のことを好きだ好きだという男性がいるんだけど、なんか、その男性のことは気に食わないというか、その人に好きだ言われると、不安になって、ツラくなってくる。
     結果、「4. そんなに自分のことを好きだと言ってくれる彼を愛せない私は変なのか?」と。
     これが相談です。

     今回の講演への申し込みフォームには、岡田斗司夫へのメッセージ欄があって、皆さんに書いてもらったという話をさっきもしましたが、その中で一番多かったのが「どうやって回答を思いつくんですか?」というものだったんですね。
     「どうやって、こういう文章を書くのか?」ではなくて、「そもそも、回答を思いつく視点というのを、どうやって手に入れたのか?」ということなんですけど。

     まあまあ、手っ取り早く言っちゃうと、僕は「この相談者の彼女は同性愛者、レズビアンの人ではないか?」と思ったんですね。
     なぜかというと、人称代名詞が違う。この人は、すごく注意深く、自分が好きになった相手のことを「高校時代の友人」「その人」「恋人ができた」と書いている。
     もし、この人がレズビアンでなければ、「彼に彼女ができた」というふうに書くはずなんですよ。
     というのも、その次に自分を好きだという男の人を書く時には、人称代名詞がちゃんと「彼」なんですね。
     つまり、この人は「彼 / 彼女」という言葉と「その人」という用語を、文章内できちんと使い分けているんですよ。
     普通、こういう人称代名詞が混在する人、ゴチャゴチャになっちゃう人というのは、文章が下手な人が多いんですよね。
     ところが、この人は、大変クレバーな文章を書いている。言葉の使い方から、人称代名詞以外の日本語の使い方は、ほとんど完璧なんですよ。
     ということは、ここの部分に何か変なことがあると、僕は考えたんですけど。

    ・・・

     なんで、そういうことを最初からパッと思っちゃうかというと、僕、普通の人とはちょっと違う、いわゆる心の障害というのを持っているんですね。
     僕は、実は……まあ、別に診断を受けたわけじゃないんですけど。おそらくサイコパスという症状があるんですよ。
     サイコパスというのは何かと言うと、「反社会的人格」と言われます。
     反社会的人格。良心が異常に欠如している。他者に冷淡で共感しない。慢性的に平然と嘘をつく。行動に対する責任が全く取れない。罪悪感が皆無。自尊心が過大で自己中心的。口が達者で表面が魅力的(笑)。
     全てが当てはまるわけではないんですけども、自分でも「なるほどねー」って思うんです。
     この「なるほどねー」と思うところが、僕が思うにサイコパスなんですよ。というのも、普通の人は「こういうのがサイコパスで、反社会的人格だ」と、診断テストに書いてあって、自分がそれに半分以上当てはまってると思ったら、青ざめるんですね。青ざめたり、パニックになったり、否定しようとしたり、落ち込んだり、怒ったり、絶対にするんですよ。それが普通の人です。
     ところが、僕は「なるほどねー」って思うんですね。「ああ、それだったら色んなことが説明つくよね」って。僕は離婚しているんですけど、元奥さんに会った時に「俺ってサイコパスらしいよ?」って嬉しそうに言ったら「今、気がついたの?」って言われて。ちょっとそれはショックだったんですけど。「お前は、知ってたのか」と思って(笑)。
     「お前は反社会的人格だ」と言われて、別にヘコまないのはなぜかと言うと、「それは単なる分類に過ぎない」と思っているからですね。
     「自分の反社会的な性格が、役に立つか立たないか?」がポイントであって「お前は反社会的性格のおかげで迷惑をかけている」と言われたら、これには僕も落ち込むんですよ。でも、例えば、サイコパスの特徴の中にある「慢性的に平然と嘘をつく」というのは、もし小説家とかマンガ家が持っている能力だったらプラスに働くわけですね。社会に貢献するわけです。
     つまり、「その人が反社会的人格であるということと、その人が社会の役に立っているかどうかというのは、全く関係ない」と、一瞬で分けて考えられるんです。
     なので、さっきの、僕がちょっとディスり気味に話した50代の女の人に関しても、僕、何の感情も持ってないんですよ。まあ「ちょっとくらい反省してほしいな」とは思ってるんですけど。それは口だけであって、どちらかというと「今、上手くいってるし、占い師に聞いて上手くいったんだから、それで全然いいじゃん」と本気で思えるわけですね。
     それは、僕の中に、たぶん他人への共感というのが……ええとね、なんとか捻り出した共感というのが、あるにはあるんですけど、心底からの共感というのが、あんまりないからだと思います。
     今の流れで、自分がサイコパスとわかったらどうするのかと言うと。まあ、恥ずかしがったり、コンプレックス持ったり、他人に隠したりしても、誰も得しないんですよね。
     むしろ他人に言った方がいい。でないと、自分がサイコパスの性分を持っているおかげで、みんなに迷惑をかけるかもしれないし、「いや、岡田さん、あんたサイコパスだから、ここに気が付かないかもしれないけど、これは気をつけた方がいいよ」って言われたら、これは僕にもメリットがあるから、どちらかというと、どんどん言った方が良いんですね。
     「その結果、どう思われるのかは、それはもう、知ったこっちゃないよ」って、正直、思っちゃうんですよ。「自分がサイコパスであることにコンプレックスを持っても誰も得しないし、むしろ、それを利用して社会の得になることが出来たら、みんなお得だな」というふうに考えます。
     サイコパスは普通の仕事には向いてないと言われてまして、社会生活も失敗がちだそうです。刑務所に入る場合も多いです。
     しかし、運良くその性質と仕事が相性が合えば、まあ、なかなか成長するんですね。
     例えば、サイコパスの代表例と言われているのが、Appleの創業者のスティーブ・ジョブズです。
     彼は、学生時代から付き合っていた仲の良かったスタッフでも、たった1つミスをしただけでもクビにするような男で。同じく、学生時代から付き合ってた、自分の方から一生懸命、告白して付き合った彼女がいたんですけど、その彼女が妊娠した時には、絶対その子供を認知しようとせずに……自分でその子に名前までつけているんですよ? でも、1円も養育費を払おうとしなかったという、そういう男なんですね。
     織田信長と言う人も、残酷だけど信心深い。例えば、織田家の菩提寺という寺はすごい守るんですけど、比叡山は平気で焼き討ちするんですよ。つまり、織田信長の信心というのは、たぶん、自分の中でスパンと割り切れてるんですね。「自分を守ってくれる寺は大事だけど、比叡山は邪魔だから焼き討ち」っていう考え方なんですよ。
     豊臣秀吉は「人情に弱くですね、人懐っこい」と言われているんですけど、同時に、自分が年を取ってから生まれた子供捨丸の悪口を京都の壁に書かれた時は、犯人を見付けて首をのこぎり引きにしました。それくらい残酷なんですね。
     サイコパスというのは、わからない人が聞くと、なんか一方的に「残酷で、同情心がない。人情がない」と思うんですけど、違うんですよ。今の秀吉の例を聞いてわかる通りです。「バランスが狂ってる」んです。
     つまり、泣き落としで話されたり、人情に訴えかけられると、人一倍弱いんですよ。ところが、それをされない限り、どこまでも冷酷になれる。限度がないんですね。
     自分に直に人情で訴えられない限り、あまり心が動かない。ところが、訴えかけると、すごく泣いちゃう。だから、他人から見ると、近くにいる人間ほど混乱しちゃうんですね。
     その結果、「あの人は本当は人情に熱くて、いつもそれを隠しているんだ」と考える人もいれば、「そうじゃない。あいつは人情に熱いフリをしているけど、人情なんか1つもない冷徹な人間だ」と断じる人もいる。
     でも、僕はサイコパスだからわかるんですよ。そうじゃないんですね。おそらく、秀吉も、同情心とか共感が、自分の中から出てくる時と出てこない時のコントロールが出来ないんですね。溢れる時は200%出るんだけど、出ない時は人の10%も出ないという性格なんだと思います。
     これがサイコパスの本質です。

     僕は、さっきから言っているように、自分をサイコパスだと思うんですよ。
     両親が死んだ時も、すごくかわいがってくれた両親なんだけど、ほとんど感情が動かなかったんです。
     しかし、「両親は、あんなに自分を可愛がってくれたのに……」というふうに、例えば、奥に楽屋があるんですけど、あそこに入って、今から5分、自分に言い聞かせると、ボロボロと泣くことが出来るんですね。
     まあ「男優とか女優を信用したらいけないよ」というのは、彼らは、たぶん、こういう性質を持っているから泣けるんだと思います。自分の中の共感力というのを、ある程度はコントロール出来る。
     さっき「コントロールできない」と言ったのは、普通の人みたいなコントロールは出来ないんですけど、極端な100か0かのコントロールは、わりと簡単なんですよ。
     まあまあ、ここでようやっと話が戻るんですけども。
     講演のアンケートを見たら、僕に対して何か人格的な部分を期待している人が、時々いらっしゃるんですね。「あんな文章を書くから、優しい人だろう」とか。
     違うんですよ。新聞に掲載される文章を書く前の段階では、徹底的にエグく相手の心をえぐって、推理して。書く段階になってから「どうやったら伝わるかな?」と書いてみて、半日置いて「今から愛情を3割り振り掛けよう」と決意するんですね。「3割の愛情って、どれくらいかな?」と思って書くと、ちょうど相手のことを思いやってるような文章になるんですけど。
     こんなことを話しているのも、全て連載が終わったからですよね。今さらこれを話しても、僕に損はない。だから、話したいから話しているのであって、自分で20万円も払って、皆さんに見ていただいているわけなんですけど。
     なので、もう本当に、これ、真面目に申し訳ないんですよ。僕に対して人格的な部分を期待して来た人には。「温かい人柄が~」とか書いてくれる人もいるんですけど、それ、本当にないんですね。
     例えば、僕は、この相談者の報われない恋心みたいなものに、なんか全然「可哀相」とか「切ない」という気持ちになれないんですね。
     「ふーん。自分は高校時代の友人を好きな気持ちを大事にして、祝福している癖に、他人が自分を好きだと言ってきたら、やけに冷てえ女だな」って、正直思っちゃうんです。
     そこで「じゃあ、なんでこの人は、彼の気持ちにこんなに冷淡なんだろう?」って。
     そして「なんで、彼も、この人は自分に気がないとわかっているはずなのに、それでも諦めないんだろう?」と。
     相談にも「彼は諦めない」と書いているくらいだから、何回も何回もフラレて、それでも「好きだ、好きだ! 僕は待つよ!」と言ってるはずなんですよ。「なんで、彼は待てるんだろう?」と思ったんですね。
     そこで、頭の中でさっき言ったことが、カチャカチャと組み上がってきたんです。

    ・・・

     この相談者の人は、彼に「実は私は同性愛者で、女が好きだ」ということを言ってないんですよね。
     きっと「好きな人がいて、諦めきれないから」と言っているだけなんですよ。
     でも、「好きな男がいるのか?」と周りから聞かれた時には「好きな男はいない」と即座に答えるわけですね。
     なので、この男の人は「まだ自分にもチャンスがある!」って、つい思い込んじゃうわけなんですよ。
     だから、その情報を自分から開示さえすれば、自分からオープンに「いや、言いにくいんだけど、私、実はこういう恋愛傾向を持っている女なの。申し訳ないけど、男のあなたは好きになれないの」と言いさえすれば、この問題はとっくに解決するんですけど。
     そのことを言い出せないので、まるで、それを自分に言わせようにしている彼に対しての苛立ちが出て来ているんだと、カタカタと繋がってくるわけですね。

     このカタカタという繋がりが、皆さんが質問のところに書いてくれた「どうやって思いつくのか?」という質問に対する答えだと思うんですけど。
     これは、さっきまで説明していた通り、「それは、僕は人間的な部分というのをあまり持っていないサイコパスで、純粋に論理だけで探っていけるから」なんです。
     なので、この方法は、な皆さんにはなかなか取れないと思います。かなり生来的なものに寄るものですから。
     この人は何か隠したいことがあるのに、なんでそれを新聞でするんだろう? 新聞で相談しちゃうから、「その人」って書いたり「彼」って書いたりするような矛盾が出てきちゃうんだけど、何を隠したいんだろう? って。
     まるで「普通の人だったらこうするんだけど、この人違うな」みたいなパターンを見るという、なんか未知の生物を観察するよう目で見るようになるんですね。
     そして、「この人はレズビアンなんだ」と考えれば、僕の中で、全ての辻褄が合ったんです。
     これで「なぜ彼女は、自分のことを好きだと言ってくれる彼が苦手なのか?」もわかります。なぜかというと、彼がストレート、異性愛者だからですね。
     彼は、自分の恋愛感情にてらいがないんですよ。やましさというか、隠さなきゃいけない部分がない。なので、堂々と「好きだよ! いつまでも待つよ!」って言って来ちゃうんですね。「そこが、なんか腹立つ」というか。逆に、普段、自分が抑えておかなきゃいけないと思っていることを、この男にも隠さなきゃいけないということが、段々と負担に感じて来ているんです。
     まあ、言っちゃえば、自分が損してる感と言ってもいいですし、劣等感と言ってもいいですし、罪悪感みたいなものを、勝手に自分を好きだと言っている男に対して感じてしまっている。
     これが、彼に対する冷たさの原因だなと思いました。

     ここまでは、もう仮説なんですよ。仮説による理屈立て。
     こういう推理の次に行う検証の方法は「もし、そうだと考えたら、この相談文はわかりやすくなるか?」なんですね。
     すると、ものすごく複雑な構造に見えた相談が「自分が同性愛者だということを隠してその気のない男に言い寄られている」という、シンプルなものへと変わるんです。
     だって、最初に書いてある「いまだに高校の時の友人が好きで、その人には今、恋人が出来た。それを素直に祝福できた自分がいる」という部分って、相談には全く関係ないんですね。実はこの人の相談は「好きでもない男に言い寄られて、なんか鬱陶しい気分になりながらも、その人を愛せない自分は変じゃないかと悩んでいる」というものであって、前半は要らないんです。
     じゃあ、いらない前半をなぜ書いたのかと言うと、「この人が本当は相談したいんだけど、人前では言えないことを、こっそり書いているから」。だから、前半に、丸々余分なものがついてるんですよ。
     そう考えると、この相談文は全てが繋がっていく。「自分は同性愛者だ」ということを隠して、その気のない男に言い寄られている。最近は、それが段々と不安になってきて、まるで「男を愛せない自分が変じゃないか? 自分はそこを直した方がいいんじゃないのか?」という気にさせられてきた。自信がなくなってきた、と。
     人生としては複雑なんですけど、相談文としては単純な相談に因数分解できたわけですね。

    ・・・

     これでスッキリしたので、あとは回答を書くだけです。
     この人が困っているポイントは「自分を肯定しきれなくなってきている」ということ。そして、「彼の告白を断る理由が、そろそろなくなってきた」ということ。
     この2つのみにフォーカスして、回答を書きました。


    高校時代から好きな人って女性ですよね? で、相談のホンネは「思い切って男性を好きになるよう努力すべきか」じゃないでしょうか?
    好きな人の人称代名詞はあいまい、言い寄ってくる男性の人称代名詞は「彼」と具体的なので、そう考えました。すると好きな人のことを「添い遂げられるわけでもない」と決めつけているのも納得できます。
    で、ポイントは「私は女性が好きだ」という指向と「好きでもない人に言い寄られてめんどくさい」という問題をゴッチャにしてることじゃないですか?
    前者はただの指向、つまりあなたの個性です。それに対して後者は人間関係の悩み。分けて考えないと、ただの悩みが「るつぼ化」しちゃいますよ。
    まず前者について。好きな人がいて、想いを伝えても否定されず友人関係が続いて、その人に恋人ができたら祝福できた。理想の「片思い」という恋愛ですね。
    ところが、あなたの相談文には「好きな人が実は女性」ということがまったく書いていません。あなたは「カードを伏せたままプレイする」、 つまり相手にホンネを隠して対応するクセがあるんです。
    なので言い寄ってくる彼にも「ごめーん、私オトコはダメなの」とはっきり言えない。すると彼は「じゃあ待てばいいんだよね?」と余計にムキになる。
    そこまで面倒な彼なのに「嫌いたくない」というのは「彼は悪くない。悪いのは男性が好きになれない自分だ」という無駄な罪悪感があるからじゃないですか?
    「報われない恋」に殉ずるという意味では、彼はあなたと同じ「同志」です。あなたが彼をイヤなのは、同じような「報われない恋愛」に対する態度が、あなた自身の潔さに比べて彼のがみっともなく尊敬できないからです。
    でも彼がみっともないのは、あなたの指向を知らないから。「いつか報われる」と信じちゃってるからじゃないですか? 「言い寄ってくれている彼」に対して真摯であるためには「実は私は」と打ち明けるしかないでしょう。でないと「男を好きになれない私がダメなんだ」という間違ってるし無駄な罪悪感がますます膨らむだけだと思います。
    どうしても彼に言えないなら「ゴメン、あなたが嫌いになった。もう見るのもイヤ」と告げて、悪役を引き受けて振ってあげてください。


     こんなふうに答えました。
     あの、解説しなかったら、この回答ってそんなに悪くないと思うんですけど、解説しちゃうと、もう自分がどんなに嫌なやつか……って、まあ、どんどん話しちゃうんですけど(笑)。


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