昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』、相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします。
【質問】
夫と大学生 高校生の女の子ふたりと4人家族です。
ときどきわきおこる誰かと「恋愛したい」という感情を抑えきれずにいます。
いま仕事場で気になる人がいます。20歳くらい年上で、とても魅力的で親しくなりたいときっかけをさがしています。
以前つとめていた会社で不倫を3回しました。会社帰りにお酒をのんだり、ホテルにとまり、朝帰り。
子どもたちのお弁当を作って学校に送りだし、会社へいく。旅行にでかけたり、休日を一緒にすごしたり。
家族へ罪悪感もありましが、思いを抑えきれずに続けてきました。
お金の問題や相手の男性の転職などの理由で、それぞれ終わりました。
母は浮気症で、お酒を飲んでは、男の人と抱き合ったりしていました。
その姿に嫌悪感を抱き、私は絶対あんなふうにはならないと思ってきました。
今は、私の不倫癖も血筋なのだろうかと思ってしまいます。
夫婦関係は10年以上なく、会話もありませんが不満はありません。
でも、だれか男の人がほしくなる自分がいます。
意中の人に近づきたいと考えずにはいられないのです。
恋多き男性で、魅力的なひとです。
私は病気でしょうか。
【回答】
あなたのしんどさは三つに分解できます。
1. 家族を騙し、不倫してるという罪悪感
2. 嫌いだった母と同じ事をしてる、という嫌悪感
3. こんな自分はダメだ、という自己否定
一番目の罪悪感はどうにもなりません。家族を騙してるんだから、苦しいので当たり前です。
二番目は? 母は浮気姿をあなたに見せて苦しめました。でもあなたは娘に気付かれてません。つまりあなたと母は「同じ」ではない。
三番目はどうでしょう? 私には実は「ダメだ」と強く思えないんですよ。その理由は、私たちの社会がいま、「生涯恋愛社会」へと変化しているからです。
生涯恋愛社会とは、生涯、自由に恋愛する可能性を「否定しない」社会です。
恋愛する・しないが、非婚・既婚にも、年齢にも関係しない社会。
生涯、誰とも恋愛しない人もいる一方で、結婚してからも恋愛し続け、生涯の恋人が10人を超える人もいる。
この二極化がすすんでいます
あなたのような人は今、そんなに珍しい存在ではありません。
10年以上、ろくな会話もしてくれない夫でも「不満がない」と言えるのは、あなたが不倫してるからでしょう。
不倫をやめて、その結果、ストレスで家庭が壊れても、誰の得にもなりません。
そういう理由で平和が保たれている家庭はいま、想像以上に多いのです。
いま、あなたができることを四つにまとめました。
1. 母親を許す
あの頃の母の気持ち、いまはわかるはず。母を許せないと、自分も許せませんよ。
2. 秘密を守る
油断や開き直りは禁物。家族に不倫がバレた時、はじめてあなたは大嫌いだった母と同じになります。
3. 家族を大事に
あなたは、夫の妻であり、子供たちの母です。その立場を守り、責務を果たすことは社会人として求められている大切な役割です。決して投げ出さないこと。
4. 自分を最優先する
あなたの人生は、あなたのもの。子供のものや夫のものではありません。自分の気持ちを最優先してください。
ただし、婚外の肉体関係は不法行為です。あなた自身を大切にするために、避けられる限り、避けましょう。
自棄をおこさず、溺れず、プライドをもって「生涯恋愛社会」を泳ぎ切ってください。