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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/12/3
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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ポストイット
「漫画を読むのがしんどい」
【質問】
“年齢を重ねるごとに漫画を読むのがしんどいです。これは老化ですか。最近は実用書ばかり読んでいます。37歳”
【回答】
37歳って、俺より20歳も下なんだけども(会場笑い)。
それは、そんな漫画読んでるからだよ(笑)。俺みたいに年齢が上がったら、自分の主戦場を、サンデー、ジャンプから、モーニングとかアフタヌーンに移したら、そんなにつらくないと思うんだけども。
でも「実用書ばかり読む」って事だから、読む事は出来るんだよね。
どちらかと言うと、漫画より実用書のほう読むのがしんどい年齢というのがあるじゃん、若い頃はそうだよね。僕も同じで若い頃はSF小説ばっかり読んでた んだよね。ところが、ガイナックスを辞めて家でウダウダしてたあたりから、ノンフィクションがやたら面白くなったんだよね。
朝日新聞社が出してる『世界の歴史』っていうグラフ誌がある。ペラペラの写真がいっぱい入っているんだけど、世界の歴史の分冊みたいなの見たことない? 全100冊とか全200冊ぐらいので30ページ程度の薄いブックレットみたいなやつ。古本屋さんへ行ったらあるよね。いわゆる『ディアゴスティーニ』み たいなもので、毎週1冊出てくるやつ。で、あれがすごく面白かったんだ。今、僕が喋っているような人様に対して教えたり、話すモードの時に、世界史的な事 とか、歴史的な事を言ってるのは全部、『世界の歴史』から仕入れた話だからね(会場笑い)。
朝日新聞のペラペラの1冊300円ぐらいの本の全100冊か200冊を「これは面白い」と思って読んだ。で、1番最初に買ったのが『娯楽と贅沢』だった かな? そういう、すごいタイトルがあって「うおお」と思った。僕はその時、大衆の時代とか市民の社会の成立とかさ、で、宇宙開発の歴史とか面白いのが あって、その間を読むようにやってみたら「ローマ時代ってこんな面白いんだ」とか「ルネッサンスってそういう意味だったんだ」「かっこいい」とか。
僕らはロマンチックって言葉を使うじゃん。ロマンチックっていうのは本来、ローマ的なという意味なんだ。ローマ的というのは、「中世がどんなにダメだっ たか」という話なんだよね。中世は本当にダメで、ローマ時代の遺跡の石組みのローマ水路とかがあるんだけども、あれを中世のヨーロッパ人は、誰ひとり作れ ないんだよね。科学が滅亡して、蛮族に戻っちゃってるから。
蛮族に戻っているヨーロッパ人達が、「かつての俺達はすごかった!」「今、キリスト様があるからいいんだ」って言う。キリスト教にすがった時代に、「昔 のローマ時代に戻れ」っていうルネッサンス運動が起きる。そうしたら、文学とかで「ロマンチック」と言ったんだ。「まるでローマ人のように情緒豊かな」っ て(笑)。お前ら、そこまで過去にしがみついてるの?(会場笑い)。
この大前提がないと、新大陸アメリカに対するヨーロッパの人達が持っているコンプレックスと軽蔑が、両面が理解できないじゃん。
「常識じゃないの」(コメント)
俺、そういう常識的な事って35歳ぐらいまで知らなかったんだよ。それまで知らずに、アニメ作ってて、「SF小説読んでりゃいいや」とか、「楽しいもん ばっかり見てりゃいいや」と思ったんだ。なんだろうな――、カロリーは大きいんだけど栄養価は低い食物ってあるじゃん、ハンバーガーとかフライドポテトと か(笑)。30過ぎた頃から、あの辺りがきつくなってきて。つまり面白さはそれほどなくてもいいから、教養のあるものの方がちょっと楽しいし、面白くなっ てきた。それから、その300円の本を読み始めた。それも古本屋だから、50円ぐらいで売ってるんだよね。
「年齢を重ねるごとに漫画を読むのがしんどいです。これは老化ですか」に関しては、興味のジャンルが変わっちゃって、実用書を読むようになったんだったら、次は実用書読んだ方が、読み込むのが楽しい漫画を読んだ方がいいよ。
同じ漫画でも、作者が描いてる事を僕たちは読んでないんだよ。作者が描いた事を受け取る僕らによって、その漫画の見え方って、まるまる違うから。
「風雲児たち」(コメント)
みなもと太郎の『風雲児たち』もそうだよね。ただ単に中学生、高校生が漫画を読みたいと思ったら、『風雲児たち』は、ギャグセンスは古いし、絵は言っちゃなんだけど下手くそだし。面白いかって言われたら、歴史が面白く判るように描いているから、面白いんだけども。
ところが年齢重ねてきて、キャラクター達の葛藤が判るようになったら、「なぜ新選組があの時代に、侍という身分であることに、あんなにこだわんなきゃい けなかったのか」とか「それをベースにしたのは土佐藩にしても、長州藩にしても、侍と侍以外の差別があったのか」っていうのが、実用書などを読んで知識で 入ってくると、漫画から受ける印象もまるっきり変わってくる。「あ、作者ってこんなに考えてたんだ!」って、分かってくる。実用書ばかりが面白いなら、実 用書を一通り読んだ後で、もう1回、漫画をいろいろ読み返してみたら意外な発見があっていいと思いますよ。
【まとめ】
興味のジャンルが変わって、漫画でなく実用書を読むようになっただけ。実用書を読んだほうが面白い漫画を読んでみると、新たな発見があって面白いと思います。
ポストイット
「漫画を読むのがしんどい」
【質問】
“年齢を重ねるごとに漫画を読むのがしんどいです。これは老化ですか。最近は実用書ばかり読んでいます。37歳”
【回答】
37歳って、俺より20歳も下なんだけども(会場笑い)。
それは、そんな漫画読んでるからだよ(笑)。俺みたいに年齢が上がったら、自分の主戦場を、サンデー、ジャンプから、モーニングとかアフタヌーンに移したら、そんなにつらくないと思うんだけども。
でも「実用書ばかり読む」って事だから、読む事は出来るんだよね。
どちらかと言うと、漫画より実用書のほう読むのがしんどい年齢というのがあるじゃん、若い頃はそうだよね。僕も同じで若い頃はSF小説ばっかり読んでた んだよね。ところが、ガイナックスを辞めて家でウダウダしてたあたりから、ノンフィクションがやたら面白くなったんだよね。
朝日新聞社が出してる『世界の歴史』っていうグラフ誌がある。ペラペラの写真がいっぱい入っているんだけど、世界の歴史の分冊みたいなの見たことない? 全100冊とか全200冊ぐらいので30ページ程度の薄いブックレットみたいなやつ。古本屋さんへ行ったらあるよね。いわゆる『ディアゴスティーニ』み たいなもので、毎週1冊出てくるやつ。で、あれがすごく面白かったんだ。今、僕が喋っているような人様に対して教えたり、話すモードの時に、世界史的な事 とか、歴史的な事を言ってるのは全部、『世界の歴史』から仕入れた話だからね(会場笑い)。
朝日新聞のペラペラの1冊300円ぐらいの本の全100冊か200冊を「これは面白い」と思って読んだ。で、1番最初に買ったのが『娯楽と贅沢』だった かな? そういう、すごいタイトルがあって「うおお」と思った。僕はその時、大衆の時代とか市民の社会の成立とかさ、で、宇宙開発の歴史とか面白いのが あって、その間を読むようにやってみたら「ローマ時代ってこんな面白いんだ」とか「ルネッサンスってそういう意味だったんだ」「かっこいい」とか。
僕らはロマンチックって言葉を使うじゃん。ロマンチックっていうのは本来、ローマ的なという意味なんだ。ローマ的というのは、「中世がどんなにダメだっ たか」という話なんだよね。中世は本当にダメで、ローマ時代の遺跡の石組みのローマ水路とかがあるんだけども、あれを中世のヨーロッパ人は、誰ひとり作れ ないんだよね。科学が滅亡して、蛮族に戻っちゃってるから。
蛮族に戻っているヨーロッパ人達が、「かつての俺達はすごかった!」「今、キリスト様があるからいいんだ」って言う。キリスト教にすがった時代に、「昔 のローマ時代に戻れ」っていうルネッサンス運動が起きる。そうしたら、文学とかで「ロマンチック」と言ったんだ。「まるでローマ人のように情緒豊かな」っ て(笑)。お前ら、そこまで過去にしがみついてるの?(会場笑い)。
この大前提がないと、新大陸アメリカに対するヨーロッパの人達が持っているコンプレックスと軽蔑が、両面が理解できないじゃん。
「常識じゃないの」(コメント)
俺、そういう常識的な事って35歳ぐらいまで知らなかったんだよ。それまで知らずに、アニメ作ってて、「SF小説読んでりゃいいや」とか、「楽しいもん ばっかり見てりゃいいや」と思ったんだ。なんだろうな――、カロリーは大きいんだけど栄養価は低い食物ってあるじゃん、ハンバーガーとかフライドポテトと か(笑)。30過ぎた頃から、あの辺りがきつくなってきて。つまり面白さはそれほどなくてもいいから、教養のあるものの方がちょっと楽しいし、面白くなっ てきた。それから、その300円の本を読み始めた。それも古本屋だから、50円ぐらいで売ってるんだよね。
「年齢を重ねるごとに漫画を読むのがしんどいです。これは老化ですか」に関しては、興味のジャンルが変わっちゃって、実用書を読むようになったんだったら、次は実用書読んだ方が、読み込むのが楽しい漫画を読んだ方がいいよ。
同じ漫画でも、作者が描いてる事を僕たちは読んでないんだよ。作者が描いた事を受け取る僕らによって、その漫画の見え方って、まるまる違うから。
「風雲児たち」(コメント)
みなもと太郎の『風雲児たち』もそうだよね。ただ単に中学生、高校生が漫画を読みたいと思ったら、『風雲児たち』は、ギャグセンスは古いし、絵は言っちゃなんだけど下手くそだし。面白いかって言われたら、歴史が面白く判るように描いているから、面白いんだけども。
ところが年齢重ねてきて、キャラクター達の葛藤が判るようになったら、「なぜ新選組があの時代に、侍という身分であることに、あんなにこだわんなきゃい けなかったのか」とか「それをベースにしたのは土佐藩にしても、長州藩にしても、侍と侍以外の差別があったのか」っていうのが、実用書などを読んで知識で 入ってくると、漫画から受ける印象もまるっきり変わってくる。「あ、作者ってこんなに考えてたんだ!」って、分かってくる。実用書ばかりが面白いなら、実 用書を一通り読んだ後で、もう1回、漫画をいろいろ読み返してみたら意外な発見があっていいと思いますよ。
【まとめ】
興味のジャンルが変わって、漫画でなく実用書を読むようになっただけ。実用書を読んだほうが面白い漫画を読んでみると、新たな発見があって面白いと思います。
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