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岡田斗司夫の解決!ズバっと「会社は、規模を拡大しなければならないのか?」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと「会社は、規模を拡大しなければならないのか?」

2014-12-18 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/12/18
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    今日も『解決!ズバッと』をお届けします。

    今回は『「お金」って何だろう?』 からです。
    僕が質問し、山形浩生先生に答えてもらった対談を、Q&A形式で、分載しながらお届けします。
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    岡田斗司夫さん/56歳/作家/「会社は、規模を拡大しなければならないのか?」
    【質問】
    岡田 そもそも会社は、規模を拡大させないといけないのでしょうか?借金もせず、成長もせずではいけないのでしょうか。


    【山形浩生先生の回答】

    山形 一昨日まで僕はミャンマーにいたんですが、あそこは今電気が全然足りていません。だから、自前の発電機を買って電気を売れば、儲かるのは明らかです。ただし、僕が聞いたところでは、3年くらいで電気需要が満たせるインフラは整うらしいので、発電機を買って儲けられるのはこの3年間だけでしょう。ただ、目端の利く韓国人は、お金を大急ぎで借りて発電事業を始めていました。

    岡田 社会全体が成長期にあるときは、金利さえ安くなれば新規ビジネスが起こりやすくなって、結果的に経済活動が盛んになる……ということはわからないでもないですが、どこかに大嘘があるような気がしてならない。会社が事業規模を拡大することが経済の発展だと考えれば、銀行から融資を受けることは意味があるでしょう。

     でも、ゼロから何かの商売を始めるために、銀行はほぼ役に立ちません。ゼロからビジネスをスタートするために、最近では Kickstarter(キックスターター)のようなクラウドファンディングが登場してきましたが、こういうところでお金を集めた会社が小規模から中規模へと成長するときに、初めて銀行が必要になるわけですよね。

    山形 確かに、銀行の融資が本格的に効いてくるのは、まず小規模から中規模に移るときでしょう。
    岡田 さっき例に出したSNSにしても、会員数が増えてきたら通信回線を太くしてサービスを安定させなければならなくなって、あるタイミングで急に億単位のお金が必要になっていました。そのときに初めて「あ、銀行から融資を受けないと!」と気づいたみたいですけど。

    山形 そういえば、トヨタ自動車は、長いこと無借金経営を続けていたことで有名ですね。
    岡田 そう考えると、ますます銀行からお金を借りることの意味がわからなくなってしまいます。そもそも会社は、規模を拡大させないといけないものなんでしょうか?僕は、ほとんどの会社は本来あるべきスケールで留まっているほうが健全だと考えています。拡大しないといけない会社は、何か別の生き物なのかもしれません。

    山形 街にある喫茶店は企業だけど、拡大しなくてもやっていけますからね。
    岡田 とはいえ、今年は年商100億円の会社が、翌年50億円にはできないだろうなあ。社長は自分が無能な気がするだろうし、株価も暴落するから下手したら倒産してしまうかも。アップルなんて、成長率がちょっとでも鈍ろうものなら、株価が急落しますからね。

    山形 株価が上がって利益を得ようと考えている人は多いというのも理由でしょう。あと、働く人がずっと同じ給料でいいなら成長不要ですが、ふつうは経験を積んだらそれなりに給料が上がってほしいし、それには事業が成長しないと無理ですよね。「給料が上がるのは当然」とみんなが思い込んでいることが圧力になって、会社の規模を拡大させているという面もあります。

     少し前、企業の未来像がビジネス誌などで話題になったことがあります。企業は規模を拡大していくのではなく、プロジェクト単位で必要に応じて集まって仕事をし、終わったら解散するのがよいという意見です。実際問題として、いちいち契約を交わしたりするのは面倒ですから、こういう形で仕事を進めているところは多くありませんが。

    岡田 僕がガイナックスを経営していたときは、本当に大変でした。事務所の家賃や人件費もろもろ、固定費が毎月2500万円、年間で3億円くらいかかってくる。アニメで毎年3億円の売上を立てるのは、ものすごく難しいんです! 固定費の負担がなければ、どんなビジネスももっと簡単になるでしょう。これについては解決する方法を思いついて実験しているところなので、あとでお話ししますね。


    【まとめ】
     「給料が上がるのは当然」という圧力が会社の規模を拡大させ、銀行からお金を借りることになる。プロジェクト単位で人が集まり、終わったら解散、というビジネスは企業の未来像の一つ。


    【最新著作】
    山形浩生先生との対談本『お金って、何だろう? ぼくらはいつまで「円」を使い続けるのか?』は、僕が山形先生にどんどん質問して教えを乞う、という形式で進行しています。

    このブロマガでは、その第二章を読みやすいサイズに分割して、順次お届けします。「経済の根本の根本」を、常識や思い込みにとらわれず、とことん質問し、かみくだいて、身もふたもなく解説してもらった第二章。

    ぜひ、お気軽にお楽しみ下さい。
    じゃあ、また明日。バイバイ!

     
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