━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/12/30
───────────────────────────────────
おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
───────────────────────────────────
マツモトさん/22歳/夢追人/ブロマガ会員
「ジャンプ、集英社の狙いは?」
【質問】
“少年ジャンプが無料で漫画が読めるアプリ「ジャンプ+」と言うサービスをはじめました。そこでジャンプ、集英社の狙いはどういったものでしょうか?これからも少年ジャンプの1人勝ちなんでしょうか?”
【回答】
“ジャンプの1人勝ち”とか、“集英社の狙い”と言うよりは、「どんなに今、漫画が売れなくなってるか?」という事だと思うんだよ。
電子出版をやりたい出版社なんて、実は日本にはないんだよ。「ない」と言うより「なかった」と過去形で言うべきかな。出版者の担当者とか、社員1人1人の段階では、電子出版に積極的な所はあるんだけども。
電子出版をやりたくて、「そこには市場がある!」て考えて、ワーッと流れて行こうと思ってる出版社なんて、本当に日本に1社も無かったんだ。で、どこもかしこも「まあ、やらない訳に行かないし」と言って、渋々始めたんだよ。
だから、(電子書籍の市場に)入ってくるのが後ろの出版社になればなるほど、大掛かりになってくる。例えば、初期の段階からやっていた角川は様子見で少しづつ、自社の物をKindleとかで出す、ってのをやってた。講談社はコミックモーニングを毎週毎週配信している。講談社もやっぱり同じで、あまり漫画で電子出版をやりたくないんだけど、「もうそろそろ、やらざるを得ないかな?」という事でやってる。だから「最新号は、無料で読めます」みたいな形で、大掛かりに始めると。
集英社はもっとやりたくなかったから、最後の最後になった。だから、他所に比べて、サービスをかなり多目にするしかないんだよな。ここから先、電子出版漫画の未来にあるのは、もうマクドナルドと同じだよ。
「どれぐらいみんなが、単行本より安く出来るのか?」
「期間限定で、0円見放題」
――って事をやりながら、ドンドン利率を下げて行くという苦しい戦いが始まる。かつては漫画媒体を持っていれば、出版社はある程度安泰っていう形があった。でも漫画で儲けて活字の本で赤字を出す、という形が、徐々に紙の漫画も赤字の世界に入ってきた。つまり、コンテンツで儲ける事が苦しくなってくる、って形になると思うね。
椎名林檎が「もうCDは売れないから」って言ったんだけども。それは、漫画界でも、「もう漫画、売れないから」って言われてると同じ。だから、「ジャンプですら、ついに電子出版をやらざるを得なくなってきた」って、危機的状況がこの読み方だと思います。
【まとめ】
電子出版をやりたい出版社は日本になかったです。漫画が売れない危機的状況なので、集英社ですら電子出版をやらざるを得ない状況になったんだと思います。
───────────────────────────────────
【おしらせ】
会員限定動画 公開予定
12月31日 岡田斗司夫のニュースの見方 12月27日号
『2015年北朝鮮と中国はどうなる?サイバーテロとアメリカの戦略』
1月1日 岡田斗司夫 第45回ゴー宣道場『道徳教育は可能なのか?』第一部・前半
1月2日 岡田斗司夫 第45回ゴー宣道場『道徳教育は可能なのか?』第一部・後半
1月3日 岡田斗司夫ゼミ12月28日号『漫画家・田中圭一が実践できる鬱対策をインタビュー』