3月09号分
ayaさん/23歳/新社会人/無料メルマガ
「プライドとの付き合い方」
“初めまして。岡田先生こんにちは。
私が相談したいことは、プライドとの付き合い方です。半年ほど前から、習い事をしています。そこの先輩が30代の女性で気遣いのできる完璧な方です。私のことを妹のように可愛いがってくれ、世話を焼いてもらっています。
完璧であるゆえに、私へのアドバイスも厳しいのです。ある日、私が
「私は友人はいらない。仕事だけできればよい」
と強がった時には
「仕事をするにも多くの人の協力が必要。利己的だね」
「あなたは、人に対する気遣いがない」
「わがまま女として融通が効くのは30まで」
「若さや可愛いらしさがなくなったら、誰も相手にしてくれなくなるよ」
と正論を言われました。
彼女としては、愛ゆえに厳しいのでしょう。プライド高い私は、卑屈になり、彼女が怖くなりました。日々、完璧さを見せつけられている気になるのです。岡田先生、プライドとの上手な付き合い方を教えて頂けないでしょうか?”
【岡田斗司夫の回答】
この先輩の言うことは正しいんですよ。正しいんだけど、正しいことを出来れば、人間苦労しないわけです。この先輩も正論を言っているので、「自分でも正解を見つけてない」って事なんだよね。
■正論を言う人自身も正解を見つけていない
「若さや可愛さで勝負できるのは30まで」だったら、30までは若さや可愛さで勝負しても、問題ないはずなんだ。だから、この先輩のアドバイスの仕方としては、
「若さや可愛さで勝負しながら上手く仕事をがんばりな」
「でも30ぐらいで息切れるから、ちょっと考えたほうがいいよ」
と励ますぐらいが丁度だよね。でも、
「あなたの気持ちはよく分かるけど、それじゃ通用しないわよ」
と、ついつい助言しちゃうんだよね。
ayaさんは、自分のプライドが高いから怖くなったんじゃない。
「あなたは若さだけで仕事してるのよね?」みたいな、先輩の言葉の奥にある敵意をビンビン感じちゃったわけだよね。だから、正論を言う人の奥にある敵意が怖くなった。つまり、人間が怖くなっただけなんだ。
■プライドの問題ではなく、人間の奥にある敵意
ayaさんは自分のプライドが高いから傷ついてるんじゃないよ。今まで、あまり考えてこなかった"人間の底の暗さ"みたいなものに、ビクッとしちゃったんだよ。その暗さは「自分も30過ぎたら、そうなるかもしれない」という2段の恐ろしさでもあるんだよね。
"プライドとの上手な付き合い方"に対して答えると、「怖いおばさんには、一応はいはいと言っておきましょう」ぐらいの普通のことしか言えません。
あまり、プライドの問題と考えるのはやめましょう。でも、ayaさんもいずれはおばさんになります。だから「おばさんの戯言」だとか、「若い子に嫉妬してるんだ」とは考えない方がいいですよ。
【まとめ】
ayaさんはプライドが傷ついたのでなく、人間の奥の底にある敵意が怖くなったんだと思います。怖い先輩には一応「はいはい」と返事をしながらも、その言葉を戯言だとか嫉妬とは思わないようにしましょう。