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昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』の相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします
結婚して23年の40代女性です。
47歳の夫が、私の好きなアーティストに異常な嫉妬心を抱いて困っています。
一昨年に地元でミニライブがあったとき、夫は車で送ってくれました。
その事にはとても感謝していたのですが、私がライブを観覧している様子を遠目から観察。握手してもらっているところを見て、あとで「何話したんだ」と重い口調で聞かれました。
遠方に住んでる娘に頼んで先行予約をしてもらうなど、チケット一枚入手するにも一苦労でした。
CDやDVDを、夫の留守中に聴いたり観たり…。
私の中ではそのアーティストのビジュアル(外見)も好きですが、それ以上に楽曲そのものに心を打たれているので、夫にも同じ感動を味わって欲しいしライブにも一緒に行こうと誘っているくらいなのに…。
私自身は夫が美人の女優さんやグラビアアイドルに興味を持っていても、そのくらいの楽しみがあってもいいと思うのです。
アーティストのファン活動も私の中の夢中になれる「趣味の一つ」に過ぎません。
夫にもっと寛容な心を持って理解してもらいたいのですが…。
岡田斗司夫の回答文
女性にとってはちょっと耳に痛い話かも知れませんが、最後まで読んでください。
多くの女性はイヤな気持ちになると思います。女性を人間扱いしてない、男性なんてそんなものだ、と理性ではわかっていても、そんな話は男同士でやってくれと言いたくなる。
失礼で、配慮を欠いた行為だと思うでしょう。
当の男性にはまったく悪気はない。むしろ、相手と仲良くなりたいと思っているだけ。
相手がイヤがってるのがわかっても、なぜそんなことでイヤがる、付き合いにくい女だと言い出す。
これ、セクハラです。
どんなに本人に悪気がなくても、大義名分があっても、異性が不快になる限りやってはいけない。
あなたには、全く悪気はない。
でも夫はイヤがっている。
イヤがっているのに、それは嫉妬深い夫が悪いと考えている。
音楽をネタに夫と仲良くなりたいと思っているから、もちろん罪悪感もない。
たとえ音楽性を評価しようと、恋愛とまったく別だと考えようと、それはあくまで「あなたの頭の中の問題」です。
現に夫が「そういうこと言われたら、男として傷ついちゃうな」と感じてる限り、あなたがそれを思いやらずに続けてる限り、セクハラなんですよ。
つまり自分の可愛かった妻がオッサン化してるからなんです。
それよりももっと大事なこと、自分の妻がふてぶてしく、可愛くなくなっちゃうのがイヤなんです。
わかりますか? 夫はまだあなたに夢を見ているんですよ。
でもそれは夫にとって、あなたのオッサン化です。
必要なのは「夫の見えないところでこっそりオッサン化」するデリカシーです。