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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/08/25
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「人工知能の未来についてどう思いますか?」

 最近は色々なものに人工知能が使われていますが、人間が出来る事は何でも出来るようになってしまうのでしょうか?
 岡田さんは今後の人工知能について、どのように思いますか?
 
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(前号からの続き)

 人工知能が人間と同じような知性を持つことに関しては、「電脳戦」という人間と将棋の対戦を見たらはっきりしている。
 これは人工知能としてオッケー。
 次に自然言語の解釈や翻訳も、Siriを見たら年々精度が上がってきてる。
 だんだん僕らも機械に対しての話し方も慣れてきてる。
 

■外国人とコンピューターへの話し方は似ている

 子供の頃の話し方と、大人になってからの話し方だったら、大人のほうが言葉の使い方がうまくなってるじゃん。
 外国人に説明するときは、シンプルな日本語で説明したりするじゃん。
 つまり、コンピューターは人間の自然言語をどうやって解釈するのか。
 それは子供の頃に考えてたものじゃなくて、コンピューターに対して分かりやすいように話すこと。
 外国人に対して分かりすく話すのと同じように、分かりやすいように話しかけてあげれば、コンピューターも分かってくれる。
 こういう関係性が持てるようになってきてる。

 人工知能の基礎理論はとっくの昔にできていて、技術的なブレイクスルーだって、自然言語の翻訳がほぼ完成しつつあるので、あとはコスト面と時間面だけだと思う。

 何十日も待たなきゃいけない処理が0.0何秒のうちに処理できれば、人工知能は可能になってくるわけだ。
 つまり僕らが今、普通にしゃべっているようなことを、完全に理解してくれて、曖昧な命令でオーダーしても答えてくれるコンピューターは、30年待つ必要はなく、あと5年から10年の話なんじゃないかなって思う。


■未来のアプリはオリジナルチューニング?

 そうなってくるとプログラマーやSEたちの失業する可能性を感じるな。
 今はそこに近づくために、コンピューターをプログラムするんだけど、そのうち僕らはコンピューターに対して、「こういうプログラムが欲しい」という曖昧な指示を出す。
 ここが重要なんだけど、それに対して曖昧な評価でフィードバックをする。

 「ちょっと使いにくい」「こういうところがあってイヤなんだよ」という曖昧なフィードバックを返すことによって、コンピューター側がどんどんプログラムを最適化してくれると思う。

 そのあたりが最後の10年の駆け引き。僕らは発売されてるアプリや、誰かが作ったアプリを使ってるんだけど、僕が考えるここから10年後の世界は、誰もが自分オリジナルのアプリを持っている。
 多分、自分のネットワークやコンピューターじゃなくて、デバイスがあるだけなんだけどね。

 そのデバイスだって物理的なものかどうか分からない。
 それに対して話しかけてやったり、子供の頃からやっていることによって、オリジナルにチューニングされたアプリが自分の周りをすべて囲っている。

 そのアプリのいくつかが仮想人格をもっていて、自分の友達みたいにふるまっている。
 今、僕らがやっている脳内会議みたいなものを、仮想人格がネット上でやっていて、そのなかの何人かはリアルな人かもしれない。
 というものがおそらくこの10年から15年くらいの世界なんじゃないかと思う。
 それが僕らの生活をすごく変えてしまう。

 自動操縦する車やドローンがもっと発展して、僕らの世界に入ってきたらどう変わるか。
 それを考えると、この30年間の世界の変化は、1985年から2015年の変化よりはるかに大きい。

 とんでもない世界に僕らはいると思う。
 なので「今、死ねねえよ!」って思います。
 少なくとも「年末の『スターウオーズ』を見ないと死ねないし!」と思っております。
 SFに関して話すと長くなります(笑)


【まとめ】
 曖昧なオーダーに返答してくれるコンピューターはあと5年から10年で誕生すると思います。
 ここから30年間の変化は大きく、人工知能が僕たちの生活を大きく変えてしまうと思います。