そもそも論を語ると、これだけ多くの人が「話し方を学びたい」と考えているのは、ちょっと変だとは思いませんか?
「なぜ英語を中高6年間学んでも全然話せるようにならないのか?」とは、日本人の英語教育を揶揄する常套句です。
となると、6年どころか何十年と日本語を使ってきて、それでもなお「話し方」を学ばなければならないというのも、よくよく考えたらかなり奇妙なことです。
まあ、「話し方」と一口に言っても、「営業トークを習得したい」「人に好かれる話し方を身につけたい」「雑談力を鍛えたい」「大勢の人前で堂々としゃべりたい」など、ニーズは細分化されているので、それだけ学ばなければいけないことがたくさんあるということなのでしょう。
しかし、営業マンが営業トークを学んだとしても、営業以外の場面では通用しません。トークの手法や内容も経年劣化していきます。
だから、また新たな話し方本を買わなければいけなくなる。
人に好かれる話し方を学んでも、実用的に使いこなすのは難しいはず。
異性に好かれたいのか、上司や部下に好かれたいのか、同年代に好かれたいのか、お金持ちのお偉いさんに好かれたいのか、怒りっぽい人に好かれたいのか。
それぞれ違った手法が必要なはずですが、ほとんどの本では一緒くたに語られています。
だから読者は、「あれ? 通用しないな」となって、あれこれとまた話し方本に手を出してしまう。
後述しますが、今となっては、僕は講演や授業、テレビやニコニコ生放送なんかで、それなりにしゃべれるようになりました。
でも、昔はかなり酷いもんでした。
だから僕も、「講演での話し方」「テレビでの話し方」「生放送での話し方」「学生との話し方」「異性との話し方」……と、際限なく話し方を学ばなければならない状態だったんですね。
要は、時間・場所・相手などが変わると、学んだはずの話し方が一気に通用しなくなっちゃう。
じゃあ、どうすればいいか?
そのヒントとなるのが、本書でお伝えする2大メソッドです。
「ユニバーサル・トーク」
「戦闘思考力」
これらを体系化していく過程で、僕自身、だいぶしゃべりが上手くなったんです。
ちょっと自慢させていただくと、本書を読んだら、もう二度と話し方本を買わなくてもすむようになります。
副読本としてなら、ほかの話し方本も十分に活用できますけどね。
頭の回転が速い人の話し方
――あなたの会話力が武器になるユニバーサル・トーク×戦闘思考力