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おはようございます。
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連載第7回「オタクだって絵の描けない奴はいるんだ。ふん。」
昨年末に出版された僕の処女出版だ。
初版は五千部。
日本全国に本屋は三万件、そこにたった五千部だ。
大抵の本屋には無いぞ。
大型書店に行って店員に『ぼくたちの洗脳社会』下さい、と言って出して貰ってくれ。
急がないとそろそろ返品、裁断だぞ。
「アメリカのオタク特集」が、ニュースステーションでオンエアされた。
アメリカン・オタクたちにも国際的に尊敬されている僕が、「オタキング・オカダ」とサインする大バカな姿が日本全国に放映されたわけだ。
仕方なく僕は17才の頃から毎日練習したヤマトを描くことになる。
それもオンエアされた。
あいつらは生協で僕の本を買ってきて「先生、ヤマト描いて下さい」と笑いやがる。
悔しかったので「じゃ、お前ガンダム描いてみろよ!」というと、その一人が黒板にスラスラと描いた。
ふん。うまいじゃねーか。
「じゃ『超生命体トランスフォーマー』のコンボイ司令官描いてみろ!」
僕にオタク勝負を挑もうなど一億年早い。
鼻高々に僕は「さらば宇宙(略)ドロメダ」を描き始めた。
六角形の拡散波動砲が二門、鑑首にあって…。
描けない。
六角形が二つしか描けない。
オタキングと奢り高ぶった僕も、基本からやり直しだというのか?(冨野セリフ)