6月9日に放送された『ミュージック・ポートレイト』(NHK)で、ベテラン俳優の吉田鋼太郎と藤原竜也の対談が実現し、世代を超えた実力派俳優同士の語らいに、視聴者からの注目が集まった。


この日、揃って登場した吉田鋼太郎と藤原竜也は、公私ともに"親友"であるということもあって、序盤からざっくばらんな雰囲気でトークを披露した。同じ事務所の先輩・後輩である彼らは、先日亡くなった演出家の蜷川幸雄に愛された役者として知られる。番組ではそれぞれの異なる役者人生について紹介しつつ、それぞれが大切だと感じる10曲の楽曲を紹介した。

近年はドラマや映画でチョイ悪系から渋い役どころまで幅広くこなしつつも、以前は、舞台での仕事が中心で、地道な活動を続けてきた吉田は、幼少期から長い下積み時代までを振り返り、子供の頃に聞いて胸を打たれたという「マルセリーノの歌」を紹介。「今も聴くね。寝る前とかね。きれいな気持ちになりたいときに聴く」と、しんみりとした雰囲気でその思い入れを語ったが、これに対して藤原はすかさず「ウソでしょ?聴かないでしょ、寝る前とか!(笑)」「いや危ない。話、終わっちゃうとこだった(苦笑)」とツッコミを入れ、吉田が「なんだよ、なんで急に態度が豹変なんだよ。聴くんだよ!」と子供のような表情で笑う様子を見せた。

一方、同じく蜷川ファミリーでありながらも、15歳にして蜷川の舞台「身毒丸」のオーディションでいきなりグランプリを飾り、天才新人としてデビュー。その後も人気映画やドラマなどで大活躍し続けている藤原だが、若いデビューゆえに、蜷川特有の厳しい稽古に幾度となくくじけそうになっていたことを告白。彼もまた、吉田と同様に、思春期に印象的だった曲として、母との思い出の曲である「ラヴ・イズ・オーヴァー」を紹介した。デビュー当時はサッカー少年で、プロになるのが夢だったという彼は、「ポジションはフォワード。絶対味方にパスを出さないフォワード」とその頃を振り返って苦笑したが、それを聞いた吉田からは「今のお前の芸風とちょっと似てる」と今度は彼の方がツッコミを入れて、藤原が「ちょっと勘弁してください、そういうの。ちょっと前だったら突っ込んでましたけど、ぐさりと突き刺さるんでやめて下さいそういうの」と苦笑するひとコマがあった。

15歳で主役の座を掴み、絶えず注目を集め続けている34歳の藤原と、長い下積みを経て花開き、人気役者へと成長した57歳の吉田。親子ほどの歳が離れた二人ながらも、お互いの話については、終始楽しげな表情でツッコミを入れあう彼らは、まるで幼き日を共にした同級生さながらの雰囲気。その心の中には、お互いの実力を認め合い、響きあう、実力派同士ならではの独特な味わいを持った感情が見え隠れしているようだ。





■参照リンク
『ミュージック・ポートレイト』公式サイト(NHK)
http://www4.nhk.or.jp/portrait/

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