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SMAP解散で考える「ビジネスなかよし」は罪なのか?
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SMAP解散で考える「ビジネスなかよし」は罪なのか?

2016-09-06 18:30

    【連載:ジャニヲタに訊け!】SMAP解散で考える〝ビジネスなかよし〟は罪なのか?


    「ねぇ。○○くんと△△くんって、仲が悪いの?」
    SMAPの解散騒動以来、タレント同士の関係についてよく訊かれます。
    なぜ人は、「仲がいいのか、悪いのか」そんなに気にするのでしょうか?

    以前、とあるアイドルグループ(※)の撮影に立ち会ったことがあります。
    仲のよさが有名なグループで、撮影中もそんな風景が見られるかな? と思ったのですが、現場はイメージと真逆で、むしろ感心してしまいました。

    テレビで見る姿が明るい太陽だとしたら、舞台裏の彼らは冷え切った月。
    さらに、厚い氷の壁でおたがいを隔てているようでした。

    準備ができるまで、メンバーたちはそれぞれの取り巻きと談笑し、他のメンバーの輪に移ったり、呼びかけあうこともありません。
    支度が調うとカメラの前に集まり、「みんなでパーティー」とか企画に沿ったポーズを取り、屈託ない笑顔を見せ、インタビューに答え、終わるとサッと幕を下ろすようにまた〝個〟に戻っていく――。
    オンとオフの切り替えが、びっくりするほど鮮やかだったのです。

    ●「あれは、ビジネスなかよしだよ!」

    ところで、〝ビジネスなかよし〟という言葉があります。

    これはジャニヲタもよく使う用語で、「本当は仲がよくないのに、イメージアップや客受けを意識して仲がいいように振る舞う」ことを指します。
    ステージ上ではジャレているのに、プライベートでそうした兆候が見られないと、「やっぱ○くんと△くんって、ビジネスなかよしなのかな?」とか、「○くんなんて、△くんハブッて□くんとばっか遊んでるじゃん。ビジネスなかよしだよ!」などとささやかれるのです。

    そもそも、〝ビジネスなかよし〟とは罪なのでしょうか?

    本当は不仲なのに、〝仲がいいグループ〟として活動し、「なかよしな○○グループが大好き!」というファンに商品を提供する。
    〝なかよしグループの商品〟だと思ったら、その実、〝深刻な不仲グループの商品〟だったとして、これは〝なかよし偽装〟といった罪になるのでしょうか。

    ●ジャニーズは、なにをもって〝なかよし〟なのか?

    少し前に、食品では〝産地偽装〟という犯罪が話題になりました。
    「国産牛と表示され、値段も相応だったのに、実は輸入牛だった」みたいなやつですね。
    当然、偽装行為を働いた業者は責任を追及されましたが、タレントの場合はどうなのでしょう。

    この場合難しいのは、「なにをもってなかよしとするか」という定義が曖昧なところです。

    これが、家族や夫婦タレントの場合は、家族関係や婚姻関係といった指針があります。 たとえば、夫婦で旅行のCMに出ているのに離婚や別居、不倫などの事実が明らかになれば、「商品の品位や信用を傷つける」ことになり、損害賠償の義務を負うこともありましょう。

    これは私の基準ですが、
    プライベートが不仲であっても、その決定的証拠が外部に漏れず、メディアを通した姿で十分〝なかよし〟を表現できているのなら問題なし」。

    一方、「ファンにそれと悟られるほど険悪なムードを醸し、仲の悪さから商品のクオリティを維持できない、提供できない場合はNG」といった感じでしょうか。
    もちろん、この基準は人によって異なりますので、「本当のなかよしでなきゃ、なかよしって言わない!」という人もいれば、「大人なんだから、ちゃんとコンサートやってくれればどうでもいい」という人もおられると思います。

    ●〝もうひとつの領域〟をもつ、ジャニーズの苦悩

    考えるほどに、〝なかよし〟とは難しい言葉です。

    人として好きになれないし、相性もよくない。
    ただ、その人の〝個性や能力〟は正しく評価するし、おたがいが手を組んでなしえる〝グループとしての仕事〟も大切にしている。
    そのために、現場ではなすべき態度でなすべきことをする

    これができていれば合格点であり、〝なかよし〟と呼んでいいと思うし、「私のイメージどおりに、もっとわちゃわちゃして!」と望むのは、酷なことなのかもしれません。

    大抵の人は、仕事とプライベートの2つの世界で生きています。
    けれどジャニーズは、仕事とプライベートの狭間に〝もうひとつの領域〟をもっています。思うにこれは、かなりしんどいことなのです。

    【私たちが目にするジャニーズ】

    1)テレビ、コンサートなどで見せる歌、演技など。
    2)コンサートMC、プライベート風のロケで見せる、〝素〟とされる姿
    3)舞台裏での顔や、完全なプライベート

    上記の(2)こそは〝もうひとつの領域〟で、多くのファンはここを見て〝素〟と認識してしまいます。(2)と(3)がほぼイコールの人もいれば、180度異なる人もおりましょう。
    が、ここを突いても、幸せが飛び出す確率は低そうです。

    いつまでも〝なかよし〟なジャニーズを見るために、〝なかよし〟の定義は締め付けすぎないほうがいい......。

    そんなふうに、思うのです。

    ※とあるアイドルグループ......ジャニーズとは限りません。

    文/みきーる
    ジャニヲタ・エバンジェリスト。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック"女子マインド学"を提唱。著書に『ジャニヲタあるある』(アスペクト)『ひみつのジャニヲタ』(青春出版社)他。 ●Twitterアカウント:@mikiru ●公式ブログ:『俯瞰! ジャニヲタ百景
    RSSブログ情報:http://news.aol.jp/2016/09/06/mikiru/
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