ジャイアントパンダが「絶滅危惧種」から「危急種」に引き下げられたことが、国際自然保護連合(IUCN)の発表で明かされた。
IUCNは、絶滅の恐れがある生物をまとめた「レッドリスト」で1990年以降ジャイアントパンダを「絶滅危惧種」に指定してきたが、最新版ではその指定を公式に変更している。IUCNの調査によると、中国におけるジャイアントパンダ生息地の拡大を受けて、生息数は2004年から2014年にかけて17%増加した。1988年に施行された野生動物保護法では、密猟が禁止され、パンダには保護対象動物として最上級のランクに指定されている。1992年以降、パンダの保護システムが構築されたことで、中国国内にいる個体のうち67%が生息する67の保護区が設置された。
ジャイアントパンダは、中国政府と動物保護団体のパートナーシップのおかげで、世界中の動物園で見ることができる。8月には、ワシントンDCの国立動物園でティエンティエンが19歳の誕生日をお祝いした。ティエンティエンは中国生まれで、その異母姉に当たるバイユンはサンディエゴ動物園にいる。アトランタ動物園のルンルンも中国生まれで、9月にはルンルンにとって2組目となる双子が誕生している。
中国政府の森林保護活動は功を奏しているが、気候変動によってパンダの生息する竹林が危機に瀕する恐れも未だに残っている。野生における生息数はわずか1,864頭で、パンダの保護は今後も重要課題だ。
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