【連載：ジャニヲタに訊け！】「息子よりジャニーズ！」 ママたちの、ホントのところ 「あのカフェに入ろう。たぶん、もうすぐ来ると思うから」 小夜子（仮名）は、５歳になる息子の手を引きつつ、私を促しました。 「息子ちゃん、駅前のマックに行きたいんじゃないの？」 さっきからマックのおもちゃを欲しがっていた彼が、私は気になります。 しかし彼女は、カラッと微笑んでこうひと言。 「いいの、いいの！ 息子よりジャニーズ!!」 息子よりジャニーズ――。 屈託なく言ってのけるママが、目立つようになりました。 言葉だけ見ると、〝息子をほっぽらかしてジャニーズにかまけるダメなママ〟とか、〝母親なのにチャラチャラしてる〟とか、マイナスイメージでとられることが多かろうと思います。 「あそこのお母さん、〝息子よりジャニーズ〟なんて言ってみっともない」と、眉をひそめられることもありましょう。 しかしながら、真意は異なります。 「息子よりジャニーズ」とは、 「（ときめきを向ける相手は）息子よりジャニーズ」 ということであり、多くのジャニヲタママたちは、教え、導き、育て上げる対象である〝息子〟と、華やいだ気持ちをそそぐ〝ジャニーズ〟をきちんと切り離して見ています。 ときめきや恋愛気分まで息子にかぶせてしまったら、余計こじらせてしまいそう。 その点、「息子よりジャニーズ」なママたちは、いろいろとおおらかです。 また、息子たちも「母のしょうもなさ、子供っぽいところ、可愛さ」を肌で感じて、自立した男に育っていく模様。ときには、「この人、ホントあきれるわ」なんて母親に醒めたまなざしを向けながら、健全に母離れしていく彼らは本当にりりしいです。 以下は、ジャニヲタママのおかげ（？）でしっかり者になった息子さんたちの証言です。 「こないだ家に帰ったら、母親がメソメソしてて。なにかと思えば、〝明日コンサートなのに、うちわがうまくできない！〟って泣いてんの。 バカじゃねえの？と思いながら、オレ器用だから手伝ってやりましたけどね 」（マモルくん・18） 「うちは、〝お母さん、明日はコンサートだよー！〟っていうのが、〝明日の夕飯は自分たちでなんとかして〟っていう合図で。おかげでカレーとか、しょうが焼きに味噌汁とか、簡単なものだけど 自分で料理できるようになりました 」（タカシくん・16歳） 「うちの母親は、ジャニーズに熱愛報道が出るたびに凹んでて。ウケますけど、 いくつになっても女ってそういうもんなんだなって思いましたね 」（トシアキくん・20） 恋人気取りでママにつきまとわれるより、情熱はジャニにシフトしてくれたほうが、彼らものびのびできるのかもしれません。 さて、冒頭の続きです。 街路に面したカフェでくつろいでいると、小夜子が私の袖を引っ張りました。 「来た！」 見ると、通りの向こうから彼女の好きなジャニーズがやって来るではありませんか。どうやら近所に住んでいるらしく、何度か同じ時間帯に彼を見かけたそうなのです。 彼がカフェの前を通り過ぎるほんの数十秒間、彼女はそっと熱い視線を向けていました。 「あーっ！ カッコよかった！ これで今日もがんばれるっ!! マック行ってたら会えなかったもん......やっぱ、息子よりジャニーズ！」 「......ですなあ」 帰り道、小夜子からLINEが入りました。 「今日は楽しかった！ 昨日まで幼稚園のバザーの準備で死んでたの。明日は５時起きで息子のサッカークラブの応援遠征、午後からは保護者会の集まり！ 死にそうだけどがんばる！ 次のコンサートは絶対行くからね。息子よりジャニーズ！」 息子よりジャニーズ！ 母としてめちゃくちゃがんばり、強く深く、絶妙な距離をとって息子を愛しているからこそ、堂々と言い放てる言葉なのだろうと思います。 「息子よりジャニーズ！」 愛嬌たっぷりに言ってみせるひとが増えたら、日本のママ界はもっと幸せになる。 そんなふうに、思いました。 文／みきーる ジャニヲタ・エバンジェリスト。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック"女子マインド学"を提唱。著書に『 ジャニヲタあるある 』（アスペクト）『 ひみつのジャニヲタ 』（青春出版社）他。　●Twitterアカウント: @mikiru 　●公式ブログ：『 俯瞰！ ジャニヲタ百景 』 ■急上昇ワード「ボブ・ディラン」 ・ ボブ・ディラン、「奴隷制度がアメリカを駄目にした」と発言 ・ ボブ・ディラン、オバマ大統領より勲章授与 ■フォトギャラリー 【ギャラリー】気合入りまくり！セレブ達のハロウィンコスプレ【フォト集】122 ■フォトギャラリー 【ギャラリー】愛猫＆愛犬が写真に写りこんだ瞬間【おもしろフォト集】125