今年の第89回アカデミー賞が、2015年のミスユニバース世界大会で優勝者の名前を間違えたスティーヴ・ハーヴェイの二の舞いを演じてしまった。
正確に言えば、それを演じたのは、作品賞の受賞者を『ムーンライト』ではなく『ラ・ラ・ランド』と発表してしまったプレゼンターのウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイだ。取り違えが訂正されたのは、『ラ・ラ・ランド』が(誤って)受賞してからかなり経過した時点だった。
『ラ・ラ・ランド』陣営は、すでにステージに立って作品賞のオスカーを受け取り、受賞スピーチを始めていた。しかし、ベイティとダナウェイの発表した受賞作品名が間違いだったことが非常に気まずい形で明かされたのだ。『ラ・ラ・ランド』陣営は、これはジョークではないと繰り返し、「ムーンライト」と記載されたカードを証拠に掲げさえした。
ベイティは、封筒を開けてみると「エマ・ストーン、ラ・ラ・ランド」と書かれており、「だからフェイと君たちをあんなに長いこと見てたんだ。おどけてたわけじゃないよ」と釈明している。すると、プレゼンターの2人が作品賞ではなく主演女優賞のカードを誤って渡されていたということだろうか? もしそうなら、ダナウェイはそのカードをあまり近くで見ていなかったため「ラ・ラ・ランド」の部分だけを読み上げたのだろうか? なぜ、レオナルド・ディカプリオがすでに主演女優賞を発表したのに、主演女優賞のカードが残っていたのだろうか?
『Deadline』は事の経緯を次のように推測している。
「なぜこのようなことが起こったのだろうか? 推測するに、プライスウォーターハウスクーパース(訳注:アカデミー賞の投票を管理したコンサルティングファーム)は、各受賞者について封筒を2枚ずつ用意していた。そして、プレゼンターに渡した封筒が、作品賞ではなく主演女優賞のものだった。だからベイティは口ごもり、これはどういうことかと困惑していたのだ。似たようなハプニングは以前にもあった。同僚のピーター・ハモンドによると、1964年、サミー・デイヴィス・Jrは別の音楽部門の封筒を渡されたという」
もし本当に舞台裏の誰かが間違った封筒を渡したせいだとしたら、自ら釈明するべきだろう。それにしても、『ラ・ラ・ランド』陣営がスピーチを始めるもっと前に、誰かが間違いに気付くべきだった。
Oscar Error: "The Oscar for Best Picture goes to La La Land" - Faye Dunaway. Later announcing Moonlight as the correct winner. #Oscarspic.twitter.com/DbLlbmNB3h - 7 News Sydney (@7NewsSydney) 2017年2月27日
それにしても、今回の出来事は前述のスティーヴ・ハーヴェイの出来事を思い起こさせる。今となっては、彼がその失敗で非難されることもなくなったが・・・。以下の映像で、気まずすぎる瞬間をご確認いただきたい。
OMG!
RSS情報:http://news.aol.jp/2017/02/27/awkward-moonlight-actually-won-oscars-2017-best-picture-not/