今年のアカデミー賞獲得が有力視されている『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でプロデューサーとして製作に関わったマット・デイモンが、このほど米AOLとの独占インタビューで、自分にインパクトを与えた映画、そして第89回アカデミー賞を誰に獲って欲しいかを語ってくれた。
「自分にとっての今年一番"やられた"と思った映画は間違いなく『ムーンライト』です。もう2回観ましたが、打ちのめされました」
『ムーンライト』はマイアミの貧困地区を舞台に、ある黒人男性が少年から大人に成長していく中で、自分の居場所とアイデンティティーを見つけるために苦悩する姿を描く物語だ。
「お気に入りの映画の1つだというのは間違いありません。単に"今年の"ではなく、"ここしばらく、かなりの間の"お気に入りですね」
『ムーンライト』は、アカデミー賞で作品賞、監督賞(バリー・ジェンキンス監督)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、助演女優賞(ナオミ・ハリス)など8部門にノミネートされている。
この映画が他の一般的な黒人映画と違うのは、ドラッグまみれのスラム街に住む少年を描いている、というだけではなく、少年がセクシャルマイノリティである事を描いている点にあるだろう。アイデンティティーを見つけようとする黒人の少年シャロンの姿を、少年期から青年期、成人期まで、異なる時代で描き出す。
マット・デイモンがプロデューサーを務める『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、作品賞、監督賞(ケネス・ロナーガン監督)、助演男優賞(ルーカス・ヘッジズ)、助演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)など6部門にノミネートされており、『ムーンライト』と直接対決を繰り広げる。
■参照リンク
http://www.aol.com/