新作映画『A Ghost Story(原題)』の予告編が公開された。この作品のストーリーは、死んだ夫の幽霊が妻の居るところに化けて出るという物だが、決してホラーではない。
その代わり、と言っては何だが、サンダンス映画祭でデビューを果たすこの映画は、何やら静かに思いにふけるような、ムーディなドラマ作品になっている。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞を受賞したケイシー・アフレックがこの死んだ夫を演じる。交通事故でこの世を去ったこの夫は、妻(『ライオン 25年目のただいま』のルーニー・マーラ)を見守るべく戻って来るのだが、その姿は、白いシーツを被り、目の所には2つの穴が開いているという出で立ち。妻は、連れ合いの死に心を痛めながらも、気持ちを切り替えて前に進もうとしているのだが、夫はその後も妻のもとへずっと化けて出るのである。
サンダンス映画祭でのこの作品のレビューを見ると、ホラーでもスリラーでも、ましてやロマンチックなドラマでもない、どのジャンルにも属さない作品だとされている。撮影方法もユニークで、ほぼ正方形の画面アスペクト比である。作品中で夫が死ぬと、その後、演じるアフレックの姿はおろか、シーツの穴の奥にあるであろう目も写らないし、その声を聞くこともない。だが、彼は確かにそのシーツに下に居るのである。先ごろアカデミー賞を受賞した俳優が選んで出演した作品としては、かなり面白いものと言えるだろう。
『A Ghost Story(原題)』は米国で7月7日から公開予定。
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